第六十六話　有希救出作戦 番外編　作：怪盗七夜月

・咲夜は洞窟でのデュエルで勝利するが、疲労により倒れてしまう。目覚めた時は小屋に居て、有希とセレナとジャックが居た。どうやらジャックたちが有希を助けてくれたみたいだ。


そして翌日。
有「咲夜～」
咲「zzz⋯⋯」
　咲夜はぐっすりと寝ている。

有「起きて～」
　体を軽く揺さぶる。すると咲夜の目が開く。

咲「ん⋯⋯？有希⋯⋯おはよう⋯⋯」
有「もう朝の8時よ。ご飯食べて」
　朝食を乗せたお盆を置く。咲夜はゆっくりと起き上がる。

咲「誰が作ったの⋯⋯？」
　その質問は愚問だ！愚問にしか思えん。

有「相変わらず鈍いわね⋯⋯、私よ！」
咲「そうか」
　そう言って黙々と食べる。

有「どう⋯⋯？」
　咲夜は口で言う代わりに頷いた。


その日の夕方。外にて。
有「さ～くや！」
　待っていた咲夜を手で目隠しした。咲夜は「前が見えないから離して～」そう言って手足をジタバタ。

有希は目隠しを解いた。咲夜は有希の方を向く。
咲「⋯⋯！」
　一瞬見てまた前を見た。顔が赤くなってる。

有「⋯⋯似合ってる⋯⋯？」
　咲夜は答える代わりに頷いた。そして

咲「早く行かないと混んじゃうよ⋯⋯」
　そう言って先に歩いた。

咲「ここだな」
　暗い夜に沢山の電気が眩しい位に光っている。既に人の往来がすごい。

有「早く行こう！」
　今日は有希に振り回されそうだ。でも、今日はいいか。

それからというもの、色々な所を回った。
金魚すくい➡なぜか出目金3匹すくってきたが持って帰っては来なかった。
射撃➡なんとかなりの的中率で外したのは1発のみ。なんか貰ったらしく大はしゃぎしてた。

だが、それだけではなかった⋯⋯

有「焼きそば食べたい」
有「ポテト食べたい」
有「たこ焼き食べたい」
　そう、食欲も凄かった⋯⋯以上3つを一人で食べたのだ。

咲「もうすぐで、花火上がるかな？」
有「かき氷食べながら見よ！」
　これは2人で食べることにした。有希はレモン、咲夜はスイカ味。

2人は河川敷に来た。すると少したって花火が始まったようだ。

有「奇麗だね」
咲「うん」
有「咲夜、こっち向いて？」
　「なに？」となって有希を方を向く。すると

咲「ン⋯⋯！？」
　かき氷のスプーンを咲夜の口に突っ込んできた。しかも有希のを。

えへへ、と笑う有希。
咲「なに⋯⋯してんの？」
有「見たらわかるでしょ⋯⋯！」
咲「分かるけど⋯⋯」
有「いいの。ちょっと来て！」
　咲夜は有希に引っ張られる。有希のスプーンも加えたままで。連れていかれたのは人気のない静かな所。

咲「で、なんでこんな所へ？」
有「⋯⋯」
咲「花火綺麗だな」
　そうか、そこからでも見えるのか。

有「咲夜⋯⋯」
咲「⋯⋯」
有「私、咲夜のこと好きやん！」
　「ドーン！」と大きな花火が上がる。

咲「聞こえなかった。もっかい言って」
有「え⋯⋯//」
　咲夜の反応に、タジタジな有希。

有「咲夜のこと好いとる⋯⋯」
　咲夜は頭を少し掻いた後、自分のスプーンでかき氷をすくって口に突っ込んでやった。

咲「さっき貰ったから。それと僕といると色々面倒だよ？」
有「⋯⋯それでもいい」
咲「戻ろうか」
　二人はセレナたちのもとへ戻る。

咲「有希⋯⋯」
有「なに？」
咲「浴衣、似合ってるな」
有「ありがと」
　すると有希が手を差し出す。

有「手ぇつなご？」
　そう言うと咲夜の手を握ってきた。咲夜も嫌ではなかった。

少し経つと小屋が見えてきた。
有「咲夜⋯⋯ありがと」
咲「別に⋯⋯それより明日戻るから」
　そう言ってセレナ達の戻る小屋へと入った。


第六十七話へ続く