第五十六話　戻ってこない！　作：怪盗七夜月

・全校朝礼で紹介された3人のうち1人の咲夜は、昼休みに一人でくつろいでいた。そこに雪がやってきて、とある場所へ連れてかれる。そこには3人の寮長の先生がいた。咲夜は精霊が見えるが同じように、十代、準も精霊が見える様だ⋯⋯


放課後。学校近くの岬で一人座っている咲夜。

咲「まだ制服姿は慣れないな⋯⋯」
　海辺には夕日が差し込み、海水に反射している。

咲「そろそろ戻るか』
　そう言って立ち上がる咲夜は寮へ戻る。

そのころアカデミア敷地内某所。

有「⋯⋯」
　いつもの様に一人で帰る有希。すると

有「⋯⋯キャッ⋯ウ⋯⋯ンン⋯⋯ン⋯⋯！⋯⋯、、」
　後ろから誰かに口に何かを充てられた。しばらくして有希は静かになった⋯⋯
　その「誰か」は有希を大きなカバンに入れて立ち去って行った⋯⋯


その日の夜。
珍しく有希が居ない。特に部屋に変わった様子はない。唯一変わっているのは、有希の本が置きっ放しになっている事。

咲「有希、どこ行ったんだろう⋯⋯」
　そう言って頭を掻く。

咲「外かな？」
　そう言って外に出る。外は風が吹いていて涼しい。咲夜は寮の周り、校舎周辺、岬⋯⋯隅々まで探した。

咲「居ないな⋯⋯」
　そう言って寮へ戻る。

咲「きっと何かしてるのかな？今日は寝よう⋯⋯」
　そう言ってベットに入った。有希が戻ることも考えて電気はつけておいた。


翌日。
電気は消えていて、有希は部屋に居なかった。

咲「もう学校行ったのかな？」
　そう言って咲夜は校舎へ行く。

その日、有希はその日、授業に出てこなかった。会うことも無く1日が過ぎる。

咲「どうしたのかな⋯⋯？」
　咲夜は少し心配になった。その後、校舎へ戻った。

その日の夕暮れ。
咲夜は閉まりかけた校舎のドアに向かって一直線。

咲「入れて下さい！」

警備員「もう時間だよ。他の生徒も居ないから。明日にしなさい」

咲「緊急事態なんです！」
　必死で言った。警備員さんは何かを悟ったらしく「気を付けて」、と入れてくれた。

職員室。

咲「失礼します！校長先生と遊城十代先生はいらっしゃいますか？」
　昨夜は早口で言った。

先生「2人とも校長室に居ると思います」

咲「ありがとうございます！失礼しました！」
　そう言って職員室を後にした。

そして校長室。

咲「校長先生！遊城先生！」
　昨夜は駆け込んだ。

十「咲夜！どうしたんだ？」

咲「昨日の夜から⋯⋯ハァ⋯ハァ⋯有希の姿が⋯⋯見えません⋯⋯！」

ヨ「なんだって⋯！？」

咲「部屋も、敷地内も探しましたが、いません！」

十「先生！」

ヨ「よし！十代くんは咲夜くんと一緒に寮へ、私はカメラから情報を探る！」

十「はい！」

そう言って2人は校長室から出て行った。


その頃某所。
？「こいつを金蔓で使えば⋯⋯！」
？「ああ⋯⋯計画を⋯⋯実行しよう⋯⋯！」


第五十七話へ続く