第十九話　懺悔の用意　作：怪盗七夜月

・クルミを誘拐され、必死で探すクルトに人だかりが見えた。そこには貼紙があり、「夕刻5時に港の倉庫に来い」と書いてあった⋯

・クルトサイド
「僕がその紙に書いてあるクルトだ！誰か倉庫の場所を教えてくれないか！」
そう言った時、周りがざわめいた。
その時⋯何かが無くなっている⋯クルトは焦る。
「デッキが⋯デッキがない！」
そのこととは裏腹に、一人の男の子が
「僕、その倉庫の場所知ってる！」
といきり立って行った。周りはまたざわつく。
「ほんと!?教えてくれないか！」
とクルトが聞くと
「もちろん！」
と言った。


・ルカナサイド
「もうちょいで来るんじゃねぇか⋯？」
「覚悟しとけ⋯クルトがコテンパンにしてくれるわ！」
ルカナは言う。
「覚悟なんて要らねぇよ⋯」
そう言って、あるものを取り出した。
「貴様⋯⋯外道にも程があるわよ！！」
取り出した物はクルトのデッキだ。
「ハハハ⋯⋯ハハハ⋯⋯！！」
男たちはそういって笑った。

・クルトサイド
クルトは男の子の友達の車でその倉庫へ向かっていた。
「災難だな⋯友達が誘拐されるなんて⋯⋯」
「⋯⋯⋯」
クルトは黙っている。
「すごいんだよ！まだ13なのに車運転出来るんだよ！(自動運転だけど)」
「ああ⋯すごいな⋯」
クルトは無表情で答えた。
「この街に英雄がいるんだ⋯その名は⋯「不動遊星」」
その言葉に反応した。
「サテライトの英雄⋯！」
そうつぶやいた。

《数十分後》
その時、男の子がある物を渡した。
「これ⋯使って⋯！」
デッキだ。クルトは顔を上げるとそれを受け取った。
「クルト君⋯つきましたよ！」
クルトは外を見た。雨が降り始めた。
「ありがとう！」
クルトはお礼を言ってすぐさま走り出した。
倉庫は3つあったが、1個だけ少しばかり扉が開いていたのでそこに進んだ。

「あと1分⋯⋯」
「来ないんじゃねぇか？ビビッて⋯！」
「かもな！ｗｗｗ」
男とその仲間が嘲笑う。
「五月蝿い！」
ルカナは言う。すると
「あと10秒！みんなでカウントしてやろうじゃねぇか！」
「10！9！8！７⋯⋯」
そういってグループ一同でカウントダウンを始めた。
「4！3！2！」
「待たせたな～！！」
その声に周りは騒然とした。
「来たか⋯！」
「クルト！」
「ぎりぎりで来たか⋯！」
男は舌打ちをした。
「あれ？ルカナじゃん！」
クルトはルカナも居たことに驚いた。
「⋯⋯ちょっとドジっただけだ！」
そういうとすかさず
「こいつらか⋯！覚悟しとけよ」
と言った。すると
「デッキはここだぜ～！」
と言った。
「返せ！」
と言った。すると
「返す訳無いだろー？」
と言いデッキに火を付けた。
「貴様等ァ⋯！！！！」
「クソッ⋯何たる外道！！」
するとポケットにあったカードが光る。
≪クルト⋯とても危険な感じがする⋯！≫
と聞こえた。その声はゼルナイト。クルトのキーカードだ。
「まだ言って無かったな⋯俺の名はヴァント！」
「貴様⋯懺悔の用意をしとけ！」

《決闘！！》

第二十話へ続く