第２４話　くじマシーン　作：にしん

　高島市内の高島駅付近のホテルにて。

要「なんでこうなったんだろう・・・」

瀬戸さんがあらかじめ取っていたホテルは何故かツイン一部屋、ダブル一部屋、シングル二部屋。そして俺がいるこの部屋は・・・


―――


直前のロビーにて。

静流「値段と空き状況の関係で部屋割りが割とカオスなことになってるからどう分けようかしら」
マイケル「おｈ・・・ツインならデュエルし放題な気がしマスガ、日本のシングルの狭さも捨てがたいデスネ・・・」
結花「あたし遊二とツインがいいー」
要「・・・普通に考えて男がシングルだと思うが」
恵那「広い部屋で寝てみたいです・・・」

まぁそれぞれ意見が分かれる（分かれてない気がする）ようで。でも瀬戸さんは想定済みなのか鞄から遊戯王のカードを五枚取り出した。

静流「この中にはブルーアイズ二枚、ブルーアイズツインバースト二枚、そしてブルーアイズアルティメットが入っているの。ツイン引いたらツイン、普通のを引いたらシングル、そしてアルティメットは大当たりのダブルね」

瀬戸さん自慢のブルーアイズカードで即席のくじを作り出したようだ。

マイケル「つまりデスティニードローをすれば望む部屋に入れるというワケデスネ・・・イイデショウ」
要「むっ、デスティニードローなら俺も負けん」
結花「あたしはどこでもいいよー」
恵那「ダブルがいいなぁ・・・」

そして四人はそれぞれカードを選んで瀬戸さんの手からドローをする・・・！！


―――


　俺の部屋はやたら広い部屋にシングルベッドが二つ。そしてさっきからもう片方のベッドに座ってめっちゃ戸惑いまくっている女の子。

要「まぁ、そんな緊張しなくてもデュエル以外何もしないて」
恵那「ふあっ！？そ、そそそそそ、そんな、私は何も・・・」
要「・・・部屋、ダブル引いた結花と変わろうか？」
恵那「い、いえ、お気遣いなく・・・（お、お兄さんと一緒が、いい、です・・・）」

緊張しすぎているのかめっちゃテンパっていてかわいい。だけど後半部分何を言ったのか聞こえなかったがオーバーヒートしそうなので聞き返さないことにした。しばらくしたら落ち着いたようで、明日以降の朝の観光や午後のプールについて晩御飯の時間までおしゃべりした。


・・・


晩御飯後、何故か全員俺がいるツインの部屋に集合していた。

要「ツインとはいえ５人いると狭いぞ」
結花「まぁ気にすんなってー。それより遊二、昨日準備してたらあたしが昔使ってたデッキが発掘したんだー」
要「昔というと・・・なんだっけ」

結花はポーチからデッキを複数出し、その中で一番古そうなデッキケースを手に取った。ふたを開けてデッキを取り出す。

要「ずいぶん綺麗なカードだな」
結花「綺麗だからほとんど使ってないんだけどねー」
静流「こ、これはまさか・・・！」
恵那「わ、私も見る」

瀬戸さんたちは結花のカードを見て驚愕する。そして安定のオーバーリアクションともいうべきポーズをしているマイケル。そんなすごいカード、結花持ってたっけ？俺もそのカードを見る。

恵那「わあ、綺麗なイラスト・・・」
マイケル「コレはほとんど出回っていないという・・・」
静流「＜星竜・星龍＞！」
要「なんか聞いたことあるな」

効果が独特だったんだけど何故か全てのカードがレア以上のレアリティでかつシークレット並みに出にくいと言われていたカテゴリ＜星竜・星龍＞。結花はそのカードを集めきり、一つのデッキとして完成させていた。

結花「でもどうやって手に入れたのかあたしにも分からないんだよねー。遊二は？」
要「俺も知らん」
マイケル「噂ではホルアクより手に入れにくいと聞きマシタガ・・・」
恵那「そ、そうなんですか？」
マイケル「中古は軒並み２０００円以上デス」
静流「組もうとしたら諭吉５人は軽く飛ぶわね。多分だけど全部パックで当てたんじゃないかしら、昔の川澄さんが」
結花「うーん、大事にしていた記憶はあるけど・・・まぁいっか。ということでマイコー、これでデュエルしよー」
マイケル「ま、幻の＜星竜・星龍＞とデュエル・・・コレハ、デュエるしかないデスネ・・・！！デッキ取ってきマス！」


―――
おまけ
恵那「あっ」
結花「恵那ちゃんどした？」
恵那「今日って“遊戯王ＥＭ”の重要な回です。ここで見れるかな？」
要「んー・・・おっ、映るみたいだぞ」
恵那「やったぁ」

瀬戸「でも今回って確か割とエグい回だった気が・・・」
マイケル「デッキ持ってきまシター♪早速やりまショー！」