第２９話　プールデュエル開幕！　作：にしん

結花「おまたおまたー！」
静流「やっぱりその浮き輪は使うのね、マイケルくん」
恵那「っ・・・」

若干１名恥ずかしそうに瀬戸さんの後ろで縮こまってるかわいい子がいるが気にしないでおこう。それよりも案の定結花と瀬戸さんの水着がとんでもなく気合の入ったものだった。

要「結花、てっきりスク水で来るかと思ったぞ」
結花「流石にリアルでこの年でスク水はねー。もちろん中学のがまだ着れるけど」

まぁ見た目中学生・・・というより高校生デビューぐらいだしなぁ結花は。スク水で来るかと思いきや普通に上はタンクトップタイプ、下はボーイレッグタイプのまさしく元気とバカが取り柄の結花らしい水着だった。

マイケル「瀬戸サンの水着はブルーアンドホワイトデスネ」
静流「私と言えばブルーアイズ。苗字が社長の名前と同じだしね。漢字はちょっと違うけど」

瀬戸さんの水着はてっきりブルーアイズのイラストが描かれたものかと思ったが、大学生かつふくよかな体型を活かすようなフレアビキニ。そしてその色も青白と白で構成されたブルーアイズ風。何故か下は横を紐で結ぶタイプで際どいのだが、それを意識したのかパレオを装着していた。そのパレオもやっぱり青白と白・・・というか案の定そこに＜ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン＞が大きく描かれていた。もしや自前か？

瀬戸「要くんの察している通り、私の手作りなの」
要「だろうな。すごいな。クオリティも申し分ない」
瀬戸「ちなみに裏地は滅びのバーストストリームのようなビーム状のデザインにしてみたの」

ひらっとパレオをなびかせると確かに腰を中心として放射状にのびる滅びのバーストストリーム風デザイン。泳いでいる時に覗いたら３０００のダイレクトアタックダメージを受けそうだ。それほどしっかりとした色合いだった。

そしてさっきから恥ずかしそうにしている恵那さんだ。視線を向けると逃げだしそうな感じがするけど、恵那さんは躊躇いながらも自慢の水着を見せつけてくれた。

恵那「ど・・・どうですか？私の水着も・・・」

恵那さんの水着は売り場では見かけなかったもの。オフだと内気で恥ずかしがりやな恵那さんにぴったりな普段着みたいなタンキニ。

マイケル「イイデスネ～」
要「だな。みんな似合ってる」
結花「うひひ」
静流「ありがと」
恵那「はうぅ・・・」


　そしてだだっ広い流れるプールにて。前方を流れるマイケルがおもむろに腕のデュエルディスク型浮き輪をかざした。それを見た結花が平均より小さい身体を利用して大きめの浮き輪の上に座り、謎のポーズをする。

結花「プールデュエルだね！カードはないけど私たちには見える魂のカードがあるから大丈夫だ！」
マイケル「ボクのターン！ドロー！」

その後、２人はそのまま流れながらデュエルごっこをしていた。目立つマイケルの浮き輪のおかげで周辺の子供たちに注目されていた。

要「瀬戸さんは乗らなかったか」
静流「デュエルは２人で行うものよ？」
要「・・・現実的な理由だな」


次は波のプールにて。大波が流れる時間帯でやっぱりデュエリスト２人がはしゃいでいた。

マイケル「＜激流葬＞デス！」
結花「ぐわーっ！あたしのモンスターたちがーーー！」

と言いつつ結花の浮き輪が見事に流され、結花自身も流されるのを見て俺たちは爆笑していた。

恵那「きゃっ！ぶくぶくぶく・・・」
要「ひっくり返ってやがるぜ」
静流「ボールじゃバランス保つの難しいよね」

その後、波乗りを繰り返そうとしては転覆する恵那さんだった。そこに流された結花の浮き輪がそばに来る。というかそのままかい。波に乗りつつ浮くのに疲れたから利用させてもらうか。浮き輪に入り込んだ瞬間、浮き輪の両側に２人がうちあがった。

結花「はーっはーっつかれた遊二ー」
要「そりゃ波に乗るようにバタフライするからだ」
恵那「ボールどこかにいっちゃいました・・・」
要「マジか」

その後、ボールは瀬戸さんが回収していた。

そして日が暮れるまでウォータースライダー、水上アスレチック、長いプール、深いプール、温水プールなどなど・・・時々エアデュエルをかましながら疲れるまで楽しんだ。


　晩御飯をこれまたマイケルが気になっていた店で済ませ、コンビニで色々調達した後にホテルに戻る。部屋割は・・・変更なしか。つまるところは俺の部屋は恵那さんとのツイン、そしてプールで疲れているはずなのに集合するデュエリストども。目的はもちろん・・・

静流「今日は恵那ちゃんとデュエルしたいわ」
恵那「は、はい。よろしくお願いします」
マイケル「要クンデュエりまショー」
要「んじゃ先にコーヒー淹れるか」
結花「あたしもー・・・って偶数だからはみ出てるじゃん！」

今夜も日付が変わるまでデュエルしまくった。というか恵那さんもデッキ持ってきてたんだな。


ちなみに風呂は２日とも近くのスーパー銭湯で済ませたとか。