第３６話　余興と興味　作：にしん

　ランダムデュエル大会が終わる。終始盛り上がってたな。途中から恵那さんも様子を見にだけカードショップの方に行ってたのでレジには俺１人。

子供たちが帰り際に俺を見るなり「ばいばい、しのびのゆーじ！」「またしのびになってねー」とか言われて何か恥ずかしかった。やっぱりもう復活することはないだろう、シノビのユージ。

そして、俺の目の前にジュースやらお菓子を沢山入れたカゴを持った結花、瀬戸さん、マイケル、そして恵那さんが立った。

要「おっ、打ち上げ用か？」
結花「まあねー。場所は遊二の家だけどね」
静流「私たちは先に要くんの家に行って準備しておくわ」
マイケル「片づけはしたけど後で確認お願いしマスネ」
要「うい」

会計を済ませる。２５００円分とかなり買ったな。俺の部屋が大変になってそうだ。

要「ほれ、鍵」
結花「さんくす」

そして３人は俺の部屋へと向かいに退店した。

恵那「じゃあ・・・点検してあっちに確認行きましょうか」
要「そうだな」

点検をする時は俺が札束を数え、恵那さんが小銭を専用の道具に並べていく。だけどテレビとかでよく見る、札束を本みたいにペラペラとかっこよくめくることができないので数えるペースは遅い。１０枚ずつ纏められているのだけどしっかりと１枚１枚確認していく。お札は柔らかいからカードより数えるのが難しい。俺がデュエリストだったからというのもあるかもしれないが。

恵那「お兄さん。持ち方がちょっと違うかも・・・えっと、失礼します」

恵那さんは札束を持っている俺の手に触れる。柔らかい。なんというか、こんな柔らかい手で遊戯王のカードを捌いていたのかと考えるとカードが羨ましい。・・・のではなく、男として少々恥ずかしい。気が付けば札束の持ち方が修正されていた。

恵那「これで指を使って弾くようにしてみてください」
要「お、おう」

・・・

要「おっ、前よりスムーズに数えられるな。これで遊戯王のカードもスムーズに数えられたらいいんだけどな」
恵那「そもそも性質が違うから無理ですね・・・」
要「だなぁ」

そして点検が終わる。恵那さんと共にカードショップ側へと向かう途中、さっきの手の感触を思い出す。なるほど、あれが女の子の手の感触・・・

カードショップに入ると見事にランダムデュエルで使用したカードが無造作に放置されていた。と思いきや意外とカテゴリごとに分けられていた。

要「まぁ、あいつらにしてはよくやった方だな」
恵那「・・・・・」

さっさと綺麗にまとめて帰ろう。と思った瞬間、恵那さんはまたぐちゃぐちゃにかき混ぜてしまう。

要「！？」
恵那「えと、あの・・・お兄さん。まだ時間ありますし、私たちもランダムデュエル・・・しませんか？みんなの様子を見てたら私もやりたくなっちゃって・・・」
要「なるほど・・・まぁ１戦だけやるか。折角だし」

俺と恵那さんはデッキ用に２０枚ずつ、そしてＥＸデッキの５枚を無作為に選んでデッキにする。残りのカードは・・・まぁ、明日以降に片づけるか。

要「んじゃデュエルっと」
恵那「で、デュエルです」

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おまけの作者コメ

このペースだと次のデュエルパートがいつになるか不明だったので無理やりでもランダムデュエルを行うことにしました。特別ルールについては前回（３５話）参照。