『えみこ』と『ちかげ』の次回予告　作：はにわ改

　
ちかげ「さて・・・えみこさん、準備はいいですか？」

えみこ「へ？
なんだい、なんだい、あたしに何をやらせようってんだい？」

ちかげ「何を、って。
昨日も言ったでしょう！
今回は私たちが次回予告をするんです！」

えみこ「はぁ？
だってそれは真希と鳴瀬の役目だろ」

ちかげ「何にも聞いてませんね・・・（呆れ）
次回はその二人がデュエルするから、今回は私たちが予告を代行する事になった、って話したはずです！」

えみこ「あーあー、そだっけ？
すっかり忘れてた。
ていうか別にあたしいらないだろ。
ちかげがやっといてよ」

ちかげ「次回からは第二部が始まるんです！
その見所などを説明するのも、私たちの仕事なんです！」

えみこ「あたしゃ今、タッ○フォースの攻略に忙しいんだよ」

ちかげ「あれ、えみこさん、Ｐ○Ｐ持ってましたっけ？」

えみこ「刹那から借りたのさ。本体ごとさ」

ちかげ「ふむふむ・・・（画面覗き込む）。
なるほど、画面も綺麗でカードの絵柄も分かりやすい。
噂には聞いていましたが、良質なゲームのようですね」

えみこ「だろ？
ちかげもあたしの後で、刹那に借りてやってみろよ」

ちかげ「考えておきま・・・あれ？！
ちょっと、何で、かの有名な『ミドルエイジ・スウェット』の人が手札にあるんですか！？」

えみこ「ぎくっ」

ちかげ「しかも墓地には『壺』に『施し』に・・・ちょっと、なんですか、これは！？
不正の疑いがあります！」

えみこ「い、いや、にゃはは・・・こ、このゲームの中じゃ不正じゃないんだよ」

ちかげ「そんなわけないでしょう！」

えみこ「いや、だったらちょっと待ってなよ。
このデュエルすぱっと片付けるからさ」

ちかげ「（うわ・・・えぐい・・・まさに禁止カードの暴力、ですね）」

えみこ「よし、と。
ほら、ちかげ、見ろよ、このゲームの禁止・制限リスト」

ちかげ「ん～・・・？
禁止カード・・・『ツンドラの』・・・って何ですか、これは？！」

えみこ「な？
あたしゃ、不正なんてしてないぜ？」

ちかげ「こんな制限リストなんてあり得ません！
こんなんじゃ、やりたい放題じゃないですか！？」

えみこ「いやいや、だってさ。
金貯めるのタルいしさ。
たまには、さ？
ストレス解消？みたいな」

ちかげ「デュエリストがデュエルを面倒くさがるなんて、デュエリストの風上にも置けない人ですね、あなたは！
第一、そのゲームをやる目的意識がズレてるじゃないですか！」

えみこ「いや、だからたまーに、だよ、たまーに、な？
何せこの禁止カードってのはさ、中にはあたしらが子供ん時からリスト入りしているカードもあるんだぜ？」

ちかげ「だから何ですか」

えみこ「ちょっとぐらい、さ？
その破壊力を知るってのも・・・」

ちかげ「あなたの場合、ちょっとには思えませんけど」

えみこ「う・・・ま、まぁいいじゃねぇか！
えーと、それよりも次回予告、だっけか？」

ちかげ「まったく・・・。
さて、さっきも話しましたが、次回は真希さんと鳴瀬さんがデュエルをします」

えみこ「（ゲームしながら）へー、なんでまたあの二人が？」

ちかげ「鳴瀬さんが刹那さんに頼んでセッティングしてもらうみたいですね。
前もそうしてデュエルしようとしたんですが、真希さんが退いてしまったのでーー」

えみこ「ふーん、それで（棒読み）？」

ちかげ「・・・（怒）。
ーー没収」

えみこ「ああ、何するのさ！ちかげ！」

ちかげ「あなたという人は・・・仮にも生徒会副会長が、そんな態度でどうしますか！？」

えみこ「相変わらずちーちゃんはうるさいねぇ。
そんなんじゃ、彼氏出来ないぜ？」

ちかげ「な・・・あなたに言われたくありません！」

えみこ「何、言ってんのさ。
あたしゃこれでも、経験は豊富な方だぜ？」

ちかげ「な・・・な・・・」

えみこ「ちーちゃんも、ちったぁおしとやかにならないと、男なんて出来ないぜ？」

ちかげ「え、ぇえええみぃくぅおおさぁあああん！」

えみこ「や、やべ。
お、おい、それ刹那のなんだから投げたりすんなよな」

ちかげ「ふーっ、ふー・・・っ」

えみこ「え、えーと・・・そんで、ふーん（次回予告ボードを読みながら）、なるへそ・・・。
鳴瀬は不正入学の件を気にして、もう一度入学試験を・・・か。
その相手に真希、ってわけか、なるほどねぇ」

ちかげ「そのようです。
鳴瀬さんも真希さんの事件から、ずっと考えた上での結論みたいです」

えみこ「いいねぇ、応援したくなるじゃないか！」

ちかげ「ただ真希さんは素早い展開力から、一気に流れを持っていくデュエルですからね。
鳴瀬さんはそれに付いていけるのかが見所です」

えみこ「んじゃ、最強カード、行くよ！」

マジシャンズ・レジェンディリア
闇属性 魔法使い族
レベル ８
攻撃力 ？
守備力 ０
効果
①このモンスターの召喚・特殊召喚に成功した時、墓地からレベル２以下の魔法使い族モンスターを２体まで自分フィールド上に特殊召喚する。
②自分フィールド上の魔法使い族モンスターが戦闘ダメージを与える度に、このカードに魔力カウンターを１つ置く。
？？？？

ちかげ「鳴瀬さんの切り札ですね」

えみこ「へぇー、攻撃力？で守備力０か」

ちかげ「攻撃力がどのようにして決まるかが鍵ですね」

えみこ「えーと・・・（ちらちら）」

ちかげ「・・・（怒）そこ、覗き見しない！」

えみこ「えー、だって気になるじゃないか！」

ちかげ「まったく・・・疲れますね。
えーと、更に第二部前半では、アメリカ・ワシントンのトップデュエリストとの親善試合が組まれています」

えみこ「ひょう！
ってことは前大会の借りを返すチャンス、ってか？」

ちかげ「更に巷では、デュエリストが行方不明になる事件が増えてるとかーー」

えみこ「なんだい、そりゃあ。
デュエリストばかりを狙った誘拐事件ってか？」

ちかげ「分かりませんがーーどうも、そんな単純な話でもないようです」

えみこ「怖いねぇ、貞操の危機を感じちまうよ」

ちかげ「経験は豊富なんじゃないんですか？」

えみこ「何言ってんだい、あたしゃ掘れた・・・じゃなくて惚れた男にしか純潔は捧げないよ」

ちかげ「（もうツッコむ気にもなりません）・・・」

えみこ「てなわけで、次回は第二部第一話、『真希vs千鶴！私はもう守られるだけじゃない！』でお会いしましょー、ってか？」

ちかげ「皆さま、またお会いしましょう（ぺこり）」

えみこ「よーし、終わった、終わった！
んじゃちかげ、Ｐ○Ｐ返して」

ちかげ「没収、と言ったはずです。
校則違反に則り、反省文２枚を提出するように」

えみこ「ちょ、ちょいと、ちーちゃん、そりゃないぜ！」

ちかげ「ちーちゃん言うな！
とにかくこれは預かりますので。
早くしないと、刹那さんに返してしまいますよ」

えみこ「反省文２枚なんて書いてられっかよ！
返しとくれよ！」

ちかげ「ダメです！」

えみこ「にゅう～・・・なら、デュエルであたしが勝ったら返してもらうよ！」

ちかげ「ーーこのデュエル脳！」

（逃げるちかげを追っていくえみこ。
これにて第一部おしまい）