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61話 竜を狩るもの 作:コングの施し
アカデミア合宿3日目。2日通してプロデュエリストを含めた特別講師のもとで新たな技術を身につけ、経験をし、成長したデュエリストたち。龍平の父親である大石 竜也プロのもとで己が技術を磨いた龍剛院 嬢。そして東雲中顧問の侵介 ましろ、元プロである彼女のもとで学びを得た日暮 振士との戦いが幕を開けた。日暮によるフルスロットルでのペンデュラム展開を前に、嬢の反撃の火蓋が切って落とされる。
*
TURN:2
龍剛院 嬢(ターンプレイヤー)
LP :8000
手札 :5→6
モンスター:
魔法罠 :
フィールド:
日暮 振士
LP :8000
手札 :0
モンスター:《オッドアイズ・ペンデュラムグラフ・ドラゴン》《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》《クロシープ》
魔法罠 :
Pゾーン :◆《オッドアイズ・アークペンデュラム・ドラゴン》 ◇
フィールド:《天空の虹彩》
嬢「私のターン!」
嬢は、目の前で繰り広げられた光景に目眩すら起こしていた。4つの召喚法をたった1ターンで扱った日暮 振士という少年。誰も成しえなかった、その偉業とら言えるほどの超爆発的な展開。彼女が慕う龍平ですら、デッキ単体の展開であればそのステージには立つことができないだろう。
しかし、彼女には、その顔には、気圧された色などなかった。
眼前にある3体の敵とそれを従える1人の召喚師。今、自分の手の中にあるカードの力、それを最大限引き出しぶつけることで、この盤面を突破する。このドラゴン達を、狩る。
嬢「いきますっ!
手札から《調和の宝札》を、《ドラグニティ−ファランクス》を捨てて発動ですっ!!」
嬢の手札から墓地へ送られたカードに目を向ける。この瞬間、差し込める妨害を持っていることは、日暮と嬢はもちろん、ギャラリーであるましろと竜也も理解していた。6枚の手札から、止められる枚数は2〜3枚程度。その行く末を決めることが、すなわち勝敗を決することに直結する。
嬢「《ドラグニティ−ドゥクス》を通常召喚!
その効果を発動ですっ!墓地の《ファランクス》を装備し、特殊召喚!」
《ドラグニティ−ドゥクス》(攻)
☆4 風属性・鳥獣族/効果
ATK:1500/DEF:1000
《ドラグニティ−ファランクス》(守)
☆2 風属性・ドラゴン族/チューナー/効果
ATK:500/DEF:1100
ひゅうう、と風が舞い込み、鳥獣の羽毛を携えた戦士の肩に、黒い小さなドラゴンが舞い降りる。手札の消費を1枚に抑え、早くも彼女の得意分野であるシンクロの下準備、チューナー+非チューナーの条件が整いつつあった。
嬢「現れて、絆を繋ぐサーキット!!」
日暮「…!!」
ましろ「…は!?」
嬢が指す手の先に、日暮が見せたそれと同じサーキットが形成される。その様に驚きを見せたのは、対戦相手である日暮と、彼女の顧問であるましろであった。チューナーを含めたモンスター2体=シンクロという固定されていた彼らの認識が、その一手で覆る。
嬢「召喚条件は、ドラゴン族・鳥獣族モンスター2体以上!
リンク召喚!リンク2《ドラグニティナイト−ロムルス》!!」
《ドラグニティナイト−ロムルス》(攻)
L2 風属性・ドラゴン族/リンク/効果
ATK:1200[↙︎・↘︎]
サーキットから放たれる青い光が2人の決闘者の顔を照らす。降り注いだ2本の槍が朧げに竜の様相を表し、そのドラゴンが姿を現した。ましろと日暮、2人にとってそのモンスターは持ち得る情報にないものであった。日暮が恍惚とした表情で口を開く。
日暮「リンク召喚、龍剛院さんも扱えるんだね……でも《オッドアイズ・ペンデュラムグラフ・ドラゴン》の効果がある!
キミのEXデッキからモンスターが特殊召喚されるたびに、300ポイントダメージを与える!」
金色に輝くその鱗が輝きを増し、瞳孔と肌をチリチリと焼く。じんわりとしたLPへの干渉に表情を歪めた。
(LP:7700) 龍剛院 嬢
嬢「……っ!!
《ロムルス》の効果を発動ですっ!
リンク召喚成功時に、デッキから《竜の渓谷》または《ドラグニティ》魔法罠を手札に加えますっ!」
《竜の渓谷》、そのワードに日暮の肩がぴくりと動く。《ドラグニティ》デッキの中核を担い、最重要のフィールド魔法。そこを止めるという苦難を突きつけた時、彼女が引き出すであろうデッキのポテンシャルに唾を飲む。その一瞬の隙を、日暮は逃がさない。
日暮「モンスター効果を発動した時、《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》の効果を発動。EXデッキから《竜剣士ダイナマイトP》をデッキに戻し、その発動を無効にして破壊する!
……ボルテックス・フォース!!」
烈風纏し双色の眼の竜。その瞳がギランと稲光のような輝きを見せ、同時にその翼が機械的に翻えった。轟く雷鳴がフィールドを引き裂き、白翼の龍騎の眼前まで迫る。
嬢「速攻魔法《禁じられた聖衣》を発動ですっ!
対象の攻撃力を600ダウンさせ、効果での破壊を無効にします!!」
雷撃を受け止める白いヴェール。核となる効果の無効、そしてその効果ではなくモンスターそのものを守った一手。その一瞬の攻防で、嬢の狙いが浮き彫りになる。
日暮(《ロムルス》の破壊のみを無効とする速攻魔法。つまり龍剛院さんにとって、そのモンスターを残すこと自体が目的なんだね…②の効果かな?
……なら、ここでそのモンスターは仕留める!)
嬢の狙いに迷いなく予測を打ち立てた日暮は、フィールドのそのモンスターを素早くタップした。
日暮「《オッドアイズ・ペンデュラムグラフ・ドラゴン》の効果を発動!!
魔法カードの発動を無効にし、自身をPスケールにセッティング!!」
嬢「フィールドからPスケールに!?」
金色に鱗を輝かせる双色の目の竜。その体が淡く光の中に溶け込み弾けてく。同時に嬢が手に握った《禁じられた聖衣》のカードがそのテキストを失っていく。
日暮「さらにこのモンスターを儀式召喚している場合、EXデッキから《オッドアイズ》モンスターを特殊召喚する!
……EXデッキより現れろ、《オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン》!!」
《オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン》(守)
☆5 闇属性・ドラゴン族/ペンデュラム/効果
ATK:1200/DEF:2400 [◆1◇]
解けた光が再び竜の顎門を模って集結していく。金色だったその鱗は白と紅に染まり、同じようなそのオッドアイで、嬢のことを睨みつける。
嬢(最初に貼られたPスケール!!
《天空の虹彩》で破壊されたからEXデッキにいたんだ……そして、《ロムルス》も、《禁じられた聖衣》も止まった!!!)
一連の攻防が、組まれたチェーンが、処理されていく。《ドラグニティナイト–ロムルス》を守っていた白いヴェールは砕かれ、その龍騎も《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》の効果によって音を立てて粉砕された。
日暮「さらにリンク先にモンスターが特殊召喚された《クロシープ》の効果を発動。リンク先に融合モンスターが存在することで、墓地から《スピリチューアル・ウィースパー》を特殊召喚。」
ぬいぐるみのようにやわらかな羊のモンスターは、慣れた手つきで青い鳥を縫っていく。布地の小さな青い鳥は、その手を離れるみるみるうちに本物と同じ質感を帯び、フィールドに降り立った。
《スピリチューアル・ウィースパー》(守)
☆4 風属性・鳥獣族/効果
ATK:200/DEF:2000
嬢は黙り込む。相手ターンの通常召喚からのリンク召喚、そして魔法カードの発動。それを防がれてなお盤面にモンスターを展開するそのデッキの地力に。しかし、一連の効果の叩き合いの中で、その思考と予測の面では、嬢が一歩リードしていることに、日暮は気づいていなかった。
嬢「……速攻魔法《ポップルアップ》!」
日暮「えっ!!?」
そのカードをディスクに打ちつけた瞬間、フィールドが瞬く間に塗り替えられ、虹に彩られた情景から、龍が住まう暁の渓谷へと景色が移ろい、せめぎ合っていく。
嬢「相手のフィールドゾーンにのみカードが存在する時に、デッキからフィールド魔法1枚を発動します!
……デッキから発動するのは、《竜の渓谷》!!」
日暮「あは、騙されちゃったな。本命はこっちだったか!!」
暁に染まるフィールド、オレンジに色に塗り変わった光が2人を照らす。その中で先にアクションを見せたのは嬢だった。
嬢「《竜の渓谷》の効果により、手札から《BF–精鋭のゼピュロス》を墓地に送り、デッキから《ドラグニティ–レガトゥス》を手札に加え、特殊召喚っ!」
《ドラグニティーレガトゥス》(守)
☆4 風属性・鳥獣族/効果
ATK:1800/DEF:1200
手札から墓地に送られる《BF》のカード、そして現れる鳥獣の槍持ち。かつて伝説の男を継ぐものとして名を刻んだそのデュエリストの力。それが今、墓地で真価を見せる。
嬢「《BF–精鋭のゼピュロス》の効果を発動です!
400ダメージを受ける代わりに発動中の《竜の渓谷》を手札に戻し、墓地から自信を特殊召喚っ!!」
(LP :7300) 龍剛院 嬢
《BF–精鋭のゼピュロス》(守)
☆4 闇属性・鳥獣族/効果
ATK:1600/DEF:1200
手札を回復し、さらにフィールドに2体のモンスターを揃えた嬢。しかしそこにいるのはどちらもチューナーではない単なる効果モンスター。その後の展開に胸を躍らせる日暮の口角が上がり滲んでいく。
日暮「まだまだ、見せてくれるよね!!」
嬢「……行きますっ!!」
嬢のディスクのフィールドゾーンが口を開く。それはすでに発動したはずのカード。しかし、彼女以外の誰もが見落としているからこそ、移ろう景色にオーディエンスは驚きを隠せなかった。
ましろ「《竜の渓谷》の再発動……!!」
嬢「このカード、名称指定の1ターン1度の指定はないんです。
だから私は、手札に戻して制約をリセットした《竜の渓谷》の効果を、再び発動!!」
再び暁に染まるフィールド。そして嬢の手札から《トランザクション・ロールバック》のカードが墓地に送られ、そのデッキから1枚のカードが抜き出される。
嬢「私はデッキからドラゴン族の《ドラグニティアームズ–グラム》を墓地に送り、効果を発動!!
墓地から《ドゥクス》と《ロムルス》を除外し、このカードを特殊召喚しますっ!
……来て、烈風の勇者《ドラグニティアームズ–グラム》!!」
オレンジ色のフィールドを凄まじい嵐が吹き荒れる。薄くなる空気、そして鼓膜を揺らす風音の中に、巨大な刃を引き摺る金属音と、野太い竜の吐息が混じっていく。嵐は暁か、はたまた炎かわからないほどに赤い火花の色へと変わり、内より翡翠色の瞳を輝かせ、そのモンスターが姿を見せた。
《ドラグニティアームズ–グラム》(攻)
☆10 風属性・ドラゴン族/効果
ATK:2900/DEF:2200
日暮「召喚権を使っているのにも関わらずそこまで展開できるなんて……いいね、凄いよ!!」
嬢「私は《グラム》の効果を発動!
《オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン》の効果を無効にしますっ!!」
雄大なる翼を翻す竜の騎士が炎がまとわり付いた剣で空を切り裂くと、暁に染まった風がそれを運び、日暮のモンスターの体に消えない切り傷を残した。あまりの勢いに腕を前にかざす。
日暮(妨害を全部剥がされた……!!)
盤面の優勢が、この一手でひっくり返った。それは両者ともに理解していることであった。しかし日暮のデッキはペンデュラム。EXデッキから際限なくリソースを供給することが可能な上、発動中のPスケールさえも、このターンで勝負を決めなければ敗因となりえるファクターであった。
竜也は組んだ腕を解かず、黙り込んだまま日暮のPスケールとなっている2枚のカードを睨みつける。
竜也(発動中のPスケール……2枚の《オッドアイズ》か。デッキからのリクルート、そして儀式のソースを供給するカード……)
ましろ(そこを断たなければ、勝機は未だ日暮にある状況…!!)
しかし嬢は、彼女は、それをまるで予見していたように、この状況を見越していたように、大きく息を吐いて叫んだ。
嬢「私は、レベル4の《ドラグニティ–レガトゥス》、《BF–精鋭のゼピュロス》でオーバーレイ!!」
日暮「え……エクシーズ!?」
その言葉に、ましろが日暮の後ろであんぐりと顎を落とす。重なり合う2体の鳥獣。元々シンクロ召喚をメインの戦術に据えた彼女のデッキにとって、その召喚法は異質さを際立たせるものだった。
重なり合うカードたち。そして構築される光の渦が弾け、皆底に光が差し込むように、深藍色の翼を翻す影がその渦から飛び出す。
嬢「2体の鳥獣族モンスターで、オーバーレイネットワークを構築ですっ!!
冀望の片翼たる神葬の依代!
舞い降りよ、ランク4《零鳥獣シルフィーネ》!!」
《零鳥獣シルフィーネ》(攻)
★4 水属性・鳥獣族/エクシーズ/効果
ATK:2000/DEF:2300
日暮「まさか……サブプランでエクシーズを用意していたなんて…!!」
氷ついた結晶が砕け、その破片が翼となって青くフィールドを照らす。嬢が初めて見せたエクシーズ召喚。その姿に驚く間も無く、息をつく間など与えずに、彼女はその能力を行使する。
嬢「オーバーレイユニットを1つ使い、効果を発動!
相手の表側表示のカードの効果を、次の私のスタンバイフェイズまで無効にし、さらにフィールドの表側表示のカードの数×300、攻撃力をアップします!!
……パーフェクト・フリーズっ!!」
その胸に魂とも言える光玉、オーバレイユニットを宿し、フィールドを凍てつくような青い波が包み込む。《零鳥獣シルフィーネ》以外のフィールドに存在するカードは9枚。この効果が通れば全てのモンスターを上回るほどの攻撃力、そして発動中のフィールド魔法とPスケールの効果が全て凍結されてしまう。
ましろ(Pデッキには致命傷だぞ!?…どうなる!!)
日暮「ペンデュラムのデッキにカード全体の効果無効を使ってくるなんて、やっぱりキミは素晴らしいよ。これをエンタメと呼ばずして……」
そう言いかけた時、凍てつくような風が日暮のフィールドの全てを凍り付かせた。白く染まったフィールドに、オレンジ色の陽光だけが輝いている。
(ATK:2000→4700) 《零鳥獣シルフィーネ》
日暮「何をエンタメって言えようか…!!」
嬢「これで全ての効果が無効……バトルですっ!!!」
嬢のフィールドに構える《ドラグニティアームズ–グラム》と《零鳥獣シルフィーネ》、異なる双色の竜と鳥獣が、凍りついた日暮のフィールドに足を踏み入れる。
竜也(日暮のフィールドのモンスターは4体!!ここで何を破壊するかがおそらく戦況を分つ!!)
嬢「《零鳥獣シルフィーネ》で、《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》を攻撃!
……アイス・レイッ!!!」
展開された氷の翼は巨大な槍となり、まるで凍てつく流星のように空気を白く染め揺らしながらフィールドへと落とされた。その大きさはもはやフィールドに存在し得たすべてのモンスターのそれをゆうに超え、日暮の視界の全てが、その白い巨槍に埋められる。
日暮「攻撃力……4700!!」
もはや巨大な質量攻撃。《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》は、決して貧弱なモンスターではない。しかし目の前の光景はどうであろうか。氷塊がそのモンスターを貫くでもなく、まるで押し潰すかのようにその氷の彗星の中で砕け散った。
(ATK:4700) 《零鳥獣シルフィーネ》
(ATK:2500) 《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》
(LP :5800) 日暮 振士
フィールドに留まることができなくなった《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》のカードが宙へと弾かれる。しかしそのカードは日暮の墓地へと送られることはなく、《ドラグニティアームズ–グラム》の剣へと光となって吸い込まれていく。
嬢「破壊されたモンスターを装備カードとし、《ドラグニティアームズ–グラム》の攻撃ですっ!《クロシープ》はフィールドに残させません!!
……ドラグニティ・グロー!!」
赫く燃ゆる刃が、ふよふよと宙を舞う夢羊の体をザッパと切り裂く。巻き起こった烈風と熱が日暮の元まで及び、その体がよろける。
(ATK:2900) 《ドラグニティアームズ–グラム》
(ATK:700) 《クロシープ》
(LP :3600) 日暮 振士
攻勢の天秤が完全にひっくり返った瞬間であった。日暮のフィールドに存在するのは《スピリチューアル・ウィースパー》と《オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン》。フィールド魔法もPスケールも残ってはいるが、それは嬢の《零鳥獣シルフィーネ》の効果で効果無効になっている。
日暮「はは…《クロシープ》と《ボルテックス》……一番いい選択じゃないか!!」
ましろ「それだけじゃない。
今のPスケールは4と8。しかしレベル5の《オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン》は効果無効の状態でフィールドに残っている!」
竜也(加えて、Pモンスターではない《ボルテックス》を装備カードとすることで墓地からの再利用を防いでいる…!)
嬢「私は、手札からリバースカードをセット……これで、ターンエンドですっ!!」
長い攻勢の1ターンが幕を下ろす。お互いに手札はゼロ。そして持ちえる全てを持ってLPと盤面を取り合った。しかし過酷なその戦いを経ても、両者は倒れることなく、立っている。「強くならなければならない」という意思が嬢を、彼女を動かしているのは、その声色や気迫から明らかだった。
ならば日暮を、彼を動かすのは……
日暮「ぼくのターン……」
続く
*
TURN:2
龍剛院 嬢(ターンプレイヤー)
LP :8000
手札 :5→6
モンスター:
魔法罠 :
フィールド:
日暮 振士
LP :8000
手札 :0
モンスター:《オッドアイズ・ペンデュラムグラフ・ドラゴン》《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》《クロシープ》
魔法罠 :
Pゾーン :◆《オッドアイズ・アークペンデュラム・ドラゴン》 ◇
フィールド:《天空の虹彩》
嬢「私のターン!」
嬢は、目の前で繰り広げられた光景に目眩すら起こしていた。4つの召喚法をたった1ターンで扱った日暮 振士という少年。誰も成しえなかった、その偉業とら言えるほどの超爆発的な展開。彼女が慕う龍平ですら、デッキ単体の展開であればそのステージには立つことができないだろう。
しかし、彼女には、その顔には、気圧された色などなかった。
眼前にある3体の敵とそれを従える1人の召喚師。今、自分の手の中にあるカードの力、それを最大限引き出しぶつけることで、この盤面を突破する。このドラゴン達を、狩る。
嬢「いきますっ!
手札から《調和の宝札》を、《ドラグニティ−ファランクス》を捨てて発動ですっ!!」
嬢の手札から墓地へ送られたカードに目を向ける。この瞬間、差し込める妨害を持っていることは、日暮と嬢はもちろん、ギャラリーであるましろと竜也も理解していた。6枚の手札から、止められる枚数は2〜3枚程度。その行く末を決めることが、すなわち勝敗を決することに直結する。
嬢「《ドラグニティ−ドゥクス》を通常召喚!
その効果を発動ですっ!墓地の《ファランクス》を装備し、特殊召喚!」
《ドラグニティ−ドゥクス》(攻)
☆4 風属性・鳥獣族/効果
ATK:1500/DEF:1000
《ドラグニティ−ファランクス》(守)
☆2 風属性・ドラゴン族/チューナー/効果
ATK:500/DEF:1100
ひゅうう、と風が舞い込み、鳥獣の羽毛を携えた戦士の肩に、黒い小さなドラゴンが舞い降りる。手札の消費を1枚に抑え、早くも彼女の得意分野であるシンクロの下準備、チューナー+非チューナーの条件が整いつつあった。
嬢「現れて、絆を繋ぐサーキット!!」
日暮「…!!」
ましろ「…は!?」
嬢が指す手の先に、日暮が見せたそれと同じサーキットが形成される。その様に驚きを見せたのは、対戦相手である日暮と、彼女の顧問であるましろであった。チューナーを含めたモンスター2体=シンクロという固定されていた彼らの認識が、その一手で覆る。
嬢「召喚条件は、ドラゴン族・鳥獣族モンスター2体以上!
リンク召喚!リンク2《ドラグニティナイト−ロムルス》!!」
《ドラグニティナイト−ロムルス》(攻)
L2 風属性・ドラゴン族/リンク/効果
ATK:1200[↙︎・↘︎]
サーキットから放たれる青い光が2人の決闘者の顔を照らす。降り注いだ2本の槍が朧げに竜の様相を表し、そのドラゴンが姿を現した。ましろと日暮、2人にとってそのモンスターは持ち得る情報にないものであった。日暮が恍惚とした表情で口を開く。
日暮「リンク召喚、龍剛院さんも扱えるんだね……でも《オッドアイズ・ペンデュラムグラフ・ドラゴン》の効果がある!
キミのEXデッキからモンスターが特殊召喚されるたびに、300ポイントダメージを与える!」
金色に輝くその鱗が輝きを増し、瞳孔と肌をチリチリと焼く。じんわりとしたLPへの干渉に表情を歪めた。
(LP:7700) 龍剛院 嬢
嬢「……っ!!
《ロムルス》の効果を発動ですっ!
リンク召喚成功時に、デッキから《竜の渓谷》または《ドラグニティ》魔法罠を手札に加えますっ!」
《竜の渓谷》、そのワードに日暮の肩がぴくりと動く。《ドラグニティ》デッキの中核を担い、最重要のフィールド魔法。そこを止めるという苦難を突きつけた時、彼女が引き出すであろうデッキのポテンシャルに唾を飲む。その一瞬の隙を、日暮は逃がさない。
日暮「モンスター効果を発動した時、《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》の効果を発動。EXデッキから《竜剣士ダイナマイトP》をデッキに戻し、その発動を無効にして破壊する!
……ボルテックス・フォース!!」
烈風纏し双色の眼の竜。その瞳がギランと稲光のような輝きを見せ、同時にその翼が機械的に翻えった。轟く雷鳴がフィールドを引き裂き、白翼の龍騎の眼前まで迫る。
嬢「速攻魔法《禁じられた聖衣》を発動ですっ!
対象の攻撃力を600ダウンさせ、効果での破壊を無効にします!!」
雷撃を受け止める白いヴェール。核となる効果の無効、そしてその効果ではなくモンスターそのものを守った一手。その一瞬の攻防で、嬢の狙いが浮き彫りになる。
日暮(《ロムルス》の破壊のみを無効とする速攻魔法。つまり龍剛院さんにとって、そのモンスターを残すこと自体が目的なんだね…②の効果かな?
……なら、ここでそのモンスターは仕留める!)
嬢の狙いに迷いなく予測を打ち立てた日暮は、フィールドのそのモンスターを素早くタップした。
日暮「《オッドアイズ・ペンデュラムグラフ・ドラゴン》の効果を発動!!
魔法カードの発動を無効にし、自身をPスケールにセッティング!!」
嬢「フィールドからPスケールに!?」
金色に鱗を輝かせる双色の目の竜。その体が淡く光の中に溶け込み弾けてく。同時に嬢が手に握った《禁じられた聖衣》のカードがそのテキストを失っていく。
日暮「さらにこのモンスターを儀式召喚している場合、EXデッキから《オッドアイズ》モンスターを特殊召喚する!
……EXデッキより現れろ、《オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン》!!」
《オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン》(守)
☆5 闇属性・ドラゴン族/ペンデュラム/効果
ATK:1200/DEF:2400 [◆1◇]
解けた光が再び竜の顎門を模って集結していく。金色だったその鱗は白と紅に染まり、同じようなそのオッドアイで、嬢のことを睨みつける。
嬢(最初に貼られたPスケール!!
《天空の虹彩》で破壊されたからEXデッキにいたんだ……そして、《ロムルス》も、《禁じられた聖衣》も止まった!!!)
一連の攻防が、組まれたチェーンが、処理されていく。《ドラグニティナイト–ロムルス》を守っていた白いヴェールは砕かれ、その龍騎も《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》の効果によって音を立てて粉砕された。
日暮「さらにリンク先にモンスターが特殊召喚された《クロシープ》の効果を発動。リンク先に融合モンスターが存在することで、墓地から《スピリチューアル・ウィースパー》を特殊召喚。」
ぬいぐるみのようにやわらかな羊のモンスターは、慣れた手つきで青い鳥を縫っていく。布地の小さな青い鳥は、その手を離れるみるみるうちに本物と同じ質感を帯び、フィールドに降り立った。
《スピリチューアル・ウィースパー》(守)
☆4 風属性・鳥獣族/効果
ATK:200/DEF:2000
嬢は黙り込む。相手ターンの通常召喚からのリンク召喚、そして魔法カードの発動。それを防がれてなお盤面にモンスターを展開するそのデッキの地力に。しかし、一連の効果の叩き合いの中で、その思考と予測の面では、嬢が一歩リードしていることに、日暮は気づいていなかった。
嬢「……速攻魔法《ポップルアップ》!」
日暮「えっ!!?」
そのカードをディスクに打ちつけた瞬間、フィールドが瞬く間に塗り替えられ、虹に彩られた情景から、龍が住まう暁の渓谷へと景色が移ろい、せめぎ合っていく。
嬢「相手のフィールドゾーンにのみカードが存在する時に、デッキからフィールド魔法1枚を発動します!
……デッキから発動するのは、《竜の渓谷》!!」
日暮「あは、騙されちゃったな。本命はこっちだったか!!」
暁に染まるフィールド、オレンジに色に塗り変わった光が2人を照らす。その中で先にアクションを見せたのは嬢だった。
嬢「《竜の渓谷》の効果により、手札から《BF–精鋭のゼピュロス》を墓地に送り、デッキから《ドラグニティ–レガトゥス》を手札に加え、特殊召喚っ!」
《ドラグニティーレガトゥス》(守)
☆4 風属性・鳥獣族/効果
ATK:1800/DEF:1200
手札から墓地に送られる《BF》のカード、そして現れる鳥獣の槍持ち。かつて伝説の男を継ぐものとして名を刻んだそのデュエリストの力。それが今、墓地で真価を見せる。
嬢「《BF–精鋭のゼピュロス》の効果を発動です!
400ダメージを受ける代わりに発動中の《竜の渓谷》を手札に戻し、墓地から自信を特殊召喚っ!!」
(LP :7300) 龍剛院 嬢
《BF–精鋭のゼピュロス》(守)
☆4 闇属性・鳥獣族/効果
ATK:1600/DEF:1200
手札を回復し、さらにフィールドに2体のモンスターを揃えた嬢。しかしそこにいるのはどちらもチューナーではない単なる効果モンスター。その後の展開に胸を躍らせる日暮の口角が上がり滲んでいく。
日暮「まだまだ、見せてくれるよね!!」
嬢「……行きますっ!!」
嬢のディスクのフィールドゾーンが口を開く。それはすでに発動したはずのカード。しかし、彼女以外の誰もが見落としているからこそ、移ろう景色にオーディエンスは驚きを隠せなかった。
ましろ「《竜の渓谷》の再発動……!!」
嬢「このカード、名称指定の1ターン1度の指定はないんです。
だから私は、手札に戻して制約をリセットした《竜の渓谷》の効果を、再び発動!!」
再び暁に染まるフィールド。そして嬢の手札から《トランザクション・ロールバック》のカードが墓地に送られ、そのデッキから1枚のカードが抜き出される。
嬢「私はデッキからドラゴン族の《ドラグニティアームズ–グラム》を墓地に送り、効果を発動!!
墓地から《ドゥクス》と《ロムルス》を除外し、このカードを特殊召喚しますっ!
……来て、烈風の勇者《ドラグニティアームズ–グラム》!!」
オレンジ色のフィールドを凄まじい嵐が吹き荒れる。薄くなる空気、そして鼓膜を揺らす風音の中に、巨大な刃を引き摺る金属音と、野太い竜の吐息が混じっていく。嵐は暁か、はたまた炎かわからないほどに赤い火花の色へと変わり、内より翡翠色の瞳を輝かせ、そのモンスターが姿を見せた。
《ドラグニティアームズ–グラム》(攻)
☆10 風属性・ドラゴン族/効果
ATK:2900/DEF:2200
日暮「召喚権を使っているのにも関わらずそこまで展開できるなんて……いいね、凄いよ!!」
嬢「私は《グラム》の効果を発動!
《オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン》の効果を無効にしますっ!!」
雄大なる翼を翻す竜の騎士が炎がまとわり付いた剣で空を切り裂くと、暁に染まった風がそれを運び、日暮のモンスターの体に消えない切り傷を残した。あまりの勢いに腕を前にかざす。
日暮(妨害を全部剥がされた……!!)
盤面の優勢が、この一手でひっくり返った。それは両者ともに理解していることであった。しかし日暮のデッキはペンデュラム。EXデッキから際限なくリソースを供給することが可能な上、発動中のPスケールさえも、このターンで勝負を決めなければ敗因となりえるファクターであった。
竜也は組んだ腕を解かず、黙り込んだまま日暮のPスケールとなっている2枚のカードを睨みつける。
竜也(発動中のPスケール……2枚の《オッドアイズ》か。デッキからのリクルート、そして儀式のソースを供給するカード……)
ましろ(そこを断たなければ、勝機は未だ日暮にある状況…!!)
しかし嬢は、彼女は、それをまるで予見していたように、この状況を見越していたように、大きく息を吐いて叫んだ。
嬢「私は、レベル4の《ドラグニティ–レガトゥス》、《BF–精鋭のゼピュロス》でオーバーレイ!!」
日暮「え……エクシーズ!?」
その言葉に、ましろが日暮の後ろであんぐりと顎を落とす。重なり合う2体の鳥獣。元々シンクロ召喚をメインの戦術に据えた彼女のデッキにとって、その召喚法は異質さを際立たせるものだった。
重なり合うカードたち。そして構築される光の渦が弾け、皆底に光が差し込むように、深藍色の翼を翻す影がその渦から飛び出す。
嬢「2体の鳥獣族モンスターで、オーバーレイネットワークを構築ですっ!!
冀望の片翼たる神葬の依代!
舞い降りよ、ランク4《零鳥獣シルフィーネ》!!」
《零鳥獣シルフィーネ》(攻)
★4 水属性・鳥獣族/エクシーズ/効果
ATK:2000/DEF:2300
日暮「まさか……サブプランでエクシーズを用意していたなんて…!!」
氷ついた結晶が砕け、その破片が翼となって青くフィールドを照らす。嬢が初めて見せたエクシーズ召喚。その姿に驚く間も無く、息をつく間など与えずに、彼女はその能力を行使する。
嬢「オーバーレイユニットを1つ使い、効果を発動!
相手の表側表示のカードの効果を、次の私のスタンバイフェイズまで無効にし、さらにフィールドの表側表示のカードの数×300、攻撃力をアップします!!
……パーフェクト・フリーズっ!!」
その胸に魂とも言える光玉、オーバレイユニットを宿し、フィールドを凍てつくような青い波が包み込む。《零鳥獣シルフィーネ》以外のフィールドに存在するカードは9枚。この効果が通れば全てのモンスターを上回るほどの攻撃力、そして発動中のフィールド魔法とPスケールの効果が全て凍結されてしまう。
ましろ(Pデッキには致命傷だぞ!?…どうなる!!)
日暮「ペンデュラムのデッキにカード全体の効果無効を使ってくるなんて、やっぱりキミは素晴らしいよ。これをエンタメと呼ばずして……」
そう言いかけた時、凍てつくような風が日暮のフィールドの全てを凍り付かせた。白く染まったフィールドに、オレンジ色の陽光だけが輝いている。
(ATK:2000→4700) 《零鳥獣シルフィーネ》
日暮「何をエンタメって言えようか…!!」
嬢「これで全ての効果が無効……バトルですっ!!!」
嬢のフィールドに構える《ドラグニティアームズ–グラム》と《零鳥獣シルフィーネ》、異なる双色の竜と鳥獣が、凍りついた日暮のフィールドに足を踏み入れる。
竜也(日暮のフィールドのモンスターは4体!!ここで何を破壊するかがおそらく戦況を分つ!!)
嬢「《零鳥獣シルフィーネ》で、《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》を攻撃!
……アイス・レイッ!!!」
展開された氷の翼は巨大な槍となり、まるで凍てつく流星のように空気を白く染め揺らしながらフィールドへと落とされた。その大きさはもはやフィールドに存在し得たすべてのモンスターのそれをゆうに超え、日暮の視界の全てが、その白い巨槍に埋められる。
日暮「攻撃力……4700!!」
もはや巨大な質量攻撃。《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》は、決して貧弱なモンスターではない。しかし目の前の光景はどうであろうか。氷塊がそのモンスターを貫くでもなく、まるで押し潰すかのようにその氷の彗星の中で砕け散った。
(ATK:4700) 《零鳥獣シルフィーネ》
(ATK:2500) 《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》
(LP :5800) 日暮 振士
フィールドに留まることができなくなった《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》のカードが宙へと弾かれる。しかしそのカードは日暮の墓地へと送られることはなく、《ドラグニティアームズ–グラム》の剣へと光となって吸い込まれていく。
嬢「破壊されたモンスターを装備カードとし、《ドラグニティアームズ–グラム》の攻撃ですっ!《クロシープ》はフィールドに残させません!!
……ドラグニティ・グロー!!」
赫く燃ゆる刃が、ふよふよと宙を舞う夢羊の体をザッパと切り裂く。巻き起こった烈風と熱が日暮の元まで及び、その体がよろける。
(ATK:2900) 《ドラグニティアームズ–グラム》
(ATK:700) 《クロシープ》
(LP :3600) 日暮 振士
攻勢の天秤が完全にひっくり返った瞬間であった。日暮のフィールドに存在するのは《スピリチューアル・ウィースパー》と《オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン》。フィールド魔法もPスケールも残ってはいるが、それは嬢の《零鳥獣シルフィーネ》の効果で効果無効になっている。
日暮「はは…《クロシープ》と《ボルテックス》……一番いい選択じゃないか!!」
ましろ「それだけじゃない。
今のPスケールは4と8。しかしレベル5の《オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン》は効果無効の状態でフィールドに残っている!」
竜也(加えて、Pモンスターではない《ボルテックス》を装備カードとすることで墓地からの再利用を防いでいる…!)
嬢「私は、手札からリバースカードをセット……これで、ターンエンドですっ!!」
長い攻勢の1ターンが幕を下ろす。お互いに手札はゼロ。そして持ちえる全てを持ってLPと盤面を取り合った。しかし過酷なその戦いを経ても、両者は倒れることなく、立っている。「強くならなければならない」という意思が嬢を、彼女を動かしているのは、その声色や気迫から明らかだった。
ならば日暮を、彼を動かすのは……
日暮「ぼくのターン……」
続く
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イイネ | タイトル | 閲覧数 | コメ数 | 投稿日 | 操作 | |
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70 | 0話 プロローグ | 983 | 1 | 2020-10-25 | - | |
59 | 1話 転入生 | 785 | 0 | 2020-10-25 | - | |
75 | 2話 巨竜の使い手 | 804 | 0 | 2020-10-31 | - | |
71 | 登場人物紹介 〜東雲中編〜 | 847 | 0 | 2020-11-04 | - | |
107 | 3話 黒き刺客たち | 916 | 3 | 2020-11-14 | - | |
83 | 4話 暗く冷たく | 705 | 0 | 2020-11-23 | - | |
72 | 5話 己の意思で | 698 | 0 | 2020-12-24 | - | |
77 | 6話 廃材の竜/炎の戦士たち | 705 | 0 | 2020-12-30 | - | |
61 | 7話 スタート地点 | 655 | 0 | 2021-01-15 | - | |
74 | 8話 タッグデュエル-その0- | 684 | 0 | 2021-01-21 | - | |
66 | タッグデュエル・チームデュエルについて | 608 | 0 | 2021-02-07 | - | |
66 | 9話 タッグデュエルー①ー 竜呼相打つ | 568 | 0 | 2021-02-09 | - | |
68 | 10話 タッグデュエル-②- 重撃 | 636 | 0 | 2021-02-09 | - | |
55 | 11話 託す者 | 590 | 0 | 2021-03-15 | - | |
68 | 12話 紫色の猛者 | 731 | 2 | 2021-04-10 | - | |
64 | 13話 死の領域を突破せよ! | 653 | 0 | 2021-04-13 | - | |
69 | 14話 協奏のデュエル | 648 | 0 | 2021-05-01 | - | |
81 | 15話 刹那の決闘 | 630 | 0 | 2021-05-29 | - | |
97 | 16話 リベリオス・ソウル | 627 | 0 | 2021-06-08 | - | |
71 | 17話 リトル・ファイター | 549 | 0 | 2021-07-22 | - | |
70 | 18話 強者への道、煌めいて | 509 | 0 | 2021-10-30 | - | |
68 | 19話 黒い霧 | 726 | 0 | 2022-01-02 | - | |
56 | 20話 大丈夫! | 488 | 0 | 2022-03-08 | - | |
86 | 21話 魂を繋ぐ龍 | 633 | 0 | 2022-04-03 | - | |
75 | 22話 原初の雄叫び その① | 589 | 2 | 2022-05-02 | - | |
59 | 23話 原初の雄叫び その② | 578 | 2 | 2022-05-04 | - | |
46 | 24話 焼け野原 その① | 421 | 2 | 2022-11-10 | - | |
44 | 25話 焼け野原 その② | 476 | 0 | 2022-11-11 | - | |
38 | 26話 蒼の衝突 その① | 398 | 0 | 2023-02-28 | - | |
41 | 27話 蒼の衝突 その② | 381 | 0 | 2023-03-24 | - | |
45 | 28話 憧れゆえの | 520 | 2 | 2023-04-15 | - | |
36 | 29話 黒い暴虐 | 281 | 0 | 2023-07-20 | - | |
57 | 30話 決闘の導火線 | 481 | 2 | 2023-07-30 | - | |
32 | 登場人物紹介 〜光妖中編〜 | 347 | 0 | 2023-08-03 | - | |
31 | 31話 開幕!決闘王杯! | 257 | 0 | 2023-08-12 | - | |
31 | 32話 ガムシャラ | 380 | 2 | 2023-08-25 | - | |
24 | 33話 目覚める龍血 その① | 273 | 2 | 2023-09-02 | - | |
32 | 34話 目覚める龍血 その② | 298 | 2 | 2023-09-06 | - | |
51 | 35話 雨中の戎 その① | 403 | 4 | 2023-09-19 | - | |
23 | 36話 雨中の戎 その② | 248 | 2 | 2023-09-23 | - | |
27 | 37話 チャレンジャー | 375 | 2 | 2023-09-30 | - | |
47 | 38話 心に傘を | 379 | 2 | 2023-10-07 | - | |
24 | 39話 龍の瞳に映るのは その① | 332 | 3 | 2023-10-22 | - | |
28 | 40話 龍の瞳に映るのは その② | 297 | 2 | 2023-10-26 | - | |
40 | 41話 花と薄暮 | 372 | 2 | 2023-10-30 | - | |
29 | 42話 燃ゆる轍 その① | 341 | 2 | 2023-11-07 | - | |
26 | 43話 燃ゆる轍 その② | 258 | 1 | 2023-11-09 | - | |
25 | 44話 襷 | 249 | 1 | 2023-11-14 | - | |
22 | 45話 星を賭けた戦い | 340 | 3 | 2023-11-17 | - | |
24 | 46話 可能性、繋いで その① | 296 | 2 | 2023-11-28 | - | |
34 | 47話 可能性、繋いで その② | 281 | 2 | 2023-12-07 | - | |
23 | 48話 揺れろ。魂の… | 229 | 2 | 2023-12-28 | - | |
26 | 49話 エンタメデュエル | 250 | 2 | 2024-01-07 | - | |
34 | 50話 乗り越えろ! | 298 | 3 | 2024-01-26 | - | |
55 | 51話 Show Me!! | 301 | 0 | 2024-02-01 | - | |
29 | 52話 モノクロの虹彩 | 359 | 1 | 2024-02-08 | - | |
29 | 53話 激昂 | 248 | 2 | 2024-02-22 | - | |
23 | 54話 火の暮れる場所 その① | 209 | 0 | 2024-03-02 | - | |
44 | 55話 火の暮れる場所 その② | 303 | 2 | 2024-03-07 | - | |
28 | 56話 赫灼の剣皇 | 298 | 2 | 2024-03-11 | - | |
37 | 57話 金の卵たち | 224 | 2 | 2024-03-18 | - | |
26 | 合宿参加者リスト 〜生徒編〜 | 196 | 0 | 2024-03-20 | - | |
33 | 58話 一生向き合うカード | 272 | 2 | 2024-03-24 | - | |
27 | 合宿参加者リスト〜特別講師編〜 | 217 | 0 | 2024-03-31 | - | |
36 | 59話 強くならなきゃ | 285 | 2 | 2024-04-03 | - | |
28 | 60話 竜を駆るもの | 157 | 0 | 2024-04-20 | - | |
41 | 61話 竜を狩るもの | 244 | 2 | 2024-04-22 | - | |
30 | 62話 反逆の剣 | 178 | 2 | 2024-04-26 | - | |
29 | 63話 血の鎖 | 243 | 1 | 2024-05-01 | - | |
39 | 64話 気高き瞳 | 301 | 2 | 2024-06-02 | - | |
20 | 65話 使命、確信、脈動 | 252 | 2 | 2024-06-16 | - | |
29 | 66話 夜帷 | 174 | 0 | 2024-07-14 | - | |
23 | 67話 闇に舞い降りた天才 | 208 | 2 | 2024-07-18 | - | |
23 | 68話 陽は何処で輝く | 186 | 2 | 2024-07-30 | - | |
23 | 69話 血みどろの歯車 | 180 | 2 | 2024-08-16 | - | |
18 | 70話 災禍 その① | 164 | 2 | 2024-08-28 | - | |
23 | 71話 災禍 その② | 162 | 2 | 2024-09-01 | - | |
18 | 72話 親と子 | 114 | 2 | 2024-09-09 | - |
更新情報 - NEW -
- 2024/09/30 新商品 WORLD PREMIERE PACK 2024 カードリスト追加。
- 09/30 13:37 評価 7点 《炎の剣舞》「《鎖付き飛龍炎刃》より微妙に発動条件がゆるい罠カ…
- 09/30 12:47 評価 8点 《鎖付き飛龍炎刃》「《サラマンドラ》と《鎖付きブーメラン》が合…
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Amazonのアソシエイトとして、管理人は適格販売により収入を得ています。
P召喚からS・L・儀式・融合と数多の召喚法を統べた日暮の実力の高さには毎度驚かされますね…。
妨害の手を嬢のドラグニティのキーカードである龍の渓谷をサーチするロムルスの除去に注ぎ込んだ日暮。破壊耐性のみを付与する禁じられた聖衣が絶妙なブラフとなって、本命であるポップルアップの発動に繋げた嬢の実力もまた高いですね。場に残すのが目的と判断したが故に、ロムルスの除去を優先したわけですからね~。
日暮が追加で呼び出したペルソナ・ドラゴンもグラムにより無力化する徹底っぷり。そして、シンクロがメインの嬢が呼び出したのはまさかのエクシーズ、シルフィーネ!
竜也プロとのデュエルで、呼び出すタイミングなどがレクチャーされたのかもしれませんね。シルフィーネの長期間の無効化は、Pを扱う日暮に効果抜群です!
ボルテックスとクロシープを戦闘破壊し、ターンが日暮に渡りましたが、2体のPの効果は無力化されている状態でのドローするカード…。日暮は何かやってくれる気がしますが、嬢がさらにその上を行ってしまうのか?
次回が実に気になる所です!! (2024-04-23 17:19)
Pからの召喚法、今まで儀式・シンクロ・リンクでしたが、《オッドアイズ》と《竜剣士》の混合デッキということもあり、もちろん融合も可能です。そしてデュエリストへの並々ならぬ想いゆえに嬢の手の内まで知っている状況になっっております。嬢の《聖衣》のブラフ、気づいていただけたようでよかったです!!サブプランであり特効薬である《シルフィーネ》を通され、展開の幅が大きく限られた1ターン、日暮が見せるものとは……
次回もお楽しみに! (2024-04-26 15:35)