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78話 天道虫 その① 作:コングの施し
朝、学校までの道のりの中で、古池 茉菜という女子生徒の学生証を預かった。気づけば午前は終わっていて、やっとゆっくりと返しに行ける時間が生まれた。昼食を誘ってくれたクラスメイトには悪いけれど、どうせすぐ終わるであろうその用事を先に片付けるために、教室を出た。
遊大「古池 茉菜さんっていませんか?」
彼女の教室に首を突っ込んで尋ねるも、反応してくれる生徒は首を横に振るのみだった。学生証を返さなければいけないのに。この学校には、1つだけ謎があった。しかも自分がこの学校にきた理由すら覆してしまうほどの謎。昨日の入学式の後に行われた部活動紹介でも、HRで配布されたレジュメにも、デュエル部の紹介がない。もちろん、昨年までデュエル部があることは確認している。この学校に来た理由の1つは、れっきとした指導者か優秀な生徒が率いるデュエル部があることだった。
遊大(デュエル部が……無い…か、)
中庭入り口の掲示板の前を小走りで通過する。そこに貼られている各部活動の勧誘ポスター群の中にも、やはりデュエル部に関するものはない。まるっきり、3年前と同じだった。東雲中にも、デュエル部はあった。しかし入学時には無くなっていて、それを律歌、阿原、嬢、そしてましろの手で再構築した。それも約半年で崩れてしまったけれど。
遊大(中学の時もこんな感じだったよな。)
あの事件以降、どうしてもデュエルが捨てきれずに、周囲に黙って研究と鍛錬を続けていた。その後の自分を知るものはごく僅かで、隠していることにも理由をつけているつもりだった。高校からフリーランクの権利獲得を現実的な目標と定めたとき、自分の新しいデッキを露出させることが得策と思えなかったのだ。これは戦術的な理由で、自分の研究や鍛錬を隠す理由たり得る。
遊大(なんて……建前だよな。)
建前。当たり前だった。デッキの大半が失われたあの事件の後、まだデュエルを続けようとしている方が、異常だということは理解している。そんな中、自分がゼロからデッキを組み始めたら、周囲はどう思うだろうか。嬢のせいではない、しかし彼女があの事件の核であり、彼女の家が発端だった。そんな中で自分がもがくようにデュエルをしていれば、彼女にも仲間にも責任を負わせてしまうような気がした。デュエルが自分の体と心を変えた、デッキすら奪った。それなのに自分はまだ、心の中に戦いたいという思いを燃やし続けている。こんな考え、どうしようもなく自分が可哀想で被害者のつもりでいる者の思考だということは理解しているつもりだった。そう思わなければ生きていけないほどに、惨めな時間を過ごして来た自覚はあった。逃げたくなかったんだ。
??「おい、そこの!!」
でも、もう大丈夫だ。もう自分は高校生になった。胸を張って、誇りを胸に全国ベスト4の者にのみ与えられるフリーランクを目指しても大丈夫だ。新しく入学したこの学校のデュエル部で、それを叶えるために身を粉にして邁進するんだと、そう思っていた。元々この学校には、全国決闘王杯・高校生の部・全国本戦に出場している生徒が1人いたはずだ。県予選だけで見れば出場者は3名、その全員がベスト16以上とかなりの高戦績を残している。昨年にはそれほどの実力者を輩出していた学校にも関わらず、今はその部の姿はない。1度同じようなことを体験した自分には、どうもその謎を解き明かさねばならない気がしてならなかった。
??「キミだよ、キミ。そこのキミ!!」
身長の高い女子生徒が割り入って自分の前にずいっと躍り出る。この学校の制服はセーラー服ではない。ブレザーだ。しかしどうもどこかで見たことのある顔におかっぱ頭で、そしてなぜかどことなくセーラー服の姿を当てはめてしまう。きっとどこかで、いつか、あったことのある人物。
??「キミ、樋本 遊大だろ?……ウチのこと、覚えてる?」
ウチ。
その一人称とおかっぱ頭を、自分は知っている。中学1年の頃の決闘王杯・本選出場校の生徒にのみ参加権利が与えられたアカデミア合宿。そこで自分の初戦の相手となった、昆虫族のシンクロデッキ《B・F》の使い手。そうだ。自分がこれまで戦ったことのある人物の苗字が、この学校のデュエル部の元メンバーには含まれていた。そう、確か名前は_______
遊大「……蜂谷……さん?」
蜂谷「よく覚えてるね……で、何をやってんの?」
蜂谷の身長は自分よりも高い。
高校1年生ではあるけれど身長はまだ伸びているままで、3年とはいえ女子の蜂谷が身長を超しているのは、彼女の背丈が比較的大きいゆえなのだろう。会うのは2年半ぶり、その苗字自体はこの学校のデュエル部戦績を覗いた際に確認している。カナガワ県予選ベスト16、かなりの好戦績だが、2年半の1度を皮切りに全国本戦には出場していない。
遊大「人を探してんです。……古池 茉菜さんって知りませんか?」
この学校で、昨年の全国決闘王杯の本戦に出場したのは『不二原』という人物だけ。もちろん彼女の実力は把握しているつもりだ。1度戦った経験があるものとして、個人的な戦績のリサーチもしたことがある。しかしその上で彼女が喰われてしまうほどに、高校生のデュエルという土俵は過酷なのだ。
蜂谷「古池?なんで?
なんだ面識あったのアイツと。でも今日は見てないな。」
遊大「……そうですか…。」
蜂谷は、彼女のことを知っているらしい。しかしリアクションはどうやら煙たいらしく、彼女らの仲はそこまでよくないと察した。しかしその顔を見て、魔が刺した、いや当然といえばそうだった。目の前に元デュエル部に所属していた経験をもつデュエリストがいる。自然と、二の矢となる疑問は口から出ていた。その問いが、これから始まってしまう戦いに火をつけてしまうとも知らずに。
遊大「じゃあ、もう一個だけ聞いていいっすか。」
蜂谷「ん、なに?」
遊大「この学校のデュエル部って、なんで無くなったんですか?」
蜂谷はその問いに、しばし黙り込んだ。
しかし数秒の沈黙の間に、久しい顔を見つめるにこやかな彼女の顔が曇っていくのがわかる。わかっている、この問いは、そんなにフランクに切り出していいものではないのだろう。しかし自分は本気だった。数秒前まで探していた古池のことなどどうでも良いと思わせてしまうほどに、この学校のデュエル部の行方は、自分にとっては____
蜂谷「……ねえ。」
遊大「はい、」
蜂谷「別に答えたっていいんだけど、なんでキミがそんなことを気にするの?」
遊大「え?」
蜂谷「時和をもう一回デュエルの土俵に引っ張り出そうって魂胆??」
その苗字がこの会話の中で出てくるとは思わなかった。そして、その予想外は同時に、自分が今の状況を飲み込めていないということを浮き彫りにさせる。デュエル部に入りたい理由に、『時和』という人物が絡んでくると、彼女は思ったのだろう。『時和』という人物、その苗字だけは知っている。蜂谷と同じく昨年の全国決闘王杯・カナガワ県予選の出場者であり、この学校にいる確かな実力者だとはわかっている。しかし面識はおろか会ったことも、顔も知らない人物だった。
遊大「な、……え?」
蜂谷「時和がさ、どんな思いで戦ってたか知ってんの?
あのコの思いを無碍にするってんなら、ウチも黙っちゃいれないんだけど。」
遊大「ちょ、ちょっと待って!!
まじでわけわかんねえよ!なんで逆にその人の名前が出てくるんだ!?」
蜂谷「当然でしょ!?
それにキミはここ数年表舞台で戦って来なかった!戦うことから逃げてきたヤツが時和の傷に塩塗ろうなんて許せるはずない!!」
遊大「逃げた…!?
ああそうかもな、逃げてたかもしれねえよ!でも戦うってんだよ!そのためにデュエル部は必要なんだ!!」
話が噛み合っていない。それは自分でもわかっていた。しかし『戦うことから逃げてきた』という彼女の言葉が、どうしようもなく自分の腹を煮えたぎらせた。彼女が言う『時和』という人物も、結局デュエル部がどうして無くなったのかだって、自分にはわからない。しかし今にも、盛られた火薬の山に、導火線の炎は届いてしまいそうだった。
蜂谷「キミ……いやお前、マジでなんでウチの学校に来たんだよ、
冷やかし?それとも反吐が出るような綺麗事、時和に吐きに来たの?」
遊大「言ってんでしょうが、おれは時和さんの話してねえ。
デュエルをしにこの街に来たんだ。……そんでデュエル部がないって、理由を知りたいのは普通のことでしょ……!!」
何を踏んだ、どこに埋めてある地雷を踏み抜いた。混迷の中に思考は回る。
ここでデュエルをするということが、蜂谷にとっての地雷だったということは、嫌と言うほど一連のやり取りの中で理解できた。しかしその行為の、その動機のどこが彼女の怒りに火をつけたのか分からなかった。それもこれも、この会話の中心にいる『時和』という人物に起因している。それだけ、それだけでもわかれば、口と体は勝手に動いていた。
蜂谷「時和の話をしていない……?お前ふざけるのもいい加減にしろよ。
本当に何をしに来たんだよ、お前がここにいる理由なんて時和しかないでしょ!?」
遊大「だから……知らねえって!!時和さんって、なんかあったのかよ!?
デュエル部が消えたことと関係あるのはわかった、だからせめて教えてくれよ!!」
蜂谷はチッと舌打ちをすると、小さな声で「ぺらぺらと……!!」と言い放ちポケットに手を突っ込む。中から姿を見せたのは携帯式のデュエルディスク、パネル式の端末を腕に装着し、さらにモーメント搭載の盤面側ユニットを外付けするタイプだった。
蜂谷「むかつくな。
お前が何を知ってて何を知らないのかわかんないけど、どうしようもなくむかつく。
彼女のこと何も知らないのにこの学校来たってんならその理由の方が意味わかんないし、知ってたら知ってたでキモいんだよね、お前。」
遊大「おんなじだよ、蜂谷さん。
正直おれもめちゃくちゃムカついてるよ。でも喧嘩はデュエルなんだな。わかってんだろ、今お互いに話してることが相当ズレてる。多分もうちょい話せば理解る。……それでもデュエルで解決すんだな。」
蜂谷「そうだよ、デュエルで決めよう。
……『この学校にデュエルをしに来た』って、それに自分で言ったことでしょ。ウチに勝てなかったらお前はそれまで。……闘う理由も実力もカスだ、2度とウチの学校のデュエル部に関わるな。そんな資格ない。」
遊大「……言うじゃないすか。
いいよ、じゃあおれが勝ったら洗いざらい話してくれよ。この学校のデュエル部に何があったのか、それと噂の時和さんのことをさ……!!」
睨み合いを効かせながら、中庭の中ほどへと2人は進んでいく。きっと、お互いが何を知っていて何を知らないか、それすら理解及ばぬ状況なのだろう。それはわかっている。きっと落ち着いて話せば、お互いの間に生まれた確執は埋めることができる。それでも、お互いに確かに感じ取ってしまったのだろう。少なくとも、確かに自分は感じ取ってしまった。
蜂谷「良いよ、それでいい。
純粋にムカついてるし、デュエル部が潰れたから『溜まって』んだよね、デュエルへの熱がさ。」
遊大「そんなとこだと思ったよ。
でもおれもだ。頭にキてるしこの学校のことも知りたい。なんとなくわかってたよ。話し合いじゃないよな、デュエリストなんだから。」
蜂谷「笑えるくらいのデュエル馬鹿だね、時和はそこまでじゃなかったよ。」
遊大「人のこと言えないでしょ。先にディスク出したのはあんただ。」
ポケットから、ディスクとタッチパッドを取り出す。
左腕のベルトにパッドを装着し、同じ容量で外付けのディスク部を連結させる。前まで使っていたものはあの事件で破壊された。当時のデッキもその時にほとんどが失われた。それでも、あの時まで使っていたデッキがあったから、今のデッキが自分の手の中にある。あの事件があったから、踏ん切りがついたと言い聞かせている。パチンとデッキケースのボタンを外し、この2年半の思いと努力を詰め込んだデッキを、ディスクへと差し込んだ。
『『デュエル!!』』
*
遊大って、どこかで聞いたことあっただろうか。
でも『ユウダイ』ってそんなに珍しい響きではないし、むしろかなりポピュラーな方だ。聞いたことないほうが不自然か、とそんなことを考えながら、昼休みになった校舎内をぶらぶらと歩く。
茉菜「ごめん、ちょっとやることあるから行ってくる。」
クラスメイトにそう告げ、階段をパタパタと降りていく。まったく、今日は朝のホームルームから酷い目にあった。ちょっと遅れて入って、トイレだなんて見え透いた嘘をついた自分にも過失はあるけれど、それだけでもう激詰め。さらには『スタートダッシュが肝心』なんて理由で新学年2日目でモチケンを強要する生徒指導の担任は、本当にどうかしていると思った。当然ながら学生証は彼に預けたままだし、そのことも自白してしまった。かなり最悪なスタートダッシュだと、しみじみ思う。
茉菜(確か……1ーA、だよね。)
一年生のフロア、少し前までここにいたのに、もう懐かしく思える。
さすがは入学2日目といった感じで、まだ生徒たちはどこかよそよそしく、それでもこれからつるむグループが固定化していきそうな気配もじわじわと感じる。自分もちょうど1年前にその渦の中にいたんだと、そのフロアを進んでいくと痛感する。最初は大人数でにぎやかな雰囲気が受け付けなくて、ひとりぼっち気味だった。そんな中で自分に声を掛けてくれたのは、思い返せば彼女だった。彼女がいなければ、今の自分はない、心の底からそう思える。
茉菜「ちょっと、樋本 遊大くんっているかしら?」
クラスに顔を覗かせると、早くも出来上がりつつあるいくつかのグループが目にあ入った。ギャルっぽい印象を受ける女の子グループと、その対照に映る少々オタク気質な女子集団。男子はスポーツ部らしい印象を受けるものとそうでないもの、そしてどっちにも属さなそうなものとがいるけれど、なんとなく男子だけで固まって昼食をとっているようだ。椅子を寄せているだけで仲の良い組み合わせは見て取れるわけだけど。______と、彼がいない。
「樋本くん?」
「さっき出てっちゃったよ?用事あるって。」
なんでタメ語なんだ。教室のドアからちょうど半身を覗かせる形で首を突っ込んでいるので、胸元の刺繍が見えていないらしい。ただでさえ無い胸をじろじろ見られても困るのだが、身長や雰囲気だけで年齢と学年を察してくれたらどれほど助かるだろうか。本当に自分の低身長が憎たらしく感じる。自分が1年生の時はこんなに生意気ではなかっただろう。自分の周りに、口の聞き方のわからない同級生はいた。それこそ彼女は舐めた態度を愛想で誤魔化していた。天然だったのだろうが、1年前の自分にはどうもそれが世渡り上手に見えて羨ましかった。
茉菜「どこ行ったかわかるかしら?」
「ええ知らねー!
ねえてか、何ちゃん?何組?」
質問しているのはこっちだ。
なんだそのいい加減が極まったような解答は。そして、舐めているのか。心の中でぐぬぬと唇を噛み締めながら、その問いに答えることなく教室を去る。こちとら一年坊のお遊びに付き合っているほど暇ではないのだ。早急に学生証を回収して、自分も昼食と洒落込みたい。朝昼と続けて起きるイレギュラー、春の暖かい雰囲気に飲まれて何か良い予感がしたが、そこそこに散々な日になってしまいそうだと感じる。
茉菜(馬鹿ども……!!)
もしかしたら入れ違いになってしまっただろうか。
腹は立っているが、学生証がないと自分が困ってしまう。朝から担任に詰められたこと、一年生に舐められたこと、そしてその真ん中で行方不明の彼のこと、全てにちょっとずつ苛立ちを覚えながら、中央階段前の踊り場まで足を運んだ。
「なんかどんぱちやってるみたいだよ……」
「なに、喧嘩?」
「デュエルだよ!!男女が揉めてんだって、修羅場じゃね?」
踊り場のもっと先、中庭のテラスの方に人が集まっている。さっき見かけた1年A組の生徒も数人、立ち止まる自分の横を走って中庭の方へと向かっていく。口々から漏れ出すワードはなんとなく不穏で、集まる生徒たちを見つめる自分の胸も、なんだかざわついてきたように感じる。
茉菜「ちょっと……通るわよ!」
人の波を掻き分けテラスの中央までずんずんと進んでいく。胸が苦しい。忘れたかった感覚が、あの日の光景がまた自分の目の前に起きてしまうのではないか、と。募るそんな重い感情を横目に、自分の足は動いていた。
茉菜「………!!」
人混みを掻き分けたその先にいた2人。
理解が追いつかなかった。数ヶ月前にもう見ることはないだろう、話すこともないだろうと考えていた蜂谷 加奈子と、今朝会ったばかりの樋本 遊大が、デュエルディスクを腕に装着し、睨み合いをしている。状況を飲み込めない。この場で何かが、自分の想像をはみ出した何かが、確実に起きている。
蜂谷「ごめんけどだいぶムカついたんだ。
先攻からフルパワーで行かせてもらうよ、樋本遊大……!!」
遊大「随分とでかいモンスターだな……!!
やっぱあんた強いよ、意地でもおれにデュエル部のこと話さないつもりだろ。」
蜂谷「うん、そうだよ。
時和のこともデュエル部のことも話したくない。それで全力ぶつけて発散できるなら、やるでしょ?」
遊大「素直だなあ随分と!!……続けなよ、あんたのターンだ!!」
時和、彼女の口からその言葉が出てくるとは思っていなかった。
蜂谷と遊大は、元々面識があったのだろうか。蜂谷はこの学校に来てからも2年連続でカナガワ県予選ベスト16以上、中学時代には全国本戦での戦いも経験している。多少戦績に翳りが見えたとはいえ、列記とした強者だ。その彼女とディスクをつけて睨み合えるほどの男なのだろうか、たった今朝出会ったばかりのあの少年が。そして何よりもここにはいない時和という名前。なぜ樋本遊大が、どうしてここで、どんな理由があって今、『時和』の名前が出てくるのか。
茉菜(これは……どういう状況……!?樋本 遊大………なんなの?!)
蜂谷「ウチは、《B・F–革命のグラン・パルチザン》と《B・F–必中のピン》、そして《騎甲虫アームド・ホーン》をリンクマーカーにセット……サーキットコンバイン!!」
遊大「リンク……4かよ!!」
蜂谷「______リンク召喚、《騎甲虫インヴィンシブル・アトラス》っ!!」
《騎甲虫インヴィンシブル・アトラス》(攻)
L4 地属性/昆虫属/リンク/効果
ATK:3000 [↙︎・↓・↑・↘︎]
ソリッドヴィジョンで映し出されたのは巨大な昆虫のモンスター。まさしく昆虫要塞。彼女はもともと《B・F》という、シンクロ召喚を使う昆虫族のデッキを使用していた。しかし、自分が元マネージャーだからこそわかる。《B・F》だけではパワー不足と言えてしまうほどに、高校生の部の全国決闘王杯は過酷だったのだ。それこそ、中学時代は全国本戦に参加していた彼女が県予選で足止めを喰らってしまうほどに。そんな彼女がたどり着いたもう一つの昆虫族テーマ。
蜂谷「《騎甲虫インヴィンシブル・アトラス》の効果を発動。
フィールドの昆虫族をリリースし、デッキから《騎甲虫》モンスター1体を特殊召喚する。
………ウチは《ツインボウ》をリリースし、《騎甲虫スティンギー・ランス》を特殊召喚!!」
《騎甲虫スティンギー・ランス》(攻)
☆7 風属性・昆虫族/効果
ATK:2400/DEF:1800
《B・F》とはまた違った様相を呈した蜂のモンスターが出現する。その針はまるで槍のように研ぎ澄まされ、瞬く間に地面へと突き刺された。巻き上がる土風は、蜂谷の手札に1枚のカードを引き込ませる。
蜂谷「《スティンギー・ランス》の特殊召喚時、効果でデッキから《騎甲虫隊上陸態勢》を手札に加え……これを発動!!
手札の《ライト・フラッパー》とフィールドの《スティンギー・ランス》を融合!!」
遊大「2体の融合……えと確か、《ヘラクレス》じゃない方!!」
蜂谷「……何?
予習してきましたってアピール?……ますますキツいよ、樋本 遊大。
_______融合召喚、《騎甲虫クルーエル・サターン》!!」
《騎甲虫クルーエル・サターン》(攻)
☆5 闇属性・昆虫族/融合/効果
ATK:2400/DEF:2000
ぶおおお、と分厚い翅音が鼓膜を揺らす。
勇ましい兜を携えた甲虫にまたがる騎士、甲虫を騎るからこそ、《騎甲虫》。それは昆虫の帝国のように、武力を持った兵士たちを無尽蔵に呼び出すデッキ。革命の蜂たちを象徴する《B・F》とはある意味で真逆の存在と言える。それでも彼女は、蜂谷はその2つのデッキを合わせることを決断した。自分はその姿を、この目で見てきた。
蜂谷「《クルーエル・サターン》の効果。
デッキからフィールド魔法、《騎甲虫隊戦術機動》を手札に加え発動……!!
さらに、墓地の《アームド・ホーン》を《アサルト・ローラー》、《スカウト・バギー》、《スティンギー・ランス》を除外して呼び出す!!この時、《クルーエル・サターン》の効果で除外状態の《アサルト・ローラー》も同時に特殊召喚できる!」
《騎甲虫アームド・ホーン》(攻)
L2 地属性・昆虫族/効果
ATK:1000 [↑・↓]
《騎甲虫アサルト・ローラー》(攻)
☆4 地属性・昆虫族/効果
ATK:1600/DEF:1400
最初こそ、いや自分の入学当初こそ、彼女の戦績は奮っていなかったように思える。その当時ではデッキの煩雑さにプレイングが追いついていなかったのだ。しかしその年度の全国決闘王杯では、カナガワ県予選ベスト16にまで喰い込んでいた。全国本戦は逃せども、不調からの復帰としては上々の戦績だったはずだ。
蜂谷「《騎甲虫隊戦術機動》の効果!!
2000LPを代償に、《クルーエル・サターン》の融合素材となった《騎甲虫ライト・フラッパー》を特殊召喚!!」
《騎甲虫ライト・フラッパー》(守)
☆6 水属性・昆虫族/効果
ATK:2000/DEF:2200
ばるるる、と巨大なトンボにまたがる昆虫の騎士が出現する。
属性は水。確かトンボの幼虫は水中でその時間の大半を過ごす。だからこその水属性なのだろう。そしてそのレベルは6。決して小さくはないサイズだ。あのサイズの昆虫を見たら普通の女子であれば悲鳴が上がる。自分は見てきているから何ともないが、ギャラリーからは断末魔のような声が響いている。そしてその長い腹部を水の滴る大地に突き刺し、ちょうど産卵のようなモーションでその効果を発揮する。
蜂谷「《ライト・フラッパー》の効果により、除外状態の《スティンギー・ランス》と《スカウト・バギー》を手札へ。
……ただしこの効果で手札に加えたモンスターの効果は使えないし、特殊召喚もできない。」
遊大「それでもめちゃくちゃなリソース回復能力だな……!!
それにその蜂のモンスター、《スティンギー・ランス》……相手ターンに使える効果があるはずだ!!」
蜂谷「よく見てるじゃん。
そうだよ、ウチはこれを手札から誘発効果を撃ち出すモンスターとして使わせてもらう。
……それにとっくに揃ってるんだよね、チューナー+非チューナー!!」
1年前よりも、彼女は強くなっている。
《騎甲虫アームド・ホーン》による通常召喚の権利追加の効果を、《B・F・W》によるサーチで溢れたモンスターに当てることで、チューナーとなる2体目の《B・F−毒針のニードル》をフィールドに残し、1度リンク召喚の展開を挟んだ後にシンクロ召喚へと帰結する流れを作れている。彼女の戦いを1年間は見てきた。そして彼女すら凌ぐ『不二原』と『時和』という実力者のデュエルを見てきた。その上で確信している。この流れは全国で通用する。きっと今年の全国決闘王杯に出場すれば、県予選までの選手たちなど軽く薙ぎ倒せる力を持っている動き。そしてそれを使いこなせるようになっている。
遊大「なるほど……!!
このタイミングでシンクロに戻ってくるわけか!!」
蜂谷「ウチは、レベル4《アサルト・ローラー》に、レベル2の《毒針のニードル》をチューニング!!
______シンクロ召喚、シンクロチューナー《砂漠の飛蝗賊》!!」
《砂漠の飛蝗賊》(守)
☆6 地属性・昆虫族/シンクロ/チューナー/効果
ATK:1500/DEF:2400
『蝗害』という言葉がある。
幾千幾万の蝗の群れが作物を食い荒らし、さらには植物由来の布製品や自生している植物も草の根一つ残らず食い尽くす。その意味が反映された結果が、《騎甲虫》と《砂漠の飛蝗賊》の違いなのだろう。相手ターンにシンクロ召喚を行えるシンクロチューナーモンスター。突然に盤面を更地へと変えてしまうコンボの立役者。そしてまた1つ生まれた確信がある。彼が、樋本 遊大が《騎甲虫》の知識をある程度備えていれば、そしてそのことを彼女が理解しているなら、彼女はこの瞬間に罠を仕掛けるはずだ。
蜂谷「《砂漠の飛蝗賊》のS召喚時、ターンプレイヤーは手札を1枚捨てなきゃいけない。ウチは手札から《スカウト・バギー》を墓地へ捨てるよ。
……さらに、リバースカードを1枚セット。長くて悪いね、これでターンエンドだ。」
遊大「………!!」
彼は、遊大は驚いたような顔を見せた。
これだ。彼女は罠を仕掛けた。いや罠と言えるほどのものではないかも知れない。《騎甲虫ライト・フラッパー》の効果で手札を加えたカードはこのターン中は効果を使えない。当然と言えばそうだった。しかし自分が蜂谷であれば、いや蜂谷本人であれば尚更、この1枚のセットカードと手札から捨てられた《騎甲虫アサルト・ローラー》に意味を持たせる。遊大は、彼女の《騎甲虫》と《B・F》についての知識を持っている。それゆえに、今の一連の動きが、彼の思考を誘導する罠になっているはずだ。
遊大「………」
蜂谷「……?
なに?……ターンエンドだって。」
遊大は黙り込んだままだった。
口元は抑えたまま、その眼はセットされた1枚のカードをじっと見つめている。きっと、彼女が『トリック』を仕掛けた可能性を考慮しているのだろう。ここで一瞬立ち止まることこそが、対戦相手のデッキを研究し、そして自分のスタイルを柔軟にできるデュエリストの裏返しでもある。……しかし、可能性があるからこそ、迷う。
ーTURN2ー
樋本 遊大(ターンプレイヤー)
LP :7800
手札 :5→6
モンスター:
魔法罠 :
フィールド:
蜂谷 加奈子
LP :6000
手札 :2
モンスター:《騎甲虫インヴィンシブル・アトラス》《騎甲虫クルーエル・サターン》《騎甲虫アームド・ホーン》《砂漠の飛蝗賊》
魔法罠 :《B・F・W》 セット×1
フィールド:《騎甲虫隊戦術機動》
遊大の中で生まれているであろう可能性、それはセットされたカードが《騎甲虫空殺舞隊》かもしれないということ。《ビートルーパー》が存在する場合にのみ使えるカウンター罠であり、モンスター効果の発動を無効にし破壊する強力な効果を持つ。しかしそれだけではない。攻撃力3000以上の昆虫族が存在する場合、エンドフェイズに墓地からセットする効果を持つ。蜂谷は《砂漠の飛蝗賊》の制約で、前のターンに手札を1枚捨てた。つまり手札に《騎甲虫空殺舞隊》を抱えていた場合、墓地からセットできる効果を持つこのカードを優先して捨てるはずだった。
遊大「おれの、ターン……!!」
ここまでの会話から察するに、樋本 遊大という少年は蜂谷のデッキをある程度把握している。
妨害の中核を担えるほどに強力な効果を持ったカウンター罠カード、無論警戒対象になる。それゆえに、手札から捨てられることのなかった《騎甲虫空殺舞隊》があのセットカードである可能性は限りなく低く見えるはずだった。セットされたカードが《騎甲虫空殺舞隊》であれば、その行為にアドバンテージ面でのメリットがないからである。イタズラに手札を捨てただけのディスアドバンテージだ。このターン中にモンスター効果を縛るカードは存在しない、むしろ警戒すべきは魔法カードの発動。と、ここまでが遊大の中で生まれるであろう思考。しかし裏を返せば、逆に蜂谷は遊大の中で生まれるこの思考を誘発できる立場にある。デッキを知られているからこそ、動き一つで対戦相手の思考を誘導できる。そして遊大も、蜂谷が自分を騙している可能性を考慮できるデュエリストだ。だからこそ今、その可能性の狭間で迷っている。
蜂谷「さっきから黙り込んででまあまあ気色悪いよ。
……さっさと進めなよ、お前のターンだってば。」
遊大「………あ、ああ。」
そのカウンター罠への警戒、つまりモンスター効果に対して警戒が薄れれば、そのカードが《騎甲虫空殺舞隊》だった場合に手痛いしっぺがえしを喰らうことになる。かと言ってトリックの《騎甲虫空殺舞隊》を警戒し魔法・罠を主体として展開を行えば、それが《魔宮の賄賂》や《魔封じの壺》の時に取り返しのつかない状況になる。彼女は、蜂谷は、ディスアドバンテージの可能性がある動きと引き換えに手にしたのだ。たった1枚のセットカード、そこにある絶対的な非公開情報を。
遊大「………はあ、まじかあ。」
蜂谷「……は?」
遊大「いやはや、怖いよあんた。」
彼が漏らした。
いつの間にかその目は蜂谷を見つめている。まっすぐと見つめられた瞳と、そこにある確かな笑み。手は震えているのにも関わらず、彼は笑っていた。震えているのに笑っている。……武者震い、だったら「怖い」などとは言わないだろう。しかし本当に怖くて震えていて、それでも笑っていられるならば相当な変人だ。朝から妙な少年だとは思っている。蜂谷と戦っている現状を鑑みてもそれは拭われないしむしろ酷く印象は悪くなっている。だからこそ、なにを言い出すかと思えば……
蜂谷「______怖い??」
遊大「さっきも言ったけど、あんためちゃくちゃ勝ちにきてるだろ。
……ただでさえ後攻がキツい。おれは怖い、そのセットカードに込められた意思っていうか、作戦っていうか……、うん。デュエルの内容だけじゃなくて心理的な部分にまで喰い込ませて来てるこの状況が怖い。」
蜂谷「……は?…意味わからん、なにを言って______
遊大「でも良かった。
いるんだろ、そんなあんたより強いやつ。だったら十分に鍛えられる、おれのデッキもおれ自身のテクニックも……!!
………悪いけどおれも勝ちに行く。踏み台にさせてもらうよ蜂谷さん……!!」
蜂谷「……黙って聞いてりゃしゃあしゃあと。
ウチを踏み台にするだって?………やってみなよ。2年半前と同じような展開だったら倒せないよ……絶対に!!」
遊大「黙ってないでしょう。
手札から《聖杯の継承》を発動!!…デッキから《聖騎士》カードまたは《聖剣》カード1枚を手札に加える。
………デッキから、《焔聖騎士−オリヴィエ》を手札に加える!」
遊大の手から放たれたのは《聖杯の継承》と呼ばれるカード。
その効果から察するに《聖騎士》《聖剣》というデッキにおける、2枚目以降の《増援》といった感じの立ち位置なのだろう。しかしこれは、遊大にとってセットカードへの牽制も兼ねている。彼の目線、このカードを公開情報として白日の元に晒したい気持ちは溢れんばかりのはずだから。彼女は待つ、必殺の一撃が決まるまで。
遊大「……行こう、
通常召喚、《焔聖騎士−オジエ》!!」
《焔聖騎士−オジエ》(攻)
☆4 炎属性・戦士族/効果
ATK:1500/DEF:2000
ごおお、と炎が巻き起こり、それを引き裂くように1人の戦士がフィールドへと出現する。《オジエ》に《オリヴィエ》……モデルはシャルルマーニュ十二勇士といったところだろうか……なるほど、それで《焔聖騎士》。アーサー王などがモデルの《聖騎士》とは、また別のカテゴリのデッキであることを理解するのに、さほど時間はかからなかった。そして何より2人のデュエルを見つめる自分の考えを遅れさせたのは、蜂谷の表情。
蜂谷「……お前…!!」
遊大「《オジエ》の効果発動、デッキから《聖剣》または炎属性・戦士族モンスターを1枚を墓地へ送る。
………おれは、《焔聖騎士−テュルパン》を墓地へ送らせてもらう!!」
蜂谷「……捨てたの、《デュアル》はどこへ行った?」
ぴくり、とその言葉に遊大の肩が動いた。
ここまで、あえて自分が蜂谷のデッキを研究してきていることなどを明かし、あくまで『デュエル部解散の目的』という理由のためにこのデュエルをしていた彼が、初めて見せた動揺のサインだった。これは素人目に見てもわかる。いや、素人目でもわかってしまうほどに、樋本 遊大 と言う少年はしたたかなのだ。ふてぶてしく、目的達成のためと、自分にかかった非公開情報の貴重性を理解した上手な立ち回りだと感じる。それゆえに、本能か、本心か、トラウマか……いずれにせよ、より核心的でプリミティブな部分に干渉するその問いへの動揺が、この目で手に取るようにわかってしまった。
蜂谷「なにを黙っているの?
……ウチは《デュアル》はどこへやったと聞いてるんだよ。」
遊大「………。」
彼は答えない。
いやきっと、答えることができないのだろう。蜂谷が認知している時点で、相当な実力者だとは理解る。戦ったことがあるであろう2人、そしておそらく前回と違ったデッキを使用しているゆえの当然の問い……しかしそれが、今の彼のコンプレックスとなっている。今戦っているのは自分ではない、それでも何か危ういものに対して触れてしまいそうな、ゾッとするような何かを背筋に感じた。
蜂谷「なんだまたダンマリか……確かにあんなデッキ捨てちゃうよね。
通常召喚2回でやっと脱バニラとか、ディスアドもいい加減にしてって思ったわ。」
遊大「_________そうだな。」
絞り出すような声だった。
彼女は頭の回るデュエリストだ。この学校で3番目に強かったことも順当だろう。ゆえにそれは、ミスを誘発するための挑発だと自分にはわかる。きっと彼も、対戦相手の遊大もわかっているのだろう。しかし、いくら口から出た言葉が肯定的でも、彼の気迫と気配、声色、そして震える手と瞳が、言葉などいかに脆いかを示していた。
遊大「なあごめんけどさ、おれは流せるほど大人じゃないしお人好しでもないんだ。
________捨てたのはそうだ、踏ん切りがついたと思ってる。………けど、
蜂谷「けど?」
遊大「………撤回してくれないか、今の言葉。」
蜂谷「嫌だよ、捨てたんだろ?……事実じゃん。」
遊大は瞳を閉じ、思いっきり下唇を噛み締めた。
言い返せないのか、それとも言い返さないのか。これはデュエルだ。勝敗で彼の中にある気持ちに言葉の通りの踏ん切りつけようとしていると言う予想もできなくはない。しかし捨てたのだったら取り消せという要求は間違いだ。それは矛盾と言ってもおかしくない。
遊大「……、おれは《テュルパン》の効果を発動。
《オジエ》を対象とし、墓地に存在するこのカード自身を装備カードとして装備する。」
蜂谷「………させない。公開情報から見ても、させるはずないでしょ。
お前の手札には戦士か装備カードか、1枚のコストで特殊召喚できる《オリヴィエ》があるし、その《テュルパン》自身も墓地から特殊召喚できる。概ね墓地にいて良いモンスターじゃない。
________手札の《スティンギー・ランス》の効果発動。」
蜂谷が手札をペらりとめくると、そこに記されている昆虫の騎士がフィールドへと飛び出してくる。2本の槍を携えて、その1本は《焔聖騎士−テュルパン》を、もう一つは《B・F−神事弓のサチ》を貫き、まるで弾丸のように遊大の前へと突っ込んでいく。
《騎甲虫スティンギー・ランス》(攻)
☆7 風属性・昆虫族/効果
ATK:2400/DEF:1800
蜂谷「《スティンギー・ランス》の特殊召喚成功時に、ウチは《騎甲虫隊降下作戦》をデッキから手札に加える。
………話の続きだよ。なんで《デュアル》を捨てた?」
遊大「………。」
答えることに、迷っているのだろうことはわかった。
それを答えたくないことなど、事情を知らない自分にも理解できた。それでも、彼の中にある何かが、彼の口を動かした。迷いでも良い、尊敬でもそれは良い。ただ何かを得るために何かを捨てる、彼はそれをしてきたのだろうと言うことが、その言葉と瞳でわからせられることになる。
遊大「弱いからだ。《デュアル》じゃこの先の戦いは無理だと、そう判断した。」
蜂谷「………!」
蜂谷は、その言葉に呆気にとられた。
当然と言えば当然だ。数刻前に、『撤回してくれ』と頼んだデッキを、今度は自分の口で『弱い』と蔑んだ。彼の発言には矛盾がある。しかしそれ以上に蜂谷と、見ている自分を驚かせたのはその声色だった。まるで嘘をついている様子はない。どちらもきっと本心だ。なぜそんなことが言える?真逆にも捉えられる2つの言葉を、先ほどよりも落ち着きのある声で発していた。
遊大「これでいいだろ。
ちょっと考えてみりゃ当然だと思うよ。今使っていないデッキを置いていく理由なんて1つしかない。前のデッキの方が良かったとか、どうしようもない理由があったとか、そんなこと今使ってるデッキに失礼だ。……おれが言うかよ。
………この話はしたくなかったんだよ、だから早いうちに『撤回してくれ』って頼んだ。前のデッキも、今のデッキも、蔑むのはいい気分じゃないんだよ。」
蜂谷「………素直、
そうかい。それはウチが悪かった。キミは好きなんだな、今のデッキも《デュアル》も。」
遊大「……『お前』じゃないのか?
ああ、おれは自分のデッキが好きだ。このデッキと共にプロになりたいって心から思えるし、《デュアル》だっておれの大切なカード達だった。」
蜂谷「わかったよ、でも約束は約束だ。
このデュエルに勝ってからだよ、ウチがキミに秘密を話すのはね。」
遊大「デュエル再開、と取っていいんだよな。
おれは、手札の《オリヴィエ》の効果を、《焔聖騎士−リッチャルデット》を墓地に送ることで発動。
………手札のこのカードを、レベル1のモンスターとして特殊召喚する…!!」
《焔聖騎士−オリヴィエ》(守)
☆1(4) 炎属性・戦士族/チューナー/効果
ATK:1000/DEF:1500
ゆらめくマントが熱を帯びて蜃気楼を引き起こす。
自分は樋本 遊大と言うデュエリストを知らない。しかし、この動きでその実力が計り知れた。彼は《焔聖騎士−オジエ》の通常召喚よりも先に、《焔聖騎士−オリヴィエ》の「手札・フィールドの装備カードまたは炎属性・戦士族を墓地に送る」という特殊召喚の条件を明かした。その上で、装備カードなる効果と特殊召喚する効果を併せ持った《焔聖騎士−テュルパン》を後出しし、《騎甲虫スティンギー・ランス》の墓地への干渉を誘発させたと考えることができる。《焔聖騎士−オリヴィエ》の情報を後出ししていれば《騎甲虫スティンギー・ランス》の妨害を使わない選択肢も生まれるが、彼はそれを潰してきた。現に遊大の手札は3枚まで減っている。…が、もしこれが彼の狙い通りだとしたら……
遊大「レベル4《焔聖騎士−オジエ》に、レベル1扱いの《焔聖騎士−オリヴィエ》をチューニング!!」
蜂谷「……!!」
遊大「天の遣いたる王妃よ、勇士導く焔の轍を導かん!!
______シンクロ召喚、レベル5《聖剣を巡る王妃アンジェリカ》!!」
《聖剣を巡る王妃アンジェリカ》(守)
☆5 炎属性・戦士族/シンクロ/効果
ATK:1200/DEF:2400
めらめら、と炎が湧き上がり、可憐な少女のモンスターが姿を見せる。
どこか東洋を思わせるその容姿、そして彼女の細い指に嵌められた紅色の指輪が儚く輝いた。同時にシャッフルされる遊大のデッキ。その姿を見た瞬間に、蜂谷はすかさずディスクで効果を確認する。時代が進み、デュエルの情報を共有できるのは王レイヤーだけではなくなった。空間投影されたソリッドヴィジョンと、それを操作するデュエリストを『player』とし、観戦者を『viewer』とするシステムが組み込まれている。つまり自分含むギャラリーでも効果の確認や処理の確認が可能なのだ。そして蜂谷も自分も、確認した。そのモンスターの効果、蜂谷を悩ませるその特性を。
遊大「S召喚時、《焔聖騎士帝−シャルル》のカード名が記されたカードまたは、《オリファンの角笛》を手札に加える……!!」
蜂谷「く……そ……!!」
優先権は蜂谷へと渡っている。しかしそれが動かない、悩んでいる証拠だ。
自分もこれには納得だった。まず1つ、サーチできる範囲が未知数であること。そして2つ、この効果とは別に、『自身が対象に取られた時に発動する効果』を持っていること。さらにそれが自身の除外、後続の確保、墓地リソースの供給という動作を1つにまとめる非常に強力な効果であること。仮に対象をとらない効果を発動せども、遊大がクイックで対象を取る効果を発動すれば、これは成立する。蜂谷目線、その隙を与える前にこのモンスターを除去しなければならない。しかしこれで、蜂谷がセットしたカードは十中八九割れたことになる。
蜂谷「そいつ……ヤバすぎる。
ウチはカウンター罠《騎甲虫空殺舞隊》を発動。
……モンスター効果の発動を無効にして破壊する……対象を取る暇は与えない!!」
《騎甲虫インヴィンシブル・アトラス》に備わった巨大な昆虫要塞より無数のモンスターが出動する。フィールドは火の海へと変貌し、遊大のモンスターを飲み込んだ。蜂谷はやはりというべきか、トリックを仕掛けていた。《騎甲虫空殺舞隊》、手札からのセットではなく《砂漠の飛蝗賊》の効果で捨て墓地からセットする、手札を温存できたはずだ。それでもこの選択をしたのは、デッキを知られていたから。非公開情報を買ったから。しかしその一手が、守りのために使わされた現状がある。
遊大「やっぱりな、タヌキめ……!!」
蜂谷「騙せると思ったんだけどね。
でもスペルスピード3に対象を取るチェーンはできないし、もう《アンジェリカ》は機能停止した……!!」
遊大「それはどうかな……!」
蜂谷「……!!」
遊大「おれのフィールドにモンスターが存在しない時、このカードは自分の墓地の炎属性モンスター1体を対象として発動できる。
_______装備魔法、《ライジング・オブ・ファイア》!!」
彼の手札から放たれた1枚のカード。
そこに記されたのは焔の翼。《焔聖騎士》のカードではない。かつて名のあるデュエリストが使用した《オブ・ファイア》の装備魔法。蜂谷からの《騎甲虫空殺舞隊》の解答、それは極々シンプルな蘇生札。復活の炎がフィールドへと上がる。
《聖剣を巡る王妃アンジェリカ》(守)
☆5 炎属性・戦士族/シンクロ/効果
ATK:1200/DEF:2400
遊大「《ライジング・オブ・ファイア》は相手の効果で離れるとフィールドのモンスター1体を選んで除外する。
………悪いけどしばらく黙っててもらうよ、その《砂漠の飛蝗賊》にはな。」
蜂谷「シンクロする対象とそのコンボまでわかってるのね、いや覚えてるのか。」
遊大「墓地の《オリヴィエ》の効果を、《アンジェリカ》を対象として発動。さらにチェーンがないなら続けていくぞ!!
______《アンジェリカ》、効果発動!!」
ディスクで改めて、《聖剣を巡る王妃アンジェリカ》の効果を確認する。
①は《焔聖騎士帝−シャルル》に関連したカードのサーチ。そして②は自身が攻撃・効果の対象となった時に自身をエンドフェイズまで除外、さらにデッキから炎属性・戦士族モンスターを墓地へ送り、デッキ・EXデッキから《ローラン》モンスターを特殊召喚する効果。
遊大「おれは《アンジェリカ》自身を除外。
デッキから《焔聖騎士−テュルパン》を墓地に送り、EXデッキから現れろ…!!
______レベル5《焔聖騎士導–ローラン》!!」
蜂谷「シンクロモンスターまで………!!」
《焔聖騎士導–ローラン》(守)
☆5 炎属性・戦士族/シンクロ/チューナー/効果
ATK:2000/DEF:500
厄介な効果だ。
①の効果を止めようとしても、《ブレイクスルー・スキル》や《エフェクト・ヴェーラー》のようなカードであれば②の効果で避けられる。対象をとらない除去も②を自分の対象を取るカードで誘発させれば無傷。結論だけで言えば、カウンター罠《騎甲虫空殺部隊》という蜂谷の対応は正解だった。効果も通さない、場にも残さない、対象を取るチェーンもさせない、最も正しい除去と言えるだろう。しかし相手にとっての『正解』を討ち砕くのはデッキ構築の基本。それができているだけに、自分の中で疑念は渦巻いていた。
遊大「装備魔法《『焔聖剣−デュランダル』》を《ローラン》に装備し、墓地の《テュルパン》の効果を発動。…自分フィールドに装備カードを装備したモンスターがいる時、自身を特殊召喚する。
______来い、《焔聖騎士−テュルパン》!!」
《焔聖騎士−テュルパン》(守)
☆4 炎属性・戦士族/効果
ATK:1400/DEF:1700
蜂谷は動かない。いや、動けない。
《ライジング・オブ・ファイア》が消え、フィールドにある装備カードは《『焔聖剣−デュランダル』》へと切り替わっている。しかし装備モンスターが破壊されたことで墓地に送られると、墓地の戦士族・炎属性のモンスターが蘇ってしまう。墓地には《焔聖騎士−リッチャルデット》が存在している。特殊召喚時にレベル4以下の炎属性・戦士族を特殊召喚するレベル1チューナー……つまりここでの《砂漠の飛蝗賊》の効果発動では遊大のデッキの息の根は止められない。やはり上手い、デッキの構築とプレイング、特に相手への牽制の面において他の追随を許さぬほどの手練れだ。……だったらなぜ?……どうして、どんな理由があって……。
遊大「《『焔聖剣–デュランダル』》の効果を発動。
デッキからレベル5以下の炎属性・戦士族を手札に加え、このカードを破壊する。
_____おれはデッキから《焔聖騎士–モージ》を手札に加える。」
蜂谷「嫌な……動きだ…、むかつくよ…癇に障る!!」
遊大「《砂漠の飛蝗賊》……使うか、蜂谷さん?」
蜂谷「使わない。
せめて拝ませなよ、レベル9のSモンスターでしょ?………話はそれから!!」
遊大「そうかよ、だったら嫌でも見せてやる……!!
おれは、レベル4の《焔聖騎士−テュルパン》にレベル5の《焔聖騎士導–ローラン》をチューニング!!」
2人の戦士の姿は、光の粒子と鳴って霧散する。
そして浮かび上がる「4」と「5」のナンバーが記された閃光の輪。2つのリングは重なり合い、紅の炎がその中心を穿つ道となる。フィールドへと突き刺さる、緋色の刃。それを握るのは《焔聖騎士》たちを統べる勇士たちの王、歴史上でも数多くの武勲を讃えられ、「帝」の名すら冠したモンスター。
遊大「幾万の熾烈征するは焔の剣、天の御許に進軍せよ。
______シンクロ召喚、レベル9《焔聖騎士帝–シャルル》!!」
《焔聖騎士帝−シャルル》(攻)
☆9 炎属性・戦士族/シンクロ/効果
ATK:3000/DEF:200
黒い鎧とマント、そこに施された装飾がフィールドに舞い上がる炎を反射してチリチリと輝いている。まばゆいほどに。ギャラリーから上がる歓声。そして皆が確信していた。これが樋本 遊大というデュエリストの、少なくとも今のデッキのエースモンスターだ。
蜂谷「新しいエース……!!」
続く
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57 | 35話 雨中の戎 その① | 427 | 4 | 2023-09-19 | - | |
26 | 36話 雨中の戎 その② | 260 | 2 | 2023-09-23 | - | |
30 | 37話 チャレンジャー | 389 | 2 | 2023-09-30 | - | |
51 | 38話 心に傘を | 391 | 2 | 2023-10-07 | - | |
27 | 39話 龍の瞳に映るのは その① | 346 | 3 | 2023-10-22 | - | |
31 | 40話 龍の瞳に映るのは その② | 321 | 2 | 2023-10-26 | - | |
45 | 41話 花と薄暮 | 394 | 2 | 2023-10-30 | - | |
33 | 42話 燃ゆる轍 その① | 364 | 2 | 2023-11-07 | - | |
29 | 43話 燃ゆる轍 その② | 272 | 1 | 2023-11-09 | - | |
29 | 44話 襷 | 265 | 1 | 2023-11-14 | - | |
25 | 45話 星を賭けた戦い | 360 | 3 | 2023-11-17 | - | |
28 | 46話 可能性、繋いで その① | 312 | 2 | 2023-11-28 | - | |
36 | 47話 可能性、繋いで その② | 300 | 2 | 2023-12-07 | - | |
29 | 48話 揺れろ。魂の… | 245 | 2 | 2023-12-28 | - | |
29 | 49話 エンタメデュエル | 272 | 2 | 2024-01-07 | - | |
38 | 50話 乗り越えろ! | 315 | 3 | 2024-01-26 | - | |
60 | 51話 Show Me!! | 320 | 0 | 2024-02-01 | - | |
31 | 52話 モノクロの虹彩 | 373 | 1 | 2024-02-08 | - | |
33 | 53話 激昂 | 269 | 2 | 2024-02-22 | - | |
27 | 54話 火の暮れる場所 その① | 225 | 0 | 2024-03-02 | - | |
52 | 55話 火の暮れる場所 その② | 338 | 2 | 2024-03-07 | - | |
31 | 56話 赫灼の剣皇 | 334 | 2 | 2024-03-11 | - | |
44 | 57話 金の卵たち | 243 | 2 | 2024-03-18 | - | |
30 | 合宿参加者リスト 〜生徒編〜 | 212 | 0 | 2024-03-20 | - | |
43 | 58話 一生向き合うカード | 315 | 2 | 2024-03-24 | - | |
31 | 合宿参加者リスト〜特別講師編〜 | 268 | 0 | 2024-03-31 | - | |
39 | 59話 強くならなきゃ | 300 | 2 | 2024-04-03 | - | |
33 | 60話 竜を駆るもの | 173 | 0 | 2024-04-20 | - | |
55 | 61話 竜を狩るもの | 306 | 2 | 2024-04-22 | - | |
36 | 62話 反逆の剣 | 196 | 2 | 2024-04-26 | - | |
35 | 63話 血の鎖 | 274 | 1 | 2024-05-01 | - | |
48 | 64話 気高き瞳 | 340 | 2 | 2024-06-02 | - | |
24 | 65話 使命、確信、脈動 | 306 | 2 | 2024-06-16 | - | |
33 | 66話 夜帷 | 225 | 0 | 2024-07-14 | - | |
30 | 67話 闇に舞い降りた天才 | 256 | 2 | 2024-07-18 | - | |
27 | 68話 陽は何処で輝く | 213 | 2 | 2024-07-30 | - | |
26 | 69話 血みどろの歯車 | 255 | 2 | 2024-08-16 | - | |
24 | 70話 災禍 その① | 217 | 2 | 2024-08-28 | - | |
27 | 71話 災禍 その② | 217 | 2 | 2024-09-01 | - | |
24 | 72話 親と子 | 153 | 2 | 2024-09-09 | - | |
26 | 73話 血断の刃 | 143 | 2 | 2024-10-10 | - | |
30 | 74話 血威の弾丸 | 179 | 2 | 2024-10-17 | - | |
22 | 75話 炉心 | 114 | 0 | 2024-11-01 | - | |
21 | 76話 ひとりじゃない | 129 | 2 | 2024-11-03 | - | |
21 | 77話 春風が運ぶもの | 118 | 2 | 2024-11-06 | - | |
4 | 78話 天道虫 その① | 26 | 0 | 2024-11-19 | - |
更新情報 - NEW -
- 2024/10/25 新商品 SUPREME DARKNESS カードリスト追加。
- 11/19 11:24 評価 10点 《ジェムナイトマスター・ダイヤ-ディスパージョン》「《ジェム…
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- 11/18 23:34 評価 9点 《魔轟神レヴェルゼブル》「 あの《魔轟神レヴュアタン》が何やら…
- 11/18 23:25 評価 9点 《クリスタル・ローズ》「《ジェムナイト》と《幻奏》に跨る効果を…
- 11/18 23:21 評価 9点 《アルカナフォースXIX-THE SUN》「《表裏の女神》から…
- 11/18 23:10 評価 9点 《表裏の女神》「コイントス効果を持ったモンスターをサーチするノ…
- 11/18 23:05 評価 10点 《ジェムナイト・ディスパージョン》「《ジェムナイト》の新たな…
- 11/18 23:02 評価 7点 《天空勇士ネオパーシアス》「パーシアスの進化カード 特に旨味の…
- 11/18 21:56 評価 9点 《アテナ》「アテナ バーン効果と蘇生効果の無難で強い能力を持つ…
- 11/18 21:28 ボケ Evil★Twin’s トラブル・サニーの新規ボケ。ぬりたく~る…テン…
- 11/18 20:26 評価 8点 《破滅竜ガンドラX》「 《 トーテムポール》《メテオ・プロミネ…
- 11/18 19:22 デッキ 『エクシーズ/リンクフェス』も脳筋!【パラディオン】
- 11/18 18:41 評価 5点 《グリーン・ダストン》「相手の展開を邪魔するダストンシリーズの…
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