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HOME > 遊戯王SS一覧 > 84話 種

84話 種 作:コングの施し



昨年の初夏、全国血統王杯・高校の部の幕が上がる1ヶ月前だった。
大会レギュレーションは現行リミット、市区予選・県予選・全国本戦へと段階を追って催される全国最大規模の決闘の大会。それはデュエルをするものにとってこれ以上にない晴れの舞台であり、毎年血が滲んで熱を放ちながら決闘者たちがしのぎを削る。

茉菜「四洲部長、決闘王杯の参加メンバー選考の日程なんですけど……」

市区予選時点での参加人数の制限は各校8名まで。
デュエル部という文化自体の拡大と同時に参加人数制限が設けられ、全国本選へと参加ができるのも各都道府県ベスト4までというシビアな戦いである。さらには全国本選ベスト4進出者にはプロデュエリスト認定試験を兼ねたフリーランク戦への参加権利が与えられ、まさしく夢の舞台への切符がかかった大会なのである。

四洲「ええああ?いらんでしょ。……メンバーの提出まであと……アレ、何日でしたっけ、先生。」

押野「2週間。把握しておいてね。
……でもまあ茉菜ちゃん、メンバーの選考はまあ、ほら…。」

顧問の押野は、顎をしゃくって親指を立てた。
30代前半の女性教師で、いつもシャツの上にジャージを着ている。教師の中だと比較的真面目そうに見えるほうか、担当科目が国語、とりわけ現代文というのもあって、学生時代だったら静かそうな人にも見える。
その方向は、練習中の3年生へと向いている。3年生、総勢19人。引退のかかった大会の出場だ。3年生だけで選考を行えというのが顧問の意向だった。

茉菜「……。」

自分は部長の四洲の前だからなのか押野が愛しそうに3年の彼らを見ているのが気に入らなかったからなのか、呆れてしまって声が出なかった。自分がこの部活のマネージャーに志願した時、押野は自分に『あくまでウチの部は実力主義だから、マネージャーでもデュエルの腕は磨いて毅然としていてね』と言われた。それは自分の発言に力を失わせないための心遣いだということは理解しているつもりだった。

茉菜「3年生の先輩だけで選考するってことですか?」

つもり、だった。
いつの間にか、まだ部活に参加して2ヶ月だというのに、『実力主義』なんて言葉はもうどこかへと流されてしまった。今頃旧体制年功序列を嫌った現代風なホワイト企業にでも流れ着いているだろうか。

四洲「いらんいらん!!だって本気でやりゃ俺らが勝つもん。」

その言葉に何も返さない押野に、腹が立った。
1・2年は後者へと押しやり、格技場を貸し切って、雑談をしながら練習をする。押野が目を離せばすぐに隅に座り込んでスマートフォンへと齧り付く。練習を管理する自分の立場が1年生だからという理由でそんな腐り切った毎日を潰していく3年生が、いつも自分の目の前にはいた。

茉菜「お言葉なんですけど、」

四洲「あ、なに?」

茉菜「年度初めの部内総当たり戦は本気ではなかった、ってことですか?」

年度の初め、デュエル部35人の総当たり戦が行われた。
流石に自分に初っ端『実力主義』を語った顧問というだけある。新体制発足当初にそんな総当たり戦を行い、部内のランキングを作成した。狙いとしては競争意識の育成と総当たりゆえの各個人の得手不得手の可視化と言ったところか。しょっちゅうそんなものをしても意味はないと思うが、新メンバーの力量把握と春休み期間の練習成果の確認を兼ねてと考えれば、むしろ方針としてはわかりやすい。

四洲「そらそうよ。1・2年生に花持たせなくってどうすんのさ!」

結果は、ベスト4までは1・2年生が総ナメした形になった。
ベスト8までを鑑みても、そこに食い込んでいた3年生はわずかに2名。3年生19名、2年生8名、1年生6名から、わずか2名。押野も今年に初めてデュエル部を見ているわけではない。彼らに愛着があったのだろう。
…………ただ、自分にはそんな状況が、そんな彼らがどうしようもなく気持ち悪く見えた。

四洲「だからメンバー選考なんかする必要ないって!可哀想だろ?わざわざ勝っちゃうのはさア。」

押野「四洲、言い過ぎです。
でもやっぱり、彼らにとっては最後の夏なわけだし、出場するのは3年生が優先なんじゃないかな……」




『押野先生、相談があります。……三年の先輩方も一緒に。』



自分が眉を顰めている時、格技場の入り口からそんな声が響いた。
扉を両手で開けて、彼はゆっくりと歩いてくる。雪のように白いショートの髪が、入り口から刺す夕日に照らされてキラキラと光っていた。猫目で中性的な顔つき、黒のパンツにタートルのインナーを着込んで、ブレザーのジャケットをその上から羽織っているというのに信じられないほど細く、悪く言えば華奢な体つきだ。

茉菜「不二原……先輩。」

不二原 千晶。
自分たちより一つ上の世代になる。当時で2年生。3年を除いたこのデュエル部のリーダー的な存在であり、性格も自分に厳しく、他者も正しく律する冷静な統率者。……そんな感じの人だ。

四洲「ああ?
……なんだよ不二原。今の話聞いてたよなァ、得意のご提言か?」

自分はその人を、冷徹な人だと思っていた。決めつけていた。
ただ律歌の話を聞いてから彼のことをもう一度見ると、どうにも氷の殻の中に熱い何かが秘められているような、彼女や他の仲間たちが彼に惹かれていくのも納得できるような、そんな気がしていた。

不二原「提言ではありません。……これは認識と責任の話だ。」

ツカツカと歩く彼は、自分の横を通り過ぎると同時に背後へと目配せをした。
一瞬逸らされたその視線の先、彼が開いた格技場の入り口の外には、心配そうに中を見つめる彼女の姿があった。彼は、人一倍責任感が強い。同世代ならばともかく、その行動に込められる意義に自分たち1年のそれが乗るとなれば、彼は躊躇なく行動を起こせるのだ。

押野「……不二原、くん。
お願いだから、参加者を3年に絞ることに納得してくれないかな。さっき古池ちゃんにも言ったけど彼らにとっては最後の……」

不二原「最後の?」

彼の氷のように冷たい声が、格技場の中で響いた。
自分は目配せをされた通りに、その足を入り口の影から中を見る律歌の方へと走らせた。後ろへと目をやると、彼はポケットから折り畳み式のディスクとデッキを左腕に装着していた。

四洲「最後の参加機会なんだよ!!言われねえとわからねえのか!?」

四洲がそう言った瞬間、話を聞いていた3年たちも次々に彼に声をあげる。
一気に格技場に声が充満し、もはや誰の声が誰のものかすら、わからなくなっていた。

茉菜「リツ!!あの人やっぱやばいって!!」

正直、自分でも一触即発なのはわかっていた。
自分があのまま話していても、きっと握り拳を作ったまま動けなかっただろう。自分はマネージャーだから、1年だから、3年と顧問が参加条件を歪めてもそれに嫌々頷くことしかできなかった。……だからこそ、

律歌「まなな!!……まったくだよね、千晶くんったら。」

茉菜「ほんと、冷静に見えて血の気が多い……!!」

だからこそ、自分と律歌はそれぞれ袖を引っ張って、また格技場に戻ろうとしていた。
彼はカッコつけのつもりで自分と律歌に外に出るように促していたんだろうが、自分たちがその背中についていきたいと望んでいたこともまた、事実だった。

不二原「最後、最後だからなんです?」

四洲「は?」

不二原「押野先生、発言には責任を持つべきです。
……あなたは今年度初めに言っていましたよね、『実力主義である』と。」

押野「それは……!!」

不二原「それに、この大会が持っている意味についても認識を改めた方がいい。……決闘王杯は思い出づくりの場ではない。
あなた方3年が、どんな意識で、何を目標に大会参加の意を示しているか知らないが、この大会の全国本戦のベスト4に到達したものに与えられるのはフリーランク戦の参加権利だ。
…………実力のある者が率先して参加するのは当然だと思うが?」

四洲「て……めぇ……!!」

言い過ぎだ。自分も律歌も、呆れたような笑みが浮かんでいる。
一触即発地雷原の中であんな煽りを平然とできるのは、きっと彼だけだろう。そしてこんな状態になっておいてまだブーイングだけ済んでいるのも、あそこに立っているのが彼だからだ。

律歌「……言い過ぎだよ千晶くん!?」

押野「……時和!?でもほんとです、不二原くん。……そんな言い方、」

不二原「では言い方を改めよう。
私は現行ランキングを元にしたメンバー提出を求める。不服であるならば選考メンバー決定のための総当たりリーグ戦もセットで構わない。意味や目的は、……先ほども言ったが、この大会がプロ昇格戦であるフリーランク戦に直結するためだ。」

そう、彼だから。
現行デュエル部トップの実力者。年度初めの総当たり戦で無敗。それも彼といわゆる『いい勝負』ができたのは蜂谷と律歌の2人だけ。3年から見れば、絶対に叶いようもないほどにかけ離れた実力を持つ、圧倒的な力の権化。

四洲「てめえ、不二原さア……!!調子乗ってんじゃねえの、1位に成ったくらいで……!!!」

四洲の顔は、すでに真っ赤に染まっていた。
彼が、床の軋む程に大きな足音を立てて不二原の目の前まで進んでいく。困惑する押野、止めない他の3年。彼以外の音はないけれど、それぞれの意思や心のうちが透けているように見えた。

不二原「四洲部長。……私があなたに、一回でも負けたことがありましたか?」

やめやめ、そんなこと言っちゃいけません。
四洲の拳が格技場の照明から影を作る。大きく振りかぶったそれは、もはや教師である押野の目も憚らないようで、今にもその握り拳は不二原の顔面に落とされようとしていた。

律歌「そこまでっ!!!!」

自分が目を覆った瞬間に、彼女のそんな声が響いた。恐る恐る目を細く開けると、そこには不二原と四洲の間に両手を広げて割って入った律歌の姿があった。真っ赤になった四洲の顔、歯をぎしぎしと鳴らしながら、振り上げたその拳を揺らしている。

律歌「千晶くんっ……言い過ぎだよ!!」

不二原「……律歌、」

四洲「お前、2位の『時和』だったっけ……?!
なんだよてめえも邪魔だてか!?なあ退けよ俺に女ぁ殴る趣味はねえんだよ!!」

律歌「邪魔立てじゃありません!
確かに私たちだって決闘王杯には出たいけど、今はそれどこじゃないでしょ!?デュエル部なのに暴力沙汰なんて笑えないです!!」

やけに頭は冷静で、体は自分の思考通りに動いていた。
本当に衝動で動く人たちだ。不二原は押野の目があるから暴力沙汰にはならないだろうと挑発気味で突っ込んでいったが、実際に読みは外れているし、律歌に至っては完全に勢いで動いている。そんな二人の襟を、走り寄った自分の手はがっしりと掴んでいた。

不二原「古池!?」

律歌「まなな!?」

茉菜「押野先生!!
教師でしょう!?あたふたしてないで、しっかりしなさいよ!!」

綱引きの要領で2人の体を後ろへと引っ張ると、バランスを崩したのか後ろへとすっ転ぶ。
不二原は申し訳なさそうに立ち上がって振り返り、律歌の手を引っ張って格技場の出口へと走り出す。いつの間にか入り口にできた人溜まりを掻き分けて、自分と不二原は3年と顧問の格技場を後にした。

あの日だ。あの日からきっと、デュエル部を枯らしたあの花の種は、すでに自分の足元にあった。







負けてもいいと、そう思っていた。
このデュエルの結末で自分の進むべき道が決まるならば、いっそのこと彼女に自分の手でも足でも引きずって欲しかった。ただ、彼女の言葉と、1枚のカードと、そして何より自分のプライドがそうさせなかった。

茉菜「弱くない……強い選択よ。」

遊大「ありがとう。勝ちに行くよ。」

《焔聖騎士帝—シャルル》の攻撃を受けようとしたその時に、手札の《虹クリボー》のカードと目が合ってしまった。自分のカードであったらきっと使わないって選択もあったのだろう。ただそれは律歌のカードで、これまでも自分の劣勢を覆す守りの切り札として自分を支えてくれていた。それがあって負けることが、許されるはずがなかった。


ーTURN:5ー

樋本 遊大 (ターンプレイヤー)
LP   :2500
手札   :5→6
モンスター:
魔法罠  :《焔聖騎士—オリヴィエ》《焔聖騎士—オジエ》《フェニックス・ギア・ブレード》《焔聖騎士導—ローラン》《虹クリボー》
フィールド:

古池 茉菜 
LP   :8600
手札   :0
モンスター:《ペンギン勇者》《焔聖騎士帝—シャルル》《氷魔龍 ブリューナク》
魔法罠  :《ロイヤル・ペンギンズ・ガーデン》《シンクロ・ゾーン》
フィールド:


好きにしていいと、彼女は言った。
茉菜は知らない自分の内側を必死に察して、そう言ったのだろう。この戦いだけじゃない、これからの戦いは自分の意思で挑むものだ。でもそれは自分1人のせいじゃなくて、きっと茉菜が自分の背中を押すのだろう。好きにしていいのならば、背中を押されてでも自分の意思で前に進む。
……考えるべきなのは躓いた先じゃない、真っ直ぐに歩くことだ。

遊大「茉菜さん、ありがとう。……本当にありがとう。」

茉菜「な、なによ、キモチ悪い。」

遊大「……本気出す気になったってこと。あと怠いから敬語もやめた!」

茉菜「さっきから使ってないし」

相手の盤面には《焔聖騎士帝—シャルル》を含む3体のSモンスター。
自分の魔法・罠ゾーンは5枚の装備カードで埋まっており、空いているのはモンスターゾーンとフィールドゾーンのみ。《大聖剣博物館》は《虹クリボー》を装備した際に誘発した《焔聖騎士帝—シャルル》の効果によって破壊されている。続いたバトルフェイズで自分が負ったダメージは《ペンギン勇者》と《氷魔龍 ブリューナク》の攻撃による4700。……残存LPは2500。

茉菜「まあ、いいわよ。……勝ったらね!!」

要するに、状況だけで見ればピンチというわけだ。
装備カードに自壊するカードは含まれていないから魔法・罠ゾーンは使えない。《大聖剣博物館》の②の効果で魔法・罠ゾーンから《焔聖騎士》を展開するのも不可能。……だが、

遊大「《アシッド・ゴーレム》がいなけりゃなんでもいい。
こんなに美味しい空気が吸えるなんて久しぶりだ、……好き勝手やらせてもらう!!」

このターン、Sモンスター以外の攻撃が制限される状況下で、攻撃力2300〜4300までのSモンスター3体を突破し、さらに相手のLP8600を燃やし尽くす。リソースでのアドバンテージを元に継戦するのは手としてはあるが、どちらにせよモンスターの突破は必須。であればターンを跨ぐイニシアチブよりも優先されるのはターン中の確実な勝利。

遊大「おれは《焔聖騎士—テュルパン》を通常召喚し、さらに手札の《キリビ・レディ》の効果を発動。
……戦士族が存在する時、このカードを手札から特殊召喚する!!」


《焔聖騎士—テュルパン》(攻)
☆:4 炎属性・戦士族/効果
ATK:1400/DEF:1700

《キリビ・レディ》(守)
☆:1 炎属性・戦士族/効果
ATK:100/DEF:100


手札より、2枚のカードをモンスターゾーンへと振り落とす。
東洋を思わせる服装に身を包んだ2体の戦士がフィールドへと降り立ち、各々が持つ武具に手を掛ける。その様を茉菜は訝しげに睨みつけながらも口元だけは笑っていた。この動きだけで自分に勝利があるのならば1ターン目からしない理由がない、と実際それは合っている。

遊大「おれは《テュルパン》と《キリビ・レディ》の2体をリンクマーカーにセット!!
______召喚条件は、戦士族モンスター2体!!」

あまりに強力な効果を持ちながらも、展開の中心に据えてしまうとその1枚に妨害を当てられただけでデッキそのものが機能不全に陥るハイリスク・ハイリターンを具現化したようなカード。この勝利に執着できなかった自分の気持ちとその存在を見られることそのものの重要性から隠していた自分の文字通りの「本気」の合図。それが今、自分のEXデッキから門を開ける。

遊大「白き指は彼の手を、黄金の糸束はその魂を撫で救う。2つの想いよ、戦火に馳せろ!!
________リンク召喚、《聖騎士の追想 イゾルデ》!!」


《聖騎士の追想 イゾルデ》(攻)
L:2 光属性・戦士族/リンク/効果
ATK:1600 [↙・↘]


姿を見せるのは、旗本に佇む2人の少女。
戦士としてはとても心許なく見えてしまうその攻撃力と容姿。だが《聖剣を巡る王妃アンジェリカ》と通づるような、異質な雰囲気を放っている。それに気押されたのか、彼女の視線もずっとのそのカードを離さない。金色の髪を靡かせる少女と、赤い瞳に白い手を束ねた2人。その手に握られた盃と旗印が空へ掲げられ、黒と白の光を放っていく。

遊大「《イゾルデ》には、2つの効果がある。
L召喚時にデッキから任意の戦士族モンスターを手札に加える効果。ただしこの効果でサーチしたカードと同名のカードを場に呼び出すことはできず、モンスター効果も使えない。」

茉菜「デメリット付きの万能サーチ……、」

遊大「そしてもう一つ。
デッキから任意の種類の装備魔法を墓地へ送り、墓地に送った枚数と同じレベルの戦士族をデッキから特殊召喚する効果。
……言ったはずだよ、『装備魔法を採用してないと回らない』って!!」

茉菜「……!!」

デッキから《『焔聖剣—ジョワユーズ』》のカード1枚を墓地に送る。
本来であれば使用済みで墓地にあるはずのそのカードは、《焔聖騎士—モージ》の効果でデッキへと還っている。そしてデッキより戦陣へと駆けるのは、同じく1度はフィールドに姿を見せた、1人の戦士だった。

遊大「来てくれ、《焔聖騎士—リナルド》!!
______特殊召喚時に手札に加えるのは、《ゴッドフェニックス・ギア・フリード》!!」


《焔聖騎士—リナルド》(攻)
☆:1 炎属性・戦士族/効果
ATK:500/DEF:200


茉菜「……そういえば、2ターン目の《アンジェリカ》の効果で墓地に送ってたわね……!!」

遊大「本来は《ジョワユーズ》で回収する予定だったんだけどな。まずは埋まってる魔法・罠ゾーンをこじ開ける!!
________手札の《ゴッドフェニックス・ギア・フリード》の効果を発動!!」

《ゴッドフェニックス・ギア・フリード》……長らく使っているカードだが、掴めているコツはいくつかある。
その1つは、召喚条件である装備魔法の除外コスト。これは墓地からであることが望ましいが、魔法・罠ゾーンが5つ埋まっている状況と、墓地に装備魔法が存在せず、レベル4の《焔聖騎士》しか存在しない場合には、『この使い方』ができる。

遊大「発動コストとして、フィールドに存在する《フェニックス・ギア・ブレード》を除外!!
神すら穿つ剣!勝利への天道よ、赫灼に染まれ!!………手札から現れろっ!!
________レベル9《ゴッドフェニックス・ギア・フリード》ッ!!」


《ゴッドフェニックス・ギア・フリード》(攻)
☆9 炎属性・戦士族/効果
ATK:3000/DEF:2200


装備カードによって埋まった魔法・罠ゾーンを、赫炎を纏った刃がこじ開ける。
正真正銘、自分のデッキのエースと呼べるモンスター。ただの卓上で繰り広げられているだけの攻防であるはずなのに、そのモンスターがいるだけで火緋色にフィールドが染まっていく。

茉菜「モンスター効果の発動コストになった《フェニックス・ギア・ブレード》は除外状態から手札に戻る。
さらにこれで、……使えるようになった。前のターンに《ブリューナク》で何を戻したか忘れたわけじゃないでしょ!!」

茉菜「……まさか《強奪》のカードを!!」

遊大「よく戦ってくれた。
だってこのデュエルじゃ破壊されてないんだもんな。おれは空いた魔法・罠ゾーンに《強奪》を発動!!
_______戻ってこい、《焔聖騎士帝—シャルル》!!」

発動するのは、装備モンスターのコントロールを奪取する《強奪》のカード。
《焔聖騎士—ローラン》によって手札に加わり、さらに前のターンに発動したその効果は《白の咆哮》によって無効化され、効果が有効となった後も《氷魔龍 ブリューナク》によって手札に戻されていた。そして三度、騎士の帝の名を冠するモンスターは自分のフィールドへと舞い戻る。

茉菜「でも、装備時の破壊効果だけではLPは削り取れないはずよ。
モンスターを破壊すれば《シンクロ・ゾーン》で蘇生するし《シンクロ・ゾーン》を破壊した場合はシンプルにLPに届かない。
《フェニックス・ギア・ブレード》を装備するための魔法・罠ゾーンは埋まってるのよ……!!」

彼女の指摘は正しい。このままバトルフェイズに入っても、彼女の8600LPは削り取れない。ただしそれは、《フェニックス・ギア・ブレード》のカードが装備できれば覆せる。

遊大「おれのデッキには、装備カードを携えた《焔聖騎士帝—シャルル》1枚を素材としてリンク召喚できるモンスターがいる!!」

茉菜「……!?」

EXデッキから1枚のカードを捲る。
元々、自分がL召喚を覚えたのはアカデミア合宿の直前であった。だがある時、純粋にモンスターを生まれ変わらせ、さらにはモンスター1体を転生させることさえ可能にしていたデュエリストの戦い方から、その召喚法は自分がかつて置き去りにしてきた《デュアル》と通じていることに気づいた。

遊大「おれは、《焔聖騎士帝—シャルル》1体をリンクマーカーへとセット!!
召喚条件は、装備カードを装備したレベル9の《焔聖騎士帝—シャルル》1体……サーキット・コンバイン!!」

いつしかましろが言っていた。『デュアルは決して使いやすいデッキではない』と。
当時はそんなことなどないと思っていたが、今では彼女の言っていた意味がわかる。それでもそのデッキを使用して、たくさんの戦いを経験してきた。その足跡は決して無駄にはならないし、無駄にしてはならない。心に焔を灯した騎士たちの進軍は止まらない。

遊大「兵共の赫き夢、皇の元へ交わりて覇道となれ!!
______リンク召喚、リンク1……《シャルル大帝》!!」


《シャルル大帝》(攻)
L:1 炎属性・戦士族/リンク/効果
ATK:(3500) [↓]


遊大「リンク召喚時、墓地の《焔聖騎士帝—シャルル》をこのカードへと攻撃力500アップの装備カードとして装備し、さらにその効果とカード名称を得る!!」

茉菜「…り、……リンク1でしょ!?
攻撃力3500って、それに隠してたのは《イゾルデ》だけじゃないの!?」

《焔聖騎士帝—シャルル》の鎧は黒からへ白銀へと染め上がる。
燃え上がる《焔聖騎士》の像はその鎧に幾度も写り、その度に火花が散るようにフィールドを緋色に染めていく。刃に纏う火焔はより強く、より紅く、熱せられた鋼が真っ赤に燃え上がるようにその刀身に宿っていた。

遊大「これで魔法・罠ゾーンは残り4箇所。
おれは、《フェニックス・ギア・ブレード》を《ゴッドフェニックス・ギア・フリード》へと装備し、さらに《焔聖騎士帝—シャルル》の効果をコピーした《シャルル大帝》の効果を発動!」


(ATK:3300)《ゴッドフェニックス・ギア・フリード》


フィールドを駆ける火焔の刃は、茉菜の《シンクロ・ゾーン》のカードを引き裂いた。
茉菜のフィールドに残っているのは《ペンギン勇者》と《氷魔龍 ブリューナク》の2体のみ。さらにシンクロモンスター以外の攻撃も可能になったことで、このメインフェイズに成せる全ては整った。

遊大「勝ったら、好きにすすんでいいんですよね!!」

茉菜「最初からそう言ってるでしょ……!!最初から、さいっっっしょから!!!」

遊大「おけ!!……じゃあ、バトルだ!!
_______《ゴッドフェニックス・ギア・フリード》で、《氷魔龍 ブリューナク》に攻撃!!」

《ゴッドフェニックス・ギア・フリード》は、その身を取り巻く炎を背負いそれを翼とした。
火の粉を振り撒きながら驀進するその刃は《ペンギン勇者》と《氷魔龍 ブリューナク》の2体の元へと一直線に軌跡を描く。

遊大「このダメージステップ、《ゴッドフェニックス》の効果を発動!!
《ペンギン勇者》を攻撃力500アップの装備カードとして自身に装備し、その攻撃を続行する!!
_______ゴッドブレイズ・エンド『飛焔』!!」

火焔に巻き込まれた《ペンギン勇者》の姿はその身を包む紅い光と一体となっていく。剣はさらに鋭利に、長く、そして熱く、掠れる空気すら焼き焦がしてパチパチと星を描く。《氷魔龍 ブリューナク》の青白い鱗に輝きが反射し、突き刺さった剣を抜かぬままその身を空へと導いていた。卓上であるのに、ミニチュアであるはずなのに、茉菜が見上げるほどに高く、その顔を照らすほどに明るく流星のようにフィールドへと貫き落とされた。


(ATK:3800)《ゴッドフェニックス・ギア・フリード》
(ATK:2300)《氷魔龍 ブリューナク》

(LP :7100)古池 茉菜


茉菜「……なんだ、飛べるじゃない。」

彼女は、《ゴッドフェニックス・ギア・フリード》へと装備された《ペンギン勇者》のカードを見て、ぽつりとそう言った。
ペンギンは、飛べない。飛べない鳥は、空を駆ける翼を見て自分を憂うことはないのだろうか。そもそも、自分は空を行く仲間たちと同じ鳥類であることを案ずることはできるのだろうか。……ただ彼女は、その言葉を呟いた彼女は、空を見て内を省みることよりも自分が歩んできた轍を見つめていた。

遊大「おれは《フェニックス・ギア・ブレード》の装備を解除することで、効果発動!!
このターン、おれの戦士族モンスターと炎属性モンスター全ては、2回まで攻撃可能になる……!!」

茉菜「わたしつくづく、……マネージャーね。」


(ATK:3500)《ゴッドフェニックス・ギア・フリード》

(LP :3600)古池 茉菜


遊大「つくづくマネージャーって、なに??」

彼女は、自分の墓地に存在している数枚の《ペンギン》のカードを手に加えてそう言っていた。
そのカードを手に寄り掛けながら立てて、トコトコと角を足に見立ててマットの上を歩いていく。……まるで本当の、ペンギンみたいに。

茉菜「自分1人じゃ飛べない。
というか飛ぼうとか思えない。飛んでる誰かに手を振ったり、風に乗った何かを導いたり、時には一緒に足跡を残したり。誰かと軌跡を残さなきゃ、きっと生きていけない。なにがどうなったって、あなたみたいに1人で進もうなんて決断はできないわ。」

遊大「それと、マネージャー……なんか関係あるかな、」


(ATK:3500)《シャルル大帝》

(LP : 100)古池 茉菜


茉菜「マネージャーは、誰かをサポートしマネジメントして初めて存在意義が生まれるのよ。」

遊大「……?……つまり?どういうこと?」

《シャルル大帝》のカードへと触れ、それをゆっくりと前へと押し出す。最後の「ダイレクトアタック」の宣言と同時に進んで行くカードを、眼前の彼女は見つめていた。まだ今日会ったばかりだ。それでもこんな顔ができるのかと思えるほどに、穏やかな表情だった。


(ATK:3500)《シャルル大帝》

(LP :   0)古池 茉菜


茉菜「これからよろしくってこと。」

彼女はそう、つぶやくように言った。
茉菜のフィールドへと進行した《シャルル大帝》のカード、そこに添えられた手を彼女の小さな手がぎゅっと掴んだ。使っているデッキは、カードはどこまで冷たそうな水属性だというのに、その手はまるで彼女の内面を映すみたいに熱かった。

遊大「うん、……よろしく茉菜さん!!」

デュエルの終了と同時に、そう返した。
決闘は、時に言葉以上に物を語ると思えることがある。輝久との戦いも、龍平も、日暮も、……そして、茉菜も、この数分で交わした言葉よりもそのデュエルが何か、思いや意思のようなものを自分に伝えているような気がしてならなかった。
同じことで、自分のデュエルでも心の内は透けているのだろうと考えると、なんだか恥ずかしくて顔が紅潮していくのが分かった。


WINNER:樋本 遊大


茉菜「全く、最初っから本気出しなさいよね。……って、えキモ……なんで紅くなってるのよ、」

そう言って、彼女はまるで汚物でも払いのけるかのように自分の手だけをひょいひょいと振り払った。
あんたが乗せたんだろう、「キモ」ってなんだ。こっちだって本気出さずに負けそうになったのは恥ずかしいんだ。と心の中で唱えるが、それを急いで言ってしまうとまるで紅潮した顔に焦りを乗せているようで惨めだから言葉を詰まらせていた。

遊大「な、そんなこと言わんでもいいでしょ」

茉菜「まさかそんな態度でリツと接してたの……?」

彼女の手つきだけではなく、その目までもが軽蔑しているように細まっていく。
違う、自分が恥ずかしかったポイントはそこじゃない。絶対にいらぬ勘違いをされているが、自分が過去に律歌にとった態度を考えると否定もできずに、さらになんと発せばいいのか言葉が喉の奥でぐずぐずと横たわっていく。

遊大「………………違ぁう!」

茉菜「あなたのリツへの劣情とかそんなのはどうでもいいけど、……一応。
あの子、この学校に入ってから彼氏できてるからね?」

不思議じゃない、……不思議じゃないし別に思うとことなんか無い。
それに劣情って言い方がすごく気に食わなくって、意識せずとも表情がムッスと歪んでしまう。卓上に広げられたカードをさっさと回収してデッキケースへと収納し、臍を曲げていることがバレないように言葉を返した。

遊大「できるでしょうよ、律歌さんだもん。
別に中学の頃から交友関係は広かったし、ああいう人が好みの輩はいっぱいいたと思うし……」

茉菜「思うし?」

遊大「彼氏がいたとして、ソイツ今は何してるんだ?
だって律歌さんは休学中でどこにいるかもわからなくって、『花の魔女』の事件にも関わったんでしょ?
…………彼氏として支えるとか、そういう感じのやつ、無いの?」

茉菜は少し熱くなった自分の言葉に、はあっと息を吐いた。
視線は自分の目から窓の外を向いていた。その目はどこか遠くを見ているようで、窓の外に置いてある植木鉢がその瞳のピントに合わずに映っていた。

茉菜「あの人のこと、悪く言い過ぎよ。
会ったこともないでしょうに、勝手に決めつけるものじゃ無いわ。」

遊大「……まあ、そうだけど……!!」

茉菜「でも、本当にそうよね。……本当に、わたしもそう思う。」

窓際に置かれた植木鉢には、茎から首を垂らした赤と白の花が咲いている。
でもそれはまるで花の数が減っているみたいに萎れた花弁が携えられていた。今は春で、このカフェの通りから少し歩けば桜の綺麗な遊歩道があるというのに、鉢のその花は冬に咲いてこれから枯れてしまうように、ぐったりと未来を見ていた。


遊大「茉菜さん、聞かせてよ。……『花の魔女』のこと。」


続く
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ランペル
勝ちに行くぞ!

律歌から受け取った虹クリボーにて攻撃を防いだ遊大が、正真正銘本気で勝つべく反撃開始!戦士族の味方イゾルデにより、リナルドのリクルートとゴッドフェニックスのサーチを同時にこなし、埋め尽くされた魔法&罠ゾーンに空きを作りながらのゴッドフェニックスを展開。
そして、強奪によって今度こそ奪われた《焔聖騎士帝—シャルル》を取り返し、隠し玉シャルル大帝のLに繋げましたね。
確かに、同じモンスターでありながら新たな効果を得るシャルル大帝のリンク召喚は、まるでデュアル召喚のようにも見えますねぇ。デュアルそのものはカードを失ってしまった事もありデッキを新調した遊大ですが、彼のデュエルスタイルには、今まで培ってきたデュアルの面影がしっかり残されているという事ですな!

元の素材も合わさり、L1でありながら驚異の3500打点を誇るシャルル大帝。元の自身の効果をコピーし、厄介なシンクロ・ゾーンも破壊し、ゴッドフェニックスと共にそのまま総攻撃にて遊大が勝利を収める結果となりましたね。そして、茉菜の他者への共感力と放っておけないその性格が、翼を持ちながらも飛ぶこと敵わないペンギンデッキとのマッチがいいですねぇ。飛べないからこそ、導くサポートに徹する事が出来る訳ですな。

茉菜とのデュエルを通じて、伝わって来たもの。デュエリストであるからこそ、会話以上に通じ合えるデュエルの経験を思い返しながら、嫌な方向性の勘違いも挟みながらも、どこかスッキリとデュエルを終える事が出来た遊大。ひとまず、これからの出来事には、かつての彼らしく真っすぐにぶつかってくれそうな気がいたします。

そんなこんなで、デュエルにも勝った事で明かされる花の魔女の情報…。いわゆる年功序列的なかつてのデュエル部の部長や顧問達とのやり取りに不二原の人柄も垣間見えた所です。果たして、一体何があったのか気になる所です。

デュエルを通じたコミュニケーションが濃密で、いつもながら素晴らしきだと感じる所存であります。引き続きまた~りと追わせていただきますます! (2025-02-10 14:02)

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