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第百六話「鉄屑と星屑」 作:イクス
第百六話「鉄屑と星屑」
遊太やアキラといった、実力があるデュエリスト達はD1グランプリの参加者を蹴散らしながら進んでいく。だが、そうでないデュエリストは、なんとか自分にも倒せる相手を見つけて決勝トーナメントまで行こうとする。せっかくここまで来たのに、たった1回の負けで終わりたくない。絶対負けられないのだ。
中には、そんな理由で負けたくないデュエリストもいる。
「なんとか……残らなくては……時間が、残されていないのだ……」
D1グランプリ本戦に出場したユイ。なんとか2日目まで生き残っているが、この本戦に出場してから、時々頭が痛くなることがあった。
「何か……何かがおかしいデス……この大会が始まった時から、時々頭が痛くなりマス……まるで、何かが私の中から出てこようとしているみたいデス……」
それでもなんとか1日1回のデュエルを勝ち抜き、ここまで生き残ってきた。だが、ちょっと具合が悪そうだった。
そんなユイを、後ろから狙っていた人物がいた。
「デュエリスト……俺と、対戦しろ」
「デュエリスト……デスか?」
ユイが振り向くと、そこには黒いローブで体を覆った何者かがいた。だが、そのローブはボロボロで、顔が見えず赤い光が見えるだけ。
「デュエリスト……デュエルしろ。俺の名前はデイブ」
「あ、ハイ、わかりマシた。デュエルしマス」
何者かがデュエルディスクを構えると同時に、ユイもデュエルディスクを構える。
「早く……しろ。時間が無い」
「ハイ。わかりマシた」
「「ルールはマスタールール3! ライフポイントは8000!」」
「「デュエル!」」
「先攻はワタシがもらいマシた!」
1・ユイのターン
「ワタシは手札から永続魔法『補給部隊』を発動して、『水晶機巧-ローズニクス』を召喚して、効果を発動しマス。このモンスターを破壊して、デッキより『クリストロン』チューナーモンスターであるレベル1の『水晶機巧-クオン』を特殊召喚しマス! このとき、永続魔法『補給部隊』の効果が発動しマス。自分フィールドのモンスターが破壊された時、1枚ドローできマス」(ユイ手札5→3→4)(ユイ墓地0→1)
「カードを2枚伏せて、ターンエンドデス」(ユイ手札4→2)
ユイ
ライフポイント8000
手札枚数2枚
モンスター1体
『水晶機巧-クオン』(守備表示・守備力500・水属性・レベル1)
魔法・罠ゾーンのカード3枚
発動しているカード1枚
『補給部隊』(永続魔法)
墓地の枚数1枚
除外されているカード0枚
2・デイブのターン
「俺のターン、ドロー」(デイブ手札5→6)
「俺も同じく永続魔法『補給部隊』を発動」(デイブ手札6→5)
「そして手札より魔法カード『スクラップ・エリア』を発動。デッキから『スクラップ』チューナー1体を手札に加える。俺はレベル4の『スクラップ・ラプター』を手札に加える」(デイブ墓地0→1)
「コレを召喚する前に、フィールド魔法『スクラップ・ファクトリー』を発動。このカードがフィールドにある限り、『スクラップ』モンスターは攻守が200アップする」(デイブ手札5→4)
「そして、レベル4チューナー『スクラップ・ラプター』を召喚し、効果発動。自分フィールドのモンスター1体を破壊し、このターン『スクラップ』モンスターの追加召喚が可能となる。ラプター自身を破壊する!」(デイブ手札4→3)(デイブ墓地1→2)
ぼろい機械の恐竜が出てきたと思ったら、いきなり破壊され壊れてしまう。だが、残す物があった。
「『スクラップ・ラプター』が『スクラップ』カードの効果で破壊された時、デッキから『スクラップ・ファクトリー』かチューナーでない『スクラップ』モンスターを手札に加える。俺はレベル4の『スクラップ・キマイラ』を手札に加える。更に、永続魔法『補給部隊』の効果で、デッキから1枚ドローする。そしてフィールド魔法『スクラップ・ファクトリー』の効果が発動される。『スクラップ』モンスターが効果で破壊された時、デッキから『スクラップ』を特殊召喚できる。俺はレベル3チューナー『スクラップ・ゴブリン』を特殊召喚する!」(デイブ手札3→5)
「なるほど……自壊で効果を発動するモンスターを主体としたデッキデスか……そして、チューナーということは」
「手札より『スクラップ・キマイラ』を召喚し、効果発動。通常召喚された時墓地から『スクラップ』チューナーモンスターを特殊召喚できる。俺はレベル4チューナーのラプターを特殊召喚する。そして、レベル4のキマイラに、レベル4のラプターをチューニング! シンクロ召喚! 現れろ、廃材の中より現れし鉄屑竜! レベル8『スクラップ・ドラゴン』!」(デイブ手札5→4)(デイブ墓地2→4)
廃材の中から現れたのは、廃材をつなぎ合わせて作られたドラゴン。攻撃力は2800だが、フィールド魔法の効果で3000となる。
「『スクラップ・ドラゴン』の効果を発動。自分フィールドのカード1枚と、相手フィールドのカードを1枚ずつ対象として発動できる。そのカードを破壊する! 俺はゴブリンとお前の伏せカードを破壊する!」
「くっ、伏せカードの『クリストロン・エントリー』が……」(ユイ墓地1→2)(デイブ墓地4→5)
「そして、『スクラップ』カードで破壊されたゴブリンの効果で、墓地から『スクラップ・キマイラ』を手札に加える」(デイブ手札4→5)(デイブ墓地5→4)
「次のターンの用意もできている……デスか」
「バトルフェイズ! 『スクラップ・ドラゴン』で、クオンを攻撃!」
「このバトルフェイズ、クオンの効果を発動しマス! 手札からチューナー以外のモンスターを特殊召喚シテ、機械族シンクロモンスターをシンクロ召喚しマス! ワタシはレベル5の『水晶機巧-サルファフナー』を特殊召喚して、シンクロ召喚! レベル6『甲化鎧骨格』!」(ユイ手札2→1)(ユイ墓地2→4)
「シンクロ召喚された『甲化鎧骨格』の効果で、このターン、このカードは戦闘・効果で破壊されず、ワタシが受ける全てのダメージは0となりマス!」
「攻撃は意味がない……か。メインフェイズ2に入り、手札からカードを3枚伏せ、ターンエンド」(デイブ手札5→2)
ライフポイント8000
手札枚数2枚
モンスター1体
『スクラップ・ドラゴン』(攻撃表示・攻撃力3000・地属性・レベル8)
魔法・罠ゾーンのカード4枚
発動しているカード2枚
『スクラップ・ファクトリー』(フィールド魔法)
『補給部隊』(永続魔法)
墓地の枚数4枚
除外されているカード0枚
ユイは、相手の戦術を考える。
(『スクラップ・ドラゴン』の効果で、毎ターン相手のカードを破壊して、『補給部隊』で1ドロー。更に『スクラップ』カードは他にも『スクラップ』カードで破壊されれば効果が発動できるから……毎ターン、とんでもないアドが稼げそうデスね)
(デスが、まだ序盤。ここはなんとかしマス)
3・ユイのターン
「ワタシのターン、ドローデス!」(ユイ手札1→2)
「手札から、『水晶機巧-シストバーン』を捨てて、墓地のサルファフナーの効果発動デス。このカードを墓地から特殊召喚して、フィールドのカード1枚を破壊しマス。ワタシはサルファフナー自身を破壊しマス。そして破壊されたサルファフナーの効果で、デッキより『クリストロン』モンスターであるクオンを再び特殊召喚しマス。そして永続魔法『補給部隊』の効果で、デッキより1ドローデス」(ユイ手札2→1→2)(ユイ墓地4→5)
「手札より、『チューニング・サポーター』を召喚しマス。そして、手札から魔法カード『機械複製術』を発動しマス。自分フィールドの攻撃力500以下の機械族モンスター1体を対象に、同名カードをデッキから2体特殊召喚しマス。『チューニング・サポーター』を2体特殊召喚しマス!」(ユイ手札2→0)(ユイ墓地5→6)
「これで、レベル1チューナーにレベル1モンスターが3体……まさかさらなるシンクロを……」
「レベル1の『チューニング・サポーター』3体に、レベル1のクオンをチューニング! シンクロ召喚! 現れてくだサイ! レベル4『アームズ・エイド』!」(ユイ墓地6→10)
現れたのは、鋭い爪を持つ機械の手。攻撃力は1800。
「シンクロ素材とした『チューニング・サポーター』は、1枚ドローできマス。それが3体ということは、3枚ドローデス!」(ユイ手札0→3)
「そして『アームズ・エイド』の効果発動デス。このカードを、モンスター1体の装備カードとし、装備モンスターの攻撃力は1000アップしマス! 『甲化鎧骨格』の装備カードとして、攻撃力を3500としマス!」(『甲化鎧骨格』攻撃力2500→3500)
「行きマス! バトルフェイズ!」
「このバトルフェイズ、俺は罠カードを発動させる。罠カード『戦線復帰』。これにより、墓地から『スクラップ・ゴブリン』を守備表示で特殊召喚する」
(なぜ、守備力が500の『スクラップ・ゴブリン』を?)
「速攻魔法『スクラップ・ポリッシュ』を発動させる。このカードの発動時、フィールドの『スクラップ』モンスター1体を破壊する。そして、俺のフィールドの『スクラップ』モンスターの攻撃力を全て1000アップさせる! そしてフィールド魔法『スクラップ・ファクトリー』の効果が……」
「手札より速攻魔法『サイクロン』発動デス! このカードは、フィールドの魔法・罠を1枚破壊しマス! フィールド魔法『スクラップ・ファクトリー』を破壊しマス!」(ユイ手札3→2)(ユイ墓地10→11)
「チッ、追加召喚は無理か……だが、俺の『スクラップ・ドラゴン』は『スクラップ・ファクトリー』無しでも攻撃力が1000アップする!」(デイブ墓地4→7)(『スクラップ・ドラゴン』攻撃力3000→3800)
「速攻魔法『鈍重』を手札から発動させマス! このカードは、フィールドのモンスター1体を対象として、そのモンスターの守備力分モンスターの攻撃力を下げマス! 『スクラップ・ドラゴン』の守備力は2000。よって2000下げマス!」(ユイ手札2→1)(ユイ墓地11→12)
「ここまでやるか……だが俺は、『スクラップ』カードの効果で破壊されたゴブリンの効果で、墓地から『スクラップ・ラプター』を手札に加える。更に、永続魔法『補給部隊』の効果で、1枚ドロー」(『スクラップ・ドラゴン』攻撃力3800→1800)(デイブ墓地7→6)(デイブ手札2→4)
「攻撃デス! 『甲化鎧骨格』で、『スクラップ・ドラゴン』を攻撃デス!」
「ぐぅっ!」(デイブライフ8000→6300)(デイブ墓地7→8)
「更に、『アームズ・エイド』の効果。このカードを装備しているモンスターが戦闘でモンスターを破壊した時、破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを与えマス! 攻撃力は2800。よって2800のダメージを与えマス!」
「何っ、ぐああああっ!」(デイブライフ6300→3500)
大ダメージを受けて、苦しがるデイブ。すると、体を覆っていたボロ布が取れ、その姿が露わになった。デイブの本当の姿は……。
「あ、アナタは!?」
「ギギ……見タナ……」
デイブの姿は、人型のロボットだった。ただし、ボディは細く所々配線が飛び出てメッキが剥がれ、足りない所をハンガーや様々なガラクタでつなぎ合わせた、今にも壊れそうなロボット。そして、ところどころバチバチ火花が出ている。
「アナタ……人間じゃ無いのデスか!?」
「ソ、ソウサ……オレハドコカノ誰カガ打チ捨テタロボットニ雷ガ落チテ、生マレタ何カ……誰モ彼モガオレヲ気持チ悪イトヌカシ、嫌ワレテキタ……ソシテ、オレノ中ノ雷ハ、モウジキツキル……」
「そ、そんな……」
「オレハ……何者ニモ知ラレナイママ、消エタクナイ……D1グランプリデ……皆ヲ倒シ頂点ニナレバ、オレノ存在ヲ、皆ガ見テクレル……ダカラ、オ、レハ、勝タナク、テハイケ、ナ、イ!」
スパークがはじけ、言葉が継ぎ接ぎだらけになる。もう見ていられない程に。
「続キヲ始メ、ル、ゾ……オ、前ノター、ンノバトルフェ、イズダ。コノ時オレハ、破壊サレタ『スクラップ・ドラゴン』ノ効果デ、墓地より『スクラップ・ゴブリン』ヲ特殊召喚スル」(デイブ墓地8→7)
「メインフェイズ2に入って、手札からカードを1枚セットして、ターンエンドデス……」(ユイ手札1→0)
ユイ
ライフポイント8000
手札枚数0枚
モンスター1体
『甲化鎧骨格』(攻撃表示・攻撃力3500・レベル6・地属性)
魔法・罠ゾーンのカード4枚
発動しているカード2枚
『アームズ・エイド』(装備カード)
『補給部隊』(永続魔法)
墓地の枚数12枚
除外されているカード0枚
4・デイブのターン
デイブの体のバチバチが収まり、言葉が戻る。
「オレのターン、ドロー」(デイブ手札4→5)
「手札より、魔法カード『テラ・フォーミング』を発動。デッキよりフィールド魔法を手札に加える。オレは『スクラップ・ファクトリー』を手札に加える」(デイブ墓地7→8)
「手札より、再び『スクラップ・ファクトリー』を発動し、『スクラップ・ラプター』を召喚する」(デイブ手札5→3)
「そして『スクラップ・ラプター』の効果を発動。このカードを破壊し、『スクラップ』モンスターの通常召喚権を増やす! そして、ラプターが破壊されたことにより、デッキより『スクラップ・オルトロス』を手札に加える。更に、フィールド魔法『スクラップ・ファクトリー』の効果で、オレはデッキより『スクラップ・ゴーレム』を特殊召喚する。更に、永続魔法『補給部隊』の効果で、デッキより1枚ドローする」(デイブ手札3→5)(デイブ墓地8→9)
「手札から、『スクラップ・キマイラ』を通常召喚する。墓地より『スクラップ』チューナーを特殊召喚できる。俺はレベル4のラプターを再び特殊召喚する」(デイブ手札4→3)(デイブ墓地9→8)
「オレはレベル4のキマイラに、レベル4のラプターをチューニング! シンクロ召喚! 再び廃材の中より現れろ、レベル8『スクラップ・ドラゴン』!」(デイブ墓地9→11)
「この瞬間、リバースカードを発動させマス! 罠カード『奈落の落とし穴』! このカードは攻撃力1500以上のモンスターが召喚・特殊召喚・反転召喚に成功した時、そのモンスターを破壊して除外しマス!」(ユイ墓地12→13)
「除外か……まだ問題は無い! 『スクラップ・ゴーレム』の効果発動。自分の墓地から『スクラップ』モンスターを特殊召喚する! オレはラプターを特殊召喚する」(デイブ除外0→1)(デイブ墓地11→10)
「オレはレベル5のゴーレムに、レベル4のラプターをチューニング! 廃材の中より、二つの首を持ちし鉄屑竜が現れる! 出ろ、レベル9『スクラップ・ツイン・ドラゴン』!」(デイブ墓地10→12)
今回現れたのは、『スクラップ・ドラゴン』の首が二つに増えた廃材竜。攻撃力は3000だが、フィールド魔法『スクラップ・ファクトリー』の効果で3200となる。
「ツイン・ドラゴンの効果発動! 自分フィールドのカード1枚と、相手フィールドのカード2枚を対象として発動する。ゴブリンを対象に、お前のシンクロモンスターと伏せカードを対象として手札に戻す!」(デイブ墓地12→13)
「うっ……! この伏せカードは……!」(ユイ手札0→1)(ユイ墓地13→14)
「そして、破壊されたゴブリンの効果で、墓地より『スクラップ・キマイラ』を手札に加える」(デイブ手札5→6)(デイブ墓地13→12)
「そして、手札より……魔法カード『死者蘇生』を、発動! 墓地から『スクラップ・ドラゴン』を特殊召喚する!」(デイブ手札6→5)
「『スクラップ・ドラゴン』のモンスター効果。自分フィールドのカード1枚と、相手フィールドのカード1枚を破壊する! オレは『補給部隊』を破壊し、お前の『補給部隊』を破壊する!」(デイブ墓地12→13)
(ドローソースマデも……)(ユイ墓地14→15)
「バトルフェイズに入る。オレは2体の『スクラップ』シンクロによって、ダイレクトアタック! スクラップ・シュート!」
「キャアアアア!」(ユイライフ8000→5000→1800)
「カードを2枚伏せて、ターンエンドだ」(デイブ手札6→4)
デイブ
ライフポイント3500
手札枚数4枚
モンスター2体
『スクラップ・ドラゴン』(攻撃表示・攻撃力3000・地属性・レベル8)
『スクラップ・ツイン・ドラゴン』(攻撃表示・攻撃力3200・地属性・レベル9)
魔法・罠ゾーンのカード2枚
発動しているカード1枚
『スクラップ・ファクトリー』(フィールド魔法)
墓地の枚数13枚
除外されているカード1枚
形勢は逆転。フィールドはがら空きにされ、ライフポイントにも差をつけられた。
(ダメデス……先ほど手札に戻ってきたカードは、なんなのかわからないカード……『シューティング・スター』……罠カードだからと言って、伏せてしまいマシた……。ですが、これをまた伏せたところで、破壊されるのがオチ……手札もフィールドのカードも無い……このままでは、負けてしまいマス……)
ユイは、ちらりとデイブを見る。火花は散らなくなっているが、限界が近そうなのが見えた。
(このまま行っても、あの人はいずれ……でも、デュエルは続けなくては……でも、どうしたら……)
5・ユイのターン
「ワタシのターン、ドローデス!」(ユイ手札1→2)
(どうにか……どうにか……ッ!?)
その時、ユイの中に何かが走る。その時に見えた、おぼろげなドラゴンの姿。その時感じた。何かが見えた。
(この記憶……ワタシ……知りマセん……でも、わかりマス。起死回生のカギ! ワタシは、この感覚を信じマス!)
「ワタシは墓地より、シストバーンを除外して効果を発動しマス! デッキより、クオンを手札に加えマス。そして召喚」(ユイ手札2→3→2)(ユイ墓地15→14)(ユイ除外0→1)
「そして墓地より、ローズニクスを除外して効果を発動しマス! レベル1、機械族の『水晶機巧トークン』を特殊召喚しマス!」(ユイ墓地14→13)(ユイ除外1→2)
「そして、自分フィールドに機械族モンスターが2体のみの場合、手札から『アイアンドロー』を発動できマス! その効果により、デッキから2枚ドローしマス!」(ユイ手札2→3)(ユイ墓地13→14)
そして、引いたカードを見てみるユイ。そのカードは、今まで自分が使ったことのないカードだった。
(このカード、ワタシ……知りマセん……でも、このカードが、ワタシにとっての切り札!)
「レベル1の『水晶機巧トークン』に、レベル1のクオンをチューニング! シンクロ召喚! 現れてくだサイ! 進化へ誘う希望のモンスター! レベル2『フォーミュラ・シンクロン』!」(ユイ墓地14→16)
「『フォーミュラ・シンクロン』がシンクロ召喚に成功した時、デッキから1枚ドローできマス!」(ユイ手札3→4)
「……よし、これなら……! カードを4枚伏せて、ターンエンドデス!」(ユイ手札4→0)
ユイ
ライフポイント1800
手札枚数0枚
モンスター1体
『フォーミュラ・シンクロン』(守備表示・守備力1500・光属性・レベル2)
魔法・罠ゾーンのカード4枚
発動しているカード0枚
墓地の枚数16枚
除外されているカード2枚
「シンクロチューナー、だと?」
(あのシンクロモンスターは、相手ターンでもシンクロできるカード。だが、1体だけではその効力も意味はない……となると、伏せカードがキーか!)
(なら、順番に破壊していけば良いだけだ!)
6・デイブのターン
「俺のターン、ドロー!」(デイブ手札4→5)
「手札より、『スクラップ・キマイラ』を召喚。そして墓地より、『スクラップ・ラプター』を特殊召喚する」(デイブ手札5→4)(デイブ墓地13→12)
「そして、ラプターの効果で自身を破壊し、『スクラップ』の追加召喚権を得る! そしてラプターの効果によってデッキより『スクラップ・ワーム』を手札に加え、フィールド魔法の効果で『スクラップ・シャーク』を特殊召喚する」(デイブ墓地12→13)
「そして、レベル2チューナーのワームを召喚。そして、レベル4のキマイラと、レベル4のシャークに、レベル2のワームをチューニング! シンクロ召喚! 現れろ……廃材より、究極のモンスターが現れる! レベル10『アトミック・スクラップ・ドラゴン』!」(デイブ墓地13→15)
3つ首の、『スクラップ・ドラゴン』が現れる。攻撃力は3200で、 フィールド魔法の効果で3400となる。
「『スクラップ・ドラゴン』の効果発動! オレの伏せカードを破壊し、お前の伏せカードを破壊する!」(デイブ墓地15→16)
「対象に取られた、罠カード『戦線復帰』を発動しマス! このカードは、墓地より守備表示でモンスターを特殊召喚しマス! レベル6の『甲化鎧骨格』を特殊召喚しマス!」
「そして、この瞬間、『フォーミュラ・シンクロン』の効果を発動させマス! 相手のメインフェイズ、フォーミュラを素材としてシンクロ召喚を行いマス! レベル6の『甲化鎧骨格』に、レベル2の『フォーミュラ・シンクロン』をチューニング! 願いよ、思いよ、今こそ集いし、星屑に乗せて飛んで行け……! レベル8『スターダスト・ドラゴン』!」(ユイ墓地16→18)
「『スターダスト・ドラゴン』!?」
ユイが召喚したのは、星屑を纏いし白き竜。攻撃力は2500。今までの毛色の違うカードに、デイブは驚き、ユイは想う。
「あなたは……もしかして、女神イクスの……そしてワタシの近くに、あの人はいるということなんデスね……」
「不発か……だが、まとめて戻してやれば良いだけだ! ツイン・ドラゴンの効果発動! オレの伏せカードを破壊し、お前の伏せカードを手札に戻す!」(デイブ墓地16→17)
「この瞬間、『スターダスト・ドラゴン』の効果を発動させマス! このカードをリリースして、フィールドのカードを破壊するカード効果を無効化して、破壊しマス! ヴィクテム・サンクチュアリ!」(ユイ墓地18→19)
破壊する効果を、『スターダスト・ドラゴン』が自らを犠牲にして守る。ツインの効果が封じられた。
「無効化されただと!? だが、相手によって破壊されたツインは、墓地より『スクラップ』を特殊召喚できる! 『スクラップ・ゴーレム』を特殊召喚する」
(破壊する効果を無効化か……だが、墓地にいるなら除去すればいい!)
「アトミック・ドラゴンの効果発動! オレの伏せカード1枚と、相手の墓地のカード3枚を対象として発動! そのカードをデッキに戻す! オレは『アームズ・エイド』『フォーミュラ・シンクロン』『スターダスト・ドラゴン』の3体をデッキに戻す!」
「断ち切らせはしまセン! 罠カード『星屑の残光』を発動させマス! 墓地の『スターダスト』1体を特殊召喚しマス! ワタシは『スターダスト・ドラゴン』を特殊召喚しマス!」
「ぐっ、逃れたか……だが、他のカードはきっちりデッキへ戻してもらうぞ! この時、破壊された『黄金の邪神像』の効果で、邪神トークンを特殊召喚する」(デイブ墓地17→18)(ユイ墓地19→17)
(耐えてきたか……だが、ここで破壊すれば……!)
「ゴーレムの効果。墓地からラプターを特殊召喚する」
「それにチェーンして、永続罠『星屑の願い』を発動させマス!」
「再びシンクロ召喚! 『スクラップ・ツイン・ドラゴン』!」(デイブ墓地18→20)
「そして、ツイン・ドラゴンの効果でトークンを破壊し、『スターダスト・ドラゴン』と永続罠を手札に戻す!」
「『スターダスト・ドラゴン』の効果を再び発動させマス! 『スターダスト・ドラゴン』をリリースして、無効化して破壊しマス!」(ユイ墓地17→18)
「だが、これで壁はいなくなった! 破壊されたツイン・ドラゴンの効果で、再び墓地からゴーレムを特殊召喚する!」(デイブ墓地20→19)
「ここで、永続罠『星屑の願い』の効果が発動しマス! 『スターダスト』が自身の効果でリリースされた時、そのモンスターを攻撃表示で特殊召喚しマス!」(ユイ墓地18→17)
「だが、ゴーレムの効果はフィールドを離れれば何度も使える。再びゴーレムの効果を……」
(この罠カードは、ここで使うものだったのデスね!)
「罠カード『シューティング・スター』を発動させマス! ワタシのフィールドに『スターダスト』がいる時、フィールドのカード1枚を破壊しマス! ゴーレムを破壊しマス!」(ユイ墓地17→18)
「クソッ……やられたか! なら、バトルフェイズに入り、アトミック・ドラゴンで『スターダスト・ドラゴン』を攻撃!」
「『星屑の願い』で特殊召喚されたモンスターが攻撃表示である時、戦闘では破壊されマセん! ダメージは受けマスが……」(ユイライフ1800→900)
「……伏せカードを2枚伏せて、ターンエンド……」(デイブ手札4→2)
デイブ
ライフポイント3500
手札枚数2枚
モンスター1体
『アトミック・スクラップ・ドラゴン』(攻撃表示・攻撃力3400・地属性・レベル10)
魔法・罠ゾーンのカード2枚
発動しているカード1枚
『スクラップ・ファクトリー』(フィールド魔法)
墓地の枚数19枚
除外されているカード1枚
7・ユイのターン
「ワタシのターン、ドローデス!」(ユイ手札0→1)
「魔法カード『貪欲な壺』を発動させマス! 墓地のモンスター5体をデッキに戻し、デッキから2枚ドローしマス! 『チューニング・サポーター』3体と、クオン2体をデッキに戻し、2枚ドローしマス!」(ユイ墓地18→14)(ユイ手札0→2)
「魔法カード『スターダスト・ストーム』を発動させマス! 相手の魔法・罠を全て除外しマス!!」(ユイ手札2→1)(ユイ墓地14→15)
「ぐっ、伏せカードにフィールド魔法が……!」
(この伏せカードは、破壊されれば効果が発動するはずだったのに!)(デイブ除外1→4)
「手札の『水晶機巧-シストバーン』を捨てて、墓地のサルファフナーの効果を発動デス! そして、サルファフナー自身を破壊して、デッキよりレベル2チューナー『水晶機巧-シトリィ』を特殊召喚しマス!」(ユイ墓地15→16)
「そして、墓地のシストバーンを除外して、デッキよりレベル2の『水晶機巧-プラシレータ』を手札に加え、召喚しマス!」
「レベル2のプラシレータに、レベル2のシトリィをチューニング! シンクロ召喚! 現れてくだサイ! レベル4『アームズ・エイド』!」(ユイ墓地16→18)
「そして、『アームズ・エイド』を『スターダスト・ドラゴン』に装備しマス!」(スターダスト・ドラゴン攻撃力2500→3500)
(た、対抗手段が……!)
「行きマスよ! 『スターダスト・ドラゴン』で、『アトミック・スクラップ・ドラゴン』を攻撃! シューティング・ソニック!」
「ぐぅぅっ!」(デイブライフ3500→3200)
『スターダスト・ドラゴン』の攻撃が、3つ首のドラゴンを破壊した! そして、『アームズ・エイド』の効果が発動する。
「『アームズ・エイド』の効果、このカードを装備したモンスターが戦闘で相手モンスターを破壊した時、破壊したモンスターの元々の攻撃力分のダメージを与えマス!」
「『アトミック・スクラップ・ドラゴン』の攻撃力は3200……ということ……は……オレの……負け……」(デイブライフ3200→0)
デュエルの決着がついた。その時、デイブのボディから再びスパークが漏れ始める。それも、今までの比ではない。言葉もたどたどしくなる。
「ギ……ギギギ……ド、ドウヤラ……限界……ダ……モウオレハ……活動出来ナイ……折角、ココ、マデ、来タノ、ニ……オレハ……消エ、ルノ、カ……? 誰ニモ、オレヲシ、ラレ、ズ……」
そんな時、ユイの目つきが変わる。ユイは、スパークが未だにバチバチ言っているデイブに近づいた。
「来ル、ナ……! 痺、レ、ルゾ……」
しかし、ユイはそのまま近づき、抱きしめた。
「ナ、ナ、ンデ……」
「私は……忘れません。あなたがいたことを。たった1回のデュエルでしたけれど、賢明に生きようとしたあなたを、決して忘れません。たった一人でも、あなたを覚えている人がいれば、きっと……」
「ギギギ……オレヲ、抱キ、シ、メタ人間ハ、オ前ダケ……ダ……優シインダナ……オ前ハ……」
「嬉しいのですか?」
「最後ニ……コ、ン、ナ、人、間、ニ……出会……エテ、オ、レ……ハ、幸セ……ダ……」
その瞬間、デイブの体から、大量のスパークが出て、バラバラになった。それと同時に、デイブは動かなくなった。デイブの中にあった雷が、無くなったのだろう。
ユイは、バラバラになった体から、首に当たる部分を持って、つぶやいた。
「もし、あなたとまた会えるなら……その時は……あなたと……」
ユイは、そのままどこかへ去って行った。
第百六話。終わり。
遊太やアキラといった、実力があるデュエリスト達はD1グランプリの参加者を蹴散らしながら進んでいく。だが、そうでないデュエリストは、なんとか自分にも倒せる相手を見つけて決勝トーナメントまで行こうとする。せっかくここまで来たのに、たった1回の負けで終わりたくない。絶対負けられないのだ。
中には、そんな理由で負けたくないデュエリストもいる。
「なんとか……残らなくては……時間が、残されていないのだ……」
D1グランプリ本戦に出場したユイ。なんとか2日目まで生き残っているが、この本戦に出場してから、時々頭が痛くなることがあった。
「何か……何かがおかしいデス……この大会が始まった時から、時々頭が痛くなりマス……まるで、何かが私の中から出てこようとしているみたいデス……」
それでもなんとか1日1回のデュエルを勝ち抜き、ここまで生き残ってきた。だが、ちょっと具合が悪そうだった。
そんなユイを、後ろから狙っていた人物がいた。
「デュエリスト……俺と、対戦しろ」
「デュエリスト……デスか?」
ユイが振り向くと、そこには黒いローブで体を覆った何者かがいた。だが、そのローブはボロボロで、顔が見えず赤い光が見えるだけ。
「デュエリスト……デュエルしろ。俺の名前はデイブ」
「あ、ハイ、わかりマシた。デュエルしマス」
何者かがデュエルディスクを構えると同時に、ユイもデュエルディスクを構える。
「早く……しろ。時間が無い」
「ハイ。わかりマシた」
「「ルールはマスタールール3! ライフポイントは8000!」」
「「デュエル!」」
「先攻はワタシがもらいマシた!」
1・ユイのターン
「ワタシは手札から永続魔法『補給部隊』を発動して、『水晶機巧-ローズニクス』を召喚して、効果を発動しマス。このモンスターを破壊して、デッキより『クリストロン』チューナーモンスターであるレベル1の『水晶機巧-クオン』を特殊召喚しマス! このとき、永続魔法『補給部隊』の効果が発動しマス。自分フィールドのモンスターが破壊された時、1枚ドローできマス」(ユイ手札5→3→4)(ユイ墓地0→1)
「カードを2枚伏せて、ターンエンドデス」(ユイ手札4→2)
ユイ
ライフポイント8000
手札枚数2枚
モンスター1体
『水晶機巧-クオン』(守備表示・守備力500・水属性・レベル1)
魔法・罠ゾーンのカード3枚
発動しているカード1枚
『補給部隊』(永続魔法)
墓地の枚数1枚
除外されているカード0枚
2・デイブのターン
「俺のターン、ドロー」(デイブ手札5→6)
「俺も同じく永続魔法『補給部隊』を発動」(デイブ手札6→5)
「そして手札より魔法カード『スクラップ・エリア』を発動。デッキから『スクラップ』チューナー1体を手札に加える。俺はレベル4の『スクラップ・ラプター』を手札に加える」(デイブ墓地0→1)
「コレを召喚する前に、フィールド魔法『スクラップ・ファクトリー』を発動。このカードがフィールドにある限り、『スクラップ』モンスターは攻守が200アップする」(デイブ手札5→4)
「そして、レベル4チューナー『スクラップ・ラプター』を召喚し、効果発動。自分フィールドのモンスター1体を破壊し、このターン『スクラップ』モンスターの追加召喚が可能となる。ラプター自身を破壊する!」(デイブ手札4→3)(デイブ墓地1→2)
ぼろい機械の恐竜が出てきたと思ったら、いきなり破壊され壊れてしまう。だが、残す物があった。
「『スクラップ・ラプター』が『スクラップ』カードの効果で破壊された時、デッキから『スクラップ・ファクトリー』かチューナーでない『スクラップ』モンスターを手札に加える。俺はレベル4の『スクラップ・キマイラ』を手札に加える。更に、永続魔法『補給部隊』の効果で、デッキから1枚ドローする。そしてフィールド魔法『スクラップ・ファクトリー』の効果が発動される。『スクラップ』モンスターが効果で破壊された時、デッキから『スクラップ』を特殊召喚できる。俺はレベル3チューナー『スクラップ・ゴブリン』を特殊召喚する!」(デイブ手札3→5)
「なるほど……自壊で効果を発動するモンスターを主体としたデッキデスか……そして、チューナーということは」
「手札より『スクラップ・キマイラ』を召喚し、効果発動。通常召喚された時墓地から『スクラップ』チューナーモンスターを特殊召喚できる。俺はレベル4チューナーのラプターを特殊召喚する。そして、レベル4のキマイラに、レベル4のラプターをチューニング! シンクロ召喚! 現れろ、廃材の中より現れし鉄屑竜! レベル8『スクラップ・ドラゴン』!」(デイブ手札5→4)(デイブ墓地2→4)
廃材の中から現れたのは、廃材をつなぎ合わせて作られたドラゴン。攻撃力は2800だが、フィールド魔法の効果で3000となる。
「『スクラップ・ドラゴン』の効果を発動。自分フィールドのカード1枚と、相手フィールドのカードを1枚ずつ対象として発動できる。そのカードを破壊する! 俺はゴブリンとお前の伏せカードを破壊する!」
「くっ、伏せカードの『クリストロン・エントリー』が……」(ユイ墓地1→2)(デイブ墓地4→5)
「そして、『スクラップ』カードで破壊されたゴブリンの効果で、墓地から『スクラップ・キマイラ』を手札に加える」(デイブ手札4→5)(デイブ墓地5→4)
「次のターンの用意もできている……デスか」
「バトルフェイズ! 『スクラップ・ドラゴン』で、クオンを攻撃!」
「このバトルフェイズ、クオンの効果を発動しマス! 手札からチューナー以外のモンスターを特殊召喚シテ、機械族シンクロモンスターをシンクロ召喚しマス! ワタシはレベル5の『水晶機巧-サルファフナー』を特殊召喚して、シンクロ召喚! レベル6『甲化鎧骨格』!」(ユイ手札2→1)(ユイ墓地2→4)
「シンクロ召喚された『甲化鎧骨格』の効果で、このターン、このカードは戦闘・効果で破壊されず、ワタシが受ける全てのダメージは0となりマス!」
「攻撃は意味がない……か。メインフェイズ2に入り、手札からカードを3枚伏せ、ターンエンド」(デイブ手札5→2)
ライフポイント8000
手札枚数2枚
モンスター1体
『スクラップ・ドラゴン』(攻撃表示・攻撃力3000・地属性・レベル8)
魔法・罠ゾーンのカード4枚
発動しているカード2枚
『スクラップ・ファクトリー』(フィールド魔法)
『補給部隊』(永続魔法)
墓地の枚数4枚
除外されているカード0枚
ユイは、相手の戦術を考える。
(『スクラップ・ドラゴン』の効果で、毎ターン相手のカードを破壊して、『補給部隊』で1ドロー。更に『スクラップ』カードは他にも『スクラップ』カードで破壊されれば効果が発動できるから……毎ターン、とんでもないアドが稼げそうデスね)
(デスが、まだ序盤。ここはなんとかしマス)
3・ユイのターン
「ワタシのターン、ドローデス!」(ユイ手札1→2)
「手札から、『水晶機巧-シストバーン』を捨てて、墓地のサルファフナーの効果発動デス。このカードを墓地から特殊召喚して、フィールドのカード1枚を破壊しマス。ワタシはサルファフナー自身を破壊しマス。そして破壊されたサルファフナーの効果で、デッキより『クリストロン』モンスターであるクオンを再び特殊召喚しマス。そして永続魔法『補給部隊』の効果で、デッキより1ドローデス」(ユイ手札2→1→2)(ユイ墓地4→5)
「手札より、『チューニング・サポーター』を召喚しマス。そして、手札から魔法カード『機械複製術』を発動しマス。自分フィールドの攻撃力500以下の機械族モンスター1体を対象に、同名カードをデッキから2体特殊召喚しマス。『チューニング・サポーター』を2体特殊召喚しマス!」(ユイ手札2→0)(ユイ墓地5→6)
「これで、レベル1チューナーにレベル1モンスターが3体……まさかさらなるシンクロを……」
「レベル1の『チューニング・サポーター』3体に、レベル1のクオンをチューニング! シンクロ召喚! 現れてくだサイ! レベル4『アームズ・エイド』!」(ユイ墓地6→10)
現れたのは、鋭い爪を持つ機械の手。攻撃力は1800。
「シンクロ素材とした『チューニング・サポーター』は、1枚ドローできマス。それが3体ということは、3枚ドローデス!」(ユイ手札0→3)
「そして『アームズ・エイド』の効果発動デス。このカードを、モンスター1体の装備カードとし、装備モンスターの攻撃力は1000アップしマス! 『甲化鎧骨格』の装備カードとして、攻撃力を3500としマス!」(『甲化鎧骨格』攻撃力2500→3500)
「行きマス! バトルフェイズ!」
「このバトルフェイズ、俺は罠カードを発動させる。罠カード『戦線復帰』。これにより、墓地から『スクラップ・ゴブリン』を守備表示で特殊召喚する」
(なぜ、守備力が500の『スクラップ・ゴブリン』を?)
「速攻魔法『スクラップ・ポリッシュ』を発動させる。このカードの発動時、フィールドの『スクラップ』モンスター1体を破壊する。そして、俺のフィールドの『スクラップ』モンスターの攻撃力を全て1000アップさせる! そしてフィールド魔法『スクラップ・ファクトリー』の効果が……」
「手札より速攻魔法『サイクロン』発動デス! このカードは、フィールドの魔法・罠を1枚破壊しマス! フィールド魔法『スクラップ・ファクトリー』を破壊しマス!」(ユイ手札3→2)(ユイ墓地10→11)
「チッ、追加召喚は無理か……だが、俺の『スクラップ・ドラゴン』は『スクラップ・ファクトリー』無しでも攻撃力が1000アップする!」(デイブ墓地4→7)(『スクラップ・ドラゴン』攻撃力3000→3800)
「速攻魔法『鈍重』を手札から発動させマス! このカードは、フィールドのモンスター1体を対象として、そのモンスターの守備力分モンスターの攻撃力を下げマス! 『スクラップ・ドラゴン』の守備力は2000。よって2000下げマス!」(ユイ手札2→1)(ユイ墓地11→12)
「ここまでやるか……だが俺は、『スクラップ』カードの効果で破壊されたゴブリンの効果で、墓地から『スクラップ・ラプター』を手札に加える。更に、永続魔法『補給部隊』の効果で、1枚ドロー」(『スクラップ・ドラゴン』攻撃力3800→1800)(デイブ墓地7→6)(デイブ手札2→4)
「攻撃デス! 『甲化鎧骨格』で、『スクラップ・ドラゴン』を攻撃デス!」
「ぐぅっ!」(デイブライフ8000→6300)(デイブ墓地7→8)
「更に、『アームズ・エイド』の効果。このカードを装備しているモンスターが戦闘でモンスターを破壊した時、破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを与えマス! 攻撃力は2800。よって2800のダメージを与えマス!」
「何っ、ぐああああっ!」(デイブライフ6300→3500)
大ダメージを受けて、苦しがるデイブ。すると、体を覆っていたボロ布が取れ、その姿が露わになった。デイブの本当の姿は……。
「あ、アナタは!?」
「ギギ……見タナ……」
デイブの姿は、人型のロボットだった。ただし、ボディは細く所々配線が飛び出てメッキが剥がれ、足りない所をハンガーや様々なガラクタでつなぎ合わせた、今にも壊れそうなロボット。そして、ところどころバチバチ火花が出ている。
「アナタ……人間じゃ無いのデスか!?」
「ソ、ソウサ……オレハドコカノ誰カガ打チ捨テタロボットニ雷ガ落チテ、生マレタ何カ……誰モ彼モガオレヲ気持チ悪イトヌカシ、嫌ワレテキタ……ソシテ、オレノ中ノ雷ハ、モウジキツキル……」
「そ、そんな……」
「オレハ……何者ニモ知ラレナイママ、消エタクナイ……D1グランプリデ……皆ヲ倒シ頂点ニナレバ、オレノ存在ヲ、皆ガ見テクレル……ダカラ、オ、レハ、勝タナク、テハイケ、ナ、イ!」
スパークがはじけ、言葉が継ぎ接ぎだらけになる。もう見ていられない程に。
「続キヲ始メ、ル、ゾ……オ、前ノター、ンノバトルフェ、イズダ。コノ時オレハ、破壊サレタ『スクラップ・ドラゴン』ノ効果デ、墓地より『スクラップ・ゴブリン』ヲ特殊召喚スル」(デイブ墓地8→7)
「メインフェイズ2に入って、手札からカードを1枚セットして、ターンエンドデス……」(ユイ手札1→0)
ユイ
ライフポイント8000
手札枚数0枚
モンスター1体
『甲化鎧骨格』(攻撃表示・攻撃力3500・レベル6・地属性)
魔法・罠ゾーンのカード4枚
発動しているカード2枚
『アームズ・エイド』(装備カード)
『補給部隊』(永続魔法)
墓地の枚数12枚
除外されているカード0枚
4・デイブのターン
デイブの体のバチバチが収まり、言葉が戻る。
「オレのターン、ドロー」(デイブ手札4→5)
「手札より、魔法カード『テラ・フォーミング』を発動。デッキよりフィールド魔法を手札に加える。オレは『スクラップ・ファクトリー』を手札に加える」(デイブ墓地7→8)
「手札より、再び『スクラップ・ファクトリー』を発動し、『スクラップ・ラプター』を召喚する」(デイブ手札5→3)
「そして『スクラップ・ラプター』の効果を発動。このカードを破壊し、『スクラップ』モンスターの通常召喚権を増やす! そして、ラプターが破壊されたことにより、デッキより『スクラップ・オルトロス』を手札に加える。更に、フィールド魔法『スクラップ・ファクトリー』の効果で、オレはデッキより『スクラップ・ゴーレム』を特殊召喚する。更に、永続魔法『補給部隊』の効果で、デッキより1枚ドローする」(デイブ手札3→5)(デイブ墓地8→9)
「手札から、『スクラップ・キマイラ』を通常召喚する。墓地より『スクラップ』チューナーを特殊召喚できる。俺はレベル4のラプターを再び特殊召喚する」(デイブ手札4→3)(デイブ墓地9→8)
「オレはレベル4のキマイラに、レベル4のラプターをチューニング! シンクロ召喚! 再び廃材の中より現れろ、レベル8『スクラップ・ドラゴン』!」(デイブ墓地9→11)
「この瞬間、リバースカードを発動させマス! 罠カード『奈落の落とし穴』! このカードは攻撃力1500以上のモンスターが召喚・特殊召喚・反転召喚に成功した時、そのモンスターを破壊して除外しマス!」(ユイ墓地12→13)
「除外か……まだ問題は無い! 『スクラップ・ゴーレム』の効果発動。自分の墓地から『スクラップ』モンスターを特殊召喚する! オレはラプターを特殊召喚する」(デイブ除外0→1)(デイブ墓地11→10)
「オレはレベル5のゴーレムに、レベル4のラプターをチューニング! 廃材の中より、二つの首を持ちし鉄屑竜が現れる! 出ろ、レベル9『スクラップ・ツイン・ドラゴン』!」(デイブ墓地10→12)
今回現れたのは、『スクラップ・ドラゴン』の首が二つに増えた廃材竜。攻撃力は3000だが、フィールド魔法『スクラップ・ファクトリー』の効果で3200となる。
「ツイン・ドラゴンの効果発動! 自分フィールドのカード1枚と、相手フィールドのカード2枚を対象として発動する。ゴブリンを対象に、お前のシンクロモンスターと伏せカードを対象として手札に戻す!」(デイブ墓地12→13)
「うっ……! この伏せカードは……!」(ユイ手札0→1)(ユイ墓地13→14)
「そして、破壊されたゴブリンの効果で、墓地より『スクラップ・キマイラ』を手札に加える」(デイブ手札5→6)(デイブ墓地13→12)
「そして、手札より……魔法カード『死者蘇生』を、発動! 墓地から『スクラップ・ドラゴン』を特殊召喚する!」(デイブ手札6→5)
「『スクラップ・ドラゴン』のモンスター効果。自分フィールドのカード1枚と、相手フィールドのカード1枚を破壊する! オレは『補給部隊』を破壊し、お前の『補給部隊』を破壊する!」(デイブ墓地12→13)
(ドローソースマデも……)(ユイ墓地14→15)
「バトルフェイズに入る。オレは2体の『スクラップ』シンクロによって、ダイレクトアタック! スクラップ・シュート!」
「キャアアアア!」(ユイライフ8000→5000→1800)
「カードを2枚伏せて、ターンエンドだ」(デイブ手札6→4)
デイブ
ライフポイント3500
手札枚数4枚
モンスター2体
『スクラップ・ドラゴン』(攻撃表示・攻撃力3000・地属性・レベル8)
『スクラップ・ツイン・ドラゴン』(攻撃表示・攻撃力3200・地属性・レベル9)
魔法・罠ゾーンのカード2枚
発動しているカード1枚
『スクラップ・ファクトリー』(フィールド魔法)
墓地の枚数13枚
除外されているカード1枚
形勢は逆転。フィールドはがら空きにされ、ライフポイントにも差をつけられた。
(ダメデス……先ほど手札に戻ってきたカードは、なんなのかわからないカード……『シューティング・スター』……罠カードだからと言って、伏せてしまいマシた……。ですが、これをまた伏せたところで、破壊されるのがオチ……手札もフィールドのカードも無い……このままでは、負けてしまいマス……)
ユイは、ちらりとデイブを見る。火花は散らなくなっているが、限界が近そうなのが見えた。
(このまま行っても、あの人はいずれ……でも、デュエルは続けなくては……でも、どうしたら……)
5・ユイのターン
「ワタシのターン、ドローデス!」(ユイ手札1→2)
(どうにか……どうにか……ッ!?)
その時、ユイの中に何かが走る。その時に見えた、おぼろげなドラゴンの姿。その時感じた。何かが見えた。
(この記憶……ワタシ……知りマセん……でも、わかりマス。起死回生のカギ! ワタシは、この感覚を信じマス!)
「ワタシは墓地より、シストバーンを除外して効果を発動しマス! デッキより、クオンを手札に加えマス。そして召喚」(ユイ手札2→3→2)(ユイ墓地15→14)(ユイ除外0→1)
「そして墓地より、ローズニクスを除外して効果を発動しマス! レベル1、機械族の『水晶機巧トークン』を特殊召喚しマス!」(ユイ墓地14→13)(ユイ除外1→2)
「そして、自分フィールドに機械族モンスターが2体のみの場合、手札から『アイアンドロー』を発動できマス! その効果により、デッキから2枚ドローしマス!」(ユイ手札2→3)(ユイ墓地13→14)
そして、引いたカードを見てみるユイ。そのカードは、今まで自分が使ったことのないカードだった。
(このカード、ワタシ……知りマセん……でも、このカードが、ワタシにとっての切り札!)
「レベル1の『水晶機巧トークン』に、レベル1のクオンをチューニング! シンクロ召喚! 現れてくだサイ! 進化へ誘う希望のモンスター! レベル2『フォーミュラ・シンクロン』!」(ユイ墓地14→16)
「『フォーミュラ・シンクロン』がシンクロ召喚に成功した時、デッキから1枚ドローできマス!」(ユイ手札3→4)
「……よし、これなら……! カードを4枚伏せて、ターンエンドデス!」(ユイ手札4→0)
ユイ
ライフポイント1800
手札枚数0枚
モンスター1体
『フォーミュラ・シンクロン』(守備表示・守備力1500・光属性・レベル2)
魔法・罠ゾーンのカード4枚
発動しているカード0枚
墓地の枚数16枚
除外されているカード2枚
「シンクロチューナー、だと?」
(あのシンクロモンスターは、相手ターンでもシンクロできるカード。だが、1体だけではその効力も意味はない……となると、伏せカードがキーか!)
(なら、順番に破壊していけば良いだけだ!)
6・デイブのターン
「俺のターン、ドロー!」(デイブ手札4→5)
「手札より、『スクラップ・キマイラ』を召喚。そして墓地より、『スクラップ・ラプター』を特殊召喚する」(デイブ手札5→4)(デイブ墓地13→12)
「そして、ラプターの効果で自身を破壊し、『スクラップ』の追加召喚権を得る! そしてラプターの効果によってデッキより『スクラップ・ワーム』を手札に加え、フィールド魔法の効果で『スクラップ・シャーク』を特殊召喚する」(デイブ墓地12→13)
「そして、レベル2チューナーのワームを召喚。そして、レベル4のキマイラと、レベル4のシャークに、レベル2のワームをチューニング! シンクロ召喚! 現れろ……廃材より、究極のモンスターが現れる! レベル10『アトミック・スクラップ・ドラゴン』!」(デイブ墓地13→15)
3つ首の、『スクラップ・ドラゴン』が現れる。攻撃力は3200で、 フィールド魔法の効果で3400となる。
「『スクラップ・ドラゴン』の効果発動! オレの伏せカードを破壊し、お前の伏せカードを破壊する!」(デイブ墓地15→16)
「対象に取られた、罠カード『戦線復帰』を発動しマス! このカードは、墓地より守備表示でモンスターを特殊召喚しマス! レベル6の『甲化鎧骨格』を特殊召喚しマス!」
「そして、この瞬間、『フォーミュラ・シンクロン』の効果を発動させマス! 相手のメインフェイズ、フォーミュラを素材としてシンクロ召喚を行いマス! レベル6の『甲化鎧骨格』に、レベル2の『フォーミュラ・シンクロン』をチューニング! 願いよ、思いよ、今こそ集いし、星屑に乗せて飛んで行け……! レベル8『スターダスト・ドラゴン』!」(ユイ墓地16→18)
「『スターダスト・ドラゴン』!?」
ユイが召喚したのは、星屑を纏いし白き竜。攻撃力は2500。今までの毛色の違うカードに、デイブは驚き、ユイは想う。
「あなたは……もしかして、女神イクスの……そしてワタシの近くに、あの人はいるということなんデスね……」
「不発か……だが、まとめて戻してやれば良いだけだ! ツイン・ドラゴンの効果発動! オレの伏せカードを破壊し、お前の伏せカードを手札に戻す!」(デイブ墓地16→17)
「この瞬間、『スターダスト・ドラゴン』の効果を発動させマス! このカードをリリースして、フィールドのカードを破壊するカード効果を無効化して、破壊しマス! ヴィクテム・サンクチュアリ!」(ユイ墓地18→19)
破壊する効果を、『スターダスト・ドラゴン』が自らを犠牲にして守る。ツインの効果が封じられた。
「無効化されただと!? だが、相手によって破壊されたツインは、墓地より『スクラップ』を特殊召喚できる! 『スクラップ・ゴーレム』を特殊召喚する」
(破壊する効果を無効化か……だが、墓地にいるなら除去すればいい!)
「アトミック・ドラゴンの効果発動! オレの伏せカード1枚と、相手の墓地のカード3枚を対象として発動! そのカードをデッキに戻す! オレは『アームズ・エイド』『フォーミュラ・シンクロン』『スターダスト・ドラゴン』の3体をデッキに戻す!」
「断ち切らせはしまセン! 罠カード『星屑の残光』を発動させマス! 墓地の『スターダスト』1体を特殊召喚しマス! ワタシは『スターダスト・ドラゴン』を特殊召喚しマス!」
「ぐっ、逃れたか……だが、他のカードはきっちりデッキへ戻してもらうぞ! この時、破壊された『黄金の邪神像』の効果で、邪神トークンを特殊召喚する」(デイブ墓地17→18)(ユイ墓地19→17)
(耐えてきたか……だが、ここで破壊すれば……!)
「ゴーレムの効果。墓地からラプターを特殊召喚する」
「それにチェーンして、永続罠『星屑の願い』を発動させマス!」
「再びシンクロ召喚! 『スクラップ・ツイン・ドラゴン』!」(デイブ墓地18→20)
「そして、ツイン・ドラゴンの効果でトークンを破壊し、『スターダスト・ドラゴン』と永続罠を手札に戻す!」
「『スターダスト・ドラゴン』の効果を再び発動させマス! 『スターダスト・ドラゴン』をリリースして、無効化して破壊しマス!」(ユイ墓地17→18)
「だが、これで壁はいなくなった! 破壊されたツイン・ドラゴンの効果で、再び墓地からゴーレムを特殊召喚する!」(デイブ墓地20→19)
「ここで、永続罠『星屑の願い』の効果が発動しマス! 『スターダスト』が自身の効果でリリースされた時、そのモンスターを攻撃表示で特殊召喚しマス!」(ユイ墓地18→17)
「だが、ゴーレムの効果はフィールドを離れれば何度も使える。再びゴーレムの効果を……」
(この罠カードは、ここで使うものだったのデスね!)
「罠カード『シューティング・スター』を発動させマス! ワタシのフィールドに『スターダスト』がいる時、フィールドのカード1枚を破壊しマス! ゴーレムを破壊しマス!」(ユイ墓地17→18)
「クソッ……やられたか! なら、バトルフェイズに入り、アトミック・ドラゴンで『スターダスト・ドラゴン』を攻撃!」
「『星屑の願い』で特殊召喚されたモンスターが攻撃表示である時、戦闘では破壊されマセん! ダメージは受けマスが……」(ユイライフ1800→900)
「……伏せカードを2枚伏せて、ターンエンド……」(デイブ手札4→2)
デイブ
ライフポイント3500
手札枚数2枚
モンスター1体
『アトミック・スクラップ・ドラゴン』(攻撃表示・攻撃力3400・地属性・レベル10)
魔法・罠ゾーンのカード2枚
発動しているカード1枚
『スクラップ・ファクトリー』(フィールド魔法)
墓地の枚数19枚
除外されているカード1枚
7・ユイのターン
「ワタシのターン、ドローデス!」(ユイ手札0→1)
「魔法カード『貪欲な壺』を発動させマス! 墓地のモンスター5体をデッキに戻し、デッキから2枚ドローしマス! 『チューニング・サポーター』3体と、クオン2体をデッキに戻し、2枚ドローしマス!」(ユイ墓地18→14)(ユイ手札0→2)
「魔法カード『スターダスト・ストーム』を発動させマス! 相手の魔法・罠を全て除外しマス!!」(ユイ手札2→1)(ユイ墓地14→15)
「ぐっ、伏せカードにフィールド魔法が……!」
(この伏せカードは、破壊されれば効果が発動するはずだったのに!)(デイブ除外1→4)
「手札の『水晶機巧-シストバーン』を捨てて、墓地のサルファフナーの効果を発動デス! そして、サルファフナー自身を破壊して、デッキよりレベル2チューナー『水晶機巧-シトリィ』を特殊召喚しマス!」(ユイ墓地15→16)
「そして、墓地のシストバーンを除外して、デッキよりレベル2の『水晶機巧-プラシレータ』を手札に加え、召喚しマス!」
「レベル2のプラシレータに、レベル2のシトリィをチューニング! シンクロ召喚! 現れてくだサイ! レベル4『アームズ・エイド』!」(ユイ墓地16→18)
「そして、『アームズ・エイド』を『スターダスト・ドラゴン』に装備しマス!」(スターダスト・ドラゴン攻撃力2500→3500)
(た、対抗手段が……!)
「行きマスよ! 『スターダスト・ドラゴン』で、『アトミック・スクラップ・ドラゴン』を攻撃! シューティング・ソニック!」
「ぐぅぅっ!」(デイブライフ3500→3200)
『スターダスト・ドラゴン』の攻撃が、3つ首のドラゴンを破壊した! そして、『アームズ・エイド』の効果が発動する。
「『アームズ・エイド』の効果、このカードを装備したモンスターが戦闘で相手モンスターを破壊した時、破壊したモンスターの元々の攻撃力分のダメージを与えマス!」
「『アトミック・スクラップ・ドラゴン』の攻撃力は3200……ということ……は……オレの……負け……」(デイブライフ3200→0)
デュエルの決着がついた。その時、デイブのボディから再びスパークが漏れ始める。それも、今までの比ではない。言葉もたどたどしくなる。
「ギ……ギギギ……ド、ドウヤラ……限界……ダ……モウオレハ……活動出来ナイ……折角、ココ、マデ、来タノ、ニ……オレハ……消エ、ルノ、カ……? 誰ニモ、オレヲシ、ラレ、ズ……」
そんな時、ユイの目つきが変わる。ユイは、スパークが未だにバチバチ言っているデイブに近づいた。
「来ル、ナ……! 痺、レ、ルゾ……」
しかし、ユイはそのまま近づき、抱きしめた。
「ナ、ナ、ンデ……」
「私は……忘れません。あなたがいたことを。たった1回のデュエルでしたけれど、賢明に生きようとしたあなたを、決して忘れません。たった一人でも、あなたを覚えている人がいれば、きっと……」
「ギギギ……オレヲ、抱キ、シ、メタ人間ハ、オ前ダケ……ダ……優シインダナ……オ前ハ……」
「嬉しいのですか?」
「最後ニ……コ、ン、ナ、人、間、ニ……出会……エテ、オ、レ……ハ、幸セ……ダ……」
その瞬間、デイブの体から、大量のスパークが出て、バラバラになった。それと同時に、デイブは動かなくなった。デイブの中にあった雷が、無くなったのだろう。
ユイは、バラバラになった体から、首に当たる部分を持って、つぶやいた。
「もし、あなたとまた会えるなら……その時は……あなたと……」
ユイは、そのままどこかへ去って行った。
第百六話。終わり。
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同シリーズ作品
イイネ | タイトル | 閲覧数 | コメ数 | 投稿日 | 操作 | |
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125 | プロローグ「出会いは突然に」 | 1861 | 3 | 2018-01-27 | - | |
172 | 第一話「六道遊太、デュエルと出会う」 | 1510 | 1 | 2018-01-28 | - | |
97 | 第二話「六道遊太、デュエルスタンバイ!」 | 1392 | 3 | 2018-01-30 | - | |
144 | 第三話「ロードナイトVSC・HERO」 | 1215 | 1 | 2018-02-05 | - | |
79 | 第四話「大会にて」 | 1008 | 1 | 2018-02-11 | - | |
131 | 第五話「カリンとカードの精霊の話」 | 1105 | 1 | 2018-02-14 | - | |
120 | 第六話「戦いの幕開け」 | 1023 | 1 | 2018-02-18 | - | |
216 | 第七話「大鴉の特訓」 | 1120 | 1 | 2018-02-22 | - | |
87 | 第八話「知多泉、デュエルスタンバイ!」 | 987 | 0 | 2018-02-25 | - | |
180 | 第九話「儀式降臨のサフィラ」 | 1038 | 0 | 2018-03-02 | - | |
91 | 第十話「驚きの予選会」 | 1124 | 1 | 2018-03-05 | - | |
82 | 第十一話「ペンデュラムと、英雄騎士達」 | 1183 | 2 | 2018-03-10 | - | |
92 | 第十二話「プラクサス大会スタート!」 | 1052 | 0 | 2018-03-13 | - | |
151 | 第十三話「恐怖のロックバーン」 | 1140 | 2 | 2018-03-17 | - | |
169 | 第十四話「カリンとサフィラ」 | 1010 | 0 | 2018-03-24 | - | |
150 | 第十五話「アキラ君の思い」 | 1166 | 2 | 2018-03-29 | - | |
72 | 第十六話「楽しむ心、やるべき心」 | 955 | 2 | 2018-04-03 | - | |
82 | 第十七話「本戦開始!」 | 946 | 0 | 2018-04-06 | - | |
140 | 第十八話「知多と遊太」 | 966 | 0 | 2018-04-13 | - | |
141 | 第十九話「僕のヒーロー」 | 1061 | 0 | 2018-04-17 | - | |
143 | 第二十話「僕のヒーローは」 | 1025 | 0 | 2018-04-21 | - | |
148 | 第二十一話「対決! 遊太VS菊姫!」 | 1121 | 2 | 2018-04-25 | - | |
132 | 第二十二話「菊姫の切り札」 | 963 | 2 | 2018-04-29 | - | |
105 | 第二十三話「覚醒を封じられた先に……!」 | 984 | 2 | 2018-05-09 | - | |
140 | 第二十四話「プラクサス大会、決勝戦!」 | 1005 | 0 | 2018-05-12 | - | |
86 | 第二十五話「真の究極竜と、カオスMAX」 | 1034 | 2 | 2018-05-16 | - | |
139 | 第二十六話「決着、そして……!」 | 1040 | 2 | 2018-05-18 | - | |
78 | 第二十七話「ロードナイトの話」 | 1002 | 0 | 2018-05-26 | - | |
94 | 第二十八話「カリンと遊太」 | 991 | 2 | 2018-05-28 | - | |
93 | 第二十九話「日傘の女の子」 | 915 | 0 | 2018-06-07 | - | |
158 | 第三十話「ヒーローショーを見に行こう!」 | 978 | 0 | 2018-06-11 | - | |
125 | 第三十一話「忍び寄る侵略の影」 | 963 | 0 | 2018-06-23 | - | |
107 | 第三十二話「侵略の一手」 | 820 | 0 | 2018-06-24 | - | |
163 | 第三十三話「帝国への招待状」 | 1054 | 0 | 2018-07-03 | - | |
125 | 第三十四話「いざ、帝国へ!」 | 956 | 0 | 2018-07-12 | - | |
232 | 遊戯王EXSキャラ紹介 その1 | 1396 | 2 | 2018-07-14 | - | |
128 | 第三十五話「GAME START」 | 916 | 0 | 2018-07-22 | - | |
80 | 決闘者の帝国における、特殊ルール | 880 | 2 | 2018-07-22 | - | |
165 | 第三十六話「まずは一つ」 | 1045 | 0 | 2018-07-29 | - | |
94 | 第三十七話「菊姫とアキラ」 | 976 | 0 | 2018-08-05 | - | |
94 | 第三十八話「実力勝負!」 | 922 | 0 | 2018-08-12 | - | |
134 | 第三十九話「エンジョイデュエル!」 | 1030 | 0 | 2018-08-23 | - | |
86 | 第四十話「プレイヤーキラー、動く!」 | 839 | 0 | 2018-09-07 | - | |
75 | 第四十一話「闇を打ち砕け、遊太!」 | 905 | 0 | 2018-09-15 | - | |
112 | 第四十二話「ユニオンロボ&宇宙のヒーロー | 910 | 0 | 2018-09-29 | - | |
83 | 第四十三話「侵攻するワーム」 | 969 | 0 | 2018-10-06 | - | |
130 | 第四十四話「ヒーロー覚醒!?」 | 941 | 2 | 2018-10-14 | - | |
207 | 第四十五話「血の刻印」 | 1127 | 2 | 2018-10-27 | - | |
68 | 第四十六話「二つの竜」 | 825 | 2 | 2018-11-08 | - | |
167 | 第四十七話「共鳴、そして目醒め」 | 1003 | 2 | 2018-11-19 | - | |
133 | 第四十八話「思わぬ敵」 | 949 | 2 | 2018-12-02 | - | |
99 | 第四十九話「救いと絶望」 | 912 | 0 | 2018-12-09 | - | |
147 | 第五十話「ロベルトを救う者」 | 976 | 0 | 2018-12-17 | - | |
129 | 第五十一話「決戦! 闇の王と遊太」 | 947 | 0 | 2019-01-17 | - | |
97 | 作者よりお知らせ | 808 | 0 | 2019-01-27 | - | |
79 | 第五十二話「突き抜ける意志」 | 765 | 0 | 2019-02-05 | - | |
94 | 第五十三話「神帝現る」 | 926 | 0 | 2019-02-12 | - | |
93 | 第五十四話「帝国の終焉」 | 833 | 0 | 2019-02-22 | - | |
111 | 特別編『超次元! 世界を越えた絆』1 | 1006 | 0 | 2019-03-07 | - | |
139 | 特別編『超次元! 世界を越えた絆』2 | 874 | 0 | 2019-03-14 | - | |
87 | 特別編『超次元! 世界を越えた絆』3 | 900 | 0 | 2019-03-22 | - | |
78 | 第五十五話「休息の時」 | 788 | 0 | 2019-04-07 | - | |
76 | 第五十六話「彼女との再会」 | 732 | 0 | 2019-04-20 | - | |
98 | 第五十七話「マダムの危ない罠」 | 749 | 0 | 2019-05-01 | - | |
66 | 第五十八話「ストアブレーカー」 | 764 | 0 | 2019-05-19 | - | |
71 | 第五十九話「闇のカード」 | 823 | 0 | 2019-06-04 | - | |
107 | 第六十話「変わり始める生活」 | 775 | 0 | 2019-07-18 | - | |
64 | 第六十一話「ユイのデュエル」 | 708 | 0 | 2019-08-04 | - | |
74 | 作者よりお知らせ2 | 721 | 0 | 2019-08-11 | - | |
88 | 第六十二話「プラクサスの怪人」 | 708 | 0 | 2019-09-11 | - | |
64 | お詫びとお知らせ | 475 | 0 | 2020-02-19 | - | |
145 | 第六十三話「暴走! 怪人クロウリー」 | 754 | 0 | 2020-02-19 | - | |
78 | 特別編『ブルーアイズVSブルーアイズ』 | 815 | 0 | 2020-02-22 | - | |
85 | 第六十四話「闇に落ちる小鳥」 | 751 | 0 | 2020-03-22 | - | |
66 | 第六十五話「鳥人を食う邪竜」 | 657 | 0 | 2020-04-18 | - | |
87 | 第六十六話「ダークヒーロー!ヴェンデット | 660 | 0 | 2020-05-09 | - | |
85 | 第六十七話「堕ちたヒーロー」 | 684 | 0 | 2020-05-23 | - | |
73 | 第六十八話「視える未来(ビジョン)」 | 831 | 0 | 2020-05-30 | - | |
95 | 第六十九話「突入、アポカリプトのアジト」 | 743 | 0 | 2020-06-12 | - | |
60 | 第七十話「登場! 世界チャンピオン!」 | 708 | 0 | 2020-06-14 | - | |
57 | 第七十一話「デートじゃん!」 | 655 | 0 | 2020-06-27 | - | |
74 | 第七十二話「不死者は少年を好く」 | 759 | 0 | 2020-06-28 | - | |
62 | 第七十三話「最強デュエリストのいとこ」 | 659 | 0 | 2020-07-07 | - | |
72 | 第七十四話「D1グランプリ、開催決定!」 | 616 | 0 | 2020-07-13 | - | |
74 | 遊戯王EXS キャラ紹介その2 | 728 | 0 | 2020-07-13 | - | |
70 | 特別編「VSサイコ・ショッカー!?」 | 591 | 0 | 2020-07-26 | - | |
86 | 第七十五話「D1グランプリへの道しるべ」 | 671 | 0 | 2020-08-06 | - | |
61 | 第七十六話「不死と再生、イモータル」 | 655 | 0 | 2020-08-15 | - | |
59 | 第七十七話「雨が降れば蛙が鳴く」 | 582 | 0 | 2020-08-30 | - | |
68 | 第七十八話「噴火寸前のヴォルケーノ」 | 663 | 0 | 2020-09-13 | - | |
68 | 第七十九話「燃えろ遊太!」 | 608 | 0 | 2020-09-27 | - | |
113 | 作者よりお知らせ3 | 605 | 0 | 2020-10-02 | - | |
66 | 第八十話「燃えるデュエル!」 | 590 | 0 | 2020-10-18 | - | |
70 | 特別編「乙女の対決、ブラマジガール!」 | 681 | 0 | 2020-11-05 | - | |
63 | 第八十一話「高き壁」 | 644 | 0 | 2020-11-22 | - | |
71 | 第八十二話「強き者」 | 695 | 0 | 2020-12-05 | - | |
53 | 第八十三話「エキシビションマッチ」 | 648 | 0 | 2021-01-01 | - | |
71 | 第八十四話「二次予選開始!」 | 700 | 0 | 2021-01-11 | - | |
54 | 第八十五話「タッグメイクデュエル」 | 507 | 0 | 2021-02-20 | - | |
63 | 第八十六話「タッグメイクデュエル②」 | 467 | 0 | 2021-04-04 | - | |
64 | 第八十七話「タッグメイクデュエル③」 | 412 | 0 | 2021-04-25 | - | |
65 | 第八十八話「タッグメイクデュエル④」 | 558 | 0 | 2021-05-04 | - | |
50 | 第八十九話「チーム結成!」 | 486 | 0 | 2021-05-08 | - | |
58 | 第九十話「J4の実力 輝く竜の星」 | 438 | 0 | 2021-06-02 | - | |
57 | 第九十一話「超弩級のパワー」 | 559 | 0 | 2021-06-12 | - | |
73 | 第九十二話「空飛ぶケモノたち」 | 440 | 0 | 2021-07-08 | - | |
66 | 第九十三話「雷と未来」 | 414 | 0 | 2021-07-18 | - | |
63 | 第九十四話「大トリ、明石慎之介」 | 635 | 0 | 2021-09-04 | - | |
52 | 作者からお知らせ4 | 426 | 0 | 2021-09-17 | - | |
70 | 特別編「冥界の王(ファラオ)と決闘!?」 | 533 | 2 | 2021-10-17 | - | |
55 | 第九十五話「最終予選1 友達VS友達」 | 473 | 0 | 2021-12-18 | - | |
59 | 第九十六話「最終予選2 竜姫神と青眼」 | 448 | 0 | 2022-01-04 | - | |
63 | 第九十七話『最終予選3 約束のために』 | 544 | 0 | 2022-01-10 | - | |
57 | 第九十八話「最終予選4 VSJ4最強」 | 634 | 0 | 2022-02-01 | - | |
50 | 第九十九話「異変」 | 488 | 0 | 2022-02-27 | - | |
68 | 第百話「D1グランプリ、本戦開始!」 | 382 | 0 | 2022-04-09 | - | |
71 | 第百一話「プロの実力」 | 408 | 0 | 2022-05-07 | - | |
60 | 第百二話「デストーイ・デコレーション」 | 491 | 0 | 2022-06-04 | - | |
40 | 第百三話「アマゾネスの首領」 | 351 | 0 | 2022-07-10 | - | |
39 | 第百四話「プロ辞めます!」 | 410 | 0 | 2022-08-28 | - | |
35 | 第百五話「強襲! 梁山泊デュエル!」 | 321 | 0 | 2022-10-16 | - | |
41 | 第百六話「鉄屑と星屑」 | 530 | 0 | 2022-11-27 | - |
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