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Report#93「父と子と娘」 作:ランペル
久能木の命と引き換えに残された“記録”――その断片を、梨沙は渚の口から静かに受け取っていく。
「西澤さんが扱うのは展開系のサイバース族デッキ。その中核を担っているのが斬機というテーマ……」
観測者である西澤が使用したデッキの情報を、渚より伝えられる梨沙。メモした内容を復唱しながら、その内容を確認していく。
「EXデッキのカードをコストに妨害と打点強化を担う《ファイアウォール・ドラゴン・ダークフルード-ネオテンペスト》を筆頭に、大型リンクモンスターを並べる戦法でしたよね」
「あぁ……。斬機による展開だけでも厄介だが、手札誘発を含めた汎用妨害札もしっかり積み込まれている。加えて、ボクと久能木君の反応から妨害するタイミング、そしてボクらに妨害を吐かせるタイミングまで見計らっていた様に思えたね」
西澤とのデュエルを通して渚が感じたのは、手のひらの上で転がされていたかの様な感覚。可能な限り妨害を吐かせ、久能木の逆転の一手へと繋げたと思っていたが、そもそもその戦術すら西澤は対策済みであったのだ。結果として、久能木の機転を利かせた自己犠牲がなければ、あの場で渚も殺されていたのは間違いなかった。
「渚さんの話を聞いてると、こちらの動きの全部が見透かされてしまいそうで怖いですね……」
メモした内容に目を通しながら、うーんと考え込む梨沙。先攻が西澤だったとは言え、2対1で渚と久能木双方が何もする事が出来ずに敗北した事実は、西澤のデュエリストとしての腕前の高さを証明するには十分な物だった。
「観測者の人もちゃんとデュエル強いんですね……」
「西澤の場合は、自ら実験に参加する程なので、他の観測者よりもデュエルへの造詣を深めているという事なのでしょう。デュエルの知識があれば、被験者同士のデュエルのやり取りを見て得られるものも多そうですし」
河原が西澤の実験へのスタンスに言及しながらそう口にした。
「責任者の人ですもんね……。河原さんもデュエル強かったりしたんですか?」
「いえ。私が携わっていたのは、主にソリッドビジョンに関する事ばかりでしたので……。カードの名前とかはある程度知っていますが、デュエルに関しては素人と変わりません」
河原の声からは、どこか申し訳なさそうな響きを感じられる。戦いの場に立つ者ではない――その事実を、彼自身がよく理解している様だった。
「とにかく、並のデュエリスト以上の実力者だ。河原さんを狙って梨沙君に仕掛けてくる可能性も高い。十分に警戒しておいてほしい」
「はい、渚さんありがとうございます」
西澤に関する情報共有を済ませた梨沙は、白神の行方が分からない事と近久へも連絡をするように渚へ言付けてから通信を終える。
「これからどうしますか?」
河原に問われた梨沙は、自らのデッキをディスクから引き抜きそれを手元で広げる。
「まずはお父さんから話を聞きたいところですけど、あの怪我だとすぐには目を覚まさないかもしれません。私達もミアちゃんと一緒にお父さんの傍で待ってましょう。
私はその間にデッキの見直しでもしておきます」
「分かりました。念押ししますが、梨沙さんの怪我もかなりの重傷です。移動1つにしても無理はしないでくださいね?」
「分かってます」
梨沙はそう告げると、デッキとは別のカード束から1枚のカードをデュエルディスク上へ召喚する。それによって現れたのは、頭にネジを埋め込まれたフランケンシュタイン。《ゴーストリック・シュタイン》であった。
「シュタイン、怪我しちゃって歩くのが大変なんだ。だから、私の事運んでもらってもいい?」
シュタインはゆっくり頷くと、ぎこちない動きで梨沙に近づき、大きな手でそっと抱え上げる。まるでお姫様を抱くようなその仕草に、梨沙は少しだけ照れたように笑みを浮かべた。
「ありがと。……あっちに行ってもらえるかな?」
父親の居る部屋の方を指差すと、シュタインはのそのそと歩き出す。
「なるほど……何事も使い方次第ですね」
感心したように言いながら、河原も歩き始める。
「リアルソリッドビジョンって、本来こういう使い方をすべきだと思うんですよ……!」
「ふふ、間違いありません……」
穏やかな空気の中、梨沙達は静かに父親のもとへ向かっていった。
〜〜〜〜〜
父親が目を覚ますまでの間、梨沙はデッキの調整をしながらも、時折視線を父親の方へと向けていた。その傍らでは、ワルトナーがずっと父親の手を握ったまま、静かに寄り添っている。河原も何も言わず、ただその様子を見守っていた。
ワルトナーの指先が、父親の手をぎゅっと握り直す。その動きに梨沙がふと目を向けると――父親が、目を開けてぼーっとしていたのだ。
「お父さん……!目が覚めたんだね!」
梨沙の声に反応したのはワルトナー。声を上げながら、握っていた父親の手を頼りに、身体を手繰り寄せるように近づいていく。その手が全身を捉えると、彼女は泣きながら身を寄せ抱き着いた。
「お父様……!お父様…ごめん…なさい……。ワタシ…うまく…伝え、られなくて……」
縋り付いたワルトナーの涙ながらの訴えに父親はゆっくりと首を傾ける。そうして、薄く開かれた瞼が大きく見開かれ、ようやっとワルトナーの姿を認知する。
「ミア……?」
父親の声に、ワルトナーは抱き着いていた身体を離した。その手は父親の手を再び探すように伸び、触れた瞬間、そっと包み込む。顔を少しだけ上げて、彼女が答える。
「はい、お父様……」
状況を理解できていないであろう父親は、困惑を声に滲ませながらワルトナーに向けていた視線を周囲にも散らす。そこで、梨沙と河原の存在も認識した様子で、顔の動きこそ少ない物の驚いた表情に切り替わる。
「梨沙……何故……。いえ、確かここへ来ると言っていましたね……」
混乱する頭の中を整理しながら言葉をポツポツと落とす父親。しかし、その口振りはまるで梨沙がこの場へ来るのを分かっていたかの様だった。梨沙は父親が目覚めた事に安堵しながらも、その事へ言及する。
「私がお父さんに会いに来るって分かってたの……?」
「……えぇ。梨沙に渡した、盤外召喚用のカードホルダーに盗聴器をつけていたので。梨沙とそちらの方がこの場へ来た理由は、おおよそ把握できていますよ」
梨沙は驚き、渡されていたカードホルダーを確認する。デュエルで勝利したタイミングに相手からデュエルディスクを引き剥がす事で、対戦相手を無力化する方法を父親に相談した時に渡されたカードホルダー。一見しても盗聴器らしきものが付けられている風には見えなかった。
「まぁ…………話がスムーズになるだろうし、事情を把握してくれてるならいいや」
そう言って苦笑を洩らしカードホルダーを仕舞う梨沙。父親は喋りこそするが、その顔からは生気が抜けているかのようになっている。
「大丈夫なのお父さん……?」
「えぇ……どこかふわふわとしている感覚はありますが……。話をする分には問題ないでしょう」
そう口にする父親だが、まるで魂の芯を削り取られたかのような鈍さがその表情には残っていた。目を覚ましこそすれど、ワルトナーとのデュエルでの後遺症はまだ残されている様に感じられる。
「そっか、良かったよ……」
それでも、父親が無事に目を覚まし、会話も出来る事に梨沙は安心してほっと息をつく。そして、再び父親に視線を向け口元に笑みを浮かべる。
「話を聞く前に、まずはミアちゃんとの事についてだよ。お父さん」
「……」
父親は目を伏せたまま、何も言わない。その姿は、まるで自分の存在そのものが罪であるかのように、空気の中に溶け込もうとしている様だった。詳しく話さずとも、父親はこの議題が何を指しての事なのかを既に理解している。梨沙はそんな父親の沈黙を見つめながら、ゆっくりと言葉を継いでいく。
「どうしてミアちゃんを突き放す様な事になったの?」
「……私がこの場でして来た事は、人の行いではありません。どれ程に殺した者達へ心から謝った所で、償い切れるというものでもないのです。しかし、ミアはまだ生きています。ですから、可能な限り私の影響下からミアを遠ざけたかったのが大きな理由になります」
「どうして…遠ざける…なんて……」
言葉の意味を追いかけるように反復させ、理解の及ばないワルトナー。彼女に追い打ちをかける様に、梨沙もまた父親の言葉に同調を示す。
「ミアちゃん。お父さんがして来た事は、確かに酷いことではあるんだ。例え、ミアちゃんがそれに救われていたとしてもね……」
「……」
ワルトナーは、言葉の意味を咀嚼するように、唇をわずかに動かす。父親の言葉が、自分の存在が否定されているように感じられて――けれど、反論する言葉は見つからなかった。ただ、胸の奥がじんと痛む。それだけは、確かだった。
「でも、お父さんもミアちゃんがどんな事を訴えてるのか聞いてあげなかったんじゃないかな?」
梨沙の問いかけに対して、父親は依然として生気のない表情を浮かべたままだ。
「……聞いた上でも、そうする必要があると感じたのです。ミアは私に大きく依存してしまっていた。外の世界で培われた物なのかもしれませんが、ミアが私に依存しているのは私がそうなる様に介入したからに他なりません」
「お父さん……」
表情とは裏腹に父親の言葉には毅然さがあった。ワルトナーを突き放す行動が正しかったと、父親は疑っていないのだ。
「例え、片隅にミアへの情が芽生えていたとしても、他者の命を己が生き残る為の道具とした様な人間にその様な資格あるはずがないのです。それは、決して健全な状態とは言えない。梨沙も分かっているでしょう……」
「お父さんの言うように……健全さは大事だと思う。この場所は本当におかしくて苦しい事ばっかりだからね。お父さんが自分のして来た事がおかしかったってちゃんと気づいてくれた事に、私は凄く安心してる」
梨沙は父親のすぐ傍まですり寄る。そして、ワルトナーが不安そうな表情で父親の手を握っているその手に、梨沙はそっと自分の手を重ねた。
「でもね。健全じゃなかったとしても、ミアちゃんがお父さんに愛してもらえたって感じたのは本当の事なんだよ?」
「……」
押し黙る父親に梨沙はワルトナーの方に視線を向けながら続ける。
「お父さんの言ってる事は、私も最もだと思う。お父さんがしてしまった事は決して許されることじゃない……。でも、その中で救われた子を否定するのも間違ってる気がするんだ」
「私が、ミアを愛していた……?
なら……梨沙はこの子を私に依存させたままにしておくべきだったと?愛していると嘯き、お前の為だと偽り、その命を軽んじる事がミアの為だったと言うのか?」
弱々しい声の中には、小さな怒りや不快感が滲んでいた。梨沙は首を横に振り、2人に重ねていた手を一度そっと離す。それは、言葉で向き合うための、ほんの少しの距離だった。
「全部が全部、白黒ハッキリ出来る訳じゃないでしょ?お父さんは過去の罪を償おうとしていた。でも、その変化にミアちゃんが混乱するのは当たり前だよ」
父親は驚いたのか少しだけ口を開けたままに呆ける。
「……何が正しい選択かなんて私にも示す事は出来ない。だから、お父さんの全てが間違ってるなんて思わないんだ。でも、ミアちゃんの事を考えていたとしても、ミアちゃんの気持ちにまでは寄り添えていなかったんじゃないかな?」
梨沙は父親の言葉を否定するつもりはなかった。でも、正しさだけでは人は救われないこともある。それは、穂香に行った非道な扱いを受けて尚、ワルトナーが流した涙が教えてくれていた――。
「ミアに私がしてやれる事は、呪縛から解き放つ事です……。その為には、寄り添いなどという事をしてはいけません。それは、私に対するミアの依存を深める事に繋がるのですから……」
父親はそれでも正しいであるはず論理を崩そうとはしない。その正しい姿を求める様を、梨沙としても否定する気など毛頭なかった。ワルトナーが父親の他者を道具の様に利用するだけの関係性を求めてさえいなければ、梨沙も父親の言葉を肯定していたはずだからだ。
だが、その正しさではワルトナーの抱える闇を受け止める事は叶わない。結果として……ワルトナーは捨てられたという思い込みから暴走し、父親も殺されかけたのだ。
「そう思ったから一方的に突き放したんだね。つまり、ミアちゃんと真っすぐ話し合ってはないんだよね」
弱り切っているはずの父親の瞳には、迷いなどなかった。しかし、その瞳は遠くを見つめ、父親を心配しているワルトナーを視界に捉えてはいない。
「……話し合って解決は望めません。何故なら、ミアは私に依存している。依存するなと言っても、依存状態にあるミアがそれを承諾するはずがないのです」
「じゃぁ、その話をミアちゃんとはしたの?一方的な宣言じゃなくて、ミアちゃんが考えられるような話し方が出来てた?」
「ミアがどのような結論に至るかなど私には分かっているのです。ミアがどのような性格で、どのような考え方をしているのかも分かっています。その行為に意味がないんですよ……」
「そんな事……」
梨沙の疑惑を切り捨てる様に、父親は小さくも間髪入れずに言葉を挟み込む。
「ならば、本人に直接聞いてみればいい。ミア、私があなたの元を去ると話し合いをすれば、大人しくそれを受け入れましたか?」
梨沙の視線がワルトナーに向けられた。父親から問われた彼女は、ぎゅっと彼の手を握って首を横に振り始める。
「嫌…です……。ワタシ…は、お父様が…いない…と…ダメ…なんです……」
その言葉は、震えていた。まるで、父親に許しを乞うように。ワルトナーは父親の手を握ったまま、ただ必死に言葉を紡いでいた。
「ミアちゃん……」
虚ろな瞳のまま何もない虚空を見つめたままに父親が言葉を繋げる。
「聞いての通りです……。私がミアと話し合ったとしてもミアの感情は動かない。ならば、苦しむ時間は短い方がいいに決まっているでしょう。私の存在がミアをより狂わせてしまっているのですから」
「それ…でも……」
父親の言葉にワルトナーが小さく溢す。それに反応した梨沙がワルトナーへ目を向けると、彼女の頬には再び涙が伝い始めていた。
「ワタシ…は、お父様に…居て…欲しい…です。ワタシが、上手く…出来た…ら、お父様…褒めて、くれました」
それは、ワルトナーにとって確かな記憶だった。外の世界では感じられなかった誰かに認められたという実感――それだけが、彼女を支えているのだ。しかし、そんなワルトナーの想いは呆気なく踏みにじられる。
「命令を与え、それをミアが達成したからですよ……。ミアはプログラムと違い人間でしたから、褒めるという行為を施し、より従順になる様に仕向けたのです」
ワルトナーの感じた愛情。それを真っ向から否定した父親。ワルトナーはそれでもと食い下がり、言葉を続ける。
「ご飯を…食べさせて…くれました……」
「食べなければ死ぬからというだけですね。手駒が無意味に死ぬのは勿体ないです」
「たくさん…の事…教えて…くれ…ました……」
「使える駒にするには、教育は必須です」
「ワタシ…だけ…生かして…もらい、ました……」
「ミアが生きているのは、他の子が命令を無視した。あるいは、力不足だったというだけに過ぎません」
「お父様…は…ワタシを…愛して…くれて……」
「私はミアを愛していません」
ワルトナーが感じた愛情を父親へと涙ながらに訴える。しかし、それら1つ1つを父親が丁寧に否定する。虚空を見つめたまま、ワルトナーの感じたはずの愛を否定しているのだ。
「ねぇ、お父さん。お父さんにとって正しい事が……罪を償うってのが、それなの?」
父親はゆっくりと梨沙の方を向く。梨沙の眉の下がった悲し気な表情に、父親の表情にも曇りが生まれる。
「何度も言っているでしょう梨沙……ミアは私に依存している。ここで私が彼女に優しくすれば、どんどん私から離れられなくなるのです。それは、彼女を監督するべき立場の人間からすれば、倫理的に誤っているはずでしょう?」
父親の言葉は正しい。しかし、そこには正しさしかなかった。
「ミアちゃんの事……見てあげてよ。お父さんがミアちゃんを見たの、目を覚ました時だけだよ?」
梨沙の視線がワルトナーに向けられる。それに釣られて、父親の視線もワルトナーへ注がれる。
ワルトナーは、身体を震わせ……静かに泣いていた。父親の手に縋りつくようにしながら、泣いていた。
「……」
父親は小さく驚くと、口の端を小さく噛み視線を逸らす。
「ミアちゃんの気持ち、ちゃんと見てあげてよ。お父さんが見てるのは、自分の罪だけじゃないの?」
「なっ……」
梨沙は分かっていた。父親はワルトナーの事を見ていない。目を向けているのは、自分の罪。人としての正しさ。そして、梨沙が求めた父親としての姿。父親は過去を償い、真っ当な人間としての道を取り戻そうとしている。しかし、この狂った実験の過程でその感覚は完全に失われてしまっていたのだ。
「ミアちゃんがどんな顔で、どんな声で、どんな気持ちで“お父さんと居たい”って言ったのか……。それを見ないまま正しいことだけ選んだって、誰も救われないよ」
だから縋りつくのは、倫理的正しさ。過去の自分がしてしまった過ちの清算と、支配する関わりとは正反対の行動。そこに生じる他者の精神的負荷に、父親は配慮が出来なくなっている。
「お前が……私に望んだ事だろう?今までの私は間違っていた……だから、お前が導いてくれた正しい道に戻ろうとしているんじゃないか……?何が……違ったんだ。正しい事だろう?梨沙もそう言ってくれただろう?私の言った事が最もだ、と……」
父親の表情が歪む。求められたはずの父親としての姿――それを当人の梨沙から否定されてしまった。
「お父さんは変わろうとしてくれている。ここで凄く苦しい事があって、きっとお父さんもすごく傷ついていた。なのに、変わろうとしている事は本当に凄い事なんだよ」
「だったら……」
困惑の混ぜ込まれた父親の弱弱しい声を、梨沙が真っすぐに切り捨てる。
「でもね、変わろうとしているだけで、まだ変われてないよ。ミアちゃんから目を逸らさないで。お父さんが正しいと思ってした事で、この子がどれだけ傷ついたのかをしっかり見て」
父親は虚ろな瞳をゆっくりとワルトナーの方へと戻していく。
ワルトナーは……まだ泣いていた。自分の発した言葉に泣き続ける姿に父親は胸を締め付けられていく。自らが従属させ依存させておきながら、心を痛める。そんな矛盾した感情も、父親の心を蝕み頑なにさせていた。
「やましい事があるから目を逸らしちゃうんだ。私の時と一緒だったよ」
「……」
ワルトナーに優しくすれば、彼女は自分への依存を深める。それは正しくない。
だから、彼女が傷つこうが無理やりにでも自分から引き剥がさないといけない。それが正しい事。
「私には……分からない。この子に、何を……してあげればいいんだ……?」
弱り切った父親の表情にはほとんど変化がない。しかし、先程までの言葉には父親なりの正しさと強さがあった。ぼそりと父親が落とした言葉……それは強さも芯も抜け落ち、ただただ弱った問いかけでしかない。
「お父様……!」
そんな弱音に言葉を返したのはワルトナーだ。揺れる視界の中、再び父親がワルトナーを視界に捉えると、彼女は包帯越しに涙を流したまま小さな笑みを溢していた。
「お父様は…ワタシを…突き放すのが…正しい事…って…思ったん…ですね。ワタシが…いらなく…なったんじゃ…なくて…お父様が、正しく…なろうと、したから……」
「ミ、ア……?」
「ワタシ、ずっと…自分の事…ばっかり…お父様が、変わろうと…してるの…知らな…かった……」
ワルトナーは見えない中で、父親の手をぎゅっと握っていた。それを父親は静かに見つめる。
「言う事…聞かなくて…ごめん、なさい……。
でも…お父様が、変わりたい…なら…ワタシ…も…頑張って…みたい…です……」
父親の口が何かを言おうとして開かれた。しかし、その口からは何も言葉が発されない。
「頑張る…から…もう少し…だけ…お父様の…傍に……いさせて……」
ワルトナーの言葉に父親の頬を雫が伝う。それと同時に、父親の口からようやく言葉が紡がれる。
「どうして、なんだ……」
その言葉に滲んだ感情が、梨沙の胸の奥をじんと熱く染めた。
痛みも、味も――この世界で失った感覚は、梨沙の身体から一時は正気と共に剥がれ落ちていった。けれど、それ以上に大きかったのは、“大切な人”を失うことの痛みだった。それは、感覚の喪失とは違って、心の奥にずっと残り続ける。取り戻せないものばかりだ。でも、だからこそ分かる。ここにいる誰もが、ただの道具でも、プログラムでもない。喪失を抱えながら、それでも誰かを想う――そんな複雑さを持った、“人間”なのだと。
梨沙はにっと微笑んで、父親に向けてはっきりと言った。
「正しいけどやりたくないこと。正しくないけど、縋りたい事だってたくさんあるんだよ。プログラムよりもずーっと、人間って複雑なんだから!」
父親は真っすぐにワルトナーを見つめ続ける。視力を失った彼女はそれに気付くことなく、涙を流しながら父親へと微笑を向け続けていた。
愛を拒絶され、絶望の中にいたはずの少女が、それでも父親の苦しみに寄り添おうとした。父親は彼女を依存から解き放つという名目で、正しさに縋っていた事。その正しさで彼女を傷つけ、目を逸らし、贖罪の執行者として彼女を使おうとした事も。正しく在ろうとしていたはずなのに、結局――少女を、自分の目的のための道具としてしか見ていなかったのだ。
「(何が健全だ……何が正しい事だ……)」
父親は己の行いを、静かに、深く悔いた。正しさなど、結局何ひとつ理解できていなかったのだから。
父親が、ワルトナーに握られた手をゆっくりと動かし、彼女の小さな手を握り返す。
「……!!おとう…さま……」
その反応に、静かに泣いていたワルトナーの顔がくしゃりと歪むと、大きな声を上げて泣き出した。父親から握り返された手には、言葉よりも確かなものが宿っていた。
父親は何も言わず、ただその手を離さなかった。それだけで、ワルトナーは泣き続ける。その手に宿ったものは、正しさでも贖罪でもない。ただ、誰かを想う気持ち――それだけが、確かにそこにあったのだ。
そんな2人を――梨沙が柔らかな笑みでそっと見守り続けた。
「西澤さんが扱うのは展開系のサイバース族デッキ。その中核を担っているのが斬機というテーマ……」
観測者である西澤が使用したデッキの情報を、渚より伝えられる梨沙。メモした内容を復唱しながら、その内容を確認していく。
「EXデッキのカードをコストに妨害と打点強化を担う《ファイアウォール・ドラゴン・ダークフルード-ネオテンペスト》を筆頭に、大型リンクモンスターを並べる戦法でしたよね」
「あぁ……。斬機による展開だけでも厄介だが、手札誘発を含めた汎用妨害札もしっかり積み込まれている。加えて、ボクと久能木君の反応から妨害するタイミング、そしてボクらに妨害を吐かせるタイミングまで見計らっていた様に思えたね」
西澤とのデュエルを通して渚が感じたのは、手のひらの上で転がされていたかの様な感覚。可能な限り妨害を吐かせ、久能木の逆転の一手へと繋げたと思っていたが、そもそもその戦術すら西澤は対策済みであったのだ。結果として、久能木の機転を利かせた自己犠牲がなければ、あの場で渚も殺されていたのは間違いなかった。
「渚さんの話を聞いてると、こちらの動きの全部が見透かされてしまいそうで怖いですね……」
メモした内容に目を通しながら、うーんと考え込む梨沙。先攻が西澤だったとは言え、2対1で渚と久能木双方が何もする事が出来ずに敗北した事実は、西澤のデュエリストとしての腕前の高さを証明するには十分な物だった。
「観測者の人もちゃんとデュエル強いんですね……」
「西澤の場合は、自ら実験に参加する程なので、他の観測者よりもデュエルへの造詣を深めているという事なのでしょう。デュエルの知識があれば、被験者同士のデュエルのやり取りを見て得られるものも多そうですし」
河原が西澤の実験へのスタンスに言及しながらそう口にした。
「責任者の人ですもんね……。河原さんもデュエル強かったりしたんですか?」
「いえ。私が携わっていたのは、主にソリッドビジョンに関する事ばかりでしたので……。カードの名前とかはある程度知っていますが、デュエルに関しては素人と変わりません」
河原の声からは、どこか申し訳なさそうな響きを感じられる。戦いの場に立つ者ではない――その事実を、彼自身がよく理解している様だった。
「とにかく、並のデュエリスト以上の実力者だ。河原さんを狙って梨沙君に仕掛けてくる可能性も高い。十分に警戒しておいてほしい」
「はい、渚さんありがとうございます」
西澤に関する情報共有を済ませた梨沙は、白神の行方が分からない事と近久へも連絡をするように渚へ言付けてから通信を終える。
「これからどうしますか?」
河原に問われた梨沙は、自らのデッキをディスクから引き抜きそれを手元で広げる。
「まずはお父さんから話を聞きたいところですけど、あの怪我だとすぐには目を覚まさないかもしれません。私達もミアちゃんと一緒にお父さんの傍で待ってましょう。
私はその間にデッキの見直しでもしておきます」
「分かりました。念押ししますが、梨沙さんの怪我もかなりの重傷です。移動1つにしても無理はしないでくださいね?」
「分かってます」
梨沙はそう告げると、デッキとは別のカード束から1枚のカードをデュエルディスク上へ召喚する。それによって現れたのは、頭にネジを埋め込まれたフランケンシュタイン。《ゴーストリック・シュタイン》であった。
「シュタイン、怪我しちゃって歩くのが大変なんだ。だから、私の事運んでもらってもいい?」
シュタインはゆっくり頷くと、ぎこちない動きで梨沙に近づき、大きな手でそっと抱え上げる。まるでお姫様を抱くようなその仕草に、梨沙は少しだけ照れたように笑みを浮かべた。
「ありがと。……あっちに行ってもらえるかな?」
父親の居る部屋の方を指差すと、シュタインはのそのそと歩き出す。
「なるほど……何事も使い方次第ですね」
感心したように言いながら、河原も歩き始める。
「リアルソリッドビジョンって、本来こういう使い方をすべきだと思うんですよ……!」
「ふふ、間違いありません……」
穏やかな空気の中、梨沙達は静かに父親のもとへ向かっていった。
〜〜〜〜〜
父親が目を覚ますまでの間、梨沙はデッキの調整をしながらも、時折視線を父親の方へと向けていた。その傍らでは、ワルトナーがずっと父親の手を握ったまま、静かに寄り添っている。河原も何も言わず、ただその様子を見守っていた。
ワルトナーの指先が、父親の手をぎゅっと握り直す。その動きに梨沙がふと目を向けると――父親が、目を開けてぼーっとしていたのだ。
「お父さん……!目が覚めたんだね!」
梨沙の声に反応したのはワルトナー。声を上げながら、握っていた父親の手を頼りに、身体を手繰り寄せるように近づいていく。その手が全身を捉えると、彼女は泣きながら身を寄せ抱き着いた。
「お父様……!お父様…ごめん…なさい……。ワタシ…うまく…伝え、られなくて……」
縋り付いたワルトナーの涙ながらの訴えに父親はゆっくりと首を傾ける。そうして、薄く開かれた瞼が大きく見開かれ、ようやっとワルトナーの姿を認知する。
「ミア……?」
父親の声に、ワルトナーは抱き着いていた身体を離した。その手は父親の手を再び探すように伸び、触れた瞬間、そっと包み込む。顔を少しだけ上げて、彼女が答える。
「はい、お父様……」
状況を理解できていないであろう父親は、困惑を声に滲ませながらワルトナーに向けていた視線を周囲にも散らす。そこで、梨沙と河原の存在も認識した様子で、顔の動きこそ少ない物の驚いた表情に切り替わる。
「梨沙……何故……。いえ、確かここへ来ると言っていましたね……」
混乱する頭の中を整理しながら言葉をポツポツと落とす父親。しかし、その口振りはまるで梨沙がこの場へ来るのを分かっていたかの様だった。梨沙は父親が目覚めた事に安堵しながらも、その事へ言及する。
「私がお父さんに会いに来るって分かってたの……?」
「……えぇ。梨沙に渡した、盤外召喚用のカードホルダーに盗聴器をつけていたので。梨沙とそちらの方がこの場へ来た理由は、おおよそ把握できていますよ」
梨沙は驚き、渡されていたカードホルダーを確認する。デュエルで勝利したタイミングに相手からデュエルディスクを引き剥がす事で、対戦相手を無力化する方法を父親に相談した時に渡されたカードホルダー。一見しても盗聴器らしきものが付けられている風には見えなかった。
「まぁ…………話がスムーズになるだろうし、事情を把握してくれてるならいいや」
そう言って苦笑を洩らしカードホルダーを仕舞う梨沙。父親は喋りこそするが、その顔からは生気が抜けているかのようになっている。
「大丈夫なのお父さん……?」
「えぇ……どこかふわふわとしている感覚はありますが……。話をする分には問題ないでしょう」
そう口にする父親だが、まるで魂の芯を削り取られたかのような鈍さがその表情には残っていた。目を覚ましこそすれど、ワルトナーとのデュエルでの後遺症はまだ残されている様に感じられる。
「そっか、良かったよ……」
それでも、父親が無事に目を覚まし、会話も出来る事に梨沙は安心してほっと息をつく。そして、再び父親に視線を向け口元に笑みを浮かべる。
「話を聞く前に、まずはミアちゃんとの事についてだよ。お父さん」
「……」
父親は目を伏せたまま、何も言わない。その姿は、まるで自分の存在そのものが罪であるかのように、空気の中に溶け込もうとしている様だった。詳しく話さずとも、父親はこの議題が何を指しての事なのかを既に理解している。梨沙はそんな父親の沈黙を見つめながら、ゆっくりと言葉を継いでいく。
「どうしてミアちゃんを突き放す様な事になったの?」
「……私がこの場でして来た事は、人の行いではありません。どれ程に殺した者達へ心から謝った所で、償い切れるというものでもないのです。しかし、ミアはまだ生きています。ですから、可能な限り私の影響下からミアを遠ざけたかったのが大きな理由になります」
「どうして…遠ざける…なんて……」
言葉の意味を追いかけるように反復させ、理解の及ばないワルトナー。彼女に追い打ちをかける様に、梨沙もまた父親の言葉に同調を示す。
「ミアちゃん。お父さんがして来た事は、確かに酷いことではあるんだ。例え、ミアちゃんがそれに救われていたとしてもね……」
「……」
ワルトナーは、言葉の意味を咀嚼するように、唇をわずかに動かす。父親の言葉が、自分の存在が否定されているように感じられて――けれど、反論する言葉は見つからなかった。ただ、胸の奥がじんと痛む。それだけは、確かだった。
「でも、お父さんもミアちゃんがどんな事を訴えてるのか聞いてあげなかったんじゃないかな?」
梨沙の問いかけに対して、父親は依然として生気のない表情を浮かべたままだ。
「……聞いた上でも、そうする必要があると感じたのです。ミアは私に大きく依存してしまっていた。外の世界で培われた物なのかもしれませんが、ミアが私に依存しているのは私がそうなる様に介入したからに他なりません」
「お父さん……」
表情とは裏腹に父親の言葉には毅然さがあった。ワルトナーを突き放す行動が正しかったと、父親は疑っていないのだ。
「例え、片隅にミアへの情が芽生えていたとしても、他者の命を己が生き残る為の道具とした様な人間にその様な資格あるはずがないのです。それは、決して健全な状態とは言えない。梨沙も分かっているでしょう……」
「お父さんの言うように……健全さは大事だと思う。この場所は本当におかしくて苦しい事ばっかりだからね。お父さんが自分のして来た事がおかしかったってちゃんと気づいてくれた事に、私は凄く安心してる」
梨沙は父親のすぐ傍まですり寄る。そして、ワルトナーが不安そうな表情で父親の手を握っているその手に、梨沙はそっと自分の手を重ねた。
「でもね。健全じゃなかったとしても、ミアちゃんがお父さんに愛してもらえたって感じたのは本当の事なんだよ?」
「……」
押し黙る父親に梨沙はワルトナーの方に視線を向けながら続ける。
「お父さんの言ってる事は、私も最もだと思う。お父さんがしてしまった事は決して許されることじゃない……。でも、その中で救われた子を否定するのも間違ってる気がするんだ」
「私が、ミアを愛していた……?
なら……梨沙はこの子を私に依存させたままにしておくべきだったと?愛していると嘯き、お前の為だと偽り、その命を軽んじる事がミアの為だったと言うのか?」
弱々しい声の中には、小さな怒りや不快感が滲んでいた。梨沙は首を横に振り、2人に重ねていた手を一度そっと離す。それは、言葉で向き合うための、ほんの少しの距離だった。
「全部が全部、白黒ハッキリ出来る訳じゃないでしょ?お父さんは過去の罪を償おうとしていた。でも、その変化にミアちゃんが混乱するのは当たり前だよ」
父親は驚いたのか少しだけ口を開けたままに呆ける。
「……何が正しい選択かなんて私にも示す事は出来ない。だから、お父さんの全てが間違ってるなんて思わないんだ。でも、ミアちゃんの事を考えていたとしても、ミアちゃんの気持ちにまでは寄り添えていなかったんじゃないかな?」
梨沙は父親の言葉を否定するつもりはなかった。でも、正しさだけでは人は救われないこともある。それは、穂香に行った非道な扱いを受けて尚、ワルトナーが流した涙が教えてくれていた――。
「ミアに私がしてやれる事は、呪縛から解き放つ事です……。その為には、寄り添いなどという事をしてはいけません。それは、私に対するミアの依存を深める事に繋がるのですから……」
父親はそれでも正しいであるはず論理を崩そうとはしない。その正しい姿を求める様を、梨沙としても否定する気など毛頭なかった。ワルトナーが父親の他者を道具の様に利用するだけの関係性を求めてさえいなければ、梨沙も父親の言葉を肯定していたはずだからだ。
だが、その正しさではワルトナーの抱える闇を受け止める事は叶わない。結果として……ワルトナーは捨てられたという思い込みから暴走し、父親も殺されかけたのだ。
「そう思ったから一方的に突き放したんだね。つまり、ミアちゃんと真っすぐ話し合ってはないんだよね」
弱り切っているはずの父親の瞳には、迷いなどなかった。しかし、その瞳は遠くを見つめ、父親を心配しているワルトナーを視界に捉えてはいない。
「……話し合って解決は望めません。何故なら、ミアは私に依存している。依存するなと言っても、依存状態にあるミアがそれを承諾するはずがないのです」
「じゃぁ、その話をミアちゃんとはしたの?一方的な宣言じゃなくて、ミアちゃんが考えられるような話し方が出来てた?」
「ミアがどのような結論に至るかなど私には分かっているのです。ミアがどのような性格で、どのような考え方をしているのかも分かっています。その行為に意味がないんですよ……」
「そんな事……」
梨沙の疑惑を切り捨てる様に、父親は小さくも間髪入れずに言葉を挟み込む。
「ならば、本人に直接聞いてみればいい。ミア、私があなたの元を去ると話し合いをすれば、大人しくそれを受け入れましたか?」
梨沙の視線がワルトナーに向けられた。父親から問われた彼女は、ぎゅっと彼の手を握って首を横に振り始める。
「嫌…です……。ワタシ…は、お父様が…いない…と…ダメ…なんです……」
その言葉は、震えていた。まるで、父親に許しを乞うように。ワルトナーは父親の手を握ったまま、ただ必死に言葉を紡いでいた。
「ミアちゃん……」
虚ろな瞳のまま何もない虚空を見つめたままに父親が言葉を繋げる。
「聞いての通りです……。私がミアと話し合ったとしてもミアの感情は動かない。ならば、苦しむ時間は短い方がいいに決まっているでしょう。私の存在がミアをより狂わせてしまっているのですから」
「それ…でも……」
父親の言葉にワルトナーが小さく溢す。それに反応した梨沙がワルトナーへ目を向けると、彼女の頬には再び涙が伝い始めていた。
「ワタシ…は、お父様に…居て…欲しい…です。ワタシが、上手く…出来た…ら、お父様…褒めて、くれました」
それは、ワルトナーにとって確かな記憶だった。外の世界では感じられなかった誰かに認められたという実感――それだけが、彼女を支えているのだ。しかし、そんなワルトナーの想いは呆気なく踏みにじられる。
「命令を与え、それをミアが達成したからですよ……。ミアはプログラムと違い人間でしたから、褒めるという行為を施し、より従順になる様に仕向けたのです」
ワルトナーの感じた愛情。それを真っ向から否定した父親。ワルトナーはそれでもと食い下がり、言葉を続ける。
「ご飯を…食べさせて…くれました……」
「食べなければ死ぬからというだけですね。手駒が無意味に死ぬのは勿体ないです」
「たくさん…の事…教えて…くれ…ました……」
「使える駒にするには、教育は必須です」
「ワタシ…だけ…生かして…もらい、ました……」
「ミアが生きているのは、他の子が命令を無視した。あるいは、力不足だったというだけに過ぎません」
「お父様…は…ワタシを…愛して…くれて……」
「私はミアを愛していません」
ワルトナーが感じた愛情を父親へと涙ながらに訴える。しかし、それら1つ1つを父親が丁寧に否定する。虚空を見つめたまま、ワルトナーの感じたはずの愛を否定しているのだ。
「ねぇ、お父さん。お父さんにとって正しい事が……罪を償うってのが、それなの?」
父親はゆっくりと梨沙の方を向く。梨沙の眉の下がった悲し気な表情に、父親の表情にも曇りが生まれる。
「何度も言っているでしょう梨沙……ミアは私に依存している。ここで私が彼女に優しくすれば、どんどん私から離れられなくなるのです。それは、彼女を監督するべき立場の人間からすれば、倫理的に誤っているはずでしょう?」
父親の言葉は正しい。しかし、そこには正しさしかなかった。
「ミアちゃんの事……見てあげてよ。お父さんがミアちゃんを見たの、目を覚ました時だけだよ?」
梨沙の視線がワルトナーに向けられる。それに釣られて、父親の視線もワルトナーへ注がれる。
ワルトナーは、身体を震わせ……静かに泣いていた。父親の手に縋りつくようにしながら、泣いていた。
「……」
父親は小さく驚くと、口の端を小さく噛み視線を逸らす。
「ミアちゃんの気持ち、ちゃんと見てあげてよ。お父さんが見てるのは、自分の罪だけじゃないの?」
「なっ……」
梨沙は分かっていた。父親はワルトナーの事を見ていない。目を向けているのは、自分の罪。人としての正しさ。そして、梨沙が求めた父親としての姿。父親は過去を償い、真っ当な人間としての道を取り戻そうとしている。しかし、この狂った実験の過程でその感覚は完全に失われてしまっていたのだ。
「ミアちゃんがどんな顔で、どんな声で、どんな気持ちで“お父さんと居たい”って言ったのか……。それを見ないまま正しいことだけ選んだって、誰も救われないよ」
だから縋りつくのは、倫理的正しさ。過去の自分がしてしまった過ちの清算と、支配する関わりとは正反対の行動。そこに生じる他者の精神的負荷に、父親は配慮が出来なくなっている。
「お前が……私に望んだ事だろう?今までの私は間違っていた……だから、お前が導いてくれた正しい道に戻ろうとしているんじゃないか……?何が……違ったんだ。正しい事だろう?梨沙もそう言ってくれただろう?私の言った事が最もだ、と……」
父親の表情が歪む。求められたはずの父親としての姿――それを当人の梨沙から否定されてしまった。
「お父さんは変わろうとしてくれている。ここで凄く苦しい事があって、きっとお父さんもすごく傷ついていた。なのに、変わろうとしている事は本当に凄い事なんだよ」
「だったら……」
困惑の混ぜ込まれた父親の弱弱しい声を、梨沙が真っすぐに切り捨てる。
「でもね、変わろうとしているだけで、まだ変われてないよ。ミアちゃんから目を逸らさないで。お父さんが正しいと思ってした事で、この子がどれだけ傷ついたのかをしっかり見て」
父親は虚ろな瞳をゆっくりとワルトナーの方へと戻していく。
ワルトナーは……まだ泣いていた。自分の発した言葉に泣き続ける姿に父親は胸を締め付けられていく。自らが従属させ依存させておきながら、心を痛める。そんな矛盾した感情も、父親の心を蝕み頑なにさせていた。
「やましい事があるから目を逸らしちゃうんだ。私の時と一緒だったよ」
「……」
ワルトナーに優しくすれば、彼女は自分への依存を深める。それは正しくない。
だから、彼女が傷つこうが無理やりにでも自分から引き剥がさないといけない。それが正しい事。
「私には……分からない。この子に、何を……してあげればいいんだ……?」
弱り切った父親の表情にはほとんど変化がない。しかし、先程までの言葉には父親なりの正しさと強さがあった。ぼそりと父親が落とした言葉……それは強さも芯も抜け落ち、ただただ弱った問いかけでしかない。
「お父様……!」
そんな弱音に言葉を返したのはワルトナーだ。揺れる視界の中、再び父親がワルトナーを視界に捉えると、彼女は包帯越しに涙を流したまま小さな笑みを溢していた。
「お父様は…ワタシを…突き放すのが…正しい事…って…思ったん…ですね。ワタシが…いらなく…なったんじゃ…なくて…お父様が、正しく…なろうと、したから……」
「ミ、ア……?」
「ワタシ、ずっと…自分の事…ばっかり…お父様が、変わろうと…してるの…知らな…かった……」
ワルトナーは見えない中で、父親の手をぎゅっと握っていた。それを父親は静かに見つめる。
「言う事…聞かなくて…ごめん、なさい……。
でも…お父様が、変わりたい…なら…ワタシ…も…頑張って…みたい…です……」
父親の口が何かを言おうとして開かれた。しかし、その口からは何も言葉が発されない。
「頑張る…から…もう少し…だけ…お父様の…傍に……いさせて……」
ワルトナーの言葉に父親の頬を雫が伝う。それと同時に、父親の口からようやく言葉が紡がれる。
「どうして、なんだ……」
その言葉に滲んだ感情が、梨沙の胸の奥をじんと熱く染めた。
痛みも、味も――この世界で失った感覚は、梨沙の身体から一時は正気と共に剥がれ落ちていった。けれど、それ以上に大きかったのは、“大切な人”を失うことの痛みだった。それは、感覚の喪失とは違って、心の奥にずっと残り続ける。取り戻せないものばかりだ。でも、だからこそ分かる。ここにいる誰もが、ただの道具でも、プログラムでもない。喪失を抱えながら、それでも誰かを想う――そんな複雑さを持った、“人間”なのだと。
梨沙はにっと微笑んで、父親に向けてはっきりと言った。
「正しいけどやりたくないこと。正しくないけど、縋りたい事だってたくさんあるんだよ。プログラムよりもずーっと、人間って複雑なんだから!」
父親は真っすぐにワルトナーを見つめ続ける。視力を失った彼女はそれに気付くことなく、涙を流しながら父親へと微笑を向け続けていた。
愛を拒絶され、絶望の中にいたはずの少女が、それでも父親の苦しみに寄り添おうとした。父親は彼女を依存から解き放つという名目で、正しさに縋っていた事。その正しさで彼女を傷つけ、目を逸らし、贖罪の執行者として彼女を使おうとした事も。正しく在ろうとしていたはずなのに、結局――少女を、自分の目的のための道具としてしか見ていなかったのだ。
「(何が健全だ……何が正しい事だ……)」
父親は己の行いを、静かに、深く悔いた。正しさなど、結局何ひとつ理解できていなかったのだから。
父親が、ワルトナーに握られた手をゆっくりと動かし、彼女の小さな手を握り返す。
「……!!おとう…さま……」
その反応に、静かに泣いていたワルトナーの顔がくしゃりと歪むと、大きな声を上げて泣き出した。父親から握り返された手には、言葉よりも確かなものが宿っていた。
父親は何も言わず、ただその手を離さなかった。それだけで、ワルトナーは泣き続ける。その手に宿ったものは、正しさでも贖罪でもない。ただ、誰かを想う気持ち――それだけが、確かにそこにあったのだ。
そんな2人を――梨沙が柔らかな笑みでそっと見守り続けた。
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