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HOME > 遊戯王SS一覧 > Report#70「救われたい」

Report#70「救われたい」 作:ランペル


ピー
「先行は白神様、後攻は久能木様になります。」


 [ターン1]


アナウンスがターンの先行を告げ、白神は手札のカードを乱暴にかざすと、デッキから1枚のカードが飛び出した。

「デッキの同名を墓地へ送る事で、《白鰯》を特殊召喚する……!」[守0]
手札:5枚→4枚

フロアの光で、その白い鱗を赤く反射しながら魚群が白神の前を通過すると、1匹だけが残された。

「魚族が居ることで、手札の《アビス・シャーク》も特殊召喚させてもらう」

白神が特殊召喚しようとした瞬間に、彼の手元で花びらが舞い散る。

「なに……?」

「《アビス・シャーク》の発動にチェーンして、手札の《灰流うらら》を捨てて効果を発動します。その効果を無効にします。」
手札:5枚→4枚

対戦相手のデュエルディスクより流れる効果の説明と共に、対面の久能木が自身の手札のカードを墓地へと送る。

「喋れないんだっけ?それでデュエルディスクが代わりに説明してる訳か。
ハンデ抱えてるからって、手加減してもらえるとか思わないでよ」

そう言いながら、掴んでいた《アビス・シャーク》と他の手札とを入れ替え久能木へと翳す。

「フィールドと墓地に同名モンスターが居る時、墓地の《白鰯》を対象に《白曼波》の効果を発動。手札のこいつと墓地の対象モンスターを同時に特殊召喚」[守1000][守0]
手札:4枚→3枚

水しぶきが巻き起こると共に、地面からマンボウが《白鰯》をくわえながら登場する。げほっと吐き出すと、蘇生された《白鰯》は白いオーラを纏いだした。

「墓地から特殊召喚した《白鰯》の効果発動。自身をチューナーとして扱う。
レベル4の《白曼波》に、レベル2の《白鰯》をチューニング。
シンクロ召喚。

来い、《ゴーティスの大蛇アリオンポス》」[攻2100]

地面より薄ピンク色の目が光ると、フィールドへ水色に透き通った体を持つ大蛇が姿を見せた。宙をまるでウミヘビのように泳ぐそれは、久能木を見つけると鋭い牙の生えた口を開き威嚇する。

「シンクロ召喚時の効果だ。
デッキからレベル6以下の魚族1体を除外できる。僕はデッキから《ゴーティスの月夜サイクス》を除外。そのまま、除外されたサイクスの効果も発動する」

体をくねらせるアリオンポスの背後より《白鰯》が泳いでくるが、突如何かに食われてしまう。
現れたのは大きな骨だけとなった魚。本来であれば生命活動を終えているであろうその骨格の体内からは青白い光がまるで生きているかのように揺らめきながら、その体を操っている。

「墓地の《白鰯》を除外することで、除外されたサイクスを特殊召喚できる。
さらに、特殊召喚したサイクスの効果も発動。デッキから魚族1体を手札に加え、手札かフィールドの魚族1体を除外する」

サイクスの頭部より伸び小さく発光しているのも、骨だけとなった小魚。
それに釣られるように、平面状のタコのような生物が近寄ってくるも、サイクスに丸飲みにされてしまった。

「デッキから《ゴーティスの灯ペイシス》を手札へ加えて、そのまま除外だ」
手札:3枚→4枚→3枚

カードを除外し一瞬の間さえ許さず、次々と展開を進める白神。

「《揺海魚デッドリーフ》召喚。召喚時効果で、デッキから魚族1体、《ゴーティスの妖精シフ》を墓地へ送る」[攻1500]
手札:3枚→2枚

地面より浮かび上がってくるのもまた、骨だけとなった魚を思わせる何か。青く光る眼だけが、このモンスターが生きている事を伝えてくれている。

「墓地へ送ったシフの効果だ。墓地から自身を除外して、アリオンポスを対象に攻撃力をターン終了時まで500アップさせ、僕はターンエンド……」[攻2600]

透き通った体に対して目立つオレンジに発光する頭部を持つ、クリオネのようなモンスターがアリオンポスの周囲を巡遊する。
ぽこぽこと空気中に泡を零し、オレンジのオーラに包まれたアリオンポスであったが、その効力は即座に切れた。


白神-LP:8000
手札:2枚


 [ターン2]


「………」
手札:4枚→5枚

「ドローフェイズ。及びスタンバイフェイズへ移行します。」

タバコを人差し指と中指で挟み煙を吐く久能木。タバコを手にしたまま、音声が告げるままにデッキから1枚のカードを引き抜く。

「スタンバイフェイズ、前のターンに除外していた《ゴーティスの灯ペイシス》と《ゴーティスの妖精シフ》はそれぞれ特殊召喚できる」[守0][守500]

眼前の宙を泳ぎはじめた2枚のカードを掴み取った白神が、デュエルディスクへと叩きつける。すると、フィールドへ小さなメンダコとクリオネがふわふわと泳ぎ始めた。

「手札のモンスター《馬頭鬼》を墓地へ送り、《ワン・フォー・ワン》を発動します。デッキからレベル1《ヴァンパイアの使い魔》を特殊召喚します。」[守0]
手札:5枚→3枚

再びタバコを口にくわえなおし、デッキから飛び出したカードをデュエルディスクへと呼び出した久能木。久能木の背後より無数の黒い蝙蝠が飛び上がり、その内の1体がフィールドで羽ばたき続ける。

「500LPを支払い、特殊召喚された《ヴァンパイアの使い魔》の効果を発動します。デッキから、《ヴァンパイアの幽鬼》を手札へ加えます。」
手札:3枚→4枚
久能木LP8000→7500

デュエルディスクより流れる音声の通り、デッキから1枚のカードが飛び出す。それを掴んだ久能木は即座にデュエルディスク上へと召喚する。

「《ヴァンパイアの幽鬼》を召喚します。召喚時効果により、フィールドの《ヴァンパイアの使い魔》を墓地へ送り効果を発動します。デッキより《ヴァンパイア・スカージレット》を手札へ、《ヴァンパイアの眷属》を墓地へ送ります」[攻1500]
手札:4枚→3枚→4枚

フードを被り下半身がおぼろげな人型のモンスターが現れる。赤い目を光らせながら、幽鬼は羽ばたく蝙蝠を鷲掴みにし潰してしまう。
潰れた蝙蝠からは真っ赤な血が飛び散ったかと思えば、飛び散った血が久能木の手元へと集まり始め、一枚のカードとしての形を作り始める。

「(サーチと墓地肥やしを同時に行えるのか…厄介だな……)」

自身のデュエルディスクの画面へと表示される相手のカードのテキストを確認する白神。久能木は召喚したばかりのモンスターを掴むと即座に墓地へと送り始めた。

「フィールドの《ヴァンパイアの幽鬼》を墓地へ送り、墓地の《ヴァンパイアの眷属》の効果を発動します。
墓地からこのカードを特殊召喚します。」[守0]

カード化した蝙蝠を久能木へと渡した幽鬼は、すぐさま背後より鋭い鉤爪で引き裂かれ血をまき散らす。現れたのは半身が影で覆われた白狼。
切り裂き飛び散った鮮血もまた、久能木の手元へと集まっていき1枚のカードを形成し始めるのだ。

「500LPを支払い、特殊召喚された《ヴァンパイアの眷属》の効果を発動します。デッキから《ヴァンパイアの領域》を手札へ加えます。
永続魔法《ヴァンパイアの領域》を発動します。」
手札:4枚→5枚→4枚
久能木LP7500→7000

音声が効果を説明し終える前に、サーチしたカードをデュエルディスクへと発動する久能木。
短くなったタバコを再び掴み、一気に息を吸い込むとタバコの先端の炎が燃え上がり、葉を焼き焦がしていく。煙を吐くと共に、手に持っていたタバコを地面へと捨てた久能木はそれを足で捻りつぶす。

その様を嫌悪の眼差しで見ていた白神の耳へ、遠くから梨沙の声が響いてきた。


「アリスさん…!!!
翔君…!!!
今、デュエルしている人が、本当に殺すべき人なのか……よーーーく考えてみてください!!!
私は!こんな絶望なんかに負けるつもり……ありませんからね!!!」


「梨沙さん……」

届いてきたのは、彼女の希望を抱えた願いであり、励ましにも似た言葉。それを聞いた白神は奥歯を噛みしめる。脳裏に過るのは怒りのままに、自らが突き飛ばした梨沙の顔。

「なんだよ、それ……。
さっきまで不安そうにしてた癖に……なんでもう人の事気にしてんだよ……」

争いが起こりそうになって焦っていた彼女の表情。自分はそんなもの気にする余裕などなく彼女を突き飛ばしてしまった。
何故、ほんの数分であんな表情をしていた人間が、これ程に前向きな言葉を口にできるのか。

「ふざけんな……なんでだよ……なんでなんだよ……!!!」

左手の拳を握り込んだ白神が、地に向けて叫ぶ。
だが、その声は対面の男には聞こえていない。

「500LPを支払い、《ヴァンパイアの領域》の効果を発動します。このターンのヴァンパイアの召喚権が追加されました。」
久能木LP7000→6500

恨めしそうに対面の男を睨む白神。
冷めた目で淡々とデュエルを進行している彼へ無性に怒りが沸き上がった白神は、声を荒げながら久能木へと問うた。

「あんたは……!本気で信じてんのかよ!?
ここに居る僕らがコピーとか……そんなことを本気で!!」

「………」

白神が何かを喋っている事に気づいた久能木は、彼の口元へと注視する。

「……何言ってるかは見たら分かるんだよね?
本気で信じて、その上で《情報屋》に協力してるのか?なんで受け入れられるんだよ。あんたは外の世界に大事なものも…なんにもないのか……!?」

白神の怒りと焦燥。それが言葉に乗せられ久能木の元まで届けられる。
しばらく考えたような素振りを見せた久能木は、懐から紙切れを取り出し何かを書き始める。

「………」

書き終えたであろうその紙をくしゃくしゃに丸めた久能木はそれを無造作に、白神の前へ投げつけて来た。

「筆談って事か……?」

訝しみながらも、それを拾い上げくしゃくしゃになった紙を広げた白神。
その紙には、力ないインクの文字で一文が書かれていた。

   *****
俺はここでしか生きられない
   *****

「は……?」

「《ヴァンパイアの眷属》をリリースして、《ヴァンパイア・スカージレット》をアドバンス召喚します。」[攻2000]
手札:4枚→3枚

白神の返答など求めていないかのように、白神がそのメモを見たのと同時に久能木の展開が再開された。

「なんだよこれ…。
なんでここでしか生きられないんだよ……!」

「1000LPを支払い、《ヴァンパイア・スカージレット》の効果を発動します。墓地から《ヴァンパイアの幽鬼》を特殊召喚します。」[守0]
久能木LP6500→5500

久能木のフィールドには、光で赤く染められた白髪の侯爵が佇んでいた。手に持った杖を振るうと、彼のマントを構成していた蝙蝠が霧散していき、《ヴァンパイアの幽鬼》の姿となり再集結した。

「答えろよ……。
僕らがコピーだからか!?コピーだからここでしか、生きていけないって事なのか!?なぁ、答えろよ……!!!」

「《ヴァンパイア・スカージレット》と《ヴァンパイアの幽鬼》の2体でリンクマーカーをセット。《ヴァンパイア・サッカー》をリンク召喚します。」[攻1600]

久能木は白神の問いに答えない。冷めた目でフィールドのモンスター2体を墓地へと送り込むと、EXデッキよりモンスターを呼び出す。
リンク召喚のゲートより無数の蝙蝠が羽ばたく。それらが一つに集約すると、黒いトゲの伸びた白い翼に、赤みがかった肌の少女が姿を見せた。

「クソ……そんな態度貫くってんなら、殺されたって文句なんか言うなよ……!
《ゴーティスの妖精シフ》の効果発動。特殊召喚したターンの相手メインフェイズに、自身を含めてシンクロ召喚を行える!
レベル6の《ゴーティスの大蛇アリオンポス》とレベル2《ゴーティスの妖精シフ》でチューニング。
シンクロ召喚。

来い、《ゴーティスの双角アスカーン》」[攻2700]

地面を砕きながら、一匹の海洋生物がフィールドへと飛び上がった。固く鋭い外殻に覆われた頭部はまるで甲冑を想起させられ、そこから覗く黄色く光る眼が怪しく光る。

「アスカーンがシンクロ召喚に成功したことで効果を発動。僕のフィールドの魚族、《ゴーティスの双角アスカーン》とあんたのフィールドの《ヴァンパイア・サッカー》の2枚を対象に除外させてもらう」

アスカーンが地面へ潜行すると、ドリルのように螺旋を描きながら伸びる二つの角が《ヴァンパイア・サッカー》の体を突如貫いた。

「………」

「そう簡単に勝てると思わないでよ。
シンクロ素材に使われた《ゴーティスの大蛇アリオンポス》の効果も発動。墓地から魚族である自身を除外し、そのレベル6以下の魚族1体をデッキから手札に加える。
僕はレベル4の《揺海魚デッドリーフ》を手札へ加える」
手札:2枚→3枚

デッキから飛び出したカードを手札へと収めた白神は、墓地から取り出した1枚のカードを宙へと放る。まるで生き物のように不規則に宙を泳ぎ始めたそれを求めて、《ゴーティスの双角アスカーン》がフィールドへと現れた。

「………!」

「さらに、除外されたアスカーンは、墓地の魚族1体を除外することで、特殊召喚できる。
墓地の《ゴーティスの妖精シフ》を除外だ」[攻2700]

除去を喰らい、ほんの少し表情を歪めた久能木だったが、構わず手札から1枚のカードを発動する。

「相手がメインフェイズ中にモンスター効果を発動している為、《三戦の才》を発動します。」
手札:3枚→2枚

「握られてたか……」

白神のモンスターの発動をトリガーに発動が可能となる《三戦の才》の発動に少々動揺する白神
久能木がデッキトップへ指をかけると、デュエルディスクより選択された効果が告げられる。

「デッキから2枚ドローする効果を選択し、デッキから2枚ドローします。」
手札:2枚→4枚

一気に2枚のカードを引き込んだ久能木は、それらのカードを確認し、1枚を左手へ加え、もう一枚をそのまま発動してくる。

「《ゴーティスの灯ペイシス》を対象に、《ソウルテイカー》を発動します。対象モンスターを破壊し、相手は1000LPを回復します。」
手札:4枚→3枚

「除去を撃ってくるなら……チェーンして《ゴーティスの灯ペイシス》の効果を発動。こっちもさっきのシフと同様、相手ターンにシンクロ召喚を行える。
レベル6の《ゴーティスの月夜サイクス》とレベル2《ゴーティスの灯ペイシス》でチューニング。
シンクロ召喚。

来い、《白闘気白鯨》」[攻2800]

淡く光るメンダコが、骨だけの魚サイクスへぺたりと張り付くと、サイクスが地面へ水音をさせながら潜っていく。
しばらくすると、地面へ水面が広がり、勢いよく巨大な鯨が飛び上がり、水しぶきを起こしながら再び地面へと着水した。

「これで対象は不在。僕のライフも回復しない」

「手札の《ヴァンパイア・フロイライン》を墓地へ送り、墓地の《ヴァンパイアの使い魔》の効果を発動します。
墓地からこのカードを特殊召喚します。」[守0]
手札:3枚→2枚

久能木の影が揺らめくとそこから抜け出すように蝙蝠が現れ、フィールドで羽ばたく。

「墓地から《ヴァンパイアの幽鬼》を除外し、500LPを支払い、効果を発動します。《ヴァンパイアの使い魔》をリリースし、《シャドウ・ヴァンパイア》をアドバンス召喚します」[攻2000]
手札:2枚→1枚

久能木の影から今度は暗闇に覆われた何者かが這い出して来る。
人型を形成したそれが、赤い光で照らされたフロアでも輝くほどに赤い目を光らせ、フィールドへと足を着けた。

「《シャドウ・ヴァンパイア》の召喚時の効果を発動します。デッキから《ヴァンパイア・レッドバロン》を特殊召喚します。このターン、自分は《ヴァンパイア・レッドバロン》でしか攻撃が行えません。」[攻2400]

《シャドウ・ヴァンパイア》が目を見開くと、久能木の背後より馬に乗った騎士が蝙蝠と共に駆け込んでくる。

「そいつでしか攻撃が出来ない……?」

自ら攻撃の機会を減らす久能木のプレイングに白神が疑問を感じていると、呼び出されたレッドバロンが手に持つ騎槍を高く掲げ始めた。

「1000LPを支払い、《シャドウ・ヴァンパイア》と《白闘気白鯨》の2体を対象に《ヴァンパイア・レッドバロン》の効果を発動します。モンスター2体のコントロールを入れ替えます。」
久能木LP5000→4000

《シャドウ・ヴァンパイア》と《白闘気白鯨》の周りに血液で作られたサークルが形成される。レッドバロンが掲げた槍を振り下ろした瞬間に、2体の位置が入れ替わった。

「墓地から《馬頭鬼》を除外し、墓地の《ヴァンパイア・フロイライン》を対象に効果を発動します。対象のモンスターを墓地から特殊召喚します。」[守2000]

墓地効果が発動されると、小さな黒い蝙蝠が無数に現れそれが虚空に黒い傘を形成する。その傘から黒い靄が流れ落ちる様に下っていくと、そこに黒のドレスに身を包んだ女性が姿を現した。

「(何を狙っている……?)」

デュエルディスクで呼び出されたモンスター達のテキストを確認する白神。
展開を終えた久能木は再び懐からタバコを取り出すと、口にくわえ火をつける。
一息吸い込み、煙を吐き切ると、前髪で隠れていない右目が白神を見遣る。
それに気づき、何かの意思を感じ取った白神は久能木を見返しながらゆっくりと口を開く。

「……そう。
それがあんたの覚悟の決め方なのか。
僕にはまだ分かんないよ……一体どうすればいいのか……。
外には別の僕が生きてるって……それが本当だったら、何のために僕はここで心を削って頑張って来たんだよ……」

歯を食いしばりながら、当て所なく救いを求める様に白神が言葉を紡ぎ始めた。

「僕の母さん、バカでさ。詐欺とか宗教とか、そういうのにばっかり引っかかるんだ。いつも寸前で止めるんだけど、僕が事故ったって電話受けて、お金振り込んじゃったんだよね。一大事だって金かき集めて……。
金がなくなったのに、なんとかするから……大丈夫だからって……そんな当ても無いのに僕を不安にさせまいと笑顔振りまいてさ……日に日に顔色も悪くなって……。
だから、僕が目の前に金を叩きつけてやろうと思ったんだ。そうしたら、きっと前みたいに……間抜けな顔して笑ってくれると思ったから……」

「バトルフェイズへ移行します。
《ヴァンパイア・レッドバロン》で《ゴーティスの双角アスカーン》を攻撃します。」[攻2400]

久能木のデュエルディスクよりバトルフェイズへの移行が告知される。
まるで、それ以上言葉を読み取りたくないかのように、白神から視線を逸らした久能木は煙草の根元を噛みながら、デュエルディスクを操作する。

「金を手に入れても……それを受け取ってくれる人なんて最初からいなかったって事なのか……。
なのに……僕は貰えもしない金の為に、デュエルで人を傷つけて……幸せになれると思ってさ……」

「ダメージ計算時、3000LPを支払い、《ヴァンパイア・フロイライン》の効果を発動します。
さらに、速攻魔法《九十九スラッシュ》を発動します。」
手札:1枚→0枚
久能木LP4000→1000

嘶く馬を駈け出させ、手に持つ槍へ血が集まり始め、より鋭く強力な形状へと変質していく。

「《九十九スラッシュ》の効果により、自身より攻撃力の高いモンスターと戦闘を行う《ヴァンパイア・レッドバロン》の攻撃力は相手とのLPの差分アップします。
《ヴァンパイア・フロイライン》の効果により、支払った数値分戦闘を行う《ヴァンパイア・レッドバロン》の攻撃力がアップします。
よって、《ヴァンパイア・レッドバロン》の攻撃力が合計10000アップします」[攻12400]

レッドバロンの硬質化した血で強化された騎槍がアスカーンの身を貫き、そのまま白神の元まで全速力で向かってくる。

「バカバカしい……」

小さなため息と共に、そう呟いた白神。
真っ赤に染まった撃墜の槍が、真っすぐに白神の心臓を貫いた。





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有栖川-LP:8000
手札    :5枚
モンスター :なし
魔法&罠  :なし

ーVSー [ターン1]

近久-LP :8000
手札    :4枚
モンスター :《花札衛-桜-》[攻]、《花札衛-芒-》[攻]、《花札衛-桐-》[攻]、《花札衛-柳-》[攻]、《花札衛-牡丹に蝶-》[攻]
魔法&罠  :なし


「場の《花札衛-桜-》、《花札衛-芒-》、《花札衛-桐-》、《花札衛-柳-》の4枚と……《花札衛-牡丹に蝶-》の合計5枚を取って、
シンクロ召喚。

《花札衛-五光-》……」[攻5000]

《花合わせ》の発動から始まった近久の先行1ターン目。追加で召喚した《花札衛-松-》の展開により、すぐさま5体のモンスターによるシンクロ召喚が行われていく。
フィールドを舞い散る花札の絵柄の中から1人の武士が日本刀を構え現れていた。

「一気に攻撃力5000だと……!?
殺す気満々だなぁ!?やっぱ、お前も殺さねぇとダメなのかぁぁ!!?」

錯乱し対戦相手の近久へ怒りの籠った声と目で威圧するもう一人のアリス。

そんな彼女の耳へ、少し離れた所から梨沙の声が響いてくる。


「アリスさん…!!!
翔君…!!!
今、デュエルしている人が、本当に殺すべき人なのか……よーーーく考えてみてください!!!
私は!こんな絶望なんかに負けるつもり……ありませんからね!!!」


「…………ちっ、あいつはいつまで経っても舐めた事しか抜かさねぇ……」

聞こえて来た梨沙の言葉に、舌打ちと共に罵倒を吐き捨てるもう一人のアリス。そして、その言葉へ困惑を見せた近久が、ぼそりと言葉を零す。

「……変なの。
あなたのお友達は、ウチに死んで欲しくないんだって」

「おかしな奴ってのには同意だな。
……だが、昔ならともかく、これ以上邪魔しないってんなら見逃してやってもいい……。あたしが殺さなきゃいけないのはあの眼帯だ……」

怒りは込めども、眼前の近久を見逃してもいいとそう口にしたもう一人のアリスだが、近久は虚ろな目をしたまま手札から新たなカードを手に取る。

「言ったでしょ……。ウチが死ぬか、あなたが死ぬか。
結果はそれだけなんだよ。
《超こいこい》発動。デッキの上から3枚をめくって、その中の花札衛を場に出せる。ただし、効果は使えなくなってレベルが2になるって感じ」
手札:4枚→3枚

効果の説明と共に、デッキトップから3枚を掴み取った近久がそのままデュエルディスクへと並べていく。

「めくった3枚は全部花札衛……。
《花札衛-芒に月-》、《花札衛-桜-》、《花札衛-柳に小野道風-》の3枚を場に出すよ。柳に小野道風はチューナーだから、このままシンクロ召喚に繋げられるね」[守2000][守100][守2000]

対応する花札の絵が描かれた板が3枚連結してフィールドへと並んだ。
フィールドへ並んだかと思えばすぐに、連結が解除され、シンクロ召喚へと繋げられていく。

「芒に月と桜の2枚と、柳に小野道風の合計3枚を取って、
シンクロ召喚。

《花札衛-月花見》」[攻2000]

フィールドへ桜吹雪が舞い散り、満月の描かれた扇を手に持ちながら舞う芸者がフィールドへと舞い込んでくる。

「月花見の効果。デッキから1枚ドローして、花札衛なら場に出せる。
ただし、次のターンウチはドローフェイズにドローが出来なくなる。
ドロー……引いたのは《花札衛-紅葉に鹿-》だったから、場に出すよ」[守1000]
手札:3枚→4枚→3枚

舞を舞う月花見の背後に新たに鹿が描かれた板が現れる。

「紅葉に鹿も場に出た時、1枚引ける。
ドロー、引いたのは《花札衛-桜に幕-》。そのまま桜に幕の効果も使って、1枚ドロー。それが、花札衛ならこのカードを場に出せて、違ったら引いたカード共々桜に幕を墓地へ送る」
手札:3枚→4枚

連続してデッキからカードを引いていく近久。引けば引くほどにフィールドには、花札の板が増えていく。

「あぁ……!?どんだけカード引けば気が済むんだてめぇ!?」

連鎖的にカードをドローしてばかりの近久に苛立ちながら声を荒げるもう一人のアリス。近久が、引き込んだカードを確認しながらそれへと答える。

「そういうデッキだから。
ドロー、引いたのは《花札衛-柳-》。よって、桜に幕を場に出すよ」[攻2000]
手札:4枚→5枚→4枚

新たに桜に幕をはる腕が描かれた花札板が、紅葉に鹿の板と連結する様にフィールドへ現れた。

「そして、レベル10以下の花札衛が居る時、さっき引いた《花札衛-柳-》は場に出せる。柳の効果で墓地からもう1体の《花札衛-柳-》をデッキに戻して1枚ドローが出来るよ」[守100]
手札:4枚→3枚→4枚

「呼んでは引いて、呼んでは引いて……いつまで続けるつもりだ……?
そんなことしてたらいつまで経っても終わんねぇだろうが!!?」

つい先ほどシンクロ召喚したばかりだというのに、気が付けば近久は手札を減らすどころか増やしながら新たに3体ものモンスターを展開していた。
近久はその展開した3体のモンスターと、月花見をデュエルディスクから取り除き始めた。

「月花見をシンクロ召喚に使う時には、全部のモンスターをレベル2に出来る。
《花札衛-紅葉に鹿-》、《花札衛-桜に幕-》、《花札衛-柳-》の3枚と、《花札衛-月花見-》」の合計4枚を取って、
シンクロ召喚。

《花札衛-雨四光-》」[攻3000]

月花見が手に持つ、扇をピシャリと閉じた。すると、フィールドを花札が舞い散り月花見達4体のモンスターを覆い隠す。
それらが消え去ると、そこには電撃を帯びた傘をまるで大道芸の様に回転させながら、着物に身を包んだ人型のモンスターが呼び出されていた。

「雨四光が居る限り、ウチの花札衛は効果で破壊されずに、相手の効果の対象にもならない……。
仕上げに、レベル11以下の花札衛がいる時、《花札衛-桐-》を手札から場に出せる。そして、その桐を取って、《花札衛-桐に鳳凰-》を場に出す……!」[守100][守2000]
手札:4枚→3枚→2枚

植物の描かれた板が現れたかと思えばすぐ様、その板が入れ替えられ鳳凰の描かれた花札板がフィールドへと現れる。

「桐に鳳凰も場に出た時にドローできる。
花札衛だったら場に出せて、違ったら墓地へ。
ドロー……引いたのは魔法カード《花積み》。花札衛じゃないから墓地行きだよ」
手札:2枚→3枚→2枚

「ようやく終わりか?お前なんかの相手をしてる場合じゃねぇんだよあたしは……!!」

イライラを募らせ、近久の向こうに居るであろう渚を睨みつけるもう一人のアリス。近久は虚ろな目でその様を捉え、手札のカードを場に伏せた。

「なぎさの前にまずはウチを殺さないと……。
カードを1枚伏せて、ターンエンドだよ……」
手札:2枚→1枚


近久-LP:8000
手札:1枚


 [ターン2]


「なんだよそりゃぁ??まるで殺されたがってるみたいだなお前……」

もう一人のアリスはそう言いながらデッキの上からカードを引こうとする。

「死にたい訳じゃないけど……あぁでも、そっか……そうかも。
死 ねば、もう誰も殺さなくて済むもんね……」

虚ろな瞳のままにそう吐き捨てた近久。
違和感を覚えたもう一人のアリスがその発言へと言及する。

「何言ってやがる……。
てめぇ、今なんであたしとデュエルしてんだ。殺意あるモンスターは呼んでるみてぇだが、肝心のお前から殺意を感じねぇ。あたしかお前が死ぬかみたいな事言ってたが、本気であたしを殺す気あんのかよ」

「別に……邪魔したい訳でもないし、殺したい訳でもない……」

「ふざけるなよてめぇ!?
何が別にだぁ!!?このデュエルが命が懸かってるってことぐらい理解してんだろうがっ……!それなのになんだお前、その意思のねぇ発言は。
イライラするんだよ……クソが……」

その言葉に反応してか、虚空を見遣っていた虚ろな視線がアリスを捉える。

「意思がない……?」

「そうだろうが。自分でさっき言ったことも覚えてられねぇのかてめぇ!?
邪魔したい訳でも殺したくない訳でもないとか抜かしやがって……だったらさっさと失せろよクソがぁぁああああ!!?」

捉えていたはずの視線が再びアリスから外れ虚空を見始めた近久。

「そういう訳にも行かない。なぎさに、あなたを殺す気でデュエルしろって言われたから。だから、ウチはデュエルしないといけないの……」

「あぁあああああああああああ!!!?
ふざけんな!イライラする!!したくもねぇ事をさせられてなんで何にも思わねぇ!?従わないと殺されるから仕方なくっつって怯えてる方が可愛げもあんだよ!?なんなんだお前のその態度、訳が分からねぇ!?
ふざけやがって、本気で殺すぞてめぇぇえええ!!!?」
手札:5枚→6枚

近久の捉えられぬ感情と、気の抜けた言葉に苛立ちながら、デッキからカードを引いたもう一人のアリス。
近久は、その殺意に対しても、感情なき言葉で返すだけだ。

「出来るならそうしてよ……。
出来るならね」

アリスがカードを引いた瞬間、眼前の傘を持った雨四光がその傘を回転させ始めた。

「あなたがドローフェイズにドローした時、《花札衛-雨四光-》の効果が発動。あなたに1500のダメージを与える」

「あぁ……!?」

雨四光が傘を上空へと放る。電撃を帯びた傘が回転しながら、その内側より光の針を無数に放ち、アリスの体へと突き刺さしていく。

「いっ……!?
あぁあがぁああっっっ……!!?」

有栖川LP:8000→6500


痛みと共に膝をついたもう一人のアリス。役目を終えた光の針は消えされど、体に残された無数の傷には血が滲みだす。
左手を震わせながら、自らの頭に手を乗せたもう一人のアリスは、爪を立てガリガリと音を立て痛々しく頭を掻きむしる。

「ふぅざぁけやがってぇぇえええええ!!!?
やりやがったな、本当に!?何が殺す相手か考えろだぁ!?
こんな気の抜けたまま人様に害を与える奴殺した方がいいに決まってんだろうがぁぁぁ!!?」

「だから、やれるならやってよ。
ウチは手を抜けないから……あなたが本気で来てくれないとウチは負けられない」

そう言ってデュエルディスクの画面をタッチした近久。
その行動にもう一人のアリスは目を見開き、警戒する。

「クソ……!さっき加えてたあれか!?」

「守備力2000以上の《花札衛-桐に鳳凰-》をリリースして、《影のデッキ破壊ウイルス》を発動。あなたの手札とフィールドのモンスターと、あなたのターンで数えて3ターンの間にドローしたモンスターの全てを確認して、その中の守備力1500以下のモンスターを全て破壊させてもらう……」

場に残されていた唯一の花札板が、赤い光で照らされわずかに落とされた影に向かってバタンと倒れこむ。そして、板が影へと溶け込むと、そこから赤い”影”の文字が刻まれた蝙蝠のようなペラペラの物体が現われ、アリスの手元へと向かっていく。

「ぐ……」

アリスの手札が晒され、その中の守備力1500以下のモンスター全てが影に飲み込まれてしまった。

「守備力1500以下のカードは…《魔神儀-キャンドール》、《ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴン》、《魔神儀-タリスマンドラ》の3枚だね」[守0][守0][守0]

「ふざけ、やがって……」
手札:6枚→3枚

たださえ消費の激しい儀式テーマにおいて、初期手札の半数を破壊されるのはかなりの痛手となった。もう一人のアリスの手札に残されたのは、守備力が3000あった《魔神儀の創造主-クリオルター》。そして、2枚の魔法カード《三戦の号》、《魔神儀の祝誕》のみとなってしまう。

「あなたはウチを見逃してくれるとしても、ウチはあなたを見逃せない。見逃すことが出来ない……。ウチの選択肢は、自分が死ぬかあなたが死ぬかだけ」

「こういう万が一があるからあたしは外に出るのが嫌だったんだ!?フロアの中にこもってりゃ、ある程度の事はカスタムなりで対処できるっつうのに、あんなお人好しのバカ共の為に、こんなところまでついてきやがってぇええええ……!!!」

自らの髪の毛を掴み取り、狂乱したもう一人のアリスはそれを一気に引き抜く。そして、それとほぼ同時に先ほどまでの取り乱しようが嘘のように静かになった。

「……?」

「あぁ…分かってるよ……そんな事言っても変わりゃしないんだ。
目の前にある現実は逃げたりしない。受け止めていかなきゃいけないんだよ。
お前も分かってるだろ?……あぁ?うるせぇ、友達が居なかったからって全部をささげようとすんな気色わりぃ。そっちの方がよっぽど歪だぞ。
……お前もあたしもガキだっつうことだよ……他の連中との交流が少なかったからなぁ!
まぁ、少し休んでろ。何、こんだけやれんだ。
殺す気で行けばちょうどいいぐらいになる……!」

誰かと喋るように独り言を終えたアリスが、振り乱していた髪を後ろへ流し、近久を見遣る。

「待たせたな。
やれるもんならやってみろだったかぁ??
いいよ、あたしの実力をその空っぽの目ん玉によーく焼き付けとけよ……!」

そう勢いよく口にしたもう一人のアリスは、半分に減らされた手札の中から1枚を手に取った。
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