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Report#87「白き魚と朱の花」 作:ランペル
ピー
「先行は朱猟様、後攻は白神様になります。」
[ターン1]
「はぁ……はぁ……」
頭へ残る痛みに、揺らめく視界。乱れた呼吸を零しながらも、ふらつく足で何とか立ち続ける白神。彼と対峙しているのは、不愉快な笑い声を洩らし、先攻を手にした朱猟だ。
「クハハ、良い手札だ。
負け無しのてめぇの為だ、誠心誠意ぶち殺してやるからなぁ!永続魔法、《捕縛蔦城》発動!」
手札:5枚→4枚
朱猟の背後で無数の蔦が床を突き抜け、絡み合いながら成長し鎮座する蔦の城。自らのデュエルディスクへ表示されるその効果にゆっくりと目を通す白神。
=====
《捕縛蔦城》(アイヴィ・バインド・キャッスル)永続魔法
①:このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、相手フィールドに表側表示で存在するカードの効果は無効化され、相手モンスターは攻撃できない。
②:自分スタンバイフェイズに、自分フィールドの「捕食植物」モンスター1体を対象として発動する。そのモンスターをリリースする。または、リリースせずにこのカードを破壊する。
③:相手スタンバイフェイズに発動する。相手フィールドのモンスターの数×800ダメージを相手に与える。
=====
「聞いてた通り……ふざけた効果……してるな……」
その凶悪な効果と、頭に響く激痛で表情を歪める白神。そんな彼を、その場から逃さないとでも言わんばかりに、足元から蔦が生えると、白神の足へと絡みつく。
「これで、てめぇのフィールドで使われたカードは全部無意味になるって訳だ。まさか、こんなカード1枚で音を上げるなんて事しねぇよなぁ?
《融合》を発動だ。手札の《捕食植物ビブリスプ》と《捕食植物テッポウリザード》で融合……。
融合召喚……!
レベル5……《捕食植物アンブロメリドゥス》」[守2500]
手札:4枚→1枚
呼び出されたのはワニを彷彿とさせる獰猛な獣。しかし、その背中からは独特の形状をした葉と白い花が咲いており、危うさの中にもどこか美しさを感じさせる存在だ。
「融合召喚に成功したらアンブロメリドゥスの効果にチェーンして、墓地へと送られた《捕食植物ビブリスプ》の効果を発動。ビブリスプは捕食植物モンスターをデッキから、アンブロメリドゥスはプレデターカードを任意の場所から手札へ加える効果を持つ。
俺は《捕食植物サンデウ・キンジー》と《捕食活動》をデッキから手札へ加えさせてもらうぜ」
手札:1枚→3枚
唸り声をあげたアンブロメリドゥスに反応するようにデッキから2枚のカードが飛び出し、それらを手中へ収める朱猟。それに続きデュエルディスクの墓地へと手を翳せば、素材に使用したもう1体のモンスターが排出された。
「俺がアンブロメリドゥスを融合召喚した事により、墓地から《捕食植物テッポウリザード》を特殊召喚出来る」[守1200]
=====
《捕食植物テッポウリザード》
闇 ☆3 植物族 攻1200 守1200
このカード名の①の効果はデュエル中に1度しか使用できない。
①:自分が「捕食植物」融合モンスターを特殊召喚したターンの自分メインフェイズに発動できる。このカードを手札・墓地から特殊召喚する。
②:このカードが墓地から特殊召喚した場合に発動できる。デッキから1枚ドローする。
=====
地面からトカゲを思わせる植物モンスターが生えてくる。そして、尻尾の先へ無数に実る紫色の果実の中から1つが弾けると、カードが朱猟に向かって飛び出した。
「テッポウリザードは蘇生時に1ドロー出来る。さーらに、アンブロメリドゥスの効果をテッポウリザードを対象に発動だ。対象モンスターをリリースし、デッキから《捕食植物セファロタスネイル》を特殊召喚させてもらう!」[守1200]
手札:3枚→4枚
アンブロメリドゥスの背中から生える葉より、長く細長い蔦が生えると、テッポウリザードを縛り上げその背中にある捕虫葉で飲み込んでしまう。食事を終えたアンブロメリドゥスの足元より、紫色のオーラが染み出していき、紫に染まった地面から新たに毒々しい色をした袋型の捕食植物が芽吹き出す。
=====
《捕食植物セファロタスネイル》
闇 ☆4 植物族 攻1300 守1200
このカード名の③の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:攻撃表示のこのカードは戦闘では破壊されない。
②:このカードの戦闘で発生する自分への戦闘ダメージは半分になる。
③:このカードが召喚・特殊召喚した場合、自分の墓地のレベル4以下の「捕食植物」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターはチューナーとして扱う。
=====
「セファロタスネイルの召喚、特殊召喚時の効果!墓地よりレベル4以下の捕食植物をチューナー扱いで蘇生させる。俺様が蘇らせるのは、レベル3《捕食植物テッポウリザード》!」[守1200]
再びテッポウリザードがフィールドにて芽吹き、先程と全く同じ様に尾の先の果実を弾けさせる。
「テッポウリザードの蘇生時のドロー効果に発動制限はねぇ。よって、追加で1枚ドローだ」
手札:4枚→5枚
「(蘇生の度にドローする効果……面倒だけど、今警戒すべきなのは……)」
白神が警戒するのは、テッポウリザードがチューナーとしてフィールドに舞い戻る事によって呼び出されるであろうシンクロモンスターの存在だ。
「せっかくチューナーにしたんだからな?当然、呼ばせてもらうぜぇ……レベル4の《捕食植物セファロタスネイル》に、チューナーとなったレベル3《捕食植物テッポウリザード》をチューニング……。
シンクロ召喚!
レベル7、《クリアウィング・シンクロ・ドラゴン》!」[攻2500]
眩い一筋の閃光と共にフィールドへ舞い込むのは風。その風に頬を撫でられた白神の眼前へと、雄々しくも美しい白きドラゴンが姿を顕現させる。
「さっきまでの毒々しいのとは、打って変わってだね……。あぁでも……他のと変わらず毒された効果してるか……」
=====
《クリア・ウィング・シンクロ・ドラゴン》
シンクロ 風 ☆7 ドラゴン族 攻2500 守2000
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
①:フィールドのレベル5以上のモンスターが効果を発動した時、または、フィールドのレベル5以上のモンスターがモンスターの効果の対象になった時、その効果を発動したモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの効果を無効にし破壊する。
その後、このカードの攻撃力はターン終了時まで、このカードの効果で破壊したモンスターの攻撃力分アップする。
=====
「クハハ!てめぇがシンクロ使うのは知ってんだ。だったら、対策するのが礼儀ってもんだろ?」
「(レベル5以上に対する発動制限のない無効効果か……確かにシンクロを使う僕の天敵だな……)」
さらに鋭くなっていく白神の目つきが、呼び出されたドラゴンの脅威の程を物語っていた。そんな彼の苦しんでいる様にも見える表情に、朱猟が嘲笑と共に手札のカードを手に取る。
「でもなぁ、まだ終わってやらねぇよ。てめぇに悲痛の声上げさすには、もう一捻り必要だ!
《捕食活動》発動!手札より《捕食植物サンデウ・キンジー》を特殊召喚し、デッキから罠カード《捕食計画》を手札に加える!」[守200]
手札:5枚→4枚→3枚→4枚
無機質な白い床が、まるで土のようにうねる。地面より這い出したのは、エリマキトカゲを彷彿とさせるモンスター。その体の至る所に突出した赤い突起を起点に、粘液性のある液体を滴らせている。
「サンデウ・キンジーの効果発動。自身を含むモンスターを素材に闇属性の融合を行う。俺は《捕食植物サンデウ・キンジー》自身と、融合モンスター《捕食植物アンブロメリドゥス》で融合……。
融合召喚……!
レベル8、腐蝕を振り撒け《捕食植物ドラゴスタぺリア》!」[攻2700]
フィールドへと現れたのは、強烈な腐肉臭を放つ華竜。その存在によって、デュエルの為に封鎖された閉鎖空間内が一気に腐肉臭で満たされてしまう。
「う、げほっ…………。
ったく……ただでさえ気分が悪いってのに……」
むせ返る臭いに咳き込み鼻を手で覆う白神に、朱猟は狂った様に口角を歪め嘲る。
「んな事気にすんじゃねぇよ。どうせてめぇも死んで、こいつみたいに腐った臭い漂わせて蝿やら蛆やらが湧く様になんだからなぁ?クハハ!」
「……あんたの不愉快な声も、臭いと合わさって……ほんとに最悪の気分だよ……。すぐにでもデュエル終わらせてやるから、覚悟しときなよ……」
目つきの鋭さを取り戻した白神が、不快さを隠さず朱猟を睨みつける。
「ハッ!やれるもんならやってみてくれってんだよクソガキ。俺はカードを1枚セットしてターンエンド」
手札:4枚→3枚
朱猟ーLP:4000
手札:3枚
[ターン2]
「(クソ……頭が痛い……。この傷でデュエルが長引くのは避けたい。でも、冷静さを欠いても負けかねない……)」
頭の痛みに耐えながら、白神が左手の指先をゆっくりとデッキトップへと乗せる。一度目を閉じ、己がやるべき展開と、朱猟が用意した妨害の吐かせ方を頭の中で巡らせていく。
「僕達が生き残る為に……あんたは生かしておけないんだよ……」
「はー、人殺し様は考え方も物騒だなぁおい。そんな殺意満々の奴に狙われてんだ。正当防衛でぶち殺したって、てめぇのママも文句ねぇだろうよ!クァハハハ!」
白神の頭の傷にズキズキと激しい痛みが走る。しかし、この痛みはただの痛みではない。この悪辣な男に対する確かな怒りの感情。白神の昂る感情が、冷徹な殺意となって指先へと宿る。
「僕のターン……ドロー!」
手札:5枚→6枚
今やるべきことは痛みなど忘れ、デュエルに正面から向き合う事。その先へ未来を見出す為に……。
「スタンバイフェイズ、《捕縛蔦城》の強制効果発動。てめぇのフィールドのモンスターの数✕800のダメージを与える。ま、これから沸いてくるんだから今は意味ねぇけどな。
オラ、俺の事を生かしておけねぇんだろ〜?この盤面でどうやって殺そうってんだよ!?」
「……《大嵐》を発動」
手札:6枚→5枚
挑発する朱猟に白神が返すのは、互いの魔法・罠カード全てを破壊する《大嵐》。しかし、《捕縛蔦城》の効果によって、《大嵐》の効果は無効化されてしまう。
「おいおい、トチ狂ってる訳じゃねぇよなぁ?」
「チェーンして《大嵐》をコストに《禁じられた一滴》を発動だ。この発動にあんたはコストにした《大嵐》と同じ魔法をチェーン発動出来ない……」
手札:5枚→4枚
「冗談だろ?こいつの効果は永続効果、チェーン出来ないからって無効にはならねぇんだよ。
いや…………そうか、そういう事か!クハハ!だったら、チェーンしてデッキから《捕食植物ドロソフィルム・ヒドラ》を墓地へ送り《捕食計画》発動だ!」
何かに気付いた朱猟が、笑い声をあげながら伏せられたカードを発動する。それにより、地面から大きな口を持つ植物が生えたかと思えば周囲に小さな茨を散布し始めた。
「《捕食計画》の効果により、全モンスターに捕食カウンターを置かせてもらう」
《クリアウィング・シンクロ・ドラゴン》:☆7→☆1
《捕食植物ドラゴスタぺリア》:☆8→☆1
「《禁じられた一滴》の効果は《捕縛蔦城》の効果で無効になっている。けど、フィールドから離れ墓地にある《大嵐》は《捕縛蔦城》の効力を受けない……!フィールドの魔法、罠を全て破壊だ」
吹き始める風が巻き起こす嵐。凄まじい威力の風の塊が、朱猟の背後に生み出された蔦の城をいとも容易く崩壊させていく。
「さすがに負け無しのフロア主なだけあんな?だが、まだ妨害は俺のフィールドに残ってるぜ?」
「その2体もすぐに退かすさ……。
手札の《フィッシュボーグ-ハープナー》の効果発動。手札から自身と《フィッシュボーグ-プランター》をあんたに見せ、その内の1体は墓地へ、残った方を特殊召喚だ。僕はプランターを墓地へ送り、ハープナーを特殊召喚」[守400]
手札:4枚→2枚
水飛沫と共に地面より飛び出したのは、水槽を備えた機械。水槽の前面には、中で泳ぐダツを彷彿とさせる銛が備えられ、獲物を射抜かんばかりに朱猟へと矛先が向けられている。
「《揺海魚デッドリーフ》通常召喚。その召喚時の効果により、僕のデッキから魚族《ゴーティスの妖精シフ》を墓地へ送らせてもらう」[攻1500]
手札:2枚→1枚
フィールドへ浮上するのは、目が青く揺れ動く、骨だけとなった魚のモンスター。朱猟が白神の効果発動に反応を示さなかった事で、デッドリーフの尾ビレがパキッと折れ、地面へ着水する。
「僕はレベル4の《フィッシュボーグ-ハープナー》と《揺海魚デッドリーフ》でオーバーレイネットワークを構築」
「あぁ?エクシーズだと?」
白神は、同レベルの2体をデュエルディスク上にて重ね合わせる。それによって開かれたEXデッキから、1枚のカードが飛び出す。
「エクシーズ召喚。
来い、《No.4 猛毒刺胞ステルス・クラーゲン》」[攻1900]
地面より突如滲み出した水が、朱猟と白神の靴に触れる。バシャッとフィールドで水飛沫を巻き起こしながら、毒々しい体で真っ赤に血走る目を持ったクラゲ型のモンスターが、フィールドへと現れる。
「ステルス・クラーゲンが居る限り、フィールドのモンスター全ての属性は水属性に変更される。
さらに、ステルス・クラーゲンの効果発動だ。フィールドの水属性1体を対象を取らず破壊し、その攻撃力の半分のダメージを与える……」
「ちっ……吐かされたな。
《捕食植物ドラゴスタペリア》の効果発動だ。そいつを対象に捕食カウンターを置かせてもらう」
ステルス・クラーゲンの毒々しい刺胞が構えられた瞬間、ドラゴスタペリアが翼を勢い良く広げた。それによって、小さな口を持つトゲが放たれ、ステルス・クラーゲンへと噛みつき、その動きを封じる。
「ドラゴスタペリアの効果により、そいつの発動した効果は無効化される」
「僕はステルス・クラーゲンのオーバーレイユニットを2つ取り除き、手札から《エクシーズ・リモーラ》を特殊召喚」[守800]
手札:1枚→0枚
ステルス・クラーゲンの周囲を巡遊する2つのオーバーレイユニットを喰らうように現れたのは、緑色をした魚型のモンスターだ。
「この方法で特殊召喚した《エクシーズ・リモーラ》の効果によって、墓地からレベル4の魚族2体を効果を無効にして蘇生させる。僕は《フィッシュボーグ-ハープナー》と《揺海魚デッドリーフ》それぞれを特殊召喚だ……」[守400][守1000]
白神の効果発動を受け、《エクシーズ・リモーラ》が水滴を飛ばしながら地面へと潜行していく。しばらくすると、地面に波紋が広がり《揺海魚デッドリーフ》が現れ、それに続き《フィッシュボーグ-ハープナー》と水槽の底面に吸盤でくっついた《エクシーズ・リモーラ》の3体がフィールドへと並ぶ。
「一気に3体も並べるとはなぁ?」
「まだだ……。墓地の《フィッシュボーグ-プランター》の効果発動。デッキトップを墓地へ送り、それが水属性なら自身を墓地から特殊召喚出来る。
デッキトップは、水属性《白棘鱏》。よって、《フィッシュボーグ-プランター》を特殊召喚」[守200]
デッキトップを墓地へと送り込むと、入れ替わる様に1枚のカードが墓地より排出される。そのモンスターをディスクへ白神が召喚すれば、機械触手を蠢かせながら、花を咲かせる水槽型の機械がフィールドへと現れる。
「レベル2の《フィッシュボーグ-プランター》に、レベル4の《フィッシュボーグ-ハープナー》をチューニング。
シンクロ召喚。
来い、《ゴーティスの大蛇アリオンポス》」[攻2100]
2体の機械水槽が地面へ勢い良く潜る。すると、無機質な白い床が透け始め、その下には真っ暗な深淵が広がっていた。まるで深海や宇宙の彼方を想起させる暗闇を覗いていると、淡く光る何かが浮上してくる。瞬く間にフィールドへバシャッと水音を響かせながら出現したそれは、鋭い牙に透き通った水色の体表の深海魚を思わせるモンスターであった。
「シンクロ召喚に成功したアリオンポスの効果発動」
「ただ打ちだからなぁ!当然止めさせてもらうぜ?
レベル5以上のモンスターが効果を発動した時、《クリアウィング・シンクロ・ドラゴン》の効果発動!その発動を無効にし破壊させてもらう」
白神の発動宣言に被せるように朱猟が、自らの白竜へと指示を飛ばす。しかし、傍らの水面より勢い良く射出された銛が、クリアウィングの淡い緑に輝く翼を撃ち抜いてしまう。
「あぁ?」
「アリオンポスの効果にチェーンして、シンクロ素材となった《フィッシュボーグ-ハープナー》の効果を発動した。《クリアウィング・シンクロ・ドラゴン》を選びその効果をターン終了時まで無効にする効果だ。ハープナーがチェーン2だから、そもそもクリアウィングは効果を発動出来ないけどね」
「ハッ!やってくれるじゃねぇか。まさか、この妨害を全部超えて来るとはなぁ」
「そうさ……。後は、あんたを倒すだけ……。
アリオンポスの効果、デッキからレベル6以下の魚族1体を除外する。僕はデッキから《ゴーティスの月夜サイクス》を除外。
そのまま除外された《ゴーティスの月夜サイクス》の効果発動だ。僕の手札、フィールド、墓地から魚族1体を除外する事でこのカードを特殊召喚出来る。フィールドの《エクシーズ・リモーラ》を除外だ……」[攻2400]
フィールド上にて小さな青い光がゆらゆらと揺れ動き出す。それに反応した《エクシーズ・リモーラ》が近づいて行き、その光に触れようとした瞬間……骨となった巨大な魚が出現し《エクシーズ・リモーラ》を捕食してしまう。
「《ゴーティスの月夜サイクス》が召喚、特殊召喚成功時に効果発動。デッキから魚族である《アビス・シャーク》をサーチし、代わりに手札かフィールドの魚族を除外する。僕はサイクス自身を除外する」
手札:0枚→1枚
効果発動と共にデッキから飛び出したカードを引き抜く白神。その直後《ゴーティスの月夜サイクス》の体から青白い光が消え去り、地面の下の深海へと沈んで行った。
「僕のフィールドに水属性しか居ない事で、《アビス・シャーク》の効果発動。このカードを特殊召喚し、さらにデッキからレベル3〜5の魚族1体をサーチ出来る。デッキからレベル5の《ドリーム・シャーク》を手札へ」[守700]
手札:1枚→0枚→1枚
入れ替わる様に手札へと加わったそのカードを白神はすぐさま翳し、ディスクへと呼び出す。
「《アビス・シャーク》と同様の条件で《ドリーム・シャーク》も特殊召喚出来る」[守2600]
手札:1枚→0枚
召喚に応じ、鎧のような外殻を纏った鮫と紫を基調とする大きな鮫の2体がフィールド上で回遊を始めた。その真下に位置する場所へ藍色の正方形のゲートが出現する。
「《アビス・シャーク》と《ドリーム・シャーク》を素材にリンクマーカーをセット。
リンク召喚。
来い、《海晶乙女コーラルアネモネ》」[攻2000]
地面に広がったゲートへ2体の鮫が吸い込まれると、イソギンチャクを彷彿とさせる装飾を纏った女性型のモンスターが飛び出す。
「コーラルアネモネの効果発動。墓地から攻撃力1500以下の水属性である《フィッシュボーグ-ハープナー》を対象に自身のリンク先へ蘇生させる」[守400]
コーラルアネモネが腕を伸ばすと、装飾である桃色の触手も同時に伸ばされ、地面より《フィッシュボーグ-ハープナー》を捉え釣り上げる。
「レベル4の《揺海魚デッドリーフ》に、レベル4の《フィッシュボーグ-ハープナー》をチューニング……。
シンクロ召喚。
来い、《白闘気白鯨》」[攻2800]
2体のモンスターが潜れば、透き通った地面の向こう側に巨大な何かが揺れ動く。すぐさま鯨の低い鳴き声が空気を揺らせば、巨大な白鯨が勢い良く水面から飛び上がるのだ。
「ホエールのシンクロ召喚成功時の効果発動……!
あんたのフィールドの攻撃表示モンスター全てを破壊だ」
「ハッ!無力化して軒並み破壊かよ」
飛び上がった白鯨が地面へと衝突と同時に巻き起こる津波。それは瞬く間に朱猟のフィールドの白竜と華竜を飲み込む。
「墓地の《ゴーティスの妖精シフ》を除外し、《白闘気白鯨》を対象に効果発動……。ホエールの攻撃力をターン終了時まで500アップさせる」[攻3300]
「クハハ、攻撃力が3000超えたか。おっかねぇな~」
「(墓地に居るドロソフィルム・ヒドラのせいでデッドライン超えのダメージは透かされる……。それでも2800はかなりの痛手になるはずだ)。
さっさと沈んでくれ……。
バトル、《ゴーティスの大蛇アリオンポス》でダイレクトアタックだ」[攻2100]
白神の攻撃宣言を受け、水中の大蛇がうねりながら朱猟の元へと向かっていく。朱猟はその攻撃に動じることなく、嫌らしい笑みを浮かべるばかりだ。
「まーだデュエルは始まったばかりだろうが!そんなに急ぐんじゃねぇよ。
てめぇの《ゴーティスの大蛇アリオンポス》を対象に手札から《女教皇の錫杖》を発動させてもらうぜ」
手札:3枚→2枚
「な……」
潜航しながら近づくアリオンポスの頭部に位置する場所へと降り注いだ1本の錫杖。その瞬間、空気に波紋が広がったかと思えば、眩い雷撃が白神に向かって放たれる。
「ぐ……!?あぁあああ!!?」
白神LP4000→3500
雷撃を受けた白神は、痛みのままに声を上げその場へと倒れる。
「オイオイ、いい声出せるじゃねぇかよ。だが、たった500のダメージだぜぇ?
《女教皇の錫杖》の効果で攻撃は無効、バトルフェイズも終了だ。さーらに、500のダメージ」
=====
《女教皇の錫杖》通常罠
自分フィールドにモンスターが存在しない場合、このカードの発動は手札からもできる。
①:モンスターの攻撃宣言時、攻撃モンスター1体を対象として発動できる。その攻撃を無効にし、バトルフェイズを終了する。その後、攻撃を無効にされたモンスターのコントローラーは500ダメージを受ける。
=====
「ぐ……あぁ……は、ぁあ……」
何とか気力だけで抑え込んでいた体の痛み。それは、新たに発生したダメージによって抑え込めるものではなくなってしまう。白神を襲っているのは痛みの再発に留まらず、不規則な呼吸と共に苦しそうに胸元を抑えている。弱りきった体に流れた電流は、たとえ威力が弱いものであったとしても、心臓の鼓動を弱めるには十分な威力を誇っていた。
「オラ、俺様を殺すんだろ!?何寝転んでやがる。せっかく気分が上がって来た所なんだ……。負けなしのクラスⅢ様が500ぽっちのダメージで、潰れる訳ねぇだろうが!?」
己の欲望を満たす為だけの身勝手な檄を飛ばす朱猟。しかし、その500ぽっちのダメージは、当人が想像しているよりもずっとずっと重く白神の肉体を傷つけていた。
「(く……そ……)
うっ……おぇええ……」
倒れ込んだ衝撃に揺らされた脳が、吐き気を無理やり込み上げさせる。不規則な呼吸でただでさえ息がし辛い状況の中、逆流する胃液に抗えずその場で嘔吐してしまった白神。
「苦しいよぉ、ママ助けてよぉ……ってか?
クソ面白くもねぇ……この程度で死ぬってんなら、泣きじゃくって喚き散らす雑魚の方がよっぽどマシだぜ。デュエルが強かろうが、こんなに打たれ弱くちゃ話にならねぇんだよ。立つ気がねぇならそのまま寝てろや……。原型が分からないぐらいぐちゃぐちゃに殺してやるからよ……」
先程までの嘲笑的な振る舞いはなりを潜め、不機嫌さを押し出す朱猟が言葉と共に唾を床に吐き捨てる。
「はぁ……は、っぁあ……」
白神はゆっくりと掌を地面につけ、体を起こす。しかし、立ち上がる段階までは進めず片膝をついて朱猟を視界に再び捉えた。
「は、ぁ……はぁ……」
「オラ……なんも出来ずに殺されんのか、抵抗してから殺されんのかさっさと選べや。
やる気があるってんなら大歓迎だぜぇ?」
高圧的な口調の朱猟は、歪な期待を込めた視線を白神に向ける。それを不愉快そうに目を逸らす事で意思を示した白神が、左手でデュエルディスクに触れる。
「墓地……の、《揺海魚デッドリーフ》。効果発動……」
「おぉ、そうだ!死にそうな痛みなんざ気力でどうにかなんだよ!
そんな逆境を跳ね返そうと、足搔いて藻掻いて反抗して反発して!そっから、あっけなくぶっ殺される!
悔しくて悔しくて仕方ねぇ瞬間にてめぇがあげる声を……俺は心待ちにしてんだからよぉ!!」
霞む視界の中、頭の中で薄っすらと描いていた展開ルートをなぞる様にカードを操る白神。墓地より発動された《揺海魚デッドリーフ》は墓地から除外され、《フィッシュボーグ-ハープナー》、《白棘鱏》、《アビス・シャーク》の3体がさらに墓地から排出される。
「この……3体を、デッキに戻し……ドローできる……」
手札:0枚→1枚
弱々しくカードをデッキから引き抜き確認していく。どれほど身体が悲鳴を上げていようとも、白神はデュエルを続行する。負けない事……それだけが白神と正気を繋ぎ止めて居られる術なのだ。
「ステルス……クラーゲンを除外……。
《貪欲なウツボ》を……発動だ…………」
手札:1枚→0枚→2枚
引き込んだのはドローカード。コストとして要求された水族の《No.4 猛毒刺胞ステルス・クラーゲン》を除外し、デッキトップから2枚ドローする白神。
「はぁ……は、あぁ……!
うぐ…………魚族が、居る……《ゴーティスの朧キーフ》を特殊、召喚」[守1500]
手札:2枚→1枚
ほんの少しの体の揺れで、大きな痛みが頭の傷から生まれる。ゆっくりとデュエルディスクに置かれたカードへ反応し、フィールドに骨だけの小さな魚が泳いで来る。
「ターン……うっ…………エンド……」
白神ーLP:3500
手札:1枚
[ターン3]
「はぁっ……う、ぐ……」
倒れない様に身体を支えるのに精一杯な白神。ターンが朱猟に渡った以上……展開をしっかりと観察しなければ的確な場所で妨害は打てない。
「(しっかりしろ……。負ける訳には、いかないんだ……)」
満身創痍の身体を何とか保たせ、朱猟の次の手に注力するべく気を持ち直す白神。ひとたび気を抜けば、身体は地面に伏され二度と起き上がれないだろう……。
「さーて、じゃぁ死ぬ時の為に体力温存しとけや。
俺様のターン、ドロー」
そんなギリギリの状態でのデュエル。それでも白神は、眼前の狂人を打ち倒すべく虚空へ左手を翳し立ち向かい続けるのだ。
「スタンバイ……フェイズ、に……《ゴーティスの妖精シフ》の、効果……発動……」
「先行は朱猟様、後攻は白神様になります。」
[ターン1]
「はぁ……はぁ……」
頭へ残る痛みに、揺らめく視界。乱れた呼吸を零しながらも、ふらつく足で何とか立ち続ける白神。彼と対峙しているのは、不愉快な笑い声を洩らし、先攻を手にした朱猟だ。
「クハハ、良い手札だ。
負け無しのてめぇの為だ、誠心誠意ぶち殺してやるからなぁ!永続魔法、《捕縛蔦城》発動!」
手札:5枚→4枚
朱猟の背後で無数の蔦が床を突き抜け、絡み合いながら成長し鎮座する蔦の城。自らのデュエルディスクへ表示されるその効果にゆっくりと目を通す白神。
=====
《捕縛蔦城》(アイヴィ・バインド・キャッスル)永続魔法
①:このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、相手フィールドに表側表示で存在するカードの効果は無効化され、相手モンスターは攻撃できない。
②:自分スタンバイフェイズに、自分フィールドの「捕食植物」モンスター1体を対象として発動する。そのモンスターをリリースする。または、リリースせずにこのカードを破壊する。
③:相手スタンバイフェイズに発動する。相手フィールドのモンスターの数×800ダメージを相手に与える。
=====
「聞いてた通り……ふざけた効果……してるな……」
その凶悪な効果と、頭に響く激痛で表情を歪める白神。そんな彼を、その場から逃さないとでも言わんばかりに、足元から蔦が生えると、白神の足へと絡みつく。
「これで、てめぇのフィールドで使われたカードは全部無意味になるって訳だ。まさか、こんなカード1枚で音を上げるなんて事しねぇよなぁ?
《融合》を発動だ。手札の《捕食植物ビブリスプ》と《捕食植物テッポウリザード》で融合……。
融合召喚……!
レベル5……《捕食植物アンブロメリドゥス》」[守2500]
手札:4枚→1枚
呼び出されたのはワニを彷彿とさせる獰猛な獣。しかし、その背中からは独特の形状をした葉と白い花が咲いており、危うさの中にもどこか美しさを感じさせる存在だ。
「融合召喚に成功したらアンブロメリドゥスの効果にチェーンして、墓地へと送られた《捕食植物ビブリスプ》の効果を発動。ビブリスプは捕食植物モンスターをデッキから、アンブロメリドゥスはプレデターカードを任意の場所から手札へ加える効果を持つ。
俺は《捕食植物サンデウ・キンジー》と《捕食活動》をデッキから手札へ加えさせてもらうぜ」
手札:1枚→3枚
唸り声をあげたアンブロメリドゥスに反応するようにデッキから2枚のカードが飛び出し、それらを手中へ収める朱猟。それに続きデュエルディスクの墓地へと手を翳せば、素材に使用したもう1体のモンスターが排出された。
「俺がアンブロメリドゥスを融合召喚した事により、墓地から《捕食植物テッポウリザード》を特殊召喚出来る」[守1200]
=====
《捕食植物テッポウリザード》
闇 ☆3 植物族 攻1200 守1200
このカード名の①の効果はデュエル中に1度しか使用できない。
①:自分が「捕食植物」融合モンスターを特殊召喚したターンの自分メインフェイズに発動できる。このカードを手札・墓地から特殊召喚する。
②:このカードが墓地から特殊召喚した場合に発動できる。デッキから1枚ドローする。
=====
地面からトカゲを思わせる植物モンスターが生えてくる。そして、尻尾の先へ無数に実る紫色の果実の中から1つが弾けると、カードが朱猟に向かって飛び出した。
「テッポウリザードは蘇生時に1ドロー出来る。さーらに、アンブロメリドゥスの効果をテッポウリザードを対象に発動だ。対象モンスターをリリースし、デッキから《捕食植物セファロタスネイル》を特殊召喚させてもらう!」[守1200]
手札:3枚→4枚
アンブロメリドゥスの背中から生える葉より、長く細長い蔦が生えると、テッポウリザードを縛り上げその背中にある捕虫葉で飲み込んでしまう。食事を終えたアンブロメリドゥスの足元より、紫色のオーラが染み出していき、紫に染まった地面から新たに毒々しい色をした袋型の捕食植物が芽吹き出す。
=====
《捕食植物セファロタスネイル》
闇 ☆4 植物族 攻1300 守1200
このカード名の③の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:攻撃表示のこのカードは戦闘では破壊されない。
②:このカードの戦闘で発生する自分への戦闘ダメージは半分になる。
③:このカードが召喚・特殊召喚した場合、自分の墓地のレベル4以下の「捕食植物」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターはチューナーとして扱う。
=====
「セファロタスネイルの召喚、特殊召喚時の効果!墓地よりレベル4以下の捕食植物をチューナー扱いで蘇生させる。俺様が蘇らせるのは、レベル3《捕食植物テッポウリザード》!」[守1200]
再びテッポウリザードがフィールドにて芽吹き、先程と全く同じ様に尾の先の果実を弾けさせる。
「テッポウリザードの蘇生時のドロー効果に発動制限はねぇ。よって、追加で1枚ドローだ」
手札:4枚→5枚
「(蘇生の度にドローする効果……面倒だけど、今警戒すべきなのは……)」
白神が警戒するのは、テッポウリザードがチューナーとしてフィールドに舞い戻る事によって呼び出されるであろうシンクロモンスターの存在だ。
「せっかくチューナーにしたんだからな?当然、呼ばせてもらうぜぇ……レベル4の《捕食植物セファロタスネイル》に、チューナーとなったレベル3《捕食植物テッポウリザード》をチューニング……。
シンクロ召喚!
レベル7、《クリアウィング・シンクロ・ドラゴン》!」[攻2500]
眩い一筋の閃光と共にフィールドへ舞い込むのは風。その風に頬を撫でられた白神の眼前へと、雄々しくも美しい白きドラゴンが姿を顕現させる。
「さっきまでの毒々しいのとは、打って変わってだね……。あぁでも……他のと変わらず毒された効果してるか……」
=====
《クリア・ウィング・シンクロ・ドラゴン》
シンクロ 風 ☆7 ドラゴン族 攻2500 守2000
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
①:フィールドのレベル5以上のモンスターが効果を発動した時、または、フィールドのレベル5以上のモンスターがモンスターの効果の対象になった時、その効果を発動したモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの効果を無効にし破壊する。
その後、このカードの攻撃力はターン終了時まで、このカードの効果で破壊したモンスターの攻撃力分アップする。
=====
「クハハ!てめぇがシンクロ使うのは知ってんだ。だったら、対策するのが礼儀ってもんだろ?」
「(レベル5以上に対する発動制限のない無効効果か……確かにシンクロを使う僕の天敵だな……)」
さらに鋭くなっていく白神の目つきが、呼び出されたドラゴンの脅威の程を物語っていた。そんな彼の苦しんでいる様にも見える表情に、朱猟が嘲笑と共に手札のカードを手に取る。
「でもなぁ、まだ終わってやらねぇよ。てめぇに悲痛の声上げさすには、もう一捻り必要だ!
《捕食活動》発動!手札より《捕食植物サンデウ・キンジー》を特殊召喚し、デッキから罠カード《捕食計画》を手札に加える!」[守200]
手札:5枚→4枚→3枚→4枚
無機質な白い床が、まるで土のようにうねる。地面より這い出したのは、エリマキトカゲを彷彿とさせるモンスター。その体の至る所に突出した赤い突起を起点に、粘液性のある液体を滴らせている。
「サンデウ・キンジーの効果発動。自身を含むモンスターを素材に闇属性の融合を行う。俺は《捕食植物サンデウ・キンジー》自身と、融合モンスター《捕食植物アンブロメリドゥス》で融合……。
融合召喚……!
レベル8、腐蝕を振り撒け《捕食植物ドラゴスタぺリア》!」[攻2700]
フィールドへと現れたのは、強烈な腐肉臭を放つ華竜。その存在によって、デュエルの為に封鎖された閉鎖空間内が一気に腐肉臭で満たされてしまう。
「う、げほっ…………。
ったく……ただでさえ気分が悪いってのに……」
むせ返る臭いに咳き込み鼻を手で覆う白神に、朱猟は狂った様に口角を歪め嘲る。
「んな事気にすんじゃねぇよ。どうせてめぇも死んで、こいつみたいに腐った臭い漂わせて蝿やら蛆やらが湧く様になんだからなぁ?クハハ!」
「……あんたの不愉快な声も、臭いと合わさって……ほんとに最悪の気分だよ……。すぐにでもデュエル終わらせてやるから、覚悟しときなよ……」
目つきの鋭さを取り戻した白神が、不快さを隠さず朱猟を睨みつける。
「ハッ!やれるもんならやってみてくれってんだよクソガキ。俺はカードを1枚セットしてターンエンド」
手札:4枚→3枚
朱猟ーLP:4000
手札:3枚
[ターン2]
「(クソ……頭が痛い……。この傷でデュエルが長引くのは避けたい。でも、冷静さを欠いても負けかねない……)」
頭の痛みに耐えながら、白神が左手の指先をゆっくりとデッキトップへと乗せる。一度目を閉じ、己がやるべき展開と、朱猟が用意した妨害の吐かせ方を頭の中で巡らせていく。
「僕達が生き残る為に……あんたは生かしておけないんだよ……」
「はー、人殺し様は考え方も物騒だなぁおい。そんな殺意満々の奴に狙われてんだ。正当防衛でぶち殺したって、てめぇのママも文句ねぇだろうよ!クァハハハ!」
白神の頭の傷にズキズキと激しい痛みが走る。しかし、この痛みはただの痛みではない。この悪辣な男に対する確かな怒りの感情。白神の昂る感情が、冷徹な殺意となって指先へと宿る。
「僕のターン……ドロー!」
手札:5枚→6枚
今やるべきことは痛みなど忘れ、デュエルに正面から向き合う事。その先へ未来を見出す為に……。
「スタンバイフェイズ、《捕縛蔦城》の強制効果発動。てめぇのフィールドのモンスターの数✕800のダメージを与える。ま、これから沸いてくるんだから今は意味ねぇけどな。
オラ、俺の事を生かしておけねぇんだろ〜?この盤面でどうやって殺そうってんだよ!?」
「……《大嵐》を発動」
手札:6枚→5枚
挑発する朱猟に白神が返すのは、互いの魔法・罠カード全てを破壊する《大嵐》。しかし、《捕縛蔦城》の効果によって、《大嵐》の効果は無効化されてしまう。
「おいおい、トチ狂ってる訳じゃねぇよなぁ?」
「チェーンして《大嵐》をコストに《禁じられた一滴》を発動だ。この発動にあんたはコストにした《大嵐》と同じ魔法をチェーン発動出来ない……」
手札:5枚→4枚
「冗談だろ?こいつの効果は永続効果、チェーン出来ないからって無効にはならねぇんだよ。
いや…………そうか、そういう事か!クハハ!だったら、チェーンしてデッキから《捕食植物ドロソフィルム・ヒドラ》を墓地へ送り《捕食計画》発動だ!」
何かに気付いた朱猟が、笑い声をあげながら伏せられたカードを発動する。それにより、地面から大きな口を持つ植物が生えたかと思えば周囲に小さな茨を散布し始めた。
「《捕食計画》の効果により、全モンスターに捕食カウンターを置かせてもらう」
《クリアウィング・シンクロ・ドラゴン》:☆7→☆1
《捕食植物ドラゴスタぺリア》:☆8→☆1
「《禁じられた一滴》の効果は《捕縛蔦城》の効果で無効になっている。けど、フィールドから離れ墓地にある《大嵐》は《捕縛蔦城》の効力を受けない……!フィールドの魔法、罠を全て破壊だ」
吹き始める風が巻き起こす嵐。凄まじい威力の風の塊が、朱猟の背後に生み出された蔦の城をいとも容易く崩壊させていく。
「さすがに負け無しのフロア主なだけあんな?だが、まだ妨害は俺のフィールドに残ってるぜ?」
「その2体もすぐに退かすさ……。
手札の《フィッシュボーグ-ハープナー》の効果発動。手札から自身と《フィッシュボーグ-プランター》をあんたに見せ、その内の1体は墓地へ、残った方を特殊召喚だ。僕はプランターを墓地へ送り、ハープナーを特殊召喚」[守400]
手札:4枚→2枚
水飛沫と共に地面より飛び出したのは、水槽を備えた機械。水槽の前面には、中で泳ぐダツを彷彿とさせる銛が備えられ、獲物を射抜かんばかりに朱猟へと矛先が向けられている。
「《揺海魚デッドリーフ》通常召喚。その召喚時の効果により、僕のデッキから魚族《ゴーティスの妖精シフ》を墓地へ送らせてもらう」[攻1500]
手札:2枚→1枚
フィールドへ浮上するのは、目が青く揺れ動く、骨だけとなった魚のモンスター。朱猟が白神の効果発動に反応を示さなかった事で、デッドリーフの尾ビレがパキッと折れ、地面へ着水する。
「僕はレベル4の《フィッシュボーグ-ハープナー》と《揺海魚デッドリーフ》でオーバーレイネットワークを構築」
「あぁ?エクシーズだと?」
白神は、同レベルの2体をデュエルディスク上にて重ね合わせる。それによって開かれたEXデッキから、1枚のカードが飛び出す。
「エクシーズ召喚。
来い、《No.4 猛毒刺胞ステルス・クラーゲン》」[攻1900]
地面より突如滲み出した水が、朱猟と白神の靴に触れる。バシャッとフィールドで水飛沫を巻き起こしながら、毒々しい体で真っ赤に血走る目を持ったクラゲ型のモンスターが、フィールドへと現れる。
「ステルス・クラーゲンが居る限り、フィールドのモンスター全ての属性は水属性に変更される。
さらに、ステルス・クラーゲンの効果発動だ。フィールドの水属性1体を対象を取らず破壊し、その攻撃力の半分のダメージを与える……」
「ちっ……吐かされたな。
《捕食植物ドラゴスタペリア》の効果発動だ。そいつを対象に捕食カウンターを置かせてもらう」
ステルス・クラーゲンの毒々しい刺胞が構えられた瞬間、ドラゴスタペリアが翼を勢い良く広げた。それによって、小さな口を持つトゲが放たれ、ステルス・クラーゲンへと噛みつき、その動きを封じる。
「ドラゴスタペリアの効果により、そいつの発動した効果は無効化される」
「僕はステルス・クラーゲンのオーバーレイユニットを2つ取り除き、手札から《エクシーズ・リモーラ》を特殊召喚」[守800]
手札:1枚→0枚
ステルス・クラーゲンの周囲を巡遊する2つのオーバーレイユニットを喰らうように現れたのは、緑色をした魚型のモンスターだ。
「この方法で特殊召喚した《エクシーズ・リモーラ》の効果によって、墓地からレベル4の魚族2体を効果を無効にして蘇生させる。僕は《フィッシュボーグ-ハープナー》と《揺海魚デッドリーフ》それぞれを特殊召喚だ……」[守400][守1000]
白神の効果発動を受け、《エクシーズ・リモーラ》が水滴を飛ばしながら地面へと潜行していく。しばらくすると、地面に波紋が広がり《揺海魚デッドリーフ》が現れ、それに続き《フィッシュボーグ-ハープナー》と水槽の底面に吸盤でくっついた《エクシーズ・リモーラ》の3体がフィールドへと並ぶ。
「一気に3体も並べるとはなぁ?」
「まだだ……。墓地の《フィッシュボーグ-プランター》の効果発動。デッキトップを墓地へ送り、それが水属性なら自身を墓地から特殊召喚出来る。
デッキトップは、水属性《白棘鱏》。よって、《フィッシュボーグ-プランター》を特殊召喚」[守200]
デッキトップを墓地へと送り込むと、入れ替わる様に1枚のカードが墓地より排出される。そのモンスターをディスクへ白神が召喚すれば、機械触手を蠢かせながら、花を咲かせる水槽型の機械がフィールドへと現れる。
「レベル2の《フィッシュボーグ-プランター》に、レベル4の《フィッシュボーグ-ハープナー》をチューニング。
シンクロ召喚。
来い、《ゴーティスの大蛇アリオンポス》」[攻2100]
2体の機械水槽が地面へ勢い良く潜る。すると、無機質な白い床が透け始め、その下には真っ暗な深淵が広がっていた。まるで深海や宇宙の彼方を想起させる暗闇を覗いていると、淡く光る何かが浮上してくる。瞬く間にフィールドへバシャッと水音を響かせながら出現したそれは、鋭い牙に透き通った水色の体表の深海魚を思わせるモンスターであった。
「シンクロ召喚に成功したアリオンポスの効果発動」
「ただ打ちだからなぁ!当然止めさせてもらうぜ?
レベル5以上のモンスターが効果を発動した時、《クリアウィング・シンクロ・ドラゴン》の効果発動!その発動を無効にし破壊させてもらう」
白神の発動宣言に被せるように朱猟が、自らの白竜へと指示を飛ばす。しかし、傍らの水面より勢い良く射出された銛が、クリアウィングの淡い緑に輝く翼を撃ち抜いてしまう。
「あぁ?」
「アリオンポスの効果にチェーンして、シンクロ素材となった《フィッシュボーグ-ハープナー》の効果を発動した。《クリアウィング・シンクロ・ドラゴン》を選びその効果をターン終了時まで無効にする効果だ。ハープナーがチェーン2だから、そもそもクリアウィングは効果を発動出来ないけどね」
「ハッ!やってくれるじゃねぇか。まさか、この妨害を全部超えて来るとはなぁ」
「そうさ……。後は、あんたを倒すだけ……。
アリオンポスの効果、デッキからレベル6以下の魚族1体を除外する。僕はデッキから《ゴーティスの月夜サイクス》を除外。
そのまま除外された《ゴーティスの月夜サイクス》の効果発動だ。僕の手札、フィールド、墓地から魚族1体を除外する事でこのカードを特殊召喚出来る。フィールドの《エクシーズ・リモーラ》を除外だ……」[攻2400]
フィールド上にて小さな青い光がゆらゆらと揺れ動き出す。それに反応した《エクシーズ・リモーラ》が近づいて行き、その光に触れようとした瞬間……骨となった巨大な魚が出現し《エクシーズ・リモーラ》を捕食してしまう。
「《ゴーティスの月夜サイクス》が召喚、特殊召喚成功時に効果発動。デッキから魚族である《アビス・シャーク》をサーチし、代わりに手札かフィールドの魚族を除外する。僕はサイクス自身を除外する」
手札:0枚→1枚
効果発動と共にデッキから飛び出したカードを引き抜く白神。その直後《ゴーティスの月夜サイクス》の体から青白い光が消え去り、地面の下の深海へと沈んで行った。
「僕のフィールドに水属性しか居ない事で、《アビス・シャーク》の効果発動。このカードを特殊召喚し、さらにデッキからレベル3〜5の魚族1体をサーチ出来る。デッキからレベル5の《ドリーム・シャーク》を手札へ」[守700]
手札:1枚→0枚→1枚
入れ替わる様に手札へと加わったそのカードを白神はすぐさま翳し、ディスクへと呼び出す。
「《アビス・シャーク》と同様の条件で《ドリーム・シャーク》も特殊召喚出来る」[守2600]
手札:1枚→0枚
召喚に応じ、鎧のような外殻を纏った鮫と紫を基調とする大きな鮫の2体がフィールド上で回遊を始めた。その真下に位置する場所へ藍色の正方形のゲートが出現する。
「《アビス・シャーク》と《ドリーム・シャーク》を素材にリンクマーカーをセット。
リンク召喚。
来い、《海晶乙女コーラルアネモネ》」[攻2000]
地面に広がったゲートへ2体の鮫が吸い込まれると、イソギンチャクを彷彿とさせる装飾を纏った女性型のモンスターが飛び出す。
「コーラルアネモネの効果発動。墓地から攻撃力1500以下の水属性である《フィッシュボーグ-ハープナー》を対象に自身のリンク先へ蘇生させる」[守400]
コーラルアネモネが腕を伸ばすと、装飾である桃色の触手も同時に伸ばされ、地面より《フィッシュボーグ-ハープナー》を捉え釣り上げる。
「レベル4の《揺海魚デッドリーフ》に、レベル4の《フィッシュボーグ-ハープナー》をチューニング……。
シンクロ召喚。
来い、《白闘気白鯨》」[攻2800]
2体のモンスターが潜れば、透き通った地面の向こう側に巨大な何かが揺れ動く。すぐさま鯨の低い鳴き声が空気を揺らせば、巨大な白鯨が勢い良く水面から飛び上がるのだ。
「ホエールのシンクロ召喚成功時の効果発動……!
あんたのフィールドの攻撃表示モンスター全てを破壊だ」
「ハッ!無力化して軒並み破壊かよ」
飛び上がった白鯨が地面へと衝突と同時に巻き起こる津波。それは瞬く間に朱猟のフィールドの白竜と華竜を飲み込む。
「墓地の《ゴーティスの妖精シフ》を除外し、《白闘気白鯨》を対象に効果発動……。ホエールの攻撃力をターン終了時まで500アップさせる」[攻3300]
「クハハ、攻撃力が3000超えたか。おっかねぇな~」
「(墓地に居るドロソフィルム・ヒドラのせいでデッドライン超えのダメージは透かされる……。それでも2800はかなりの痛手になるはずだ)。
さっさと沈んでくれ……。
バトル、《ゴーティスの大蛇アリオンポス》でダイレクトアタックだ」[攻2100]
白神の攻撃宣言を受け、水中の大蛇がうねりながら朱猟の元へと向かっていく。朱猟はその攻撃に動じることなく、嫌らしい笑みを浮かべるばかりだ。
「まーだデュエルは始まったばかりだろうが!そんなに急ぐんじゃねぇよ。
てめぇの《ゴーティスの大蛇アリオンポス》を対象に手札から《女教皇の錫杖》を発動させてもらうぜ」
手札:3枚→2枚
「な……」
潜航しながら近づくアリオンポスの頭部に位置する場所へと降り注いだ1本の錫杖。その瞬間、空気に波紋が広がったかと思えば、眩い雷撃が白神に向かって放たれる。
「ぐ……!?あぁあああ!!?」
白神LP4000→3500
雷撃を受けた白神は、痛みのままに声を上げその場へと倒れる。
「オイオイ、いい声出せるじゃねぇかよ。だが、たった500のダメージだぜぇ?
《女教皇の錫杖》の効果で攻撃は無効、バトルフェイズも終了だ。さーらに、500のダメージ」
=====
《女教皇の錫杖》通常罠
自分フィールドにモンスターが存在しない場合、このカードの発動は手札からもできる。
①:モンスターの攻撃宣言時、攻撃モンスター1体を対象として発動できる。その攻撃を無効にし、バトルフェイズを終了する。その後、攻撃を無効にされたモンスターのコントローラーは500ダメージを受ける。
=====
「ぐ……あぁ……は、ぁあ……」
何とか気力だけで抑え込んでいた体の痛み。それは、新たに発生したダメージによって抑え込めるものではなくなってしまう。白神を襲っているのは痛みの再発に留まらず、不規則な呼吸と共に苦しそうに胸元を抑えている。弱りきった体に流れた電流は、たとえ威力が弱いものであったとしても、心臓の鼓動を弱めるには十分な威力を誇っていた。
「オラ、俺様を殺すんだろ!?何寝転んでやがる。せっかく気分が上がって来た所なんだ……。負けなしのクラスⅢ様が500ぽっちのダメージで、潰れる訳ねぇだろうが!?」
己の欲望を満たす為だけの身勝手な檄を飛ばす朱猟。しかし、その500ぽっちのダメージは、当人が想像しているよりもずっとずっと重く白神の肉体を傷つけていた。
「(く……そ……)
うっ……おぇええ……」
倒れ込んだ衝撃に揺らされた脳が、吐き気を無理やり込み上げさせる。不規則な呼吸でただでさえ息がし辛い状況の中、逆流する胃液に抗えずその場で嘔吐してしまった白神。
「苦しいよぉ、ママ助けてよぉ……ってか?
クソ面白くもねぇ……この程度で死ぬってんなら、泣きじゃくって喚き散らす雑魚の方がよっぽどマシだぜ。デュエルが強かろうが、こんなに打たれ弱くちゃ話にならねぇんだよ。立つ気がねぇならそのまま寝てろや……。原型が分からないぐらいぐちゃぐちゃに殺してやるからよ……」
先程までの嘲笑的な振る舞いはなりを潜め、不機嫌さを押し出す朱猟が言葉と共に唾を床に吐き捨てる。
「はぁ……は、っぁあ……」
白神はゆっくりと掌を地面につけ、体を起こす。しかし、立ち上がる段階までは進めず片膝をついて朱猟を視界に再び捉えた。
「は、ぁ……はぁ……」
「オラ……なんも出来ずに殺されんのか、抵抗してから殺されんのかさっさと選べや。
やる気があるってんなら大歓迎だぜぇ?」
高圧的な口調の朱猟は、歪な期待を込めた視線を白神に向ける。それを不愉快そうに目を逸らす事で意思を示した白神が、左手でデュエルディスクに触れる。
「墓地……の、《揺海魚デッドリーフ》。効果発動……」
「おぉ、そうだ!死にそうな痛みなんざ気力でどうにかなんだよ!
そんな逆境を跳ね返そうと、足搔いて藻掻いて反抗して反発して!そっから、あっけなくぶっ殺される!
悔しくて悔しくて仕方ねぇ瞬間にてめぇがあげる声を……俺は心待ちにしてんだからよぉ!!」
霞む視界の中、頭の中で薄っすらと描いていた展開ルートをなぞる様にカードを操る白神。墓地より発動された《揺海魚デッドリーフ》は墓地から除外され、《フィッシュボーグ-ハープナー》、《白棘鱏》、《アビス・シャーク》の3体がさらに墓地から排出される。
「この……3体を、デッキに戻し……ドローできる……」
手札:0枚→1枚
弱々しくカードをデッキから引き抜き確認していく。どれほど身体が悲鳴を上げていようとも、白神はデュエルを続行する。負けない事……それだけが白神と正気を繋ぎ止めて居られる術なのだ。
「ステルス……クラーゲンを除外……。
《貪欲なウツボ》を……発動だ…………」
手札:1枚→0枚→2枚
引き込んだのはドローカード。コストとして要求された水族の《No.4 猛毒刺胞ステルス・クラーゲン》を除外し、デッキトップから2枚ドローする白神。
「はぁ……は、あぁ……!
うぐ…………魚族が、居る……《ゴーティスの朧キーフ》を特殊、召喚」[守1500]
手札:2枚→1枚
ほんの少しの体の揺れで、大きな痛みが頭の傷から生まれる。ゆっくりとデュエルディスクに置かれたカードへ反応し、フィールドに骨だけの小さな魚が泳いで来る。
「ターン……うっ…………エンド……」
白神ーLP:3500
手札:1枚
[ターン3]
「はぁっ……う、ぐ……」
倒れない様に身体を支えるのに精一杯な白神。ターンが朱猟に渡った以上……展開をしっかりと観察しなければ的確な場所で妨害は打てない。
「(しっかりしろ……。負ける訳には、いかないんだ……)」
満身創痍の身体を何とか保たせ、朱猟の次の手に注力するべく気を持ち直す白神。ひとたび気を抜けば、身体は地面に伏され二度と起き上がれないだろう……。
「さーて、じゃぁ死ぬ時の為に体力温存しとけや。
俺様のターン、ドロー」
そんなギリギリの状態でのデュエル。それでも白神は、眼前の狂人を打ち倒すべく虚空へ左手を翳し立ち向かい続けるのだ。
「スタンバイ……フェイズ、に……《ゴーティスの妖精シフ》の、効果……発動……」
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62 | Report#31「献身」 | 347 | 0 | 2023-10-15 | - | |
63 | Report#32「好転」 | 382 | 2 | 2023-10-20 | - | |
68 | Report#33「身勝手」 | 351 | 2 | 2023-10-25 | - | |
59 | Report#34「ボス戦」 | 416 | 3 | 2023-10-30 | - | |
54 | Report#35「想起」 | 360 | 2 | 2023-11-05 | - | |
65 | #被験者リストA | 567 | 0 | 2023-11-05 | - | |
58 | Report#36「ノルマ達成目指して」 | 322 | 2 | 2023-11-10 | - | |
55 | Report#37「分断」 | 398 | 2 | 2023-11-15 | - | |
83 | Report#38「旅立ち」 | 555 | 0 | 2023-11-20 | - | |
55 | Report#39「幼き力」 | 360 | 2 | 2023-11-25 | - | |
50 | Report#40「囚われし者」 | 317 | 0 | 2023-11-30 | - | |
54 | Report#41「傍に居てくれるから」 | 396 | 2 | 2023-12-05 | - | |
68 | Report#42「どうして?」 | 437 | 1 | 2023-12-10 | - | |
54 | Report#43「拒絶」 | 317 | 0 | 2023-12-15 | - | |
60 | Report#44「不信」 | 376 | 2 | 2023-12-25 | - | |
51 | Report#45「夜更かし」 | 418 | 2 | 2024-01-05 | - | |
58 | Report#46「緊急回避」 | 493 | 0 | 2024-01-10 | - | |
68 | Report#47「狂気」 | 418 | 2 | 2024-01-20 | - | |
58 | Report#48「判断」 | 383 | 2 | 2024-01-30 | - | |
72 | Report#49「白化」 | 468 | 0 | 2024-02-10 | - | |
62 | Report#50「諦め切れない」 | 378 | 2 | 2024-02-20 | - | |
53 | Report#51「錯綜」 | 434 | 2 | 2024-03-01 | - | |
73 | Report#52「計画」 | 426 | 2 | 2024-03-05 | - | |
65 | Report#53「決意」 | 524 | 2 | 2024-03-10 | - | |
53 | Report#54「抜け道」 | 395 | 2 | 2024-03-15 | - | |
82 | Report#55「死の栄誉」 | 523 | 2 | 2024-03-25 | - | |
57 | Report#56「灼熱の断頭」 | 377 | 2 | 2024-03-30 | - | |
66 | Report#57「憧れの主人公」 | 380 | 0 | 2024-04-05 | - | |
60 | Report#58「記憶にいない娘」 | 308 | 2 | 2024-04-20 | - | |
48 | Report#59「蝕みの鱗粉」 | 324 | 4 | 2024-04-25 | - | |
68 | Report#60「歪み」 | 410 | 4 | 2024-04-30 | - | |
43 | Report#61「新たなステージ」 | 357 | 2 | 2024-05-10 | - | |
72 | #被験者リストB | 437 | 0 | 2024-05-10 | - | |
51 | Report#62「狂気の残党」 | 350 | 2 | 2024-05-20 | - | |
58 | Report#63「窒息」 | 366 | 2 | 2024-06-15 | - | |
56 | Report#64「護衛」 | 328 | 2 | 2024-07-10 | - | |
61 | Report#65「格付け」 | 333 | 2 | 2024-07-20 | - | |
81 | Report#66「赤い世界」 | 489 | 2 | 2024-08-05 | - | |
91 | Report#67「悪夢の始まり」 | 605 | 6 | 2024-08-15 | - | |
55 | Report#68「見せかけの希望」 | 357 | 4 | 2024-08-25 | - | |
54 | Report#69「未来を懸けて」 | 301 | 2 | 2024-09-05 | - | |
58 | Report#70「救われたい」 | 338 | 2 | 2024-09-15 | - | |
67 | Report#71「決意の隼」 | 484 | 2 | 2024-09-25 | - | |
48 | Report#72「勝者の在り方」 | 313 | 2 | 2024-10-05 | - | |
50 | Report#73「救われない」 | 330 | 2 | 2024-10-15 | - | |
41 | Report#74「死の責任」 | 310 | 4 | 2024-10-25 | - | |
49 | Report#75「喪失」 | 322 | 2 | 2024-11-05 | - | |
37 | Report#76「黙殺」 | 237 | 2 | 2024-11-10 | - | |
37 | Report#77「残されたモノ」 | 235 | 2 | 2024-11-20 | - | |
62 | Report#78「死別反応」 | 445 | 2 | 2024-11-30 | - | |
33 | Report#79「メモリアリティ」 | 207 | 2 | 2024-12-10 | - | |
32 | 観察報告レポート | 337 | 2 | 2024-12-10 | - | |
36 | Report#80「始動」 | 248 | 2 | 2024-12-20 | - | |
32 | Report#81「不可視」 | 314 | 0 | 2024-12-30 | - | |
44 | Report#82「揺れ惑う正義」 | 404 | 2 | 2025-01-10 | - | |
37 | Report#83「研ぎ澄まされし逆鱗」 | 282 | 4 | 2025-01-25 | - | |
29 | Report#84「解と答え」 | 249 | 0 | 2025-02-10 | - | |
27 | Report#85「序曲-死という舞台」 | 284 | 0 | 2025-03-20 | - | |
25 | Report#86「終幕-道化な生き方」 | 228 | 0 | 2025-03-25 | - | |
37 | Report#87「白き魚と朱の花」 | 323 | 2 | 2025-04-25 | - | |
37 | Report#88「死線」 | 365 | 4 | 2025-05-10 | - | |
35 | Report#89「衝撃」 | 263 | 4 | 2025-05-30 | - | |
33 | Report#90「愛着障害」 | 283 | 4 | 2025-06-10 | - | |
22 | Report#91「囚われの愛」 | 707 | 5 | 2025-07-05 | - | |
14 | Report#92「募る心労」 | 200 | 1 | 2025-08-25 | - |
更新情報 - NEW -
- 2025/08/30 新商品 LIMITED PACK WORLD CHAMPIONSHIP 2025 カードリスト追加。
- 09/10 15:52 評価 9点 《クラウソラスの影霊衣》「影霊衣の儀式魔法サーチ担当。 レベル…
- 09/10 15:47 評価 10点 《リンク・デコーダー》「お手軽リンク値増やしと《灰流うらら》…
- 09/10 14:59 評価 5点 《シンクロン・エクスプローラー》「召喚時に《シンクロン》を吊り…
- 09/10 13:22 評価 9点 《魔轟神獣ベヒルモス》「ずんぐりで愛らしい連中の揃っていた魔轟…
- 09/10 12:11 コンボ 拡散する魔瞳ワンキル。瞳の魔女モルガナの新コンボ。《瞳の魔女モルガ…
- 09/10 11:55 SS 第50話:影を焼き尽くす暁光
- 09/10 11:54 評価 8点 《未界域のモスマン》「他のカードの「コストとして」モスマンを捨…
- 09/10 11:30 評価 8点 《ライディング・デュエル!アクセラレーション!》「原作5Ds独特…
- 09/10 11:20 掲示板 知ってるSSあるあるやオリカの作り方を語って
- 09/10 11:12 評価 8点 《サイバース・シンクロン》「《サイバース》と《シンクロン》の名…
- 09/10 10:45 SS 前日譚フウラ・ジンキ編2
- 09/10 09:10 評価 10点 《魔轟神ガミュジン》「魔轟神待望のEXに入るレベル4チューナー。…
- 09/10 07:01 ボケ R-ACEエアホイスターの新規ボケ。無駄にかっこよくなったスーパー…
- 09/10 01:42 評価 10点 《リンク・デコーダー》「「《ファイアウォール・ドラゴン・ダー…
- 09/09 23:34 評価 6点 《創星神 tierra》「【焔聖騎士】デッキにデモンスミス、ス…
- 09/09 22:27 評価 10点 《シンクロ・フェローズ》「利便性高くていいですね。 遊星のフ…
- 09/09 22:13 掲示板 オリカコンテスト(R)計画処
- 09/09 21:38 掲示板 オリカコンテスト(R)計画処
- 09/09 21:23 評価 10点 《シンクロ・フェローズ》「1枚捨てて2枚サーチではなく、2枚…
- 09/09 21:13 評価 8点 《ヴァレット・シンクロン》「《ヴァレット》と《シンクロン》の名…
Amazonのアソシエイトとして、管理人は適格販売により収入を得ています。




今考えるとアークVも既に8年前とかいう…嘘やろ。スタヴェノと他サポートはともかく、アニオリ捕食はテッポウリザード以外微妙な性能なので、改変も絡めておりますがたくさんアニオリを多用するキャラになりました朱猟。5D'sからもしれっと《女教皇の錫杖》がIN。調べてたらリンクスでは実装されてるみたいですな。 (2025-04-28 18:21)