ＥＸ－６　？？？　Ｐｔ．２　作：にしん

　私たちはそこに現れた＜覇王門零＞を見てすぐに感じた。これは“本物”だ。かの覇王龍の眷属であるのにも関わらず、その圧倒されるような力を感じられた。だけど、そのモンスターは微動だにしない。

次に解析、翻訳されたステータスが画面に表示される。

＜覇王門零＞：星７：闇属性：攻守０
悪魔族・ペンデュラムモンスター
・Ｐ効果
①：自分フィールドに「覇王龍ズァーク」が存在する場合、自分が受ける全てのダメージは０になる。
②：１ターンに１度、もう片方の自分のＰゾーンに「覇王門無限」が存在する場合に発動できる。自分のＰゾーンのカード２枚を破壊し、デッキから「融合」魔法カードまたは「フュージョン」魔法カード１枚を手札に加える。
・モンスター効果
①：１ターンに１度、このカード以外の自分フィールドの表側表示のカード１枚を対象として発動できる。そのカードとこのカードを破壊し、ドラゴン族の融合モンスターまたはドラゴン族のＳモンスター１体をエクストラデッキから特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターの攻撃力・守備力は０になり、効果は無効化され、Ｓ・Ｘ召喚の素材にできない。
②：モンスターゾーンのこのカードが戦闘・効果で破壊された場合に発動できる。このカードを自分のＰゾーンに置く。


「ふむ、一度封印されて謎の言語になっていた文字も全て元通りだ」

「成功ね。この調子で他のカードも全て元に戻しましょ」

「君たちは何が起きても大丈夫なように厳重に警戒しておいてくれ」

「「了解です」」


私と××さん、そして仲間２人で次々と＜覇王＞カードを解析、翻訳する。途中、重要なモンスターとなる＜覇王眷竜＞たちを出したものの、眠っているように身体を縮めていた。強大な力を感じるものの、暴走したりするようなことはなさそうだ。

全てのカードの作業が終わる。ひとまず結果をまとめて上司と主様に報告だ。


「×××さん、カードをまた封印箱にしまっておいてくれ」

「はい。エクストラのは各個分けましたよね？」

「はい」



　＜覇王＞カードの研究を本格的に始めて数日後。私たちの班に１人の部下が加入した。上司が紹介する。


「これから君たちの班で研究を手伝ってくれる、ザック君だ。よろしく頼む」


ザックと呼ばれたその男は龍玉に出てくるベ●ータのような緑色のラインが混じった銀色の怒髪天・・・いかにも“デュエリスト“という感じの男だった。その前髪は色、形共にどことなく先程解析した＜覇王眷竜＞の牙っぽい感じだった。


「ザックです。あなたたちが研究している＜覇王＞に関係していると思われる＜オッドアイズ＞使いのデュエリストです。何か助けになればと思い来ました」


ザックはデュエリストらしい、いい笑顔でそう言った。


「＜オッドアイズ＞か。確かに関係しているとは聞いたが、本物のカードがあるから気にしていなかったな」

「確か覇王龍になるまでの過程でオッドアイズは重要だったはずよ。ぜひ協力してほしいわね」

「ふむ。じゃあザックくん。早速だけど研究をやってもらうよ」

「ありがとうございます」


ザックは支給されたであろう白衣を翻すようにくるっと反転する。そしてニヤリと笑って用意された自分の席についた。