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第5話 俺の覇王烈竜 作:にしん
☆前回終了時の状況
ローラ
LP:8000
手札:0枚
モンスター:ブラック・マジシャン、幻想の見習い魔導士、EMS エクスマジシャン・ローラ
魔法・罠:黒の魔導陣、伏せカード1枚
Pスケール:未設定
VS
遊飛
LP:8000
手札:0枚
モンスター:X召喚中
魔法・罠:なし
Pスケール:青3 相克の魔術師 × なし 赤なし
突然、その渦が虹彩の魔法陣によって虹色の光へと変わる。そこから天に伸びた虹色の光の中から現れたのは、以前の覇王烈竜だけど覇王烈竜ではなかった。
「こ、これは・・・覇王烈竜、じゃない・・・!?」
二色の眼の竜よ、神秘の光によって蘇り、虹色の炎で全てを感動させろ!!エクシーズ召喚!<覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴン>!!!
「グオオオアアァァッ!!」
>覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴン:ランク7:攻3000(守2500):ユニット×2
虹色輝く虹彩の魔法陣を背に、いつもの朱色の甲殻ではなく、朱色を基調とした虹色に輝く覇王烈竜が現れた。雄たけびと共に広げた翼からは、同じく虹色に輝く美しい羽が展開される。そして、フィールドが炎で燃えるように虹色の光で満ちた。その光を見ていると、なんだか熱い気持ちになる。ローラさんもこれにはびっくりしていた。
「「おお・・・」」
これが、俺のエンタメの相棒であるエースモンスター、覇王烈竜・・・!本当に変わったんだな。覇王烈竜のカードを見る。どうやらイラストも虹色に変化しているようだ。これならエンタメデュエルできる。あの頃の面影は残っているけど、恐怖を感じなくなっていた。むしろ神々しく美しく、神秘でかっこいい。その竜は演技の指示を待つように、フィールド上でおとなしく待機していた。
「エンタメ向けに生まれ変わった覇王烈竜・・・すごい!これならいいEMSカードが作られてるはずだよ!」
「ああ!・・・あっ、はい!」
色々熱くなりすぎて、敬語を使うのをすっかりと忘れていたようだ。冷静になる。多分俺のターン開始時から展開することで夢中になっていたかもしれない。突然の冷静化に苦笑いするローラさん。
「あはは、デュエル中だし敬語とか関係ないよー。熱くなるのは当たり前。とりあえず・・・そこにはめてあるEMSカードを抜いてみてよ」
「は、はい!」
俺はデュエルディスク側面にはめられていた1枚のカードを取り出す。
「!!」
そのカードは、俺専用のEMSカードになっていた。<EMS 虹彩烈竜・遊飛>。服装についてはまだイラスト部分が空白だった。効果やステータスを見ようとしたとき、ローラさんが話を続ける。
「ところで、なんでエンタメデュエリストを目指しているのにこのモンスターをエースにしようと思ったの?」
「・・・・・」
考えてみれば確かにそうだ。このモンスターはむしろ相手を圧倒するタイプのモンスター。超逆転劇や華麗な演出をするタイプではない。だけど俺は・・・
「かっこいいからです」
「かっこいい?それだけなの?」
「はい!このかっこいい竜でかっこいい演出をして、みんなを楽しませたいからです」
そう。超展開からのこの竜で圧倒的なプレーを見せる、超かっこいい演出。これが、俺のエンタメ。もちろんサーカス向けではないことも気づいてはいたし、ペンデュラム召喚含む「オッドアイズ」も今ではメジャーで人気だ。だけど、もう一つ理由があった。
「誰も使っていない、使おうとしないこの竜だからというのもあるかもしれない、です」
効果は強烈だし、例のエンタメデュエリストはその負の感情で全てを破壊したという話もある故、この「覇王」系列は誰も使おうとはしないのだ。エンタメで溢れているこの街だからというのもあるかもしれない。
「・・・よし、いい衣装を思いついたからこのデュエルが終わったらすぐにモニカさんに頼むよ!とりあえず終わらせないといけないから続けて」
「は、はい。俺は虹色の覇王烈竜のオーバーレイユニットを1つ取り除いて効果!相手フィールドの全てのカードを破壊し、破壊した分攻撃力に加算する!」
昔の覇王烈竜なら灼熱の翼で全てを焼き払い、狂気によって攻撃力を上げていた。しかし、俺の生まれ変わった覇王烈竜は虹色の翼を大きく広げた。そして翼からオーロラのカーテンのような、美しく眩しい極光を放つ。すると、EMSカード状態のローラさん含む、ローラさんのフィールドの5枚のカードは全て浄化されるように破壊された。そして、フィニッシュへと盛り上げるように、覇王烈竜は極光で包まれた。
>覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴン:ランク7:攻3000→4000(守2500)
「俺は虹色の覇王烈竜で、2回攻撃!」
「うん。完璧だね!あ、ちなみにEMSカードでフィールドに出た後に破壊なりされたらちゃんと元の位置に戻るから安心してね」
「あ、本当だ」
ローラ
LP:8000→0
【デュエル終了】
WIN!
虹 遊飛 VS ローラ=ロロ
8000 LP 0
EMSカードのためのデュエルが終わり、ローラさんは早速生成された俺のEMSカードを持ってどこかへ急いで行ってしまった。デュエルディスクを置いて作業室から出ると、事務担当のアリシアさんが待っていた。
「お疲れ様です、虹くん」
「ありがとうございます」
「モニカさんの調子次第ですが、一時間ぐらいあればすぐにEMSカードができるでしょう。それまでお昼にしましょう。うちのコック長のサラさんが料理長をしている食堂があります」
サーカス内にあった食堂でお昼ご飯を済ませたところでローラさんと画家のような女性の人が俺のところへ来た。
「お待たせ!虹くんのEMSカード、完成だよ」
ローラさんに3枚のEMSカードが渡される。そのイラストには衣装の画像が入っていた。エースモンスターである覇王烈竜らしい、朱色を基調としたマントがついたいかにもヒーローっぽい衣装だった。
「こ、これが俺の・・・」
「とにかく虹色に輝く覇王烈竜がすごかったから、主人公っぽくしてみたんだー」
「・・・とローラさんに言われて、考えるのが大変でした。あ、私がメルティオールサーカス団美術担当のモニカ。よろしくね」
画家のような恰好をしたセミロングのブロンドヘアーをした女性、モニカさんに伝え方に対してツッコミを入れられ、ローラさんは苦笑いしていた。なんだかすごく絵が上手そうな服装だけど、美術担当ということは実際にかなり上手だろう。
「虹くんの出番は夕方のサーカス団デュエル大会の初戦だから、それまでに控室でどんなエンタメをするか考えておいてって団長が言ってたからよろしくー」
「わ、わかりました」
デビュー戦まではそれなりに時間がある。俺は食器を返した後、早速控室に行くことにした。
ローラ
LP:8000
手札:0枚
モンスター:ブラック・マジシャン、幻想の見習い魔導士、EMS エクスマジシャン・ローラ
魔法・罠:黒の魔導陣、伏せカード1枚
Pスケール:未設定
VS
遊飛
LP:8000
手札:0枚
モンスター:X召喚中
魔法・罠:なし
Pスケール:青3 相克の魔術師 × なし 赤なし
突然、その渦が虹彩の魔法陣によって虹色の光へと変わる。そこから天に伸びた虹色の光の中から現れたのは、以前の覇王烈竜だけど覇王烈竜ではなかった。
「こ、これは・・・覇王烈竜、じゃない・・・!?」
二色の眼の竜よ、神秘の光によって蘇り、虹色の炎で全てを感動させろ!!エクシーズ召喚!<覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴン>!!!
「グオオオアアァァッ!!」
>覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴン:ランク7:攻3000(守2500):ユニット×2
虹色輝く虹彩の魔法陣を背に、いつもの朱色の甲殻ではなく、朱色を基調とした虹色に輝く覇王烈竜が現れた。雄たけびと共に広げた翼からは、同じく虹色に輝く美しい羽が展開される。そして、フィールドが炎で燃えるように虹色の光で満ちた。その光を見ていると、なんだか熱い気持ちになる。ローラさんもこれにはびっくりしていた。
「「おお・・・」」
これが、俺のエンタメの相棒であるエースモンスター、覇王烈竜・・・!本当に変わったんだな。覇王烈竜のカードを見る。どうやらイラストも虹色に変化しているようだ。これならエンタメデュエルできる。あの頃の面影は残っているけど、恐怖を感じなくなっていた。むしろ神々しく美しく、神秘でかっこいい。その竜は演技の指示を待つように、フィールド上でおとなしく待機していた。
「エンタメ向けに生まれ変わった覇王烈竜・・・すごい!これならいいEMSカードが作られてるはずだよ!」
「ああ!・・・あっ、はい!」
色々熱くなりすぎて、敬語を使うのをすっかりと忘れていたようだ。冷静になる。多分俺のターン開始時から展開することで夢中になっていたかもしれない。突然の冷静化に苦笑いするローラさん。
「あはは、デュエル中だし敬語とか関係ないよー。熱くなるのは当たり前。とりあえず・・・そこにはめてあるEMSカードを抜いてみてよ」
「は、はい!」
俺はデュエルディスク側面にはめられていた1枚のカードを取り出す。
「!!」
そのカードは、俺専用のEMSカードになっていた。<EMS 虹彩烈竜・遊飛>。服装についてはまだイラスト部分が空白だった。効果やステータスを見ようとしたとき、ローラさんが話を続ける。
「ところで、なんでエンタメデュエリストを目指しているのにこのモンスターをエースにしようと思ったの?」
「・・・・・」
考えてみれば確かにそうだ。このモンスターはむしろ相手を圧倒するタイプのモンスター。超逆転劇や華麗な演出をするタイプではない。だけど俺は・・・
「かっこいいからです」
「かっこいい?それだけなの?」
「はい!このかっこいい竜でかっこいい演出をして、みんなを楽しませたいからです」
そう。超展開からのこの竜で圧倒的なプレーを見せる、超かっこいい演出。これが、俺のエンタメ。もちろんサーカス向けではないことも気づいてはいたし、ペンデュラム召喚含む「オッドアイズ」も今ではメジャーで人気だ。だけど、もう一つ理由があった。
「誰も使っていない、使おうとしないこの竜だからというのもあるかもしれない、です」
効果は強烈だし、例のエンタメデュエリストはその負の感情で全てを破壊したという話もある故、この「覇王」系列は誰も使おうとはしないのだ。エンタメで溢れているこの街だからというのもあるかもしれない。
「・・・よし、いい衣装を思いついたからこのデュエルが終わったらすぐにモニカさんに頼むよ!とりあえず終わらせないといけないから続けて」
「は、はい。俺は虹色の覇王烈竜のオーバーレイユニットを1つ取り除いて効果!相手フィールドの全てのカードを破壊し、破壊した分攻撃力に加算する!」
昔の覇王烈竜なら灼熱の翼で全てを焼き払い、狂気によって攻撃力を上げていた。しかし、俺の生まれ変わった覇王烈竜は虹色の翼を大きく広げた。そして翼からオーロラのカーテンのような、美しく眩しい極光を放つ。すると、EMSカード状態のローラさん含む、ローラさんのフィールドの5枚のカードは全て浄化されるように破壊された。そして、フィニッシュへと盛り上げるように、覇王烈竜は極光で包まれた。
>覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴン:ランク7:攻3000→4000(守2500)
「俺は虹色の覇王烈竜で、2回攻撃!」
「うん。完璧だね!あ、ちなみにEMSカードでフィールドに出た後に破壊なりされたらちゃんと元の位置に戻るから安心してね」
「あ、本当だ」
ローラ
LP:8000→0
【デュエル終了】
WIN!
虹 遊飛 VS ローラ=ロロ
8000 LP 0
EMSカードのためのデュエルが終わり、ローラさんは早速生成された俺のEMSカードを持ってどこかへ急いで行ってしまった。デュエルディスクを置いて作業室から出ると、事務担当のアリシアさんが待っていた。
「お疲れ様です、虹くん」
「ありがとうございます」
「モニカさんの調子次第ですが、一時間ぐらいあればすぐにEMSカードができるでしょう。それまでお昼にしましょう。うちのコック長のサラさんが料理長をしている食堂があります」
サーカス内にあった食堂でお昼ご飯を済ませたところでローラさんと画家のような女性の人が俺のところへ来た。
「お待たせ!虹くんのEMSカード、完成だよ」
ローラさんに3枚のEMSカードが渡される。そのイラストには衣装の画像が入っていた。エースモンスターである覇王烈竜らしい、朱色を基調としたマントがついたいかにもヒーローっぽい衣装だった。
「こ、これが俺の・・・」
「とにかく虹色に輝く覇王烈竜がすごかったから、主人公っぽくしてみたんだー」
「・・・とローラさんに言われて、考えるのが大変でした。あ、私がメルティオールサーカス団美術担当のモニカ。よろしくね」
画家のような恰好をしたセミロングのブロンドヘアーをした女性、モニカさんに伝え方に対してツッコミを入れられ、ローラさんは苦笑いしていた。なんだかすごく絵が上手そうな服装だけど、美術担当ということは実際にかなり上手だろう。
「虹くんの出番は夕方のサーカス団デュエル大会の初戦だから、それまでに控室でどんなエンタメをするか考えておいてって団長が言ってたからよろしくー」
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デビュー戦まではそれなりに時間がある。俺は食器を返した後、早速控室に行くことにした。
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80 | 第1話 第一歩 | 765 | 0 | 2018-09-02 | - | |
133 | 第2話 メルティオールサーカスへ | 843 | 2 | 2018-09-06 | - | |
78 | 第3話 EMS入門 前編 | 877 | 3 | 2018-09-08 | - | |
65 | 第4話 EMS入門 後編 | 809 | 3 | 2018-09-10 | - | |
84 | 第5話 俺の覇王烈竜 | 807 | 1 | 2018-09-13 | - | |
55 | EX-1 団長の決定 | 669 | 0 | 2018-09-17 | - | |
122 | 第6話 初陣の準備 | 731 | 2 | 2018-09-22 | - | |
78 | 第7話 初陣:入場 | 707 | 2 | 2018-09-26 | - | |
123 | 第8話 初陣:アイドル | 911 | 2 | 2018-09-29 | - | |
111 | 第9話 初陣:俺の竜たち | 800 | 0 | 2018-10-02 | - | |
103 | 第10話 初陣:全力のエンタメ | 808 | 0 | 2018-10-06 | - | |
82 | 第11話 黒フード | 716 | 0 | 2018-10-12 | - | |
106 | 第12話 続・黒フード | 823 | 4 | 2018-10-17 | - | |
59 | 第13話 事件!? | 646 | 0 | 2018-10-22 | - | |
89 | 第14話 教会 | 747 | 0 | 2018-10-25 | - | |
101 | EX-2 サーカス団員の休日 | 871 | 2 | 2018-10-27 | - | |
93 | 第15話 スピード勝負 | 695 | 0 | 2018-10-30 | - | |
97 | 第16話 覇王降臨 | 833 | 4 | 2018-11-03 | - | |
79 | 第17話 覇王とエンタメ | 717 | 4 | 2018-11-08 | - | |
106 | EX-3 メルとゼム | 745 | 0 | 2018-11-11 | - | |
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更新情報 - NEW -
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次回の話の予定が迷っているので次話はもう数日かかります。 (2018-09-14 11:09)