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EX-1 団長の決定 作:にしん

 今月のサーカス団所属新規デュエリスト募集のため、各カードショップやデュエル塾、デュエルクラブなど、遊戯王関連のお店や施設に書類を送った。そして、募集期間が終了し、応募デュエリストのリストを団長室でじっくりと眺めている男がいた。

メルティオールサーカス団団長、メルティオール=マテリオ。彼もまた、エンタメデュエリストに影響されてエンタメデュエルを目指し、サーカスを立ち上げた男である。そしてそのサーカスは今や大人気となり、世界中から観客やデュエリストが集まるほどに成長した。そして将来のサーカス団員やプロデュエリスト育成のため、所属デュエリスト枠も作成した。


「ふうむ、一般参加より多いのはいつものことだけど、今回は特に多いなぁ・・・」


そう呟きながら一枚一枚、デュエリスト名とメインデッキ、そしてデュエル形式の希望が書かれたリストを眺めていく。最近眼が悪くなってきたのか、書類を眺める時は眼鏡とコーヒーかお茶が必須になっていた。部屋にいる秘書によって飲み物が変わる。今日はアリシアなのでブラックコーヒーだ。


「最近は面白そうなデッキを使うデュエリストばかりだ。だけど・・・」

「所属デュエリストには向いていない、エンタメ向けではない、大会向けだけどつまらない、ということですね」

「そうだなぁ。流行りもいいんだけど、たまにはびっくりするようなデッキを使うデュエリストが欲しいんだ」


一般参加のデュエリストは現時点のリミットレギュレーションで大会上位に勝ち上がれるような流行りのデッキ、エンタメに似合ったEMや青眼などの有名なデッキで挑んでくるし、サーカス所属希望も大抵有名なデッキばかり。だけど、そのような「流行り」はやっぱり飽きるのだ。


「・・・ふむ」

「団長?」

「これは・・・即決だな。アリシア、今回の挑戦者は彼“だけ”にするよ。早速書類を準備してくれ」

「“オッドアイズ”・・・かのエンタメデュエリストが使っていたデッキですね。それも団長の言う“流行り”なのではないでしょうか」

「そうだね。オッドアイズは今も“流行り”の1つだけどそこではない。私がひらめいたのは彼の切り札・・・それが面白そうなんだ。ぜひ我がサーカス団所属デュエリストに・・・いや、将来の団員として迎えたい!」


そう言って団長は眼鏡を置いて立ち上がり、電話をかける。

数分後、一人の紫のセミロングの髪で作業服の少女が入ってきた。


「団長ー。今、サーカスのシステム整備してたのに緊急とはなんですかー?」

「それはごめん。ローラさんにお願いがあるんだ」


団長がローラに伝えたのは、今月の新規挑戦者の面接兼EMSカードの作成デュエルを頼むことだった。


「えっでも、いきなり作るんですか?」

「それもあるけど、彼の切り札をエンタメ向けに変えてほしいんだ。ローラさんなら楽勝でしょ?」

「でしょ?って・・・まぁでも、あの竜を使うデュエリストですかー。それは確かに変えないとですね。わかりました!わたしがその彼を見極めてあげましょう!」

「流石ローラさん。頼んだよ。あとは・・・デビュー戦を誰に相手させようかな」


EMSカードの作成後にサーカス中に行うデュエル。その中に「彼」を最後に出す予定だけど、あの竜を盛り上げられる団員を決めないといけない。アリシアは当然のように団長に問う。


「団長じゃだめなのですか?」

「私でもいいんだけど、彼のデッキ相手だと下手したら2ターンで終わるね。エンタメデュエルといっても演出と展開を両立できるデッキのはずだ。展開を少しでも遅らせて楽しませるために誰が適任だろうか・・・」


リストに書かれてあるその彼のデッキ名は「覇王烈竜軸オッドアイズ」。この街でも実力者として有名なだけあって、覇王烈竜を出すことに特化しているはず。団長が思い浮かべたシミュレーションではプレイヤー側から数えて平均2ターンで出せる。そしてその竜の特性は・・・


「ユニットを消費して、相手フィールド全破壊からの破壊した枚数分の強化。からの2回攻撃は恐ろしいね」

「効果がエンタメ向けではないですね」

「そこをエンタメ向けにすればみんなびっくりでしょ。私は彼にその素質を感じるんだ。彼もエンタメっぽく盛り上げるのが得意らしいし、挑戦させたいのだ。・・・そうだ、ミミカさんに頼もう」



 そして時は流れて彼がサーカスデビューする当日。ローラさんは頼まれたEMSカードの作成および、覇王烈竜のエンタメ化に成功した。


「お見事!そして私の見込み通りのデュエリストのようだ」

「でしょー。ま、わたしにかかればこんなものよ。ふひひー」


デュエル内容は案の定1ターンで覇王烈竜を出されて8000あったLPが一瞬で0になったわけだが、団長の思った通り彼にはエンタメの素質がある。団長は今日の彼のデビュー戦が楽しみで仕方ないようで、すでにサーカスで披露する、王子のような格好をしていた。


「さて、そろそろ今日のサーカスの準備だ。ローラさん、会議室行くよ」

「はーい」
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