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15.崩れた柱 作:お野菜のデーモン
今更ながら遊戯王ってテーマでやる話かこれ。
───────────────────────
その日も俺は、朝早く練習場に向かっていた。
(ん、今日も二番目か)
何もかもがいつも通りの朝。このドアを開くまでは。
「おはようございま……っ!!?」
まず目に飛び込んできたのは、血溜まりの中に倒れる古株さんの姿だった。
「大丈夫ですか!しっかりしてください」
「……あぁ、阿笠くんか……おはようございます」
「一体、何が?なんでこんなことに」
「シュミレーターとのデュエルを、どれだけしていたのかはちょっとよく覚えてないけど……それで少し疲れたから休憩をしてたんだよ」
見れば出血は全て手、指や掌辺りからのもの。カードを引いて擦り切れ、或いはデュエルディスクの僅かな錆び、凸凹に削られこうなったのだろう。だが普通はこんなことありえない。あってはならない。
(古株さん、貴方一体いつからここに……!?)
「……光莉が、帰ってこないんだ。何とか連絡は取れたけど、もう僕の顔なんか見たくもないって。それっきり……」
「そんな、まさか……」
血では無い何かが、血溜まりの中に落ちる。
古株さんの涙だ。
「きっと、僕のことで皆にバカにされたんだろう。そんなの気にせず一緒に笑いものにしてしまえば良かったのに。光莉は優しくて、少し不器用だから」
「いや、元はと言えば僕が腑甲斐無いばかりに…」
「古株さん……」
まさかこんなにも……いや、光莉ちゃんは古株さんにとっての精神的支柱。それが無くなっては……
いやそれ以前に、娘の行方が分からないだなんて……普通は耐えきれないはずだ。
「……とにかく、医務室へ。肩貸します」
腕がうまく上がらないというので、腰に手をやるようにしながら何とか立たせたところで……またドアの開く音。入ってきたのは最近メジャーの空いた枠に上がってきた、マイナーリーグの連中だった。
「おざまーす」
今はこいつらに構ってる暇は無い。無視して進もうとしたら……
「あれ、古株さんじゃないっスかぁ。どうしたんスかその手」
やけに鼻につくような声色と態度で、そう話しかけてきた。
「……あはは、おはようございます。すみませんね朝からお見苦しい姿で」
「古株さん……?」
自分は大丈夫、とでも言わんばかりに古株さんはこちらにアイサインを送ってから、いつも通りに振る舞い始める。
「手ぇ凄いことなってますねぇ、大丈夫スか?」
「大丈夫ですよ、ちょっと無理しちゃっただけで。いやはやここ最近はどうもエンジンのかかりが遅くって……」
……何を、笑ってるんだよ。古株さん。
「はっはっは、なるほどなるほど……じゃ、さっさと引退したらどうです?」
そんなことをしたら付け上がってくるのが、こいつら焦げカス共なんだよ。
「知ってます?古株さん。アンタネットじゃ時代遅れだとか、色々言われて煙たがられてんスよ。メジャーリーグの不良在庫、『お荷物』だって」
「それで、勝てなくてもプロでいたくて、朝から無駄にカッコつけて頑張ってるアピールっスかぁ?あ
ははは」
「どーせその手もあれも、血糊かなんかでしょ?やるならもっと上手くやんないとッスよぉ」
「……あはは、お荷物かぁ。でもこんな戦績じゃね。いやはやお恥ずかしい……」
古株さんへの嘲笑が練習場に響く。
「……お前ら、何を笑ってるんだ?」
「あー?」
何人かには俺のつぶやきが聞こえてたんだろう。嘲笑うのをやめ、俺に近づいてくる……なんだよ、その同類を見るような目は。
「なーにをカッコつけてんだ阿笠!こーいう人がいるからいつまで経ってもメジャーの若返りが進まねぇんだって!ずっと燻ってたお前ならわかるだろ?」
「むしろお前がマイナー代表として言うべきなんだぜ?『さっさと引退してその席開けてください』って……うぉっ!?」
近づいてきた一人の胸ぐらを掴みあげる。たしかにそうさ。俺は今までマイナーリーグのドン底に甘んじてた。だがそれは、決してこの人のせいなんかじゃあない。
「答えろよ。真剣に、ひたむきに努力している人の、一体どこが面白いんだ?」
俺のスゴ味に圧されてか、嘲笑は止まった。
胸ぐら掴んでた奴を離してやる。
「……ちっ!なんだよ、最近勝ってるからって調子乗りやがって!気分悪ィ、行こうぜ皆!!」
そりゃこっちのセリフだ。どっちが空気悪くしてるか分かってんのか。捨てセリフと共に去っていく焦げカス共を見送る。
「阿笠くん……」
……何が『放っといてやるか』、だ。
あの時に放置せず一声かけたり、古株さんに伝えるべきだった。そうすれば少なくとも今のような状況にはなってなかったかも知れない。
「……行きましょう、古株さん」
責任は、俺がとる。
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その日も俺は、朝早く練習場に向かっていた。
(ん、今日も二番目か)
何もかもがいつも通りの朝。このドアを開くまでは。
「おはようございま……っ!!?」
まず目に飛び込んできたのは、血溜まりの中に倒れる古株さんの姿だった。
「大丈夫ですか!しっかりしてください」
「……あぁ、阿笠くんか……おはようございます」
「一体、何が?なんでこんなことに」
「シュミレーターとのデュエルを、どれだけしていたのかはちょっとよく覚えてないけど……それで少し疲れたから休憩をしてたんだよ」
見れば出血は全て手、指や掌辺りからのもの。カードを引いて擦り切れ、或いはデュエルディスクの僅かな錆び、凸凹に削られこうなったのだろう。だが普通はこんなことありえない。あってはならない。
(古株さん、貴方一体いつからここに……!?)
「……光莉が、帰ってこないんだ。何とか連絡は取れたけど、もう僕の顔なんか見たくもないって。それっきり……」
「そんな、まさか……」
血では無い何かが、血溜まりの中に落ちる。
古株さんの涙だ。
「きっと、僕のことで皆にバカにされたんだろう。そんなの気にせず一緒に笑いものにしてしまえば良かったのに。光莉は優しくて、少し不器用だから」
「いや、元はと言えば僕が腑甲斐無いばかりに…」
「古株さん……」
まさかこんなにも……いや、光莉ちゃんは古株さんにとっての精神的支柱。それが無くなっては……
いやそれ以前に、娘の行方が分からないだなんて……普通は耐えきれないはずだ。
「……とにかく、医務室へ。肩貸します」
腕がうまく上がらないというので、腰に手をやるようにしながら何とか立たせたところで……またドアの開く音。入ってきたのは最近メジャーの空いた枠に上がってきた、マイナーリーグの連中だった。
「おざまーす」
今はこいつらに構ってる暇は無い。無視して進もうとしたら……
「あれ、古株さんじゃないっスかぁ。どうしたんスかその手」
やけに鼻につくような声色と態度で、そう話しかけてきた。
「……あはは、おはようございます。すみませんね朝からお見苦しい姿で」
「古株さん……?」
自分は大丈夫、とでも言わんばかりに古株さんはこちらにアイサインを送ってから、いつも通りに振る舞い始める。
「手ぇ凄いことなってますねぇ、大丈夫スか?」
「大丈夫ですよ、ちょっと無理しちゃっただけで。いやはやここ最近はどうもエンジンのかかりが遅くって……」
……何を、笑ってるんだよ。古株さん。
「はっはっは、なるほどなるほど……じゃ、さっさと引退したらどうです?」
そんなことをしたら付け上がってくるのが、こいつら焦げカス共なんだよ。
「知ってます?古株さん。アンタネットじゃ時代遅れだとか、色々言われて煙たがられてんスよ。メジャーリーグの不良在庫、『お荷物』だって」
「それで、勝てなくてもプロでいたくて、朝から無駄にカッコつけて頑張ってるアピールっスかぁ?あ
ははは」
「どーせその手もあれも、血糊かなんかでしょ?やるならもっと上手くやんないとッスよぉ」
「……あはは、お荷物かぁ。でもこんな戦績じゃね。いやはやお恥ずかしい……」
古株さんへの嘲笑が練習場に響く。
「……お前ら、何を笑ってるんだ?」
「あー?」
何人かには俺のつぶやきが聞こえてたんだろう。嘲笑うのをやめ、俺に近づいてくる……なんだよ、その同類を見るような目は。
「なーにをカッコつけてんだ阿笠!こーいう人がいるからいつまで経ってもメジャーの若返りが進まねぇんだって!ずっと燻ってたお前ならわかるだろ?」
「むしろお前がマイナー代表として言うべきなんだぜ?『さっさと引退してその席開けてください』って……うぉっ!?」
近づいてきた一人の胸ぐらを掴みあげる。たしかにそうさ。俺は今までマイナーリーグのドン底に甘んじてた。だがそれは、決してこの人のせいなんかじゃあない。
「答えろよ。真剣に、ひたむきに努力している人の、一体どこが面白いんだ?」
俺のスゴ味に圧されてか、嘲笑は止まった。
胸ぐら掴んでた奴を離してやる。
「……ちっ!なんだよ、最近勝ってるからって調子乗りやがって!気分悪ィ、行こうぜ皆!!」
そりゃこっちのセリフだ。どっちが空気悪くしてるか分かってんのか。捨てセリフと共に去っていく焦げカス共を見送る。
「阿笠くん……」
……何が『放っといてやるか』、だ。
あの時に放置せず一声かけたり、古株さんに伝えるべきだった。そうすれば少なくとも今のような状況にはなってなかったかも知れない。
「……行きましょう、古株さん」
責任は、俺がとる。
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