Part06 会長の意地(3)　作：金目鯛融合

円盤闘技場の中央で暴れ回る攻撃力3600の「ソード・エイリアン」。もう北条会長には成す術なしかと思われた。

北条(こんなところで…負ける訳には…）

だが、

北条LP5300

エイリアンLP8000

とLPの差も歴然である。しかし、そんな中にかすかな光が見えた。

北条「手札から2枚目の《セリオンズ・チャージ》を発動！手札から《セリオンズ“リリー”ボレア》を捨て、2枚ドロー！」

北条手札5→3→5

北条はこの効果で引いた2枚を確認した。その中には、彼の知らない名前のカードが入っていた。

セリオンズ・イレギュラー
星10／闇属性／機械族
ATK1600／DEF2800
このカード名の①②③の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①：自分の墓地の「セリオンズ」モンスターを3体まで対象として発動できる。このカードを手札から特殊召喚し、対象のモンスターを装備カード扱いとしてこのカードに装備する。②：手札から「無尽機関アルギロ・システム」1枚を捨てて発動できる。相手フィールドのカードを全て破壊する。③：このカードが装備されている場合に発動できる。このカードを特殊召喚する。その後、このカードを装備していたモンスターを装備カード扱いとしてこのカードに装備する。


北条「何だこれ？《セリオンズ・イレギュラー》ねえ…」

彼のデッキにそんなカードはない。彼は一瞬レギュラスと間違えたのかと思ったが、たしかに

「セリオンズ・イレギュラー」と書いてあった。


北条（何も知らないが…これに…全てを…賭けるしかない！）

北条「手札から《セリオンズ・イレギュラー》の効果発動！墓地からレギュラス・ボレア・アインの3体を装備し特殊召喚する！！」

力のこもった声で言った。彼の目には、希望が映っていた。

そして、「セリオンズ・イレギュラー」とは、神がかった彼の力、あるいは本物の神の力でレギュラスが覚醒した姿なのだった。

エイリアン「ダガ…コイツの打点ハ1600…アインデ700アガッたトて2300ダ…セッかく倒そウと頑張ッたこトだけハ認めよウ！ダガ、オマエハ負けダ！！」

北条「違う！！ボレア、レギュラスも装備したセリオンズの攻撃力を700アップさせる効果を持つ！！」

セリオンズの総力が、セリオンズの絆が、この「セリオンズ・イレギュラー」に集約される。北条会長が会長になれたのも、この学校にいるみんなの絆の力のお陰なのだ。今は4人しかいないが、その4人とも死力を尽くしてエイリアンと戦っているはずだ。北条会長も全力で闘おうと思った。この学校のみんなのために…

セリオンズ・イレギュラー
ATK1600→2300→3000→3700

ついに《セリオンズ・イレギュラー》が、相手の《ソード・エイリアン》の打点を100だけ上回った。

エイリアン「バかナ…ナゼソウナル…」

北条「さらに手札から装備魔法、《セリオンズ・ストレート》を発動！装備モンスターの攻撃力は700アップし、装備モンスターは2回攻撃できる！」

セリオンズ・イレギュラー
ATK3700→4400

北条手札5→4→3

北条「バトルだ！セリオンズ・イレギュラーでソード・エイリアンを攻撃！イマジナリー・タイス！」

セリオンズ・イレギュラーが、大剣を持つソード・エイリアンに真っ向から立ち向かった。

北条「ダメージステップに、《リミッター解除》を発動！」

北条手札3→2

セリオンズ・イレギュラー
ATK4400→8800

エイリアン「攻撃力8800ダド！」

ご存じ、機械族の攻撃力を倍にするカードだ。セリオンズ・イレギュラーがリミッター解除の効果を受け、剣のガードの間に合わぬ間に突進した。もはや、円盤闘技場も壊れてもおかしくなかった。

エイリアン「グワっ！！」
エイリアンLP8000→2800

北条「さらにイレギュラーでダイレクトアタック！イマジナリー・バンドォ！」

セリオンズ・イレギュラーが、闘技場を突き破ってエイリアンへ突撃する。

エイリアン「ウワァァァァ」
エイリアンLP2800→0

エイリアンはその場に倒れ込んだかと思うと、幻となって消えていった。

北条「これで勝ちだ！ところで、《セリオンズ・イレギュラー》か…」

北条は、自身の力でカードを変えたのだ。デュエル中にデッキ内のカードが変わるとはルール違反ではないのか…そうも思った。だが、まだ《セリオンズ・イレギュラー》というカードは北条のデッキに入っていた。

しかし、その後デッキを見ると、イレギュラーは《セリオンズ“キング”レギュラス》になっていた。