Part26 嘆き渡る深淵に　作：金目鯛融合

暗き中、目の前に、洗脳された友が。たとえエイリアンと化しても、救わねばならない。それが地球の未来を背負う戦士の務めだ。

「なあ。そこに…いるのか」

「ウン。マタ…デュエルシヨウ。コレマデ楽しミだっタンダ」

「麻里。変わり果ててしまったのか」
哀しみの声。それでも前に進まなければならない。
「ナラモウ一度、勝負だ！」

「デュエル！」

コイントス。先に麻里のターンになった。

麻里「《おろかな副葬》を発動！デッキから《壱世壊に奏でる哀唱》ヲ墓地へ！」
麻里手札5→4
遊地「ティアラメンツ…か。強いのは知っているし、大量の規制送りがあるのは知っているが…一体どんな感じだろうか」

海の中に、哀しみの涙が沈む。自身がエイリアンに乗っ取られた痛みそのものだった。

麻里「墓地に送られた《哀唱》の効果デデッキから《ティアラメンツ・クシャトリラ》ヲ手札ニ！」
麻里手札4→5
麻里「《ティアラメンツ・クシャトリラ》ノ効果発動！墓地カラ哀唱ヲ除外シ、特殊召喚スル！」

麻里手札5→4
麻里「ティアラメンツ・クシャトリラノ効果デデッキノ上3枚ヲ墓地へ送る！」
遊地「ランダムに墓地を増やす。何かしら利用手段でもあるのか？」
逆に問ってみる。
麻里「墓地ニ送ラレタソウルエイリアンノ効果ヲ発動！墓地カラ除外シ、手札カラ《ガスト・エイリアン》ヲ捨て、デッキカラ《深淵物質波動》ヲセット！《深淵物質波動》ハ良ク出てクルカラ効果ハ把握シテルヨネ？」
麻里手札4→3

遊地「うん。まず発動時に墓地から水族・闇属性を回収、そして墓地に送られたらデッキから水族・闇属性を墓地に、だったかな？」

今目の前の闇のフィールドにあるそのカード。カードの知識量も、だいぶ増えたはず。その全てを、目の前の友にぶつける時が、今まさに来たのだ。

麻里「ソノ通リ。ダケド今ハ、かツテノ仲良シノ関係デハナイシ、本気デ倒シニイクヨ！セットサレタ《深淵物質波動》発動シ、墓地から《ガスト・エイリアン》ヲ手札ニ加エル！」
麻里手札3→4

麻里「ソノ《ガスト・エイリアン》ヲ召喚シ、手札ノ《ソウル・エイリアン》ハ自分フィールドニ水族ガ召喚・特殊召喚サレタ時ニ特殊召喚デキる！」
麻里手札4→2

遊地「エクシーズ、かい？」
黒き渦が現れ、ガスト・エイリアンとソウル・エイリアンが炎を持つ実体に変化した。

麻里「2体のモンスターデ《バーナード・エイリアン》ヲ守備表示デエクシーズエクシーズ召喚！ソシテ《ガスト・エイリアン》ヲ取り除き、計1100ダメージヲ与エル！痛みヲ受けテ。」

遊地「……」

遊地LP8000→6900

哀しみの痛み、涙が突き刺さる。もしかしたら、その痛みを止めるのも、自分の役割なのかもしれない。

麻里「ターンエンド。遊地ノ『スケアクロー』ヲ見せテほしい…な」

友の声援。きっとやり切ってみせる。その痛みの杭を引き抜くんだ。

遊地「ドロー！」

遊地手札5→6
遊地「手札から《増援》を発動！」

麻里「手札に加えるノハ多分…」
相手からの強烈な読み。それを躱してこそ、真の決闘者というべきだろう。

遊地「加えるのは《E・HEROプリズマー》だ！そして召喚！」
遊地手札6→5
光り輝く戦士がフィールドに出された。まさに意表を突いた一手。

麻里「何？プリズマー？何モ展開ト接点ガナサソウだけド…一体何ガ…」
ご存じのとおり、プリズマーにはEXデッキの融合モンスター1体を見せ、それに記されたモンスターをデッキから墓地へ送り、その名前を得るという効果がある。そして、この『名前を得る』ということが、スケアクローにおいてどれだけ大切なのかは、遊地が一番知っている。

遊地「プリズマーの効果を発動！そして今から見せる融合モンスターの名前は…
《ヴィシャス=アストラウド》だ！この融合素材には………
《ヴィサス=スタフロスト》の名前が書いてある！」