Part18 異次元の異次元　作：金目鯛融合

「エンドフォビア・ストリーム！」

遊地らと鈴木のおかげで、だいたいのエイリアンは掃討された。

「これで学校はひとまず…」

多くの人がそう思った。しかし、オレガンデラは必殺の一手を用意していた。そう、あのザナーガである。

「ええっ！」

ザナーガはこの学校の中では、恐怖の象徴だった。実力校内トップの麻里がいとも簡単に敗れたのだ。無理はない。

そのザナーガが、ここに…

ザナーガ「…………」

オレガンデラ最強の刺客としてやってきた。

ザナーガ「フハハハハ！我コソガザナーガデアル！コレヲ見ルカ！」

そう言うと、DVDを置いていった。

その中には…麻里が洗脳されてエイリアンになっている姿もあった。

遊地「おーいぃぃぃ」

北条「まあ焦るな」

麻里「……フハハハハ！」

絶対に、お前がやったんだ。許せない。

焦るな？どうした、こいつをやっつけたら終わるんだ。

遊地「おい！よくもやってくれたな！」

ザナーガ「フハハハハ！我ノ餌食トナルノダ！」

ザナーガは、遊地をも飲み込もうとしていた。これで真の覇者になるのだ！

「デュエル！」

絶対に、負けられない。

…しかし、ザナーガはもっと冷酷な手を用意していた。

「…コノ戦イハ無駄。サレンダーダ」

なんと、即サレをした。そして狙いを鈴木に定めた。

(コレナラカテル)

ザナーガ「フハハハハ！散レ！」

遊地「うっ！」

ザナーガは遊地を殴った。遊地はそのまま地に倒れてしまった。

「遊地君！」

だんだん分からなくなってくる。

鈴木がデュエルをしていることは分かる。

ザナーガ「ヨクゾ我ガ手下ヲ…！」

ザナーガの要求は即座に分かった。だが、鈴木にとってはただの業務でしかなかった。

鈴木「この悪しき宇宙人を打ち払うのが私の仕事だ。応じよう」

自然な流れであった。

「デュエル！」

だが、ザナーガはとある作戦を用意していた。

鈴木(おや…EXが1だな…だがな、このデッキは持ってきてないんだよ)

EX1のデッキを使ったら、ダイナマイトワンキルはできないだろう、ということだ。

コイントスの結果、先行はザナーガに決まった。

ザナーガ「フハハハハ！《黒き覚醒のエルドリクシル》ヲ発動！デッキカラ蛮族ノアイツヲ呼び出ス！」

鈴木(やっぱりな…奴はエルドを持ってるか…だがな、ダイナマイトは持ってないんだよ！)

このご時世、EX1のデッキは考えられない。《エルドリッチ》を除いて。

ザナーガ「蛮勇極メシ者ヨ！魔ノ力ヲ持ッテ極上ノ絶望ヲ与エヨ！来イ！《黄金卿エルドリッチ》！」

ザナーガ手札5→4

輝く金の装飾。これが真の蛮族の王が手に入れた莫大な富の象徴なのだ。

ザナーガは、もはや勝ち誇っていた。

ザナーガ「カードヲ2枚伏せテターンエンドダ！コノ布陣ヲ崩せルカ？人類ニハ無理ダロウガナ！」

ザナーガ手札4→2

鈴木とて、同じことを思っている。こういうのは、切り崩すのが面白い。

鈴木「私のターン、ドロー！」

鈴木手札5→6

(あなたはダイナマイト戦術を完璧に理解しているようだ。だが私の戦術に狂いはない…このカードが引けたからな！)

鈴木「速攻魔法を発動する！《パンキービースト・アグレス》！」

「ええっ⁈」

周囲の生徒に、衝撃が走った。

「そんなカード、どのパックにある？」

そう、このカードはこの世界のどのパックにも存在していないものだからだ。少なくとも、生徒はそう思っていた。