Part17 トッププロの実力　作：金目鯛融合

鈴木尚。デュエリストの中で知らない人はいないという、一流のデュエリスト、そしてエイリアンの研究者だ。

このデュエルでは、先行は鈴木になった。

鈴木「私は手札から永続魔法《魔術封印》を発動する！」

魔術封印
永続魔法
①：罠カードの発動に対してお互いに魔法カードを発動できない。

鈴木手札5→4

鈴木「さらに手札から《ダークプロトコル》の効果を発動する！」

ダークプロトコル
通常魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
①：お互いのデッキの上からカードを5枚裏側表示で除外する。この効果の発動後、お互いにターン終了時までカードを除外できない。

なんとも言えない邪念の気配が、デッキから魂を抜き取った。

鈴木手札5→3

遊地「さすがの鈴木さんも何がしたいのかわからないな」
北条「もしかしたら……」
このデュエルを北条と遊地は見ていた。北条は何か嫌な予感を感じたという。

鈴木「カードを3枚伏せてターンエンド！」

鈴木手札3→0

素人が見たら、この鈴木の行為は訳がわからないだろう。実際に、この行為に対して多くの生徒が疑問に思っていた。トッププロなら、もっと派手な展開でもするのかと思っていたのだが、実際は魔法罠ゾーンに4枚置いただけだ。しかし、勝利のためならどんなデッキでも使うプレイヤーのことをトッププロというのだ。訳の分からない行為には、ちゃんと勝つための活路があった。

エイリアン「ワレノターン、ドロー」
エイリアン手札5→6

エイリアンの手札が増えたその瞬間、鈴木のデュエルディスクから魔生物が飛び出した。

鈴木「トラップ発動！魔獣の大餌！私のEXから9枚除外し、お前のEXも9枚除外される！」

グラットンが自分のEXデッキを食いちぎると、さらに破壊衝動が増して相手のEXまで食いちぎった。

この瞬間、北条は遊地にささやいた。
北条「あれは…ダイナマイトワンキルだ」

遊地「ダイナマイトワンキル？」

北条「まあ、次を見てくれたらもう分かると思うけどな」

ついにエイリアンの除外枚数が13を超え、14になった。鈴木はここぞとばかりに最後の2枚の伏せを起動した。

鈴木「トラップ発動！D.D.ダイナマイト！除外されたカードの数×300ダメージを与える！そしてさらにダイナマイト発動！」

超次元爆弾が、エイリアンを襲いかかった。

エイリアン「…」

エイリアンLP8000→3800→0

北条「除外枚数14×300で4200ダメージ。それが2個で8400ダメージがD.D.ダイナマイトにより入る。魔獣の大餌はEXを大量に除外できるので、EXを大量に使うデッキにとっては脅威となるわけだ。これがダイナマイトワンキルだ」

遊地「……LK。弱点はロンギヌスか」

今はもういない麻里のLKと同じように、弱点は除外を封じるロンギヌスかなと遊地は思った。

北条「そうだな」

鈴木は、エイリアンに対して何もさせずに完勝した。異次元の戦法だった。これが、トッププロの実力だった。

北条「きっと会う人会う人にダイナマイトワンキルを仕掛けて、成功し続けて手に入れた地位なんだろうな…」

その後も、鈴木は至る所でエイリアンに対してダイナマイトを爆発させまくった。しかし、この戦術にはある欠点が…。

ザナーガ「我々ノ配下ノエイリアンハ大半がダイナマイトニヨリ消滅シテいまス。スズキトイウモノニヨルカト」
オレガンデラ「簡単ダ。ザナーガ。ソナタニコレを授けヨウ。必ずスズキヲ倒スノだ」
ザナーガ「ハッ」