41枚目 火竜の火炎弾　作：紅瑠璃

私たちは道なき道を歩く……だが、こんな言葉がある。「俺の進む道が道となる」……流石に言えないな……先頭を行くアスナさんは急に私たちを止める。何かいるのだろうか？蜜柑さんの耳は何かとらえているのか構える。私には……宮野真保にはなにも見えないしなにも聞こえない。しかし落ち込むほどではなかった……いや、落ち込む余裕がなかった。何故なら……

「グギャァァァ！」

激しい咆哮、足音をあげて目の前に現れた。それは見たことは無いが誰もが知っている物……ドラゴンだ。

「あれは……アボイド・ドラゴン！？」

驚くのはそれだけではない。アボイド・ドラゴンは私たちに襲いかかってきたが横から別のドラゴンが現れ、アボイド・ドラゴンを攻撃し、捕食している。見ればそれはモンタージュ・ドラゴンのような姿をしている。ドラゴニア島……ドラゴンの住まう島。いくつもの村が存在する。アスナさんの幼いときに住んでいた所。私は不意にこんなことを聞いてしまった。

「アスナさんがこの島に住んでいた頃からこのようなドラゴンが？」
「いいえ、ドラゴンは居たけどこれほど大きくなく、狂暴ではなかった」

まだモンタージュ・ドラゴンはアボイド・ドラゴンを食べている。ここから離れた方が良さそうだ……にしても昔は大きくなく、狂暴ではなかったと言うなら何故今はこんなにも大きく、狂暴なのか。突然変異という言葉が私には過ったが遺伝子のコピーミスにより生まれるものがそうだ。なら、進化と言うやつなのか？何かから守るために進化した生物と言うのはよく聞く話だ。でも……何故進化しなければならなかったのか？

「もうじき暗くなる。この島の夜は危ない。行動することは死にたいですってやつよ」
「にゃらあの洞窟にしよ」
「そうね。あそこしかないわ」

～洞窟の中～

「妖精鍵物－幻影見せるマッチ……発動！」

これはマッチ売りの少女だったか……マッチに火をつけると私も天に昇って行ってしまいそうだ。アスナさんはその火を木に移し、焚き火を起こした。

「村にはたどり着けないわね……明日また歩き回るから寝ましょ」
「それよりもさ……ミカ、お腹すいたー」
「えーっと……非常食発動。」

カードから非常食その物をだし、皆で分け与え眠りについた。

～次の日の朝～

私たちは道なき道を歩く。なんか辺りを見回しても木がある。たまに聞こえるのはドラゴンの咆哮と足音。私は…猫山蜜柑はドラゴンとは戦ったことはないから出くわしたらどう戦えばいいのかわからない。まぁドラゴン何て元の世界でもいなかったからドラゴン自体初めてだが……。

「ハク……」

弱音だろうか。アスナの声から悲しみが感じられる。その後私は回りの違和感に気がつく。

「アスニャ！」
「はっ！？」

その違和感はドラゴンが近くにいたと言うことだ。ドラゴンは火炎弾を放ったが、なんとかアスナは避ける。よく見るとそのドラゴンは見たことある気がする。

「タイラント・ドラゴン……。」

あー聞いたことある気がする。私は姿を変え戦闘体勢に入る。全身灰色１色の怪物……zeroと言う。私はこの姿でタイラント・ドラゴンに立ち向かうが軽く凪ぎ払われる。今度は真保に気がつき、そちらに向かって火炎弾を放つ。私もアスナも間に合わない。