43枚目 連合軍　作：紅瑠璃

「俺はその昔、連合軍を作り、多くのドラゴンを葬ってきたが……たった一体のドラゴンの力により連合軍は壊滅した。そのドラゴンは５つの首と５つの力を持っている」

５つの首と力を持つドラゴン……数々の本を読んできた私にはそんが何か出てこなかった。一方真保と蜜柑にはそれがなにかが出ているらしい。この子等の世界にはそれがいっぱいあるのか……。

「それはなんとか封印はしたがいつ破られてもおかしくない。光の力を手にいれることが出来れば完全に倒せる」
「倒すために光の力を探しているのね。そしてそれはとある森にある。そう言うことかしら？」
「あぁ。しかしこうも考えている。そいつの力を扱うことが出来れば倒れていった仲間のような者はいなくなると。その力を扱うことが出来るのは闇の力だけだ。」

光になりドラゴンを倒すか、闇になりドラゴンの力を得るか。闇の存在を倒すのが私たちの目的だがこの人なら大丈夫……そう思える。

「ハク……光と闇に関する森って合ったかしら？」
「わからない……ここの島にないんじゃない？」

それにしてもドラゴニア島のドラゴニア村……いや、本当に村なのか？改めて思い出すと外には壁、頑丈そうな建物がちらほら……ここもそのうちの１つ。あと一歩で王国となりそうな程だ。

「これはもはや国ね。ドラゴニア島初めての国家設立かしら？」
「ハイ。ココハモウジキドラゴニアテイコクトナリマス」

ドラゴニア帝国何故そのようなことをしようとしてるのかは教えてくれない。国王もわからない……まぁいい。その帝国とやらになったら私の国と協定を結べばよい。食料調達を終えたので私たちはドラゴニア村を出ようとしたが……まぁその……日が暮れてしまった。仕方ない。１日だけ止まらせて貰おう。

～就寝前～

私たちは部屋を３つ貸してもらった。１つはグレファー1人。１つは真保と蜜柑の2人。１つは私とハクの2人。部屋につくなり私たちはベッタリくっついていた。安心する香り……肌触り。食事もお風呂も睡眠に入るベッドまで一緒だ。にしても……ハクは昔に比べて大きくなった。いや、何年も経ってるから当然なのだが大きくなった……大きく……

「どこに目を移してるの……」
「あ、いや……」
「ドスケベ」

なにも言えない。ハクの言う通りそちらを見ていた。

「とても嬉しいのよ。こうして昔に戻ったみたいで……村の疫病が進んでいると風の噂で聞いて、もしかしたらあなたもって考えれば考えるほど苦しくて……でもそのあなたがここにいる。夢じゃない」
「私もね……忘れられているんじゃないか思っていたこともあったのよ。あなたは王女として私はただの村人。身分が大きく違って仕方ないかなって気もしたけどこうしてあなたがいる。夢じゃない」

泣きそうになった……でもここで泣けば大声を出してしまい他の部屋に聞こえてしまうだろう。それは私のプライドが止めた。

「でもあなたも大きくなったわよ」

飲み物を取りに行く前にハクはそう言って私の頭ではなく私の体に触れた。これが友達……人生で初めての友達。何があっても守りたい人……何があっても……。さて、明日のために早く寝なくては……。寝る前の挨拶。おやすみは真保と蜜柑に教えてもらった。私たちはそのお休みをこう言う。

「シーメンバ」
「シーメンバ……アスナ」