13枚目 シャーク・ザ・クルー　作：紅瑠璃

出発の朝だ…ここまでで何日建ったのだろうか。ここからが始まりなのだが…いい日差しだ。昨日はアスナさんと蜜柑さんがお風呂の水で遊んでいた気がするがのぼせていたので見ていない。さて、今はアスナさんが妹のシャーシと別れを言っている最中だが執事もメイドも兵士も心配し、お供しようとしていたが王女となったシャーシが「あなたたちはここに残るのです！」と命じた。それをアスナさんは見ると笑みを浮かべ、城を出た。妹の将来を案じたのか…私たちはそのままヴァルコニア王国を出た。私たちが１度向かうのはグリムゴート王国だ。

～グリムゴート王国の港～

ヴァルコニア王国を馬車で出て、すぐにグリムゴート王国についた。私たちが目指すべき所はオジネクス王国らしいが、その国に行くためには船を使わなくてはならない。しかし、その船を使うべき港はこのグリムゴート王国にしかない。

「その船は…にゃん時に出るの？」
「う～ん…あと2時間は来ないわね…。」

なんと二時間も船が来ない。それまで待つのは暇だ…暇すぎる。何して時間を潰すか私とアスナで悩んでいたとき真保ちゃんの提案した一言にアスナは賛成した。

「ねぇ…シュ・ビドゥ・バってお店ある？そこのパプパフのスープを飲みたいな」

～シュ・ビドゥ・バの店内～

「にしても…宮野真保がここを知ってるなんてね…。」
「教えてもらったんです…。」
「みゃみゃっ！来たよ！」

出されたスープには白身魚が入っており、野菜が多く入っている。私たちは食事の前の当たり前の挨拶…「いただきます」と言うとアスナさんは私達をにやにや見つめている。

「な、なにか？」
「あなた達の世界はそういうのね…他の国はどうか知らないけど…少なくともこの大陸ではこう言うわ…。」

すると両手で出された料理を支えこう言った。

「トリムルート…。」
「トリムルート？どんな意味ですか？」
「あ、あなた達…三位一体の本を読んでないのね！？」
「…うーみゃーぁ…」

三位一体の本…本は…読んでいなかった。アスナさんは溜め息をつきながら説明をしてくれた。三位一体…それは破壊、創造、維持の神への感謝だと言う。話終えるとしびれを切らしたかのように蜜柑さんがスープを飲み始める。

「んみゃぁ～いぃ～！」
「ふふっ…まぁ文化の違いって見つけると面白いわね。」

そう言いアスナさんも食べ始めた。私も一口食べてみると二口、三口とスプーンが止まらない。あっという間に完食してしまった。食べ終えたあとの挨拶を私と蜜柑さんでするとまたアスナさんがにやにやしている。

「ごちそうさまって言うのね…私は…サンスクル…。」
「トリムルートとサンスクル…。」
「文化の違いって面白いでしょ！」

顔が近い…。私は愛想笑いをするしかない。蜜柑さんは自分の毛並みを整えるとテーブルにぐでーんと寝始める。私はアスナさんと会話をして時間になるのを待った。

～港～

「もうそろそろ船が来るのだけど…。」
「ふみゅー。あの変にゃ鮫みたいにゃ船しかにゃいねぇ～。」
「あぁ…あの船よ。」

私と蜜柑さんは素で驚いた。船と言うと大きな物を思い浮かぶだろう。思い浮かばなくてもまさか鮫の顔が描かれているとは思わない。しかも…10人ぐらいしか乗れなさそうだ。そういえばこんな感じのモンスターいた気がする。私たちはその船に乗り、出港の時を待った。ここからオジネクス王国は3時間で着くらしい。

～3時間後～

「ん、んぅ～。あれ。寝ちゃってた…。」
「…お目覚め？オジネクス王国についたわよ。」

寝てしまった…。辺りを見回すとヴァルコニア王国ともグリムゴート王国とも違う雰囲気だ。降りてみるとその違いがさらにわかる。遠くにコロシアムのようなものが見える…。
さて、ここについたが何をするのか…。私もアスナさんも蜜柑さんも止まる。考えてなかったようだ。蜜柑さんが「コロシアムの近くに行こっ！」と行ってくれたのでそのように動くことにした。