12枚目 継承の印　作：紅瑠璃

私は宮野真保…隣には猫山蜜柑。私は今城のバルコニーが見える広場にいる。なんせ、今日はアスナ・キルディムが妹のシャーシ・キルディムに王位を渡す日なのだ。王位が変わるとはいえ広場にはたくさんの人がいる。本当に「民を愛し民に愛された王女」と言うことだけある。
さて、昨日はゴーブ・リンことゴブリンの店でカードを探していたのだが見事に40枚見つかりデッキが出来た…もちろんエクストラデッキもだ。蜜柑さんは必要な物があったかは定かではないが一戦行った。もちろんこの世界のルールを教えてからだが…う～ん…面白い！しかし、難点もいくつか見つかったがこのデッキ上改善するには難しいものもある。
国民の歓声を受けながらアスナさんは現王女から前王女になった。こちらからでは二人がどのような会話をしているのか知らないが姉妹の幸せそうな顔が見えた。

～王位継承式後～

「改めましてシャーシ・キルディム王女です。」
「可愛いわねぇ～♪」

妹に溺愛のアスナさんがそこにはあった。ありゃ結婚するには結婚するにはアスナさんを挟まなければならないな…。私が結婚するにはお姉ちゃん…宮野京子はなんと言うか…。一発殴るのだろうか…その時点で骨が曲がるか砕かれているか…恐ろしくて身震いをしてしまう。

「あなた達…シャーシの回りに汚い虫を飛ばすことのないようにね…。」

「虫」…そう言ったがこの状況では「男」と捉えるだろう。私と蜜柑さんにそっと耳打ちをし、私達を連れて部屋に向かう。部屋に用意されて居たのは旅の品物だろうが明らかに品物が少ない…その証拠に服、テント、食器等がない…。それを問うと何かを言いたそうな素振りを見せつつ答えたがそれは嘘だ…。まぁそのような施設が有ればそのようなもの入らない。

「あなたら…どこに向かうかあるの？」
「わかりません…。その存在がいる…止めなきゃ大変なことになる。それだけで」
「そう…私はドラゴノックスとドラゴディウスを倒す…。」
「みゃみゃ？この国は？」

蜜柑さんが広げられた世界地図のとある国を指差す…その国は「オジネクス王国」。海をわたらなければ行くことが出来ないがとても広そうだ…。その大陸にはその国しかないのも地図から読み取れる。私達は行き先をオジネクス王国にした。
出発は明日の朝一。今日は皆で風呂にはいることにした。

～城の浴室～

「こんな広い浴室があるなんて…。」
「ミカ風呂やだにゃ～」
「入るよ！」

さすがはお城…こんな浴室があるなんて…例えるなら銭湯だ。蜜柑さんはアスナさんに頭を洗ってもらっているのだが…なんと言うか…同性でも裸の付き合いは恥ずかしいと言うか…。蜜柑さんの胸部には夢も希望もないのに対し、アスナさんの胸部には夢も希望も詰まっている。私のは…ま、まぁ蜜柑さんよりかはある。な、なかには小さいのが好きってのもあるだろう。私はまだ成長する。蜜柑さんよりは希望がある。

「ふみゃー♪…がにゃっ！目に入ったぁ～。」

私は猫山蜜柑…。現在入りたくもない風呂に…風呂？銭湯と言うか…温泉？…それにいる。猫だって体をキレイにするが今は入りたくないだけだ。それに朱音とはちがい…雑だ。そして私はお湯に漬かる…。

「ふみやぁ～♪」

私の第一声がそれだ…。どんだけだらしない顔をして居たのか知らないがアスナに鼻で笑われた。次に真保ちゃん…アスナで入ったが…なんと言うか。地毛とはいえ緑と赤が揃うのは面白味がある。それに比べ私は黒…まぁ猫耳ヘアだから髪型は面白いだろう。

「ごめっ…もう…。」

真保ちゃんが顔を赤くしてそう言った。なんだ…お湯の中で何してるのか気になったが私の期待とは違った。単にのぼせただけらしい。

「まだ1分ちょっとしか経ってないじゃない。」
「ごめんなさい…。」

真保ちゃんはフラフラと出ていった。のぼせやすい体質なのか…。

「アスニャさん！オジネクスってどんにゃとこ？」
「そうね…観光地としても有名かしらね…なんと言ってもコロシアムはスゴいらしいわよ？遠くからの商人がそう言ってたわね。」

コロシアム何て教科書やテレビでしか見たことない。私は水面に写る自分の上半身を見た。よく見える…。明日が楽しみになってきた。