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Episode67:常闇に消える月華 作:カズ
~現在の状況~
HANA→LP:8000 手札:4 デッキ:40 Mゾーン:1 M・Tゾーン:1 Fゾーン:0 Pゾーン:0
V S
LUNA→LP:7000 手札:6 デッキ:23 Mゾーン:5 M・Tゾーン:3 Fゾーン:1 Pゾーン:1
*TURN04
ルーナがモンスターゾーンにカードを埋め尽くしたところで回ってきた花奈のターン。お互いに手札は潤っているが、盤面は花奈の方が明らかに劣勢だ。しかし、彼女はここから怒濤の巻き返しを図ることになる。
「私のターン、ドロー!スタンバイフェイズ開始時、永続魔法『フローラル・ネクタール』の効果発動!自分フィールドのフローラルと名の付いたモンスター1体につき1000ポイント、私のライフを回復いたしますわ」
HANA→LP:9000
花奈のフィールドには現状1体しかモンスターは存在しないが、ネクタールはモンスターの数が多ければ多いほどその力を発揮する。まるで可憐に咲いた花の蜜が凝縮され、その魅力を引き出すかのように。
「続いて魔法カード『フローラル・ポレーン・フュージョン』を発動!デッキから『フローラル・トレーフル』と『フローラル・バルザミヌ』を除外して融合召喚を行ないます。幸運をもたらす真白き花よ、不死鳥のごとく咲き誇る真紅の花と1つとなりて、未来を紡ぐ大輪の花となれ!融合召喚!出でませ、『フローラル・ペタル・ナイト』!!」
ネニュファールの大量ドロー効果のおかげで無事にポレーン・フュージョンを引き当て、融合召喚へと繋げられた花奈だが、彼女の勢いはこの程度では止まらない。
「続いて手札から『フローラル・プリュネ』を召喚し、効果発動!除外されたバルザミヌを呼び戻し、この2体を素材とした融合召喚をいたしますわ!春の訪れを告げる淡い赤の花よ、不死鳥のごとく咲き誇る真紅の花と1つとなりて、永遠に枯れることなき大輪の花となれ!融合召喚!出でませ、『フローラル・フィグ・プリンセス』!!」
ルーナが連続でエクシーズ召喚をしてくるなら、花奈は連続で融合召喚を決める。ユーリとのデュエルとは違い少しのプレイングミスで世界の命運を左右するため、花奈の心臓の鼓動はいつも以上に早まり、発汗の量も凍えるような気温からは考えられないほど多かった。そのことにいち早く気付いた花奈は、大きく深呼吸をした。
(ふぅ……いけませんわ。落ち着いて、今の私が出来る最大限のデュエルをするのです)
「私の除外されたカードが合計4枚以上のため、フィールドから除外されたバルザミヌの効果発動!ルーナさんの魔法・罠カードを全て破壊します!」
ルーナが今まで手札を減らすことなく展開を補助してきた『ファンタジー・ショーダウン』と『ファンタジー・キャスティング』に加え、ペンデュラムゾーンやフィールド魔法まで一掃した。【幻想奇術師】は魔法・罠ゾーン、フィールドゾーン、ペンデュラムゾーンをフル活用して初めて100パーセントの力が発揮できる。力の根源を一斉除去してしまえば、いくら彼女でも手も足も出ないだろう。しかも、花奈のフィールドには擬似的な『マクロコスモス』ともいえるペタル・ナイトが残っているため、墓地へ送られるカードは全て除外される。ペンデュラム召喚の最大の障害ともいえるそのカードを一刻も早く除去したいルーナだが、今は堪え忍ぶときだ。
「さらに、私の除外されたカードが合計5枚以上のためフィグ・プリンセスの効果も有効になります!手札の『フローラル・マルグリット』と『フローラル・イリス』を除外し、私のフィールドにフローラルトークンを可能な限り特殊召喚します!」
花奈も封印竜を使わずに除外されたカードを合計7枚までに増やし、ルーナに引けを取らないほどの展開力を見せた。更に、フィグ・プリンセスの効果で除外されたイリスの効果を使って花奈は1枚ドローした。
「次に、永続魔法『フローラル・ネクタール』の効果を使い、フローラルトークン1体のレベルを6に変更します。そして、そのトークンを利用してビヨンド召喚!出でませ、『フローラル・メイデン・ペッシェ』!!」
ユーリとのデュエルでは呼び出さなかったが、モンスターをフル展開しているルーナを相手にしている今なら絶好のカードなのだ。とはいえ、このカードが持っている効果の対象を誤ってしまえば花奈にピンチが訪れてしまう。
「メイデン・ペッシェの効果発動!フィールドのネニュファールを除外し、相手モンスター1体のコントロールをターン終了時まで獲得します!これで奪うのは……ミスティック・サーヴァントですわ!」
ルーナのフィールドに存在するモンスターの攻撃力が底上げされている要因となるミスティック・サーヴァントを奪取することで花奈は優位に立つことが出来た。これでルーナの全てのモンスターの攻撃力は元々の数値に戻っただけでなく、逆に花奈のフィールドに5体のモンスターがそろい踏みした。1体はトークンだが、残り4体のモンスターがいれば充分なダメージをお見舞いできる。
「バトル!ルーナさんから奪ったミスティック・サーヴァントで幻想奇術師ミラー・マスターを攻撃!」
「くっ……」
「次に、フィグ・プリンセスでカーニバル・トリッカーを攻撃!そしてペタル・ナイトでアクロバット・パペットマスターを攻撃!」
LUNA→LP:3200
ここまでの3回連続攻撃で、ルーナのライフを一気に削り取った。これでルーナが召喚したミスティック・サーヴァント以外の全ての「幻想奇術師」と名の付いたモンスターは除外され、ミスティック・ルーナの効果の誘発も上手く阻止出来るのだ。
「最後はメイデン・ペッシェで、S・H・Ark Knight(サイレント・オナーズ・アーク・ナイト)を攻撃!」
「仕方ない……。アーク・ナイトの効果発動!オーバーレイユニットを1つ使い、このカードの破壊を無効にするわ」
「ですがダメージは受けてもらいますわ!」
「くっ…!」
LUNA→LP:2200
怒濤の4回連続攻撃によってルーナのライフポイントを5000近くも一気に削り取った花奈だったが、一切安心できるような状況ではなかった。何しろ、ルーナには自らの分身ともいうべきモンスターと呪縛竜が控えている。全てを出し切らなければ、ルーナには絶対に勝てないと自覚していた花奈は出来る限りの手を打った。
「メインフェイズ2に移行し、除外されているイリスの効果を発動します。お互いのプレイヤーは手札を1枚墓地へ送り、1枚を除外します。そして、お互いのプレイヤーは2枚ドローです」
「……だけどペタル・ナイトがいるから2枚除外して2枚ドローってわけね」
「私はカードを1枚伏せて、ターンエンドですわ。そしてミスティック・サーヴァントのコントロールは元に戻ります」
HANA→LP:9000 手札:2 デッキ:34 Mゾーン:4 M・Tゾーン:1 Fゾーン:0 Pゾーン:0
*TURN05
(へぇ……これがあの花奈ちゃんねぇ。私と初めて戦った時から相当努力を続けたのは明らかだわ。6人いる封印竜使いの中でもトップクラスね)
「やるじゃない。だけど、私だって『世界のリセット』を願っているの。そう簡単に終われないわ。私のターン、ドロー!」
花奈が前のターンに発動した『フローラル・イリス』の効果は花奈自身の手札入れ替えのために行なわれたものだったが、それはルーナも同じ事。結果としてルーナを助ける結果になってしまったのだ。
「Ladies and gentlemen! Welcome to my fantasy show!!」
「な…なんの真似ですの?」
「あら?忘れちゃったの?私が『あのカード』を呼ぶときはいつもこうして、対戦相手も観客も魅了するデュエルの合図をするのよ。それじゃあ、『RUM-ミスティック・フォース』を発動!このカードは、自分フィールドの幻想奇術師と名の付いたエクシーズモンスターを素材として、『魅惑の幻想奇術師』を呼ぶカード!さあ、めくるめくイリュージョンの開幕よ!」
素材となったミスティック・サーヴァントは、ルーナと花奈の眼下で煌めいている小宇宙空間へと吸収され、全てを魅了する麗しきレディーへと姿を変えた。
―――月の光に導かれた麗しき奇術師よ。今こそ、己が目指す夢へと羽ばたけ!ランクアップ・エクシーズ・チェンジ!!―――
―――ランク8!『魅惑の幻想奇術師(ファシネイテッド・ファンタジーマジシャン)ミスティック・ルーナ』!!―――
「ミスティック・ルーナが特殊召喚に成功したことで、私の手札・フィールド・墓地に存在する幻想奇術師と名の付いたモンスターを好きな数だけ選んで、自らのオーバーレイユニットに変える!ムーンライト・エナジー・アブソープション!!」
この効果で、手札のファイヤー・パラトルーパー、クレセント・ジャグラー、そしてペタル・ナイトが召喚される前に墓地へ送られていたファントム・ルーラー、ウォーター・クリエイター、マジカル・トラピージスト、レインボー・ディーラー、そしてルーナがカード効果で墓地へ送っていたマスカレード・タンプラ-の合計7枚がオーバーレイユニットとして吸収された。
「さらに、ランクアップの素材となったミスティック・サーヴァントは自身の効果でフィールドに舞い戻る。そして手札から速攻魔法『ファンタジー・ショータイム』を発動!私の幻想奇術師と名の付いたエクシーズモンスターのオーバーレイユニットとしたモンスターを1体特殊召喚する!出ておいで、クレセント・ジャグラー!」
発動したショータイムの追加効果で、呼び出したクレセント・ジャグラーよりレベルまたはランクが高いモンスター1体を選んで破壊することが出来る。ルーナはペタル・ナイトを破壊しようと試みたのだが、デュエルディスクにはエラー表記がされていた。こうなった原因、その答えは花奈がこのデュエル中に「除外した」カードの中にあった。
「う、嘘?!どうして……」
「『フローラル・プリュネ』が除外されている限り、私のフローラルと名の付いたモンスターは1ターンに2度まで、戦闘及び効果での破壊を不可能にしますの。これなら、ミスティック・ルーナの効果の発動も出来ませんわよ?」
「……あの時のお子ちゃまだと思っていたけど、撤回するわ」
現在の花奈の実力はルーナの想像を遙かに超えており、ルーナは花奈を一人前のデュエリストとして認めざるを得なかった。
「仕方ない。だったらバトルでペタル・ナイトを破壊すればいいだけよ!ミスティック・ルーナでペタル・ナイトを攻撃……出来ない!?」
「それも叶いませんわ。私のフィールドにメイデン・ペッシェが存在する限り、貴方はこのモンスターにしか攻撃できませんの」
花奈が恐ろしいほどの急成長を遂げていたためか、ルーナのプレイングがどんどん雑なものになってきた。彼女は心の何処かで「自分が1度勝利した小学生を相手にして負けるはずがない」と慢心していたのだろう。しかし、花奈はどこにでもいるような普通の小学生ではなく、世界でただ1人の封印竜を操る小学生なのだ。
「だったら、ミスティック・ルーナでメイデン・ペッシェを攻撃!破壊はできないけど、ダメージは受けてもらうわ」
「くっ…!」
HANA→LP:8200
ミスティック・サーヴァントには相手の魔法・罠カードをバウンスする効果を持っているが、その効果はモンスターカードまでは範囲が及ばないため、最も厄介なペタル・ナイトを対処できなかった。
「私はカードを1枚伏せるわ。これでターンエンドよ」
LUNA→LP:2200 手札:2 デッキ:20 Mゾーン:3 M・Tゾーン:1 Fゾーン:0 Pゾーン:0
*TURN06
3年前は手も足も出なかったルーナを相手にここまで善戦できるとは思ってもいなかった花奈だったが、だからといって決して浮かれるほどの余裕があったわけではない。ここまでは最初の関門を突破しただけにすぎないのだ。
「私のターン、ドロー!スタンバイフェイズ開始時、『フローラル・ネクタール』の効果発動!私のフローラルと名の付いたモンスター1体につき1000ポイント、ライフを回復しますわ」
HANA→LP:12200
10000ポイントのライフアドバンテージを獲得した花奈だったが、ここまで差を広げなければ一気に追いつかれてしまう予感がしたのだ。何故なら、今のルーナには呪縛竜があり、その能力は完全未知数であるため何が来ても対処できるようにこのターン以降を乗り越えなければならないのだ。
「メインフェイズへ移行しますわ。私のフィールドにフローラルと名のついたモンスターが存在することで、『フローラル・マルグリット』を除外ゾーンから特殊召喚します。そして永続魔法『フローラル・ネクタール』の効果を発動し、フローラルトークンのレベルを4に変更します」
「……いよいよ、真打ち登場かな?」
「行きます!私はレベル4となったフローラルトークンに、レベル3のマルグリットをチューニング!遥か未来を守護せし薔薇の竜よ、呪縛から解き放たれし鞭をふるい、仇なす敵を根こそぎ倒せ!シンクロ召喚!!出でませ、『封印竜フレア・ローズ』!!」
ついに花奈も自身のエースモンスターであり分身ともいえる封印竜を呼び出した。純粋な攻撃力ではミスティック・ルーナには及ばないが、効果を使えばデュエルを終わらせることが出来る。ルーナの墓地に『呪縛令』が残っていることを花奈はもちろん分かっていたのだが、このデュエルで一歩でも前に進むためには、フレア・ローズの効果は使わざるを得ないのだ。
「手札から『フローラル・ノワイエ』を通常召喚し、フレア・ローズの効果発動!手札1枚とノワイエを除外し、ミスティック・ルーナの攻撃力を0にして、その半分の数値だけフレア・ローズの攻撃力に加えます!」
これでフレア・ローズの攻撃力は3950に上昇し、ミスティック・ルーナを一撃で葬り去る準備は出来た。しかし、ミスティック・ルーナに攻撃を仕掛ければ呪縛竜が呼び出される。そのことは百も承知だったが、少しだけ花奈の心は揺れたのだ。もしも呪縛竜が出てきたら、このデュエルに敗北するのではないかと。それでも花奈は自身に厳しい方を、前に進む選択をした。
(何を迷っているのですか!今更後戻りなど、出来ませんのに……!)
「バトル!フレア・ローズでミスティック・ルーナを攻撃!ブラック・フローラル・エクスプロージョン!!」
「この瞬間!墓地の『呪縛令』の効果発動!このカードを除外し、バトルフェイズを強制終了させる!その後、私はランク8のミスティック・ルーナ1体で、アナザー・ディメンションゲートを解放……!!ぐぅぅーーーっ…!」
「る、ルーナ、さん…?」
―――3000年の時を遡り、蘇りし禁断の力よ!新たな世界を創造する礎となれ!!―――
―――ビヨンド召喚!!降臨せよ、『呪縛竜Nidhog』!!―――
夜空に輝いていた三日月を覆い隠す暗雲と共に、優に100mを超える超巨大な黒いドラゴンが出現した。ニーズヘッグとは、北欧神話に登場する竜の1体であり、終末の日である「ラグナロク」を生き延びるといわれている。それほど強力なドラゴンが、こうして現代に呪縛竜として蘇ったのだ。
「ぐっ…うぅっ…!」
「わ、私はカードを1枚伏せてターンエンドですわ!」
HANA→LP:12200 手札:0 デッキ:33 Mゾーン:4 M・Tゾーン:2 Fゾーン:0 Pゾーン:0
同じ頃、小町とうららはデッキの最終調整を終えたところだった。
「ふぃ~……。こまちんのおかげで凄く強化できたよ!」
「よかったですね。これならお互いに、A.W.Ⅱでも花奈さんのお役に立てるはずですが……」
「花奈ちん!早速勝負…って、あれ?いないよ?」
花奈は2人が話し合いに夢中になっている間に外出していたため、小町とうららは全く気付かなかったのだ。それも束の間、ルーナが最凶のモンスターを呼び出した刹那、もの凄い地響きが2人を襲った。慌てて窓の外を見た2人は、目に映った光景を見て更に驚愕した。
「あ……あの巨大なモンスターは一体…?!」
「ま…まさかあれが、呪縛竜?!」
「「ってことは…」」
巨大なモンスターが呪縛竜であると仮定した2人は、それと同時に花奈もそこにいるのではないかという考えに至り、急いで身支度を済ませてその場所へと向かった。
*TURN07
「私のターン、ドロー!フレア・ローズを対象に、『呪縛竜Nidhog』の効果発動!このカードの攻撃力と守備力を次の相手ターン終了時まで、対象モンスターのレベルまたはランク×400ポイントアップする!そして、フレア・ローズの効果は無効化され、発生する戦闘ダメージも倍になる!」
「そ、そんな恐ろしい効果が……」
〇呪縛竜Nidhog(グレード8 闇)
ドラゴン族/ビヨンド/効果
攻3300/守3300
レベル8以上のモンスター×1
「呪縛竜Nidhog」はフィールドに1枚しか存在できない。このカードのB召喚は無効化されない。①:このカードは「封印竜」モンスターとの戦闘以外では破壊されない。②:1ターンに1度、相手フィールドの儀式・融合・S・X・Pモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの攻撃力・守備力は400ダウンし、このカードの攻撃力・守備力は次の相手ターン終了時まで、この効果の対象としたモンスターのレベルまたはランク×400アップする。この効果に対して、相手は効果を発動できない。③:このカードの②の効果の対象になったモンスターは以下の効果を適用する。●このカードの効果は無効化され、発生する自分への戦闘ダメージは倍になる。④:このカードが戦闘・効果で破壊された場合に発動する。お互いのLPを2000にする。
この効果によって、花奈の封印竜の攻撃力は2200に下がり、ルーナの呪縛竜の攻撃力は6100に上がった。ミスティック・サーヴァントと呪縛竜がフレア・ローズに攻撃すれば、花奈は一気に8600もの大ダメージを受けてしまう。しかも花奈のフレア・ローズは『ブラック・ローズ・ドラゴン』として扱われているため、除外されているプリュネの影響下にあるため、このターンは盤面に留まってしまう。
「バトル!呪縛竜Nidhogで、封印竜フレア・ローズを攻撃!ザ・スペル・オブ・ナイトメア!」
「ぐぅっ…!きゃあぁぁーーーっ!!」
HANA→LP:4400
もしも前のターン、花奈の盤面に『フローラル・ネクタール』が残っていなければ次のミスティック・サーヴァントの攻撃を受けて敗北していた。第6ターンまでは互いに一歩も引かない展開が続いていたが、その流れを断ち切るように呪縛竜を呼び出したルーナが大きくリードした。花奈は頼みの綱であるフレア・ローズを封じられ、格好の獲物に成りはててしまった。
続くミスティック・サーヴァントの攻撃も受けてしまい、花奈の残りライフは3800になった。まだ彼女の方がライフポイントは優勢だが、第8ターンでルーナのライフを0にしなければ、その次のルーナのターンで再び呪縛竜の効果を使われて花奈は敗北する。
「メインフェイズ2に移行し、ミスティック・サーヴァントの効果発動!オーバーレイユニットを1つ使って、『フローラル・ネクタール』をバウンスするわ。私はカードを1枚伏せて、ターンエンド!」
LUNA→LP:2200 手札:2 デッキ:20 Mゾーン:3 M・Tゾーン:2 Fゾーン:0 Pゾーン:0
*TURN08
呪縛竜を呼び出され、自身の切り札のフレア・ローズまで無力化されてしまった花奈だったが、決して何も出来なくなったわけではない。
「私のターン、ドロー!スタンバイフェイズ開始時、墓地の『フローラル・ポレーン・フュージョン』の効果発動!発動してから2ターンが経過したため、このカードをデッキに戻してシャッフルしますわ」
呪縛竜が持っているダメージ倍増効果の対象になっているのはフレア・ローズ1体のみ。ならば、残されたモンスターを駆使して呪縛竜に楔を打ちつけるしか道はないのだ。幸運にも、花奈のモンスターはまだ生きている。
「私は『フローラル・ペタル・ナイト』の効果発動!メイデン・ペッシェを除外し、呪縛竜の攻撃力を、私の除外されたフローラルと名の付いたモンスター1体につき200ポイントダウンさせます!」
花奈の除外されたモンスターは全部で10体。したがって呪縛竜の攻撃力は2000ポイント下がったが、それでもまだ攻撃力は4100であり、花奈のモンスターではどれも太刀打ちできない。
「続いて、『フローラル・フィグ・プリンセス』の効果発動!除外されたメイデン・ペッシェを特殊召喚し、その攻撃力分のライフを回復しますわ」
HANA→LP:6900
2体の融合モンスターのコンボを使って失ったライフポイントを取り戻した花奈だが、このターンで勝負を決めることも「本来なら」可能だった。攻撃力を下げる対象を呪縛竜ではなくミスティック・サーヴァントにすればよいだけだからだ。しかし、それを倒したところでルーナを呪縛竜から解放できないため、彼女のライフポイントを0にするだけでは終われないのだ。
「永続魔法『フローラル・ネクタール』を発動し、私は除外されている『フローラル・マルグリット』を守備表示で特殊召喚します」
(これでフローラルと名の付いたカードは5枚……フィグ・プリンセスでも900ポイント届きませんが……前のターンに伏せたこのカードを使えば、届きます!)
これ以上の策が花奈にはなかったのか、メイデン・ペッシェ以外の全てのモンスターを守備表示に変更した。しかし、これは攻めの姿勢を捨てたわけではなく、今の彼女自身が出来る全力なのだ。
「バトル!『フローラル・メイデン・ペッシェ』で『呪縛竜Nidhog』を攻撃!そしてこの瞬間、速攻魔法『ダブル・ビヨンド』を発動しますわ!私のビヨンドモンスターが戦闘を行なうダメージ計算時の間、そのモンスターの攻撃力を倍にします!」
「だったら私もその発動にチェーンして、速攻魔法『ダブル・ビヨンド』を発動!Nidhogの攻撃力を倍にするわ!」
「なっ…!私と同じカードを?!」
呪縛竜もビヨンドモンスター、尚且つ『ダブル・ビヨンド』はビヨンドモンスターが攻撃してもされても発動可能なカードであるため、今のような場面では返り討ちにできるのだ。しかし、ルーナは、呪縛竜はその先に行ってみせた。
「さらに永続罠『呪縛放射』を発動!相手モンスターの攻撃力が元々の攻撃力と異なる場合、そのモンスターの攻撃力を元に戻し、その半分の数値分だけ、私の呪縛モンスターの攻撃力に加えるわ!」
〇呪縛放射(永続罠)(オリカ)
「呪縛光線」はフィールドに1枚しか存在できない。①:このカードが魔法・罠ゾーンに存在する限り、自分フィールドの「呪縛」モンスターは効果では破壊されない。②:自分フィールドの「呪縛」モンスターが相手モンスターと戦闘を行なうダメージ計算時、その相手モンスターの攻撃力が元々の攻撃力と異なる場合に発動できる。そのモンスターの攻撃力を元々の数値に戻す。その後、自分フィールドの「呪縛」モンスターの攻撃力は、この効果で変化した数値の半分の数値分アップする。
メイデン・ペッシェの攻撃力は3100に戻ってしまい、逆に呪縛竜の攻撃力は9750にまで上昇した。まだ攻撃は続行しているため、ルーナの呪縛竜が花奈のメイデン・ペッシェを破壊し、6650のダメージを与えた。
「うあぁぁーーっ!!」
HANA→LP:250
辛うじて花奈のライフポイントは残ったものの、すでに風前の灯火。これ以上、攻撃表示でモンスターを展開してしまえば花奈のデュエルのライフと彼女自身の生命まで尽きてしまう。
「はぁ……はぁ……」
(わ、私が…震えている?まさか、呪縛竜に恐怖しているというのですか?)
死を目前にした花奈は手足の震えが止まらず、顔も青ざめ、呼吸もひどく乱れていた。ユーリとのデュエルでは敗北しても差し出すものが何もなかったから心に余裕が残っていたが、今回のデュエルでは懸けているものが大きすぎた。窮地に陥り、そのことをひどく痛感した花奈は、デュエルで初めて「恐怖」を覚えてしまったのだ。
「はぁ……はぁ……こ、これで、ターンエンド、ですわ…」
HANA→LP:250 手札:1 デッキ:33 Mゾーン:4 M・Tゾーン:1 Fゾーン:0 Pゾーン:0
*TURN09
花奈のライフポイントを追い詰めたところで、ルーナもこのターンで勝利できる状況ではなかった。花奈が除外している『フローラル・プリュネ』が残り続けている限り、ルーナは1ターンで13回連続攻撃をしなければライフを削り取れないのだ。しかも『フローラル・ネクタール』が盤面に戻ってしまったので、花奈のスタンバイフェイズが訪れる度に4000ポイントのライフを回復する。
(あのガチガチに固められたロックをどうにかしない限り、このデュエルはジリ貧になる……)
「私のターン、ドロー!」
ちょうどその時、呪縛竜を目印に、小町とうららがこの場所にやってきた。彼女たちはこのデュエルがどういった状況なのかを表示されているライフポイントと盤面だけを頼りにして、花奈があと少しのところで敗北してしまうことを認識してしまった。しかし、彼女たちが登場したことはルーナにとっても予想外だったのだ。
心の奥底に「ルーナの意思」が残されていた彼女が最後に取った行動、それは、「無関係な小町とうららを巻き込まない」ためのデュエルの放棄。
「っ……!このデュエルはお預けよ!」
ルーナがそう言った後、彼女はワープして何処かへと姿をくらました。彼女が咄嗟に取った行動とはいえ、結果は引き分けに終わった。しかし、恐怖に支配された花奈は小町達の存在も見えぬまま、その場に呆然と立ち尽くした。ふと我に返ったかのように、学園長に渡された白紙のカードを見つめ、花奈は最後に思った。
(これが、命を懸けることの恐怖なのですか。……「煉獄の花」は、恐怖では咲かないのですね)
HANA→LP:8000 手札:4 デッキ:40 Mゾーン:1 M・Tゾーン:1 Fゾーン:0 Pゾーン:0
V S
LUNA→LP:7000 手札:6 デッキ:23 Mゾーン:5 M・Tゾーン:3 Fゾーン:1 Pゾーン:1
*TURN04
ルーナがモンスターゾーンにカードを埋め尽くしたところで回ってきた花奈のターン。お互いに手札は潤っているが、盤面は花奈の方が明らかに劣勢だ。しかし、彼女はここから怒濤の巻き返しを図ることになる。
「私のターン、ドロー!スタンバイフェイズ開始時、永続魔法『フローラル・ネクタール』の効果発動!自分フィールドのフローラルと名の付いたモンスター1体につき1000ポイント、私のライフを回復いたしますわ」
HANA→LP:9000
花奈のフィールドには現状1体しかモンスターは存在しないが、ネクタールはモンスターの数が多ければ多いほどその力を発揮する。まるで可憐に咲いた花の蜜が凝縮され、その魅力を引き出すかのように。
「続いて魔法カード『フローラル・ポレーン・フュージョン』を発動!デッキから『フローラル・トレーフル』と『フローラル・バルザミヌ』を除外して融合召喚を行ないます。幸運をもたらす真白き花よ、不死鳥のごとく咲き誇る真紅の花と1つとなりて、未来を紡ぐ大輪の花となれ!融合召喚!出でませ、『フローラル・ペタル・ナイト』!!」
ネニュファールの大量ドロー効果のおかげで無事にポレーン・フュージョンを引き当て、融合召喚へと繋げられた花奈だが、彼女の勢いはこの程度では止まらない。
「続いて手札から『フローラル・プリュネ』を召喚し、効果発動!除外されたバルザミヌを呼び戻し、この2体を素材とした融合召喚をいたしますわ!春の訪れを告げる淡い赤の花よ、不死鳥のごとく咲き誇る真紅の花と1つとなりて、永遠に枯れることなき大輪の花となれ!融合召喚!出でませ、『フローラル・フィグ・プリンセス』!!」
ルーナが連続でエクシーズ召喚をしてくるなら、花奈は連続で融合召喚を決める。ユーリとのデュエルとは違い少しのプレイングミスで世界の命運を左右するため、花奈の心臓の鼓動はいつも以上に早まり、発汗の量も凍えるような気温からは考えられないほど多かった。そのことにいち早く気付いた花奈は、大きく深呼吸をした。
(ふぅ……いけませんわ。落ち着いて、今の私が出来る最大限のデュエルをするのです)
「私の除外されたカードが合計4枚以上のため、フィールドから除外されたバルザミヌの効果発動!ルーナさんの魔法・罠カードを全て破壊します!」
ルーナが今まで手札を減らすことなく展開を補助してきた『ファンタジー・ショーダウン』と『ファンタジー・キャスティング』に加え、ペンデュラムゾーンやフィールド魔法まで一掃した。【幻想奇術師】は魔法・罠ゾーン、フィールドゾーン、ペンデュラムゾーンをフル活用して初めて100パーセントの力が発揮できる。力の根源を一斉除去してしまえば、いくら彼女でも手も足も出ないだろう。しかも、花奈のフィールドには擬似的な『マクロコスモス』ともいえるペタル・ナイトが残っているため、墓地へ送られるカードは全て除外される。ペンデュラム召喚の最大の障害ともいえるそのカードを一刻も早く除去したいルーナだが、今は堪え忍ぶときだ。
「さらに、私の除外されたカードが合計5枚以上のためフィグ・プリンセスの効果も有効になります!手札の『フローラル・マルグリット』と『フローラル・イリス』を除外し、私のフィールドにフローラルトークンを可能な限り特殊召喚します!」
花奈も封印竜を使わずに除外されたカードを合計7枚までに増やし、ルーナに引けを取らないほどの展開力を見せた。更に、フィグ・プリンセスの効果で除外されたイリスの効果を使って花奈は1枚ドローした。
「次に、永続魔法『フローラル・ネクタール』の効果を使い、フローラルトークン1体のレベルを6に変更します。そして、そのトークンを利用してビヨンド召喚!出でませ、『フローラル・メイデン・ペッシェ』!!」
ユーリとのデュエルでは呼び出さなかったが、モンスターをフル展開しているルーナを相手にしている今なら絶好のカードなのだ。とはいえ、このカードが持っている効果の対象を誤ってしまえば花奈にピンチが訪れてしまう。
「メイデン・ペッシェの効果発動!フィールドのネニュファールを除外し、相手モンスター1体のコントロールをターン終了時まで獲得します!これで奪うのは……ミスティック・サーヴァントですわ!」
ルーナのフィールドに存在するモンスターの攻撃力が底上げされている要因となるミスティック・サーヴァントを奪取することで花奈は優位に立つことが出来た。これでルーナの全てのモンスターの攻撃力は元々の数値に戻っただけでなく、逆に花奈のフィールドに5体のモンスターがそろい踏みした。1体はトークンだが、残り4体のモンスターがいれば充分なダメージをお見舞いできる。
「バトル!ルーナさんから奪ったミスティック・サーヴァントで幻想奇術師ミラー・マスターを攻撃!」
「くっ……」
「次に、フィグ・プリンセスでカーニバル・トリッカーを攻撃!そしてペタル・ナイトでアクロバット・パペットマスターを攻撃!」
LUNA→LP:3200
ここまでの3回連続攻撃で、ルーナのライフを一気に削り取った。これでルーナが召喚したミスティック・サーヴァント以外の全ての「幻想奇術師」と名の付いたモンスターは除外され、ミスティック・ルーナの効果の誘発も上手く阻止出来るのだ。
「最後はメイデン・ペッシェで、S・H・Ark Knight(サイレント・オナーズ・アーク・ナイト)を攻撃!」
「仕方ない……。アーク・ナイトの効果発動!オーバーレイユニットを1つ使い、このカードの破壊を無効にするわ」
「ですがダメージは受けてもらいますわ!」
「くっ…!」
LUNA→LP:2200
怒濤の4回連続攻撃によってルーナのライフポイントを5000近くも一気に削り取った花奈だったが、一切安心できるような状況ではなかった。何しろ、ルーナには自らの分身ともいうべきモンスターと呪縛竜が控えている。全てを出し切らなければ、ルーナには絶対に勝てないと自覚していた花奈は出来る限りの手を打った。
「メインフェイズ2に移行し、除外されているイリスの効果を発動します。お互いのプレイヤーは手札を1枚墓地へ送り、1枚を除外します。そして、お互いのプレイヤーは2枚ドローです」
「……だけどペタル・ナイトがいるから2枚除外して2枚ドローってわけね」
「私はカードを1枚伏せて、ターンエンドですわ。そしてミスティック・サーヴァントのコントロールは元に戻ります」
HANA→LP:9000 手札:2 デッキ:34 Mゾーン:4 M・Tゾーン:1 Fゾーン:0 Pゾーン:0
*TURN05
(へぇ……これがあの花奈ちゃんねぇ。私と初めて戦った時から相当努力を続けたのは明らかだわ。6人いる封印竜使いの中でもトップクラスね)
「やるじゃない。だけど、私だって『世界のリセット』を願っているの。そう簡単に終われないわ。私のターン、ドロー!」
花奈が前のターンに発動した『フローラル・イリス』の効果は花奈自身の手札入れ替えのために行なわれたものだったが、それはルーナも同じ事。結果としてルーナを助ける結果になってしまったのだ。
「Ladies and gentlemen! Welcome to my fantasy show!!」
「な…なんの真似ですの?」
「あら?忘れちゃったの?私が『あのカード』を呼ぶときはいつもこうして、対戦相手も観客も魅了するデュエルの合図をするのよ。それじゃあ、『RUM-ミスティック・フォース』を発動!このカードは、自分フィールドの幻想奇術師と名の付いたエクシーズモンスターを素材として、『魅惑の幻想奇術師』を呼ぶカード!さあ、めくるめくイリュージョンの開幕よ!」
素材となったミスティック・サーヴァントは、ルーナと花奈の眼下で煌めいている小宇宙空間へと吸収され、全てを魅了する麗しきレディーへと姿を変えた。
―――月の光に導かれた麗しき奇術師よ。今こそ、己が目指す夢へと羽ばたけ!ランクアップ・エクシーズ・チェンジ!!―――
―――ランク8!『魅惑の幻想奇術師(ファシネイテッド・ファンタジーマジシャン)ミスティック・ルーナ』!!―――
「ミスティック・ルーナが特殊召喚に成功したことで、私の手札・フィールド・墓地に存在する幻想奇術師と名の付いたモンスターを好きな数だけ選んで、自らのオーバーレイユニットに変える!ムーンライト・エナジー・アブソープション!!」
この効果で、手札のファイヤー・パラトルーパー、クレセント・ジャグラー、そしてペタル・ナイトが召喚される前に墓地へ送られていたファントム・ルーラー、ウォーター・クリエイター、マジカル・トラピージスト、レインボー・ディーラー、そしてルーナがカード効果で墓地へ送っていたマスカレード・タンプラ-の合計7枚がオーバーレイユニットとして吸収された。
「さらに、ランクアップの素材となったミスティック・サーヴァントは自身の効果でフィールドに舞い戻る。そして手札から速攻魔法『ファンタジー・ショータイム』を発動!私の幻想奇術師と名の付いたエクシーズモンスターのオーバーレイユニットとしたモンスターを1体特殊召喚する!出ておいで、クレセント・ジャグラー!」
発動したショータイムの追加効果で、呼び出したクレセント・ジャグラーよりレベルまたはランクが高いモンスター1体を選んで破壊することが出来る。ルーナはペタル・ナイトを破壊しようと試みたのだが、デュエルディスクにはエラー表記がされていた。こうなった原因、その答えは花奈がこのデュエル中に「除外した」カードの中にあった。
「う、嘘?!どうして……」
「『フローラル・プリュネ』が除外されている限り、私のフローラルと名の付いたモンスターは1ターンに2度まで、戦闘及び効果での破壊を不可能にしますの。これなら、ミスティック・ルーナの効果の発動も出来ませんわよ?」
「……あの時のお子ちゃまだと思っていたけど、撤回するわ」
現在の花奈の実力はルーナの想像を遙かに超えており、ルーナは花奈を一人前のデュエリストとして認めざるを得なかった。
「仕方ない。だったらバトルでペタル・ナイトを破壊すればいいだけよ!ミスティック・ルーナでペタル・ナイトを攻撃……出来ない!?」
「それも叶いませんわ。私のフィールドにメイデン・ペッシェが存在する限り、貴方はこのモンスターにしか攻撃できませんの」
花奈が恐ろしいほどの急成長を遂げていたためか、ルーナのプレイングがどんどん雑なものになってきた。彼女は心の何処かで「自分が1度勝利した小学生を相手にして負けるはずがない」と慢心していたのだろう。しかし、花奈はどこにでもいるような普通の小学生ではなく、世界でただ1人の封印竜を操る小学生なのだ。
「だったら、ミスティック・ルーナでメイデン・ペッシェを攻撃!破壊はできないけど、ダメージは受けてもらうわ」
「くっ…!」
HANA→LP:8200
ミスティック・サーヴァントには相手の魔法・罠カードをバウンスする効果を持っているが、その効果はモンスターカードまでは範囲が及ばないため、最も厄介なペタル・ナイトを対処できなかった。
「私はカードを1枚伏せるわ。これでターンエンドよ」
LUNA→LP:2200 手札:2 デッキ:20 Mゾーン:3 M・Tゾーン:1 Fゾーン:0 Pゾーン:0
*TURN06
3年前は手も足も出なかったルーナを相手にここまで善戦できるとは思ってもいなかった花奈だったが、だからといって決して浮かれるほどの余裕があったわけではない。ここまでは最初の関門を突破しただけにすぎないのだ。
「私のターン、ドロー!スタンバイフェイズ開始時、『フローラル・ネクタール』の効果発動!私のフローラルと名の付いたモンスター1体につき1000ポイント、ライフを回復しますわ」
HANA→LP:12200
10000ポイントのライフアドバンテージを獲得した花奈だったが、ここまで差を広げなければ一気に追いつかれてしまう予感がしたのだ。何故なら、今のルーナには呪縛竜があり、その能力は完全未知数であるため何が来ても対処できるようにこのターン以降を乗り越えなければならないのだ。
「メインフェイズへ移行しますわ。私のフィールドにフローラルと名のついたモンスターが存在することで、『フローラル・マルグリット』を除外ゾーンから特殊召喚します。そして永続魔法『フローラル・ネクタール』の効果を発動し、フローラルトークンのレベルを4に変更します」
「……いよいよ、真打ち登場かな?」
「行きます!私はレベル4となったフローラルトークンに、レベル3のマルグリットをチューニング!遥か未来を守護せし薔薇の竜よ、呪縛から解き放たれし鞭をふるい、仇なす敵を根こそぎ倒せ!シンクロ召喚!!出でませ、『封印竜フレア・ローズ』!!」
ついに花奈も自身のエースモンスターであり分身ともいえる封印竜を呼び出した。純粋な攻撃力ではミスティック・ルーナには及ばないが、効果を使えばデュエルを終わらせることが出来る。ルーナの墓地に『呪縛令』が残っていることを花奈はもちろん分かっていたのだが、このデュエルで一歩でも前に進むためには、フレア・ローズの効果は使わざるを得ないのだ。
「手札から『フローラル・ノワイエ』を通常召喚し、フレア・ローズの効果発動!手札1枚とノワイエを除外し、ミスティック・ルーナの攻撃力を0にして、その半分の数値だけフレア・ローズの攻撃力に加えます!」
これでフレア・ローズの攻撃力は3950に上昇し、ミスティック・ルーナを一撃で葬り去る準備は出来た。しかし、ミスティック・ルーナに攻撃を仕掛ければ呪縛竜が呼び出される。そのことは百も承知だったが、少しだけ花奈の心は揺れたのだ。もしも呪縛竜が出てきたら、このデュエルに敗北するのではないかと。それでも花奈は自身に厳しい方を、前に進む選択をした。
(何を迷っているのですか!今更後戻りなど、出来ませんのに……!)
「バトル!フレア・ローズでミスティック・ルーナを攻撃!ブラック・フローラル・エクスプロージョン!!」
「この瞬間!墓地の『呪縛令』の効果発動!このカードを除外し、バトルフェイズを強制終了させる!その後、私はランク8のミスティック・ルーナ1体で、アナザー・ディメンションゲートを解放……!!ぐぅぅーーーっ…!」
「る、ルーナ、さん…?」
―――3000年の時を遡り、蘇りし禁断の力よ!新たな世界を創造する礎となれ!!―――
―――ビヨンド召喚!!降臨せよ、『呪縛竜Nidhog』!!―――
夜空に輝いていた三日月を覆い隠す暗雲と共に、優に100mを超える超巨大な黒いドラゴンが出現した。ニーズヘッグとは、北欧神話に登場する竜の1体であり、終末の日である「ラグナロク」を生き延びるといわれている。それほど強力なドラゴンが、こうして現代に呪縛竜として蘇ったのだ。
「ぐっ…うぅっ…!」
「わ、私はカードを1枚伏せてターンエンドですわ!」
HANA→LP:12200 手札:0 デッキ:33 Mゾーン:4 M・Tゾーン:2 Fゾーン:0 Pゾーン:0
同じ頃、小町とうららはデッキの最終調整を終えたところだった。
「ふぃ~……。こまちんのおかげで凄く強化できたよ!」
「よかったですね。これならお互いに、A.W.Ⅱでも花奈さんのお役に立てるはずですが……」
「花奈ちん!早速勝負…って、あれ?いないよ?」
花奈は2人が話し合いに夢中になっている間に外出していたため、小町とうららは全く気付かなかったのだ。それも束の間、ルーナが最凶のモンスターを呼び出した刹那、もの凄い地響きが2人を襲った。慌てて窓の外を見た2人は、目に映った光景を見て更に驚愕した。
「あ……あの巨大なモンスターは一体…?!」
「ま…まさかあれが、呪縛竜?!」
「「ってことは…」」
巨大なモンスターが呪縛竜であると仮定した2人は、それと同時に花奈もそこにいるのではないかという考えに至り、急いで身支度を済ませてその場所へと向かった。
*TURN07
「私のターン、ドロー!フレア・ローズを対象に、『呪縛竜Nidhog』の効果発動!このカードの攻撃力と守備力を次の相手ターン終了時まで、対象モンスターのレベルまたはランク×400ポイントアップする!そして、フレア・ローズの効果は無効化され、発生する戦闘ダメージも倍になる!」
「そ、そんな恐ろしい効果が……」
〇呪縛竜Nidhog(グレード8 闇)
ドラゴン族/ビヨンド/効果
攻3300/守3300
レベル8以上のモンスター×1
「呪縛竜Nidhog」はフィールドに1枚しか存在できない。このカードのB召喚は無効化されない。①:このカードは「封印竜」モンスターとの戦闘以外では破壊されない。②:1ターンに1度、相手フィールドの儀式・融合・S・X・Pモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの攻撃力・守備力は400ダウンし、このカードの攻撃力・守備力は次の相手ターン終了時まで、この効果の対象としたモンスターのレベルまたはランク×400アップする。この効果に対して、相手は効果を発動できない。③:このカードの②の効果の対象になったモンスターは以下の効果を適用する。●このカードの効果は無効化され、発生する自分への戦闘ダメージは倍になる。④:このカードが戦闘・効果で破壊された場合に発動する。お互いのLPを2000にする。
この効果によって、花奈の封印竜の攻撃力は2200に下がり、ルーナの呪縛竜の攻撃力は6100に上がった。ミスティック・サーヴァントと呪縛竜がフレア・ローズに攻撃すれば、花奈は一気に8600もの大ダメージを受けてしまう。しかも花奈のフレア・ローズは『ブラック・ローズ・ドラゴン』として扱われているため、除外されているプリュネの影響下にあるため、このターンは盤面に留まってしまう。
「バトル!呪縛竜Nidhogで、封印竜フレア・ローズを攻撃!ザ・スペル・オブ・ナイトメア!」
「ぐぅっ…!きゃあぁぁーーーっ!!」
HANA→LP:4400
もしも前のターン、花奈の盤面に『フローラル・ネクタール』が残っていなければ次のミスティック・サーヴァントの攻撃を受けて敗北していた。第6ターンまでは互いに一歩も引かない展開が続いていたが、その流れを断ち切るように呪縛竜を呼び出したルーナが大きくリードした。花奈は頼みの綱であるフレア・ローズを封じられ、格好の獲物に成りはててしまった。
続くミスティック・サーヴァントの攻撃も受けてしまい、花奈の残りライフは3800になった。まだ彼女の方がライフポイントは優勢だが、第8ターンでルーナのライフを0にしなければ、その次のルーナのターンで再び呪縛竜の効果を使われて花奈は敗北する。
「メインフェイズ2に移行し、ミスティック・サーヴァントの効果発動!オーバーレイユニットを1つ使って、『フローラル・ネクタール』をバウンスするわ。私はカードを1枚伏せて、ターンエンド!」
LUNA→LP:2200 手札:2 デッキ:20 Mゾーン:3 M・Tゾーン:2 Fゾーン:0 Pゾーン:0
*TURN08
呪縛竜を呼び出され、自身の切り札のフレア・ローズまで無力化されてしまった花奈だったが、決して何も出来なくなったわけではない。
「私のターン、ドロー!スタンバイフェイズ開始時、墓地の『フローラル・ポレーン・フュージョン』の効果発動!発動してから2ターンが経過したため、このカードをデッキに戻してシャッフルしますわ」
呪縛竜が持っているダメージ倍増効果の対象になっているのはフレア・ローズ1体のみ。ならば、残されたモンスターを駆使して呪縛竜に楔を打ちつけるしか道はないのだ。幸運にも、花奈のモンスターはまだ生きている。
「私は『フローラル・ペタル・ナイト』の効果発動!メイデン・ペッシェを除外し、呪縛竜の攻撃力を、私の除外されたフローラルと名の付いたモンスター1体につき200ポイントダウンさせます!」
花奈の除外されたモンスターは全部で10体。したがって呪縛竜の攻撃力は2000ポイント下がったが、それでもまだ攻撃力は4100であり、花奈のモンスターではどれも太刀打ちできない。
「続いて、『フローラル・フィグ・プリンセス』の効果発動!除外されたメイデン・ペッシェを特殊召喚し、その攻撃力分のライフを回復しますわ」
HANA→LP:6900
2体の融合モンスターのコンボを使って失ったライフポイントを取り戻した花奈だが、このターンで勝負を決めることも「本来なら」可能だった。攻撃力を下げる対象を呪縛竜ではなくミスティック・サーヴァントにすればよいだけだからだ。しかし、それを倒したところでルーナを呪縛竜から解放できないため、彼女のライフポイントを0にするだけでは終われないのだ。
「永続魔法『フローラル・ネクタール』を発動し、私は除外されている『フローラル・マルグリット』を守備表示で特殊召喚します」
(これでフローラルと名の付いたカードは5枚……フィグ・プリンセスでも900ポイント届きませんが……前のターンに伏せたこのカードを使えば、届きます!)
これ以上の策が花奈にはなかったのか、メイデン・ペッシェ以外の全てのモンスターを守備表示に変更した。しかし、これは攻めの姿勢を捨てたわけではなく、今の彼女自身が出来る全力なのだ。
「バトル!『フローラル・メイデン・ペッシェ』で『呪縛竜Nidhog』を攻撃!そしてこの瞬間、速攻魔法『ダブル・ビヨンド』を発動しますわ!私のビヨンドモンスターが戦闘を行なうダメージ計算時の間、そのモンスターの攻撃力を倍にします!」
「だったら私もその発動にチェーンして、速攻魔法『ダブル・ビヨンド』を発動!Nidhogの攻撃力を倍にするわ!」
「なっ…!私と同じカードを?!」
呪縛竜もビヨンドモンスター、尚且つ『ダブル・ビヨンド』はビヨンドモンスターが攻撃してもされても発動可能なカードであるため、今のような場面では返り討ちにできるのだ。しかし、ルーナは、呪縛竜はその先に行ってみせた。
「さらに永続罠『呪縛放射』を発動!相手モンスターの攻撃力が元々の攻撃力と異なる場合、そのモンスターの攻撃力を元に戻し、その半分の数値分だけ、私の呪縛モンスターの攻撃力に加えるわ!」
〇呪縛放射(永続罠)(オリカ)
「呪縛光線」はフィールドに1枚しか存在できない。①:このカードが魔法・罠ゾーンに存在する限り、自分フィールドの「呪縛」モンスターは効果では破壊されない。②:自分フィールドの「呪縛」モンスターが相手モンスターと戦闘を行なうダメージ計算時、その相手モンスターの攻撃力が元々の攻撃力と異なる場合に発動できる。そのモンスターの攻撃力を元々の数値に戻す。その後、自分フィールドの「呪縛」モンスターの攻撃力は、この効果で変化した数値の半分の数値分アップする。
メイデン・ペッシェの攻撃力は3100に戻ってしまい、逆に呪縛竜の攻撃力は9750にまで上昇した。まだ攻撃は続行しているため、ルーナの呪縛竜が花奈のメイデン・ペッシェを破壊し、6650のダメージを与えた。
「うあぁぁーーっ!!」
HANA→LP:250
辛うじて花奈のライフポイントは残ったものの、すでに風前の灯火。これ以上、攻撃表示でモンスターを展開してしまえば花奈のデュエルのライフと彼女自身の生命まで尽きてしまう。
「はぁ……はぁ……」
(わ、私が…震えている?まさか、呪縛竜に恐怖しているというのですか?)
死を目前にした花奈は手足の震えが止まらず、顔も青ざめ、呼吸もひどく乱れていた。ユーリとのデュエルでは敗北しても差し出すものが何もなかったから心に余裕が残っていたが、今回のデュエルでは懸けているものが大きすぎた。窮地に陥り、そのことをひどく痛感した花奈は、デュエルで初めて「恐怖」を覚えてしまったのだ。
「はぁ……はぁ……こ、これで、ターンエンド、ですわ…」
HANA→LP:250 手札:1 デッキ:33 Mゾーン:4 M・Tゾーン:1 Fゾーン:0 Pゾーン:0
*TURN09
花奈のライフポイントを追い詰めたところで、ルーナもこのターンで勝利できる状況ではなかった。花奈が除外している『フローラル・プリュネ』が残り続けている限り、ルーナは1ターンで13回連続攻撃をしなければライフを削り取れないのだ。しかも『フローラル・ネクタール』が盤面に戻ってしまったので、花奈のスタンバイフェイズが訪れる度に4000ポイントのライフを回復する。
(あのガチガチに固められたロックをどうにかしない限り、このデュエルはジリ貧になる……)
「私のターン、ドロー!」
ちょうどその時、呪縛竜を目印に、小町とうららがこの場所にやってきた。彼女たちはこのデュエルがどういった状況なのかを表示されているライフポイントと盤面だけを頼りにして、花奈があと少しのところで敗北してしまうことを認識してしまった。しかし、彼女たちが登場したことはルーナにとっても予想外だったのだ。
心の奥底に「ルーナの意思」が残されていた彼女が最後に取った行動、それは、「無関係な小町とうららを巻き込まない」ためのデュエルの放棄。
「っ……!このデュエルはお預けよ!」
ルーナがそう言った後、彼女はワープして何処かへと姿をくらました。彼女が咄嗟に取った行動とはいえ、結果は引き分けに終わった。しかし、恐怖に支配された花奈は小町達の存在も見えぬまま、その場に呆然と立ち尽くした。ふと我に返ったかのように、学園長に渡された白紙のカードを見つめ、花奈は最後に思った。
(これが、命を懸けることの恐怖なのですか。……「煉獄の花」は、恐怖では咲かないのですね)
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イイネ | タイトル | 閲覧数 | コメ数 | 投稿日 | 操作 | |
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111 | Episode01:危ないスタート | 2372 | 1 | 2015-06-21 | - | |
119 | Episode02:悪魔のドラゴン | 1949 | 2 | 2015-06-22 | - | |
82 | Episode03:切り札 | 1460 | 2 | 2015-06-23 | - | |
99 | Episode04:紅蓮の悪魔 | 1528 | 2 | 2015-06-23 | - | |
87 | Episode05:終止符 | 1428 | 2 | 2015-06-25 | - | |
72 | Episode06の前に(更新済) | 1247 | 2 | 2015-06-25 | - | |
97 | Episode06:黒羽 凛 | 1408 | 1 | 2015-06-27 | - | |
80 | Episode07:同調 | 1319 | 1 | 2015-06-30 | - | |
68 | Episode08:変則試合 | 1301 | 2 | 2015-07-04 | - | |
145 | Episode09:2人の絆 | 1435 | 2 | 2015-07-05 | - | |
67 | Episode10:覚醒 | 1304 | 1 | 2015-07-09 | - | |
86 | Episode11:解放 | 1321 | 2 | 2015-07-13 | - | |
147 | Episode12:最後の封印竜 | 1303 | 0 | 2015-07-14 | - | |
73 | Episode13:ダイヤの煌めき | 1107 | 0 | 2015-07-25 | - | |
94 | Episode14:友のために | 1176 | 0 | 2015-08-12 | - | |
83 | ビヨンドモンスター・ビヨンド召喚について | 1694 | 2 | 2015-08-13 | - | |
126 | 番外編01:遊弥と紅葉の… | 1158 | 2 | 2015-08-19 | - | |
118 | Episode15:紅蓮魔竜解放 | 1389 | 2 | 2015-08-22 | - | |
83 | Episode16:ライセンス | 1265 | 2 | 2015-08-24 | - | |
164 | 少し遅めのキャラ設定(随時更新) | 2136 | 5 | 2015-08-29 | - | |
90 | Episode17:地獄の猛特訓 | 1245 | 1 | 2015-09-06 | - | |
138 | Episode18:関門 | 1406 | 1 | 2015-09-13 | - | |
84 | Episode19:スピードの中で | 1248 | 2 | 2015-09-18 | - | |
116 | Episode20:初の対外試合 | 1272 | 2 | 2015-09-20 | - | |
87 | Episode21:シンクロ封印 | 1214 | 1 | 2015-09-22 | - | |
71 | Episode22:1つの答え | 1196 | 2 | 2015-09-24 | - | |
72 | Episode23:黒羽の誇り | 1251 | 2 | 2015-10-01 | - | |
91 | Episode24:ハイスピードバトル | 1294 | 3 | 2015-10-06 | - | |
65 | Episode25:超越する力 | 1179 | 2 | 2015-10-11 | - | |
77 | Episode26:運命の決戦 | 1177 | 3 | 2015-10-20 | - | |
86 | Episode27:来訪者、天導レイン | 1274 | 2 | 2015-11-03 | - | |
84 | Episode28:遊弥vsレイン | 1338 | 2 | 2015-11-09 | - | |
77 | Episode29:舞い降りた天使 | 1277 | 2 | 2015-12-05 | - | |
72 | Episode30:天使と悪魔 | 1375 | 3 | 2015-12-09 | - | |
98 | Episode31:禁断の無限暗黒竜 | 1443 | 2 | 2015-12-12 | - | |
72 | 番外編02:凛と紅葉が… | 1235 | 0 | 2016-01-05 | - | |
80 | Episode32:パワー・ツール | 1210 | 3 | 2016-01-29 | - | |
77 | Episode33:死した希望の使者 | 1151 | 2 | 2016-01-31 | - | |
108 | Episode34:高貴の翼 | 1428 | 3 | 2016-02-04 | - | |
82 | Epi35:戦慄のリバースビヨンド | 1266 | 1 | 2016-02-13 | - | |
78 | Epi36:加速するカウントダウン | 1233 | 2 | 2016-02-20 | - | |
78 | Epi37:希望のカード『V☆S』 | 1205 | 3 | 2016-03-25 | - | |
70 | Episode38:朱色の夜 | 1207 | 0 | 2016-04-11 | - | |
144 | Episode39:並び立つ盟友 | 1412 | 2 | 2016-04-22 | - | |
76 | Episode40:精一と彩 | 1276 | 2 | 2016-05-30 | - | |
76 | Episode41:漆黒の鎮魂歌 | 1279 | 4 | 2016-06-22 | - | |
120 | Episode42:涅槃の境地へ | 1299 | 4 | 2016-07-02 | - | |
72 | Episode43:トワノキズナ | 1231 | 3 | 2016-07-23 | - | |
136 | Episode44:銀河と宇宙 | 1426 | 3 | 2016-08-09 | - | |
118 | Episode45:銀河眼vs宇宙眼 | 1512 | 0 | 2016-08-20 | - | |
58 | Episode46:絶望の凱旋 | 1083 | 0 | 2016-08-24 | - | |
85 | Episode47:刻まれた記憶の欠片 | 1145 | 1 | 2016-09-06 | - | |
118 | Episode48:希望の行方 | 1470 | 0 | 2016-09-13 | - | |
81 | Episode49:悪夢の決戦前夜 | 1080 | 0 | 2016-10-03 | - | |
69 | Episode50:創世の星屑竜 | 1046 | 0 | 2016-10-25 | - | |
125 | Episode51:託された未来 | 1178 | 0 | 2016-10-30 | - | |
120 | 番外編03:遊弥と花奈の... | 1236 | 2 | 2016-11-02 | - | |
100 | 未投稿オリカ紹介①(使用者:藤堂遊弥) | 1230 | 0 | 2016-11-09 | - | |
110 | 未投稿オリカ紹介②(使用者:赤城紅葉) | 1212 | 0 | 2016-11-26 | - | |
97 | 未投稿オリカ紹介③(使用者:茨木花奈) | 1208 | 0 | 2016-12-08 | - | |
54 | 未投稿オリカ紹介④(使用者:霧野命慈) | 1019 | 0 | 2016-12-20 | - | |
57 | 未投稿オリカ紹介⑤(使用者:霧野精一) | 1103 | 0 | 2016-12-30 | - | |
98 | Episode52:極寒の夏 | 1173 | 2 | 2017-01-01 | - | |
147 | Episode53:闇の邂逅 | 1299 | 2 | 2017-01-07 | - | |
78 | Episode54:呪縛竜復活 | 1086 | 0 | 2017-01-11 | - | |
121 | Episode55:届かぬ声で... | 1023 | 2 | 2017-01-15 | - | |
133 | Episode56:禁忌の目覚め | 1107 | 5 | 2017-01-19 | - | |
118 | Episode57:共鳴する四龍 | 1140 | 4 | 2017-01-25 | - | |
68 | Episode58:本当の気持ち | 1241 | 3 | 2017-01-30 | - | |
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72 | IF01:バレンタインデー | 1281 | 6 | 2017-02-11 | - | |
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168 | ルール改訂と今後の進行について | 1356 | 2 | 2017-02-18 | - | |
62 | Episode61:想いの証 | 1035 | 5 | 2017-02-21 | - | |
84 | Episode62:茨の道標 | 1190 | 5 | 2017-02-27 | - | |
127 | Episode63:光と闇の花 | 1067 | 3 | 2017-03-20 | - | |
82 | Episode64:渇望と葛藤 | 1106 | 2 | 2017-03-23 | - | |
77 | Episode65:麗しき孤月 | 1054 | 2 | 2017-03-29 | - | |
141 | Episode66:月夜のイリュージョン | 1390 | 2 | 2017-04-21 | - | |
156 | Episode67:常闇に消える月華 | 1379 | 1 | 2017-05-05 | - | |
99 | Episode68:模索者たち | 1107 | 4 | 2017-07-22 | - | |
111 | Episode69:純黒の反逆者 | 1212 | 0 | 2017-07-27 | - | |
128 | Episode70:紅と黒の禁呪 | 1125 | 2 | 2017-08-07 | - | |
91 | Episode71:希望は往く | 1228 | 3 | 2017-08-17 | - | |
144 | Episode72:リリーの過去 | 1250 | 2 | 2017-08-24 | - | |
76 | Episode73:異次元の亡霊 | 1181 | 2 | 2017-09-13 | - | |
115 | Episode74:覚醒の鼓動 | 1360 | 3 | 2017-09-22 | - | |
128 | Episode75:挑戦者の儀 | 1103 | 0 | 2017-10-05 | - | |
135 | Episode76:神速の決闘 | 1198 | 2 | 2017-11-14 | - | |
58 | Episode77:動き出す陰謀 | 908 | 2 | 2018-01-23 | - | |
75 | Episode78:最期の兄弟喧嘩 | 893 | 2 | 2018-03-03 | - | |
145 | Episode79:黄龍の手向け | 962 | 2 | 2018-03-28 | - | |
111 | Episode80:堕天使の罠 | 942 | 0 | 2018-04-14 | - | |
106 | Episode81:断罪する魔神 | 938 | 0 | 2018-04-19 | - | |
118 | Episode82:姫君のバイブル | 1027 | 1 | 2018-05-07 | - | |
122 | Episode83:開かれたページ | 1063 | 0 | 2018-05-11 | - | |
162 | Episode84:望まぬ決戦 | 1094 | 2 | 2018-05-29 | - | |
75 | 未投稿オリカ紹介⑥(使用者:古城奏多) | 941 | 0 | 2018-05-31 | - | |
138 | 未投稿オリカ紹介⑦(使用者:清水ルーナ) | 1170 | 0 | 2018-06-02 | - | |
141 | 未投稿オリカ紹介⑧(使用者:アレックス) | 1041 | 0 | 2018-06-04 | - | |
61 | 未投稿オリカ紹介⑨(使用者:リリー) | 872 | 0 | 2018-06-06 | - | |
193 | 未投稿オリカ紹介⑩(使用者:ソフィア) | 1265 | 0 | 2018-06-06 | - | |
120 | 呪縛竜のおさらい | 874 | 0 | 2018-06-06 | - | |
110 | IF02:星 遊未 | 862 | 0 | 2018-06-09 | - | |
78 | Episode85:新たなる激闘へ | 1042 | 0 | 2018-07-10 | - | |
111 | Episode86:愛するもの | 946 | 0 | 2018-07-27 | - | |
76 | Episode87:涅槃を超えた先 | 917 | 0 | 2018-08-10 | - | |
123 | Episode88:終焉の弧光 | 1316 | 0 | 2018-09-12 | - | |
68 | 【重要】投稿再開のお知らせ | 807 | 3 | 2022-06-04 | - | |
46 | Episode89:四竜が紡いだ奇跡 | 493 | 3 | 2022-06-25 | - | |
53 | Episode90:光臨者、天導レイン | 493 | 2 | 2022-07-07 | - | |
53 | Episode91:舞い堕ちた天使 | 475 | 2 | 2022-09-03 | - | |
55 | Episode92:紅の決意 | 524 | 0 | 2022-09-19 | - | |
46 | Episode93:凛々しい黒羽 | 551 | 0 | 2022-10-04 | - | |
61 | Episode94:最強の双子 | 501 | 0 | 2022-10-24 | - | |
40 | Episode95:最凶の龍 | 523 | 0 | 2022-12-29 | - | |
47 | Episode96:神の恵 | 502 | 0 | 2023-01-18 | - | |
66 | Episode97:先導者vs時空竜 | 588 | 0 | 2023-01-22 | - | |
39 | Episode98:トワノチカイ | 487 | 0 | 2023-02-14 | - | |
45 | Episode99:遊弥、復活 | 486 | 0 | 2023-03-12 | - | |
42 | Episode100:目覚めし星の光 | 506 | 0 | 2023-03-26 | - | |
54 | Episode101:決戦・冀望郷 | 435 | 0 | 2023-05-03 | - | |
31 | Episode102:最弱の意地 | 393 | 0 | 2023-06-28 | - | |
30 | Episode103:永遠の友達 | 287 | 0 | 2023-11-26 | - | |
36 | Episode104:うららの運命 | 179 | 0 | 2024-04-29 | - | |
25 | Episode105:胡桃の最終演目 | 192 | 0 | 2024-05-06 | - | |
21 | Episode106:希望の少女たち | 192 | 1 | 2024-05-16 | - | |
30 | Episode107:輝く希望 | 208 | 0 | 2024-08-11 | - | |
19 | 第4章完結記念外伝&重大発表 | 181 | 0 | 2024-08-13 | - | |
30 | 第4章初登場オリカまとめ | 156 | 0 | 2024-08-17 | - |
更新情報 - NEW -
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- 09/30 12:27 評価 8点 《サラマンドラ・フュージョン》「明らかに《聖騎士の追想 イゾル…
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- 09/30 11:23 評価 9点 《滅亡き闇 ヴェイドス》「主に《果てなき灰滅》による融合効果で…
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- 09/30 11:06 評価 8点 《灰滅の復燃》「灰滅の妨害方法は破壊に偏っていますが、このカー…
- 09/30 11:04 ボケ 狂愛の竜娘アイザの新規ボケ。"狂愛"…? 失礼だな…"純愛"だよ。 …
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- 09/30 11:00 評価 5点 《狂愛の竜娘アイザ》「 自ら相手にくっついた挙げ句に心中してく…
- 09/30 10:58 評価 8点 《果てなき灰滅》「《滅亡龍 ヴェイドス》によってセットできる罠…
Amazonのアソシエイトとして、管理人は適格販売により収入を得ています。
それと私事ですが、3ヶ月ほど前からTwitterなるものを始めました。「@kaz_five_star」と検索すれば出てきますので何卒よろしくお願いします。 (2017-05-05 23:45)