第50話　コインランドリーカフェにて　作：トマトところてん

50話記念に主人公の掘り下げに5分で50個の五十音の質問というのをやろうとしてボツに。6秒で1問答えると一分で10問答えられます。自動車の運転適性テストのように直感ですぐに答えて下さいというやつで、あまり自分は好きではない。質問は五十音になっていて、例えば　あなたの好きなカードは？　いちばん好きな食べ物は？　うしろをむくとそこには？　絵がうまくなるコツは？　お気に入りのYoutuberは？
　こんなのが、わをんまで続いてパパッと答えていく話にしようとしてやめた。で500円ワンコインってことで今回の話。コインランドリーということでランドリードラゴンことドラゴンメイドラドリーがコインランドリーにメイドカフェが併設された店をやってる話を思いついて少し変えて今回の話。コインランドリーラドリーカフェと言ってもラドリーによく似た別人。そこは仕方ない

本編

　きなこには8歳、歳の離れた姉がいた。アパートで一人暮らしの社会人。近所のコインランドリーに来ていた
　近年、コインランドリーの利用者は増えていた。最新のドラム式の洗濯機の素晴らしい仕上がりと、意外にも清潔感とコスパの良さから選ばれていた。コインランドリーにカフェが併設されており、洗濯が終わるまでカフェで過ごすことができた
　きなこの姉は清涼感が欲しかったので温かいものやフラペチーノなどのミルクたっぷりのコーヒーを頼むのはやめて、アイスコーヒーとモーニングを頼んだ。休日の午前中だった。モーニングはワンコインではすまなかったが、退屈な時間を過ごすには丁度良かった
　店内はよくあるコインランドリーの、美容院のように店内が外から見えるようなガラス張りではなく、おしゃれなカフェのそれで、外から見てもコインランドリーとは気づけないようになっていた
　きなこの姉は噂話をきいていた。経営している人、オーナーさんは髪を水色に染めているのではなくウイッグ、カツラでおしゃれしているらしいのと、苦い過去が。屋敷のメイドさんを目指していたらしいが、炊事家事洗濯と全て不器用で苦戦し、悩み挫折し、夢を諦めてしまったが、誰かの役に立って綺麗なものをめでる心は残っており、コインランドリーに出会い、好きになり経営することに。儲けは更に最新式への買い換えやメンテナンスに使い入念し、抜け目がない。ドジだが真面目だった
　そんな噂話をきいたことをきなこの姉が思い出していると店員がモーニングとアイスコーヒーを運んできた。店員はメイドの格好をしていなかった。それなのに噂話が流れたのはおそらく店内にあるコスプレして集合した写真のせいだろう。ドラゴンメイドのお見送り。どうやらオーナーには他にも仲間がいるらしかった
　きなこの姉はドラム式の洗濯機がくるくる回っているのを見ながら考え事をするだけで時間を潰すことができたが、それだと変な人に見られるのでカフェでモーニングを頼んだわけだ。仲間もしくは師匠と呼べる人がいれば良かったのだが、きなこの姉の会社は小さな会社でそれもなかった。上司は少し頼りないというか半信半疑、いきなりプレゼンを任される事もあったりして、料理で例えると作り方を真似してコピーはできるがオリジナルや応用はきかない感じで、社長が求めているのもバリバリなキャリアウーマンであろうことから少しきなこの姉は申し訳がなかった。いきなり雑用や見習いなどの下積みの過程をすっとばして仕事していて、たしかに顔、ルックスは凄く良かったが、それだけではなく、社長や会社の人の度量が大きいこともあって、きなこの姉はなんとかやっていけていた
　プレゼンの資料を作ったら、どう発表するか、役者は台本の台詞をどうやっておぼえているのだろうか。まあプレゼンとは少し違うか。きなこの姉がそんなことを考えていると、すぐ隣の席ではごとうまいこがケーキバイキングを頼んでケーキをドカ食いしていた。放課後ドカ食い気絶部なこともあってペロリとたいらげていた。
　しかし、ごとうまいこは悩んでいた。まいこは確かにドラゴンメイドのデッキを使っていた、はずだった。部長はヴァルモニカ、れんげはトリックスター。強くなろうと目指した結果、まいこはいつの間にか名推理デスフェニバージェストマを使っていた。幻影騎士団のような墓地を使うテーマが好きでドラゴンメイドも使っていたが、辿り着いたのは激キモデッキだった。ぎゃあああ
　いいのかこれは。おそらくどんなカードを使ってもデュエリストはデュエリストなのだろうが、知らない人がはたから見たら何があってこんなルックスの激キモデッキを使ってるのかと思われる。罠で妨害できて光カオスアンヘルのような耐性も持ってるのだが、自分を救えるのは自分だけ。自分を救うためにごとうまいこは打倒自分のデッキについて考えていた
　戦いではいいやつから亡くなっていき、悪いやつばかり残ってその子孫が生きていても、生き残ったものに祝福をしたりと、バージェストマには複雑な気持ちだった。自分の到達地点だと思うと少し悲しくなった
　ドラム式の洗濯機の中では洗いが終わると、脱水、乾燥まで抜群の仕上がり。きなこの姉はカフェの会計を済ませるとランドリーの方に向かって、洗濯機からホカホカの衣類を取り出して、持ってきていた洗濯かごにいれると店をあとにした。ごとうまいこはカフェの方だけ目的できていた。きなこの姉とごとうまいこの二人はとくに話すとっかかりもなく過ぎていった

続く

おまけ　きなことれんげのコインランドリー

　回ってるあいだ暇だねぇ、歌でも歌おうか。まあランドリーと言ったら米津玄師のキックバックだねぇ。ランドリー今日はがら空きでラッキーデイ
　と、きなこが言うと、れんげは言う
　MVけっこう面白いし、衝撃シーンもあるよね。きなこちゃんは米津玄師のプラズマと感電どっちが好き？　感電の方が聞き慣れてるかな？　雷族で強いのはまだスプライトかな？
　あたしは感電かな。ヒットメーカー。出せばヒット曲だけどねぇ。世の中、彼の才能に嫉妬する誰かがいるのかねぇ。あたしには雲の上の人で嫉妬すらしてないんだねぇ
　なんかそれも悲しくない？　ステージに立ってすらいない、競争すらしていないってことで
　あ、はい。いや、どんな選択を選んでも正解になるように頑張ってくださいって難しいよねぇ
　そうだね

余談

　残り二話ここまで自由に書いてきたけど最終回に書くことは自然と決まります。色々と登場人物でてきたけど、きなことれんげの二人がケンカ別れしてから仲直りするような話でこの作品は終わりです。とっかかりはもちろん遊戯王を絡めてですね

おまけ　ミッション　創作ラップ遊戯王　ラップを作れ

　へい、ちぇけらー、よーよー、遊戯王ー、蜃気楼ー、大量ドロー。開始の宣言、カイジの宣伝、ざわざわざわざわ
　合図にアイス、抹茶、めっちゃ、キーン、カンコンッ！
　ライフで払って、ライブで笑って、あたしのターン！　ハッピーターンのパウダー、買うだあ
　パック買えよ、タケオ　誰？　アレ？　ペンチーラー　マイアヒー　マイアホー

以上　脱線したのでのまのまイェイを久しぶりに聴いてみてくださいな