第44話　決意の彼氏君　作：トマトところてん

れんげの家のリビングにて

　きなこはゴールデンウィークなのに彼氏君との予定もなくれんげの家に遊びにきていた。れんげはきなこにそれについてきいてみる
　あれ？　きなこちゃん、彼氏君との予定はないの？　ゴールデンウィークなんてデートのチャンスで映画館にでも行けばいいのに。今は名探偵コナンやパリピ孔明とかサンダーボルツとか、涙活(泣いてストレス解消)するのに花まんまって映画なんか恋人同士にぴったりだと思うけどな
　うん、それがね、最近彼氏君とうまくいってないんだよ
　え？
　彼氏君と何を話したらいいか、彼氏君のことを思ったらこれは彼氏君には良くないかなんて思っちゃって自信がなくて、全然誘えてない
　ラインでちょっと連絡を取るだけで会ってないなんてことも
　そうなの
　彼氏君、ごめん、ぐっ
　きなこちゃん、私とは普通に喋ってるけど彼氏君には猫被ってるよね
　いや、こんな醜いあたしみせられないよ彼氏君に。彼氏君とは有意義な、価値のある話をしなくちゃ。彼氏君をガッカリさせないために
　あのさ
　と、れんげは呆れて言う
　私とは、9割くらいどうでもいい話してるよね？　なのに彼氏君とは話せないの？　あのね、恋愛の罠にはまってるっていうか、好きな人とはたわいのない話ができなくなっちゃうんだよ。好きな人には良いものを見せてあげようとか、大切な人の言うことだからしっかりと聞かなきゃとお互い身構えちゃって。彼氏君も良い彼氏を演じるのに必死かもしれないね
　きなこはれんげに質問する
　彼氏君はあたしのこと好きかな？
　れんげはまた呆れて
　そんなの私にわかるわけないじゃん。きなこちゃんは彼氏君のこと好きで思いすぎてるんだね。これはダメだとがんじがらめになって動けないんだね
　うん
　きなこが下を向く
　相手の気持ちはわからなくても自分の気持ちは本物なんだからちゃんと好きだって気持ちを伝えるか振り回さなくちゃ、デートに誘わなくちゃダメなんだよ。それと、彼氏君ともどうでもいい話をしていけばいいんだよ
　と、言った辺りでれんげは本音を吐いた
　なんできなこちゃんには彼氏が居て私にはいないんだろ。はぁー
　それからしばらくしてきなこは
　ありがとう、れんげちゃん。やっぱり持つべきは友だね。誘ってちゃんと会ってみるよ。今度お礼もするよタクティカルトライデッキどっちが欲しい？
　エクソシスターかな
　ありがとう、それじゃ、またね
　と、きなこは帰っていってしまった。しばらくして、
　ちぇ。リア充は爆発すればいいのに
　と、つぶやくれんげだった

続く

おまけ　リア充爆発、地球一周の旅

　昨年のきなこの七夕の願い事はリア充が爆発しますようにだった。それが今やれんげの願い事である。れんげは天に向かって叫ぼうとしてやめる。
　リア充、爆殺！
　そう心の中で唱えると、れんげは爆発し、思いっきり後方に吹き飛んだ
　うわあー！
　後ろ向きでえびが水槽の中をはねるように物凄いスピードで空を飛んだ。ウルトラマンアークの最後の大技、デュエルえびガンマンの元ネタだ
　雲をつき抜けて海を越えて日本からアメリカ大陸へ、アメリカからイタリアへ、イタリアからアジアへ、そして日本のれんげの家に地球を一周して戻ってきた。実に3分の出来事だった。地球一周約4万キロを3分で一周、時速4万キロで60分かかるところを3分なので20倍速の80万キロものスピードでれんげは地球を一周した。弾丸より速い。人間ロケット。ドラゴンボール、ピーターパン。このスピード感を味わううまい表現ができない。まるで炭酸水の喉ごしの如し
　飛んでる最中にれんげはふと考えた。きなこの彼氏君。高慢ちきでカスで意外と不器用なきなこが
　彼氏君にはあたしが居なきゃダメだねぇ
　と、意地悪な嫌味を言っても受け止めてくれる包容力がある。なので本当は逆かもしれない。彼氏君が居なきゃダメなのはきなこの方かもしれない
　家に帰ってきたれんげはつぶやく
　ま、ウルトラマンオメガも楽しみなんだよね

おまけ2　れんげのトリックスター

　Youtubeを見たりして色々試したけど私は本当にネットを使ってるのかというくらいの情報弱者貧乏学生でさまよってる感じが心地いいのかもしれない。次のエクソシスターも楽しみだよ。トリックスターにK9とヤミーとドラゴンテイルを混ぜて、最後にトリックスターを抜いて完成かな。あと、原石青眼は強いんだなと最近知ったよ。紙は安いから貧乏学生でもけっこう強いよ