第四話　ー驚愕！千年アイテムの謎③ー　作：T@KAKKU☆

ブラック・マジシャン・ガール（以下ＢＭＧ）「う～ん！・・・ったく、やっぱカードの中って狭くてやんなっちゃうのよネ～。・・・まぁ、石版の時よりかはマシだけどサー・・・」

　そう言って伸びをするＢＭＧ。すると次の瞬間

遊奈「・・・え？」

ＢＭＧ「あ、どうも。初めまして、ご主人サマ！」

　笑顔で挨拶するＢＭＧ。すると次の瞬間

遊奈「・・・え、ええええええ～～～ッッッ！！！ブ、ブブブブブ、ブラック・マジシャン・ガガガガールゥゥゥゥゥッッッ！！？」

ＢＭＧ「も～っ、そんなに驚かないで下さいヨ～。と、言ってもまぁこうして会うのは初めてなので、無理もないですケドね♪」
　
遊奈「う、ウソでしょ！？そ、ソリッド・ビジョンよね！？」

ＢＭＧ「そりっどびじょん？何それ？何かの呪文デスか？」

遊奈「え・・・でも今私デュエルしてないし・・・えええええ～～～っ！！？」

　あまりのことにパニックになる遊奈。すると次の瞬間

ＢＭＧ「う～ん、なかなかいいリアクションですが、そろそろ落ち着いてもらわないと、こっちも話が進められないんデスが・・・」

遊奈「あ、ご、ごめんなさい！」

ＢＭＧ「それに、私の声は既に聴いたことがあるはずデスよ？」

遊奈「え・・・？」


　回想　海座とのデュエルシーン

ＢＭＧ「今のあなたになら見えるはずよ！私の真の姿が！」


遊奈「・・・はっ！じゃ、じゃあ、もしかしてあの時の声って・・・！？」

ＢＭＧ「そういうことデス」

遊奈「やっぱりあなただったのね！ウッソーーーッ！信じられなーーーいッ！！！」

　思わず驚嘆の声を上げる遊奈。すると次の瞬間

遊奈「っていうか、あなた一体何なの？カードから出て来たみたいだけど・・・？」

ＢＭＧ「うーん、何・・・と言われると難しいんですが、ご主人サマたちの世界で言うところの『精霊』みたいなものデスかね？」

遊奈「『精霊』・・・？」

　すると次の瞬間

遊奈「・・・はっ！お、思い出した！確か、お兄ちゃんがデュエル・モンスターズのカードには精霊が宿っていて、その姿は真の決闘者にしか見えないとか何とか・・・！」

ＢＭＧ「おお！そうです！その通りです！私達は真の決闘者だけが見ることのできる存在なのデス！私達の存在を知ってるなんて、お兄サマ、なかなかやりますネ～！」

遊奈「まさかホントにいたなんて・・・。てっきり私をからかってるだけだと思ってたのに・・・」

　あまりのことに開いた口が塞がらない遊奈。すると次の瞬間

ＢＭＧ「と、いうことでご主人サマ。私の姿が見えるあなたは見事、真の決闘者として覚醒しました！オメデトウゴザイマ～ス！はい、拍手～ッ！」

遊奈「へ？」

ＢＭＧ「その証拠に、私は真の力を目覚めさせることができました。ありがとうございマス！」

遊奈「真の力・・・？ということは、あの時のカードがそうだったの・・・？」

ＢＭＧ「そうです！あれが私の進化した姿、『バースト・モード』デス！」

遊奈「『バースト・モード』・・・？」

ＢＭＧ「ピンチの時にのみなれる最強の姿なのデス！詳しいことはテキストを参照して下サイ！」

遊奈「あらっ！？そこは説明してくれないの！？」

　思わずツッコむ遊奈。すると次の瞬間

ＢＭＧ「こちらにもいろいろと事情がありますので。・・・さて、ではそろそろ本題に入りましょう。ご主人サマ、あなたが聞きたいのは、このリングのことについてですよネ？」

遊奈「そ、そうよ。このリングは一体何なの？それに、どうしてお兄ちゃんがこれを・・・？」

　すると次の瞬間。それまで笑顔だったＢＭＧは真剣な表情になり、おもむろに話し始めた

ＢＭＧ「・・・これは『千年リング』。その昔、古代エジプト王朝で使用されていた、七つの『千年アイテム』。そのうちの一つです」

遊奈「『千年アイテム』・・・？」

ＢＭＧ「古代エジプトでは、まだ『カー』と呼ばれる魔物と人とが、同じ世界に共存していました。カーは人の心の闇に巣食う獣です。それを封じるために用いられた道具が、千年アイテムです」

遊奈「魔物・・・！？そんなものがいたの・・・！？」

ＢＭＧ「はい。古代の壁画などに描かれているのがそれです。そして、これを使い、人々を様々な悪から守っていたのが、エジプトの王・『ファラオ』。そしてファラオを中心とした、6人の神官たちです」

遊奈「ファラオ・・・。確か、お兄ちゃんがそんなことを言ってたような・・・」

ＢＭＧ「・・・ちなみに私のお師匠サマも神官のうちの一人で、そのリングの所有者でした・・・。あのときまでは・・・」

遊奈「！？（ＢＭＧの師匠ってことは・・・ブラック・マジシャン！？）」

ＢＭＧ「ファラオと千年アイテムの力で、世の中は安定していました・・・」

　すると次の瞬間。ＢＭＧの表情が曇った

ＢＭＧ「・・・しかしあるとき、恐ろしいことが起こったのです・・・」

遊奈「恐ろしいこと・・・？」

ＢＭＧ「千年アイテムには、闇の力が宿っていました。その力に魅入られた神官のうちの一人が、大邪神・ゾークとなってしまったのです」

遊奈「え・・・！？」

ＢＭＧ「ゾークは魔物たちを率いて我々に襲いかかってきました。そこで、ファラオと神官たちは私たち精霊の力を使い、戦いました。しかし、敵の力は強大で、戦況は不利になる一方・・・。そこで、ファラオはついにある決断を下したのです・・・」

遊奈「決断・・・？」

　すると次の瞬間

ＢＭＧ「ファラオは自らの魂を、邪神の力と共に、自身の千年パズルに封印することにしたのです・・・！」

遊奈「・・・！」

ＢＭＧ「その結果、邪神の力は弱まり、見事打ち倒すことが出来ました。しかし、それは同時にファラオの命までも奪ってしまったのです・・・」

遊奈「え・・・！？そ、そんな・・・！？」

　すると次の瞬間

ＢＭＧ「・・・しかし、ファラオの命を懸けた選択にも、邪神は完全には消え去っておらず、復活の時を虎視眈々と狙っていたのです・・・」

遊奈「え・・・！？」

ＢＭＧ「・・・そして時は流れ、現代に至ります。その後、千年アイテムは王家の谷に封印されていたのですが、あるとき、それが盗み出されてしまったのです・・・」

遊奈「！？」

ＢＭＧ「バラバラになった千年アイテムは、別々の所有者の元へと行きました。そして、ファラオの魂が封印された千年パズルは、ある者の元へと行ったのです・・・」

遊奈「ある者・・・？」

　すると次の瞬間

ＢＭＧ「・・・それこそがファラオの魂の器である少年。名を『武藤遊戯』。その人です・・・！」

続く