第ニ話　ー戦慄！闇のゲーム①ー　作：T@KAKKU☆

海座「ば、バカな・・・。この俺が、負けた・・・！？」

　膝から崩れ落ちる海座

遊奈「やったーーーッ！私の勝ちよッ！」

鳥亜「し、信じられない・・・。まさか、あの状況をひっくり返すなんて・・・！」

　飛び跳ねる遊奈と、開いた口が塞がらない鳥亜。すると次の瞬間

遊奈「・・・さぁ、約束よ。カードを返しなさい」

海座「・・・」

　だが、次の瞬間

　ダッ！

遊奈「！？」

　突如、遊奈に向かって猛然と走り出す海座

海座「・・・く、くっそーっ！こうなったら、力ずくで奪ってやる！」

鳥亜「あ、危なーい！」

　海座が遊奈に飛びかかろうとした、次の瞬間

　バシーン！

遊奈＆鳥亜「！？」

海座「ぐわあぁぁぁっ！」

　突如、吹き飛ぶ海座。すると次の瞬間

？「・・・おっと、そこまでだ」

海座「！？」

遊奈「・・・りょ、竜太！？」

　そこには竹刀を持った剣崎　竜太（けんざきりょうた）が立っていた

海座「な、なんだ貴様は！？邪魔をするな！」

竜太「てめえこそ何だ？負けた挙句、勝った相手に手を出そうとするなんてデュエリストの、いや、男の風上にもおけねぇ野郎だ。俺がその腐った根性、叩っ切ってやる！」

　竹刀を構える竜太。すると次の瞬間

海座「くっ・・・！ちっ！お、覚えてろよッ！」

　竜太の剣幕に押された海座は、少年にカードを投げつけ、一目散にその場から逃げて行った

竜太「・・・フン。情けねぇ奴」

　その姿を見て、竹刀を下す竜太。すると次の瞬間

遊奈「あ、ありがとう竜太・・・。おかげで助かったわ・・・」

　竜太に礼を言う遊奈。だが、次の瞬間

竜太「・・・はぁ～。ったく、お前って奴はどうしてそう昔っから危ないことばっかに首を突っ込みたがるのかね？たまたま俺が通りがかったからよかったものの、一体どうなってたことか・・・」

　遊奈をたしなめる竜太。すると次の瞬間

遊奈「う・・・！う、うるさいわね！あんたこそ、いっつも来るのが遅いのよ！」

竜太「な、なんだと！？助けてもらっといてなんだその言い草は！」

遊奈「何よ！？」

竜太「なんだよ！？」

遊奈＆竜太「う～～～ッ！」

　いがみ合う二人。すると次の瞬間

鳥亜「ご、ごめんなさい剣崎くん！私がちゃんと遊奈ちゃんを止めてさえいれば・・・」

遊奈＆竜太「！？」

　割って入る鳥亜。すると次の瞬間

竜太「あ、い、いや、鳥亜さんに謝られても・・・」

鳥亜「剣崎くん・・・」

遊奈「そ、そうよ！鳥亜ちゃんは何も悪くないわ！」

鳥亜「そう・・・？ならいいんだけど・・・」

　それきり黙ってしまう鳥亜

遊奈「（ちょ、ちょっと！鳥亜ちゃんが責任感じちゃったじゃないの！どうすんのよ！？（小声））」

竜太「（なんで俺のせいなんだよ！元はと言えばお前がでしゃばるからいけないんだろ！？（小声））」

　小声で言い合う二人。すると次の瞬間

少年「・・・あ、あの！」

一同「！？」

　突如、少年が声を上げた

少年「あ、ありがとうございました！おかげで大切なカードを取り戻すことができました！」

　遊奈たちに礼を言う少年。すると次の瞬間

遊奈「・・・あなたねぇ、大切なカードなら、最初からそれを賭けの対象になんかするんじゃないの。あなたもデュエリストなら、己のカードを信じなさい。そうすればきっと、カードは答えてくれるはずだから・・・！」

竜太＆鳥亜「・・・！」

少年「わ、わかりました！本当にありがとうございました！」

　頭を下げた少年はそう言い残し、その場を去って行った。すると次の瞬間

竜太「・・・へぇ～っ」

遊奈「な、何よ？」

竜太「遊奈にしては、なかなか良いこと言うじゃん♪」

遊奈「な！？わ、私にしてはは余計よ！」

鳥亜「さすが遊奈ちゃん！」

遊奈「え？そ、そう？・・・へっへ～、それほどでも～♪」

　褒められ、浮かれる遊奈。だが次の瞬間

鳥亜「・・・あれ？でもさっき遊奈ちゃんも賭けデュエルしてたような・・・？」

遊奈「ギクッ！あ、あれはその、言葉のアヤというか、あの状況じゃ仕方なかったというか・・・あはははは・・・」

　なんとか誤魔化そうとする遊奈。すると次の瞬間

竜太「・・・あ！やっべ！もうこんな時間だ！バイトに遅れっちまう！じゃあな！二人とも気を付けて帰れよ！」

　その場を去っていく竜太

鳥亜「え？あ、じゃ、じゃあね～っ！」

遊奈「あんたも急ぎ過ぎて転ぶんじゃないわよ～っ！」

　すると次の瞬間

竜太「・・・あ、痛っ！」

　言ってる側から転ぶ竜太

鳥亜「あ・・・」

遊奈「やっぱり・・・」

　引きながらその姿を見送る二人

続く