第三話　ー爆裂！バースト召喚①ー　作：T@KAKKU☆

〇屋上
　その後、二人のデュエルは続いた。だが、闇のゲームによって体と精神を蝕まれた遊奈は本来の力を発揮できず、防戦一方となっていた

遊奈「・・・はぁ・・・はぁ・・・！」

　息も絶え絶え、苦悶の表情を浮かべる遊奈。すると次の瞬間

海座「行け！ブルーアイズの攻撃！滅びのバースト・ストリーム！！！」

　ドカーン！

遊奈「キャアァァァァ・・・！」

　ブルーアイズの攻撃が炸裂。遊奈のモンスターは跡形もなく消し飛んだ

遊奈「くっ・・・！」

　ガクッ

　ダメージの大きさに、思わず膝を突く遊奈。すると次の瞬間

海座「ヒャハハハハハ！どうした！？もう終わりか！？そろそろあの世が見えて来たようだなッ！」

遊奈「はぁ・・・はぁ・・・！（体中が焼けるように熱い・・・！苦しい・・・！もう嫌だ・・・！こんなデュエル・・・！）」

　今にも泣き出しそうな顔の遊奈。すると次の瞬間

海座「そうだよ！その苦痛に歪んだその顔！それこそが、オレが求めていたものだ！ヒャハハハハハハ！」

　遊奈を指さし、嘲笑う海座

遊奈「・・・私は・・・モンスターを・・・セット・・・ターン、エンド・・・」

海座「ククク・・・どうやらもう戦う気力も残されていないようだな・・・。だが、容赦はしない！貴様をさらなる地獄に叩き込んでくれるわッ！」

　すると次の瞬間

海座「俺のターン！手札から、魔法カード発動！」

遊奈「！？」

海座「『ドラゴン・目覚めの旋律』！」

遊奈「そ、そのカードは！？」

海座「このカードは手札を一枚捨てることで、デッキから『ブルーアイズ』と名の付くカードを二枚まで手札に加えることができる！来いッ！俺のブルーアイズ！」

　海座の手札に二枚のブルーアイズが加わった。さらに次の瞬間

海座「さらなる地獄を見せてやる！魔法カード『融合』発動！」

遊奈「！！？」

海座「これぞ史上最強にして華麗なる、究極モンスターの姿だ！いでよ！『ブルーアイズ・アルティメット・ドラゴン』！！！」

　ピカーッ！　ドッギャァァァァァン！！！

　ブルーアイズ・アルティメット・ドラゴンが召喚された

遊奈「あ・・・ああ・・・！！？」

海座「フハハハハハ！これでもう貴様に勝ち目はない！諦めるんだな！」

遊奈「・・・（無理だ・・・もう、勝てるわけがない・・・。ゴメン、鳥亜ちゃん・・・私・・・）」

　絶望に打ちひしがれ、諦めかける遊奈。すると次の瞬間

　バンッ！

遊奈＆海座「！？」

　突如、屋上の扉が開いた。すると次の瞬間

竜太「遊奈！」

　竜太が現れた

遊奈「りょ、竜太・・・！？ど、どうして・・・！？」

竜太「お前の家の前を通りかかったら、お前のおふくろさんがお前がいなくなったって騒いでたもんだから、もしかしたらと思って来たんだ！」

遊奈「・・・もう、いっつも遅いんだから・・・」

　竜太の登場に、少し気を持ち直す遊奈

海座「ちっ！また貴様か・・・！」

　すると次の瞬間

竜太「あ！？と、鳥亜さん！？なんでここに！？それにてめえは昨日の！・・・ちっ！そうか！そういうことだったか！待ってろ！今、俺が・・・！」

　事態を察し、海座に飛びかかろうとする竜太。だが次の瞬間

　バリバリバリ！

竜太「ぐわぁぁぁぁっ！？」

　謎の力に遮られ、吹き飛ぶ竜太

遊奈「竜太！？」

竜太「く、くそっ・・・！ど、どうなってやがんだ・・・！？」

　すると次の瞬間

海座「ハハハハハハ！闇のゲームは一度始まってしまえば、何人たりとも邪魔することはできない！勝者と敗者が決するまで、戦い続けるしかないのだ！」

遊奈「なッ・・・！？」

竜太「なんだって・・・！？」

　すると次の瞬間

海座「・・・おっと、そういえばまだ俺のターンだったな。いけ！『ブルーアイズ・アルティメット・ドラゴン』の攻撃！アルティメット・バーストォォォォォッッッ！！！」

　ゴゴゴゴゴ・・・！　ドカーン！！！

遊奈「キャアァァァァァーーーッッッ！！！」

竜太「ゆ、遊奈ァーーーッ！！！」

　アルティメット・ドラゴンの攻撃が炸裂。その衝撃で吹き飛ぶ遊奈

海座「・・・ターンエンド。さぁ、次が貴様のラストターンだ！」

遊奈「・・・・・・」

竜太「遊奈！しっかりしろ！おい！遊奈！遊奈！」

遊奈「・・・」

　竜太の呼びかけにも、反応がない遊奈

遊奈「（竜太・・・ゴメン、私、もう無理だよ・・・。もう、体が動かないよ・・・）」

　徐々に意識が遠のいていく遊奈。すると次の瞬間

　ピカーッ！

竜太「えっ！？」

海座「な、何だこの光はッ！？」

　突如、千年リングが光り輝きだした。そして次の瞬間

？（・・・奈、・・・奈、起き・・・・・・奈・・・！）

遊奈「え・・・？・・・こ、この声・・・ま、まさか・・・！」

　顔を上げる遊奈。すると次の瞬間

遊奈「！？」

真羽斗（起きなさい、遊奈・・・！）

　なんと、そこには兄・真羽斗の姿があった

続く