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HOME > 遊戯王SS一覧 > 第三章 ー決闘(ディアハ)⑫ー

第三章 ー決闘(ディアハ)⑫ー 作:T@KAKKU☆

ユウナ「ええっ!?そ、そうなんですか!?にしては随分エラソーだったけど・・・」

  すると次の瞬間

アイシス「彼はいつもああなのです。故に私たちも、手を焼いているんですよ」

ユウナ「そうなんだ・・・アイシスさんたちも大変ですね・・・」

アイシス「ふふ、そうね。だから、あまり気を悪くしないでね」

ユウナ「はぁ・・・」

アイシス「私が言うのもなんですが、彼も私たちと同じなのですから、もう少し私たちを信頼してくれてもいいと思うのですがね・・・」

マハード「・・・」

 すると次の瞬間

アイシス「それに、彼はマハードとは特に馬が合わないみたいで・・・」

マハード「うぐっ!」

  アイシスの思わぬ攻撃に、顔が引きつるマハード

ユウナ「・・・そうなの?お師匠サマ・・・?」

  すると次の瞬間

マハード「・・・その通りだ。自分で言うのも何だが、あの者とは多分来世でも分かり合えないような気がする・・・」

ユウナ「あ、あはは・・・こりゃ相当根深いわね・・・」

 マハードの独白に、思わず引いてしまうユウナ。すると次の瞬間

アイシス「・・・マハード。あなた、何かセトに嫌われるようなことをしたのではなくて?」

マハード「ええっ!?そ、そんな!?滅相もない!」

 アイシスの再びの攻撃に、慌てふためくマハード

アイシス「ホントに・・・?」

 疑うアイシス。すると次の瞬間

マハード「ホントですって!・・・ただ・・・」

ユウナ&アイシス「ただ・・・?」

マハード「・・・ただ、彼が神官に成りたての頃、神官としてのあり方を少し説いただけで・・・」

ユウナ&アイシス「!?(それだッ!)」

 思わず心の中でツッコむ二人

ユウナ「(え、ええ~っ!?ってか、お師匠サマの方があの人より先輩だったの!?なのに、あんな言われようって・・・)」

 マハードの威厳の無さに、思わずヘコむユウナ

アイシス「はぁ・・・。全く、貴方って人は、お節介が過ぎるのですよ。もう少し柔軟に事を運ぶことを覚えなさい」

マハード「はぁ・・・も、申し訳ない・・・」

 思わず謝るマハード。すると次の瞬間

マハード「・・・ですが、やはりあの『力』への執着はどうにかならないものでしょうか・・・?」

ユウナ「そ、そうよ!何であんなに『力』にこだわるのかしら?あのこだわり方は異常よ。何か事情でもあるのかしら・・・?」

 すると次の瞬間。アイシスが神妙な顔つきで話し始めた

アイシス「・・・セトは・・・幼い頃に両親を亡くしているのです」

ユウナ「え・・・!?」

 突然のことに、驚きを隠せないユウナ。アイシスはさらに続ける

アイシス「現在、残された家族は弟一人しかいません。そのため、自分たちの身を守っていくためには、自らの『力』に頼るしかなかった。それが彼が『力』にこだわる理由です」

ユウナ「そうだったの・・・。なんか可哀そう・・・」

 セトの真実を知り、思わず同情するユウナ

アイシス「私にも弟がいるので、彼の気持ちはよくわかります。弟を守るためには、強くなるしかなかったのです・・・」

ユウナ「・・・」

 すると次の瞬間

ユウナ「・・・で、でも!だからって子供を犠牲にしてまで敵を倒すことはないんじゃない!?お師匠サマの言う通り、そんなの絶対間違ってるわ!」

マハード「・・・!」

 だが次の瞬間

アイシス「そうですね。・・・ですが、おそらくセトにとっては他人のことなど、さほど重要ではないのです。目の前に立ちふさがるものは、敵味方関係なく葬り去る。それが彼のやり方です」

ユウナ「そ、そんな・・・!?」

 すると次の瞬間。今まで静観していたマハードが、おもむろに口を開いた

マハード「・・・それに、おそらく奴はわかっていたはずだ。あそこに子供がいることを・・・」

ユウナ「ええっ!?じゃ、じゃあ何で・・・!?」

 思わぬことに、驚きを隠せないユウナ。すると次の瞬間

マハード「おそらく、一撃で敵を倒せるという、ゆるぎない自信があったのだろう。そして、それを見事に体現した。自らの力を信じぬく信念。それが奴の『強さ』だ・・・」

ユウナ「・・・な、なんて人なの・・・!?」

 マハードの言葉に、愕然とするユウナ。すると次の瞬間

マハード「いずれは、ファラオにすら匹敵するほどの人物となるやもしれん」

ユウナ「・・・」

 だが、次の瞬間

マハード「・・・だが、その時どうなってしまうかは、今後の奴次第といったところか・・・」

続く
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