第109話　恨みを込めた再開　作：くちなし

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咲夜は朝比奈さんから貰ったWWのカード3枚、ハルヒから受け取った1枚のカードをデッキに入れて、
そのデッキを手に、Dホイールと共に走り出した。

咲「ハルヒがあんなにやられるなんて、、」

「プトレマイオスの願い」の事を思い出す。そういや、もうすぐ七夕だな。。

ーーー回想①始

　「さあ、今日は何の日だ？」
ハ「7月7日、七夕じゃない」
　「今日は七夕のデュエル大会を決行するよ！優勝賞品は、、なんと、好きなカード1枚をプレゼントするよ！」
ハ「私も参加するわ！」

この「七夕のデュエル大会」で初めてハルヒと顔を合わせた。咲夜は幼少時はクジャドルを使っていた。ハルヒは
誰とも話さず、話しかけても、軽く流していたので、周りからは「冷徹氷女の早柿」とあだ名まで付けられていた。

咲「行けっ！ロード・ウォリアーでデストーイ・シザー・ベアーに攻撃！」
ハ「じゃあ、その時に魔法の筒発動、ロード・ウォリアーの攻撃力、3000のダメージをあんたに与えるわ」
咲「むむ、、でも、、」

大会は結局、ハルヒが準優勝となった。

咲「ねえ！」
ハ「何よ、なんか様なの？」
咲「楽しかったよ！また、デュエルしてちょうだい！」
ハ「何よ、、」

咲夜のこの言葉をきっかけに、2人の中が深まった。そして、トモダチとしての仲になったのだ。

その日の夜。

ハ「ねえ、あんた」
咲「あ、キミはさっきの、、」
ハ「名前は？」
咲「咲夜。水無月咲夜だよ」
ハ「咲夜、、アリガト」
咲「え、、？僕、お礼を言われるようなコト、何もしてませんよ？」
ハ「あたしに話しかけてくれたでしょ。だから、アリガト」
咲「お気になさらず」

少しの間、沈黙の時が流れる。

咲「そのカードは何ですか？」

咲夜が指したのは、パスケースらしきものに入っていた「星守の騎士 プトレマイオス」。

ハ「これ？お守りよ。私、孤児なの。だから、このプトレマイオスやカード達が一緒に居てくれる存在なのよ。
今日のこの大会だって、このプトレマイオスにお願いしたんだから。優勝は出来なかったけど。それでも、
私のプトレマイオスは無敵なのよ！」
咲「そうですか」

ーーー回想①終

ハルヒはさっきも(控室に居る時も)プトレマイオスを握っていた。

ーーー回想②始

時は有希と蓮の病院の搬送にヘリコプターが動いた後に戻る。
咲夜は心配しつつ、控室に戻ろうとした。

咲「やけに静かだな、、。中、誰もいないのかな？」

少しだけ扉を開くと、ハルヒが1枚のカードを握って、何かをしていた。まるで何かをお願いしている様に。

咲「ハルヒ、、？」

その1枚のカードがプトレマイオスだった。何か言っていたが良く聴き取れなかった。咲夜は気付かれぬ様に、
静かに扉を閉め、ゆっくりとその場を立ち去った。

ーーー回想②終

咲夜は既にコースを走っている。手札を5枚引き、準備完了。いつでもOK状態。因みに、ハルヒは、せめてもの
決断なのか、団長としてのプライドなのか、どんな手で今に至るのは正直不明だが、相打ちで引き継いで
くれたおかげで、対処に面倒な「餅カエル」とやらを相手にせずに済んだ。ありがとよ、団長さんよ。

？「あれ？最終走者、誰かと思ったら、、お兄ちゃんじゃん！」
咲「、、えっ！？」
イ「お、」
桃「お兄ちゃん！？」
無「なんと、、、！」
梨「、、」

驚くのも無理はない。何故って？咲夜の最終走者の相手、それは咲夜の妹だったからだ。

咲「なんで、、なんで、此処にいるんだよ！」
？「もちろん、お兄ちゃんを倒すためよ」
咲「ここにいる以上、そうだけど、、」
？「そうじゃなくて、息の根を止めるの！」
咲「なんでだよ？なんでなんだ、早苗、、」
早「お兄ちゃんが無理矢理外に追い出したから、私はルシアスの攻撃を正面から受けた、、あの時は死を
覚悟したわ、、でも、何故かルシアスは私を生かした、、助けたのよ、、それから、私はお兄ちゃんを倒す為に
色々な地をさ迷い歩いたわ。したら、アカデミアに特待生として迎えられたと知ったわ。私がこんなに苦労しているのに、何も苦労してないお兄ちゃんが良い思いばっかりして、、、私はお兄ちゃんが憎いわ。昔からそうだった。私を除け者にして、楽しい思いばっかりして、だから、今回お兄ちゃんがここに来ることを知って、チームとして、敵として、お兄ちゃんを倒しに来た！」
咲「、、」
早「今此処で会ったのも何かの縁、今までの苦痛を、じっくり味あわせてあげるわ！」
咲「、、(話もできそうにないな、、)」
早「行くわよ、！」

2人「決闘！！」　(咲夜LP4000 VS 早苗LP4000)

司「最終戦は、まさかの兄妹対決らしい！お互いを知っているこのデュエル、どう動くのでしょう！」

早「言っておくけど、今までの私とは桁が違うから！」

ハルヒが抜けた時のターンは43。敵のターンか。つまり、このデュエルは咲夜からスタートする事になる。


Turn44　TP 咲夜　手札5→6

咲夜の初手。
「オッドアイズ・フュージョン」、「Em トランプ・ウィッチ」、「復活の福音」、「死者蘇生」、「神の通告」

因みに、フィールドは、ハルヒの遺しただろう伏せカードが1枚。早苗の場にはハルヒの
「デストーイ・デアデビル」が1体。

早「何してるのよ！早くカードを引きなさい！」
咲「(このドローで、あのカードを引ければ、、)」

「ドロー！」

咲夜が引いたのは、、「WW－アイス・ベル」だ。朝比奈さんが渡したカード。ありがとうございます。

「自分の場にモンスターが居ない時、手札のWW－アイス・ベルは特殊召喚できる！」

WW－アイス・ベル　DEF 1000

「そして、デッキから「WW」モンスターを特殊召喚できる！来て、WWーグラス・ベル！」

WWｰグラス・ベル　DEF 1500

「そして、グラス・ベル特殊召喚成功時、デッキから「WW」モンスター１体を手札に加える。僕はデッキから、
WW－スノウ・ベルを手札に加えて、自身の効果で特殊召喚！」

WW－スノウ・ベル　DEF 100

「僕は、☆3のWW－アイス・ベルに☆4のWWｰグラス・ベルをチューニング！」

≪疾風よ！今、此処に一つとなりて、新たな風を呼び覚ませ！≫

『S召喚、現れよ、クリアウィング・ファスト・ドラゴン！！』

クリアウィング・ファスト・ドラゴン　ATK2500

「さらに、☆7のクリアウィング・ファスト・ドラゴンに☆1のWW－スノウ・ベルをチューニング！」

≪煌く翼、雄々しく広げ、疾風の彼方より現れよ！≫

『S召喚！現れよ、クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン！！』

クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン　ATK3000

早「新デッキ、、」

「僕はカードを2枚伏せてターンエンド」


Turn45　TP 早苗　手札5→6

「私のターン！」

咲「、、！(来る、、)」

咲夜は兄、と言うのもあって、早苗が使うデッキを知っているが、それでも行動が完璧に読めない。早苗が
使うのは、、現代でもかなりの強デッキ、「十二獣」だからだ。

「私は手札から、十二獣の開局を発動！」

『十二獣の開局』　永続魔法(要約)
①自分の場の表側表示のカード１枚を対象としてこの効果を発動できる。そのカードを破壊し、デッキから
「十二獣」モンスター１体を特殊召喚する。
②このカードが効果で破壊され墓地へ送られた場合、自分フィールドの「十二獣」Xモンスター１体を対象
　として発動できる。墓地のこのカードをそのＸモンスターの下に重ねてX素材とする。


「私は開局自身を破壊し、デッキから十二獣モルモラットを特殊召喚する！」

咲「そうはさせない！カウンター罠、神の通告！その特殊召喚は無効にする！」


『神の通告』　カウンター罠　(要約)
①1500LPを払って以下の効果を発動できる。
●モンスターの効果が発動した時に発動できる。その発動を無効にし破壊する。
●自分又は相手がモンスターを特殊召喚する際に発動できる。その特殊召喚を無効にし、破壊する。

咲夜LP4000➡2500

「カードを1枚伏せてターンエンドよ」


《フィールド》
咲夜　LP2500　手札4
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン　ATK3000
伏せカード1枚
？？？
？？？

早苗　LP4000　手札4
デストーイ・デアデビル　ATK3000
伏せカード1枚


第110話へ続く