第三十八話　思わぬピンチヒッター　作：くちなし

カケルのターン。「サムラｰI」を出し、「イリテュム」を破壊。ターン終了するが、次のターンで「ヘリオス・トリス・メギストス」を特殊召喚。攻撃力10200という数値に驚愕するクルト。さらに魔法効果でダメージ拡大を付与し、クルトの「ゼルナイト」に攻撃宣言をする⋯⋯
・クルト　LP2600　手札3　場3　墓地10　・カケル　手札2　場3　墓地0
・イリア　LP8000　手札0　場0　墓地1
・ヴェント　LP3600　手札5　場2　・精鋭A　LP6000　場0
・精鋭B　LP6000　場2　手札5


「『トリス・メギストス』でクルトの場の『星魂神龍ゼルナイト』を攻撃！！フェニックス・オーバーロード！！！これで終わりだ！！！」
そう言うと「ヘリオス・トリス・メギストス」から巨大な炎の鳥が現れる。

「神聖なる不死鳥の炎を受けて滅びろ！！」
そう言うと炎がクルトの方に向かう。
「クルト！！」
イリアは言う。


～ジャックサイド～
子供達サイドでは謎の人間カゲローが、見守っていた。
「姉ちゃんたち、大丈夫かな？」
アトロが言う。
「そうだよ！」「負ける訳無いじゃない！」
セントとセレナが言う。その中、ジャックの顔は曇っている。
「いや、やばいみてぇだぞ？」
ジャックは言う。ジャックは持っていた端末で試合の様子を見ていた。すると青ざめた様子で
「あの時、隠しカメラを設置しといたんだが⋯⋯」
というと、皆が寄ってくる。すると画面には、攻撃力10200の「ヘリオス・トリス・メギストス」がいた。
「え⋯⋯攻撃力が⋯⋯」
アトロは言う。皆は首をかしげる。「攻撃力がどうしたの？」と。
「攻撃⋯⋯力⋯⋯え⋯！？クルト兄さんの「ゼルナイト」が攻撃力10200のモンスターにアタックされてる！！」
「何だって⁉」
皆は言う。少し遠くにいたカゲローは
「兄者は大丈夫なのか？」
という。アトロは
「この攻撃、装備魔法で、ダメージが3人全員に与えられるようになってる⋯⋯！攻撃対象がクルトの『ゼルナイト』で、ダメージは7200⋯⋯。この攻撃が対処できないと、イリアさんもカケル兄ちゃんも負けちゃう！」
焦っていった。
「何と⋯⋯！」
カゲローは何かに気付いたようだ⋯⋯


⋯⋯⋯こちらクルトサイドに戻る。
「僕は⋯⋯どうしたらいい⋯⋯どうにもならないのか⋯⋯？」
クルトは言う。2人も何も言わない。すると

【まだ諦めないで⋯⋯！クルト⋯】
【この声は⋯⋯！ゼルナイト⋯！】
【もう少し⋯⋯もう少し⋯⋯】
【どういう事⋯⋯？どういう事⋯⋯⁉】
そのあとは聞こえない。

「今のが⋯『魂魄聖話』かな⋯⋯？ゼルナイトの声が⋯⋯」
クルトはそっと胸に手を当てる。

「さぁ、焼け滅びろ！！」
ヴェントが言う。すると

「クルトーー！！」
誰かが叫ぶ。クルト達は勿論、ヴェントも驚く。
「リバース罠、オープン！！『舞い戻る衝撃』！ダメージを無効化しつつ、攻撃モンスターの攻撃力分のダメージを相手に与える！！」
その誰かが言った。

「何⋯⋯⁉誰だ⋯⋯！」
ヴェントが言う。
「え⋯⋯⋯⁉」
クルトも驚いている。驚いている間に、クルトへ向けられた不死鳥の炎がヴェントのもとへ舞い戻る。
「ウワァァ⋯⋯！！」　(ヴェントチーム　LP6000＆2300➡0)

《勝者　クルト、カケル、イリア》


「ふう⋯⋯間に合った⋯⋯」
すると上から声がした。


第三十九話へ続く