第１４話　戦う意味が無い　作：BLUE忍者

ガエル・サンデス「なぜお前がそのカードを持ってるんだ？」

ひょうすべ「え？」

カイ夫「このカードって……」

ガエル・サンデス「そりゃ海竜神のカードじゃねえか。　あいつが他人にカードを授けるということは……」

オタマジャクシ「師匠、そのカードがどうしたってんですか？」

ガエル・サンデス「お前ら海竜神からどんな使いを受けてるんだ？」

カイ夫「アトランティスに向かうよう言われていたのですが……」

ガエル・サンデス「なるほど。　アトランティスか。　それにしちゃ方向が逆な気がするが」

ひょうすべ「龍の力を借りるために氷結界に向かってたんだ！　この海で起ころうとしている戦争を止めるためにな！」

ガエル・サンデス「氷結界！？　ぐわっはっはっはっは！　面白うことを言う小童どもだ。　しかし……お前らに託してみるのも面白いかもな」

オタマジャクシ「師匠だめだ！　こいつらが戦争を止めたらおれっち達の住処は小さいままだぜ！？　一回戦争でも起こさないとダメなんだよ……」

オタマジャクシが力なくうなだれた。

ガエル・サンデス「お前らにひもじい思いをさせてしまっていて申し訳ない。　だが、おれ様は海竜神を信じよう」

オタマジャクシ「そんな師匠！」

ひょうすべ「おいおい！　勝手に話進んでるけど、このデュエルはどうするんだよ！」

ガエル・サンデス「戦う意味が無い。　もう終わりにしよう。　それでいいだろ？」

カイ夫「僕はそれでいいです。　元々戦う必要なんてなかったので」

オタマジャクシ「まあ、それでいいけどよ……勝敗はおれっちの勝ちだぜ！」

ひょうすべ「は？　なんでだよ！」

カイ夫「それでいいですよ。　僕にはガエル・サンデスは倒せませんから」

オタマジャクシ「そうだろ？　師匠はすごいんだからな！」

ガエル・サンデス「ぐわっはっは……そしたら話は終わりだ！　草原の出口まで連れて行ってやろう！」

僕らはガエル・サンデスの背に乗り草原を進んだ。
やたらと大きな揺れに合わせて、どこか誇らしげな表情のオタマジャクシと肩を寄せ合いながら。

――　一方そのころ

弓マー「もう！　ひょうすべったら自分の部屋も片さずに出ていくんだから！　どうすんのよこのガラクタ！」

舌魚「使い道の思いつかんカードばかりじゃが……」

FF「こんなカード誰も装備できないしねー」

海神の巫女「ガラクタのように見えても、母なる海の産物に変わりはありません」

恍惚の人魚「そしたら捨てるのも出来ないし、誰か持っていってあげたらん？」

弓マー「えー！　あたしイヤよ！」

ザリガン「俺も嫌だぜ！」

海神の巫女「仕方ないですね……そしたら私が行きましょう。　きっとこれもポセイドン様のお導き」

恍惚の人魚「ありがとう巫女ちゃん♡」

舌魚「道中気を付けての……」

海神の巫女「ありがとうございます。　とりあえずアトランティスに向かってみます！」