第８話　水之世界　作：BLUE忍者

あれからどれくらい進んだだろう。

　たぶんそれほど進んでいないのかもしれないけど、僕の体は、何千里を超えたかのように重かった。

ひょうすべ「くそ！　見失ったか！？」

カイ夫「方角はこっちであってると思うのですが……」

ひょうすべ「ん！？　海の上に何か浮いているみたいだぞ！」

　海から上がってみると、そこには氷に包まれた浮島がたくさんありました。

カイ夫「何ですかここは？」

ひょうすべ「俺たちがいたとことは別の海に着いちまったみたいだな」

＊「おい、お前ら。　見ない顔だな」

ひょうすべ「あ？　誰だお前ら」

＊「おれっちか？　おれっちは悪魂邪苦止だぜ！　夜露四苦！」

　なんか痛い子たちだな。

オタマジャクシ「おいお前ら！　おれっちの縄張りでデカい顔すんじゃねえぞ！」

ひょうすべ「俺たちゃ仲間を探してるとこなんだ。　お前らに構ってる暇ないの」

オタマジャクシ「うるさい！　お前らここを通りたかったらおれっちとデュエルしろ！」

カイ夫「あー……っと。　どうしましょう？」

ひょうすべ「めんどくせえな……。　ささっと片づけてやる！」

オタマジャクシ「よし！　かかってこいや！」


　ひょうすべVS悪魂邪苦止

　Ｄ　Ｕ　Ｅ　Ｌ　！　！


オタマジャクシ「先攻はもらうぜ！　ドロー！　モンスターをセットしエンドだ」

ひょうすべ「ドロー！　弓を引くマーメイドを召喚！　セットモンスターに攻撃だ！」

弓を引くマーメイドATK1900ＶＳ悪魂邪苦止DEF0

弓マー「あら、かわいい子ね！」

弓マー（何かしら……？　いつもより力が湧いてくる感じが……）

オタマジャクシ「効果発動！　悪魂邪苦止を２枚手札だ！」

ひょうすべ「なんだ雑魚か！　カードをセットしターンエンドだ」

オタマジャクシ「ほざいてろ！　ドロー。　モンスターをセットしターンエンド」

ひょうすべ「負け惜しみか？　ドロー！　ひょうすべを召喚！　セットモンスターに攻撃！」

ひょうすべATK2000VS貫ガエルDEF0

ひょうすべ「ダイレクトだ！」

オタマジャクシLP4000→2100

弓マー「ちょっとひょうすべ、子供相手に本気出し過ぎじゃない？」

ひょうすべ「俺らは急いでんの！」

　おかしい……これだけこちらが優勢なのに、相手が全く動じていない……？

オタマジャクシ「ドロー！　……このターンで終わりだな」

ひょうすべ「はっ！　負け犬の遠吠えもここまで来ると聞こえがいいね！」

オタマジャクシ「ふんっ。　悪魂邪苦止を墓地に捨て、鬼ガエル特殊召喚だぜ！　そして、粋カエルを墓地送りだ」

ひょうすべ「はん！　雑魚じゃねーか！」

オタマジャクシ「ふふ。　鬼ガエルをリリースする！　そして」

＊「こら！　やめなさい！」

　誰だ！

オタマジャクシ「げげっ！　マザー！　きょ、今日のところは見逃してやるぜ！」

　そう言ってオタマジャクシは逃げていった。

マザー「もう、ここはデュエル禁止区域ですよ？　私は、このウォーターワールドの管理をしているマザー・ブレインです」

ひょうすべ「なんでえ。　ただガキのお守りをしてただけなのによ！」

マザー「いや、あなたはあの子に負けていましたよ」