第1話 始まり　作：タクシードライバー

とある高校の屋上。そこには神呪 遊呂と幼なじみの相道が空を眺めていた。

遊呂「…………」
相道「なぁ、遊呂。1つ聞いていいか？」
遊呂「………なに。」
相道「いや、いつも昼休みに屋上に来てこうやって空を眺めているけど何か理由でもあるの？」
遊呂「……いや。ただ空を眺めているだけ。それ以外にすることないし……」
相道「することないって……。入学して1ヶ月経つけどお前いつも空を眺めるか教室で寝るしかしてないじゃん。何か趣味ないの？読書とか。」
遊呂「……ない。」
相道「うーん………。あ、デュエルモンスターズやったことある？今結構流行ってるけど。」
遊呂「ない。」
相道「即答だな。カードすら持ってないのか？」
遊呂「………………。」
相道「おいおい……。あ、そうだ。お前今日放課後時間ある？」
遊呂「……ない。」
相道「いやあるだろ。どうせ帰ってもお前寝るだけだろ。俺が面白いところに連れてってやるよ！」
遊呂「………はぁ……。」

〜放課後〜
放課後、遊呂は相道に連れられてとある場所に向かっていた。そして遊呂達の目の前にはボロボロの店があった。そこまで汚れてはいないが古い感じの店であった。

遊呂「………ここは？」
相道「俺行きつけのカードショップだよ。入るぞ。」

〜店内〜
店長「いらっしゃい。おや。相道君じゃないか。」
相道「こんちは。店長。」
店長「隣の子はお友達かい？」
遊呂「違います。」
相道「酷いな！おい！幼なじみだろ！？………。まぁ、いいや。店長。こいつ幼なじみの遊呂。こいつデュエルモンスターズやったことないから一緒にやろうとして連れて来たんだけどさ。何かいいカードとかない？」
店長「うーん。ならこのデッキを貸してあげるよ。ドラゴン族デッキ。結構使いやすく組んではあるから使ってみたら？」
遊呂「…………。」
相道「1回やってみようぜ！な？」
遊呂「…分かったよ。やればいいんでしょ？」
相道「よっし！じゃあ早速俺が相手を……」

バァン！店のドアを蹴破る音が聞こえた。
金髪のキラキラしたオーラを纏ったかなのような少年が入ってきた。

？？？「おい。来てやったぞ店長。」
店長「か……金原君……。」
金原「おいおい今日も誰もいないのかよ。この店は。うん？何だ。いるじゃねぇか。」
相道「か…金原。」
金原「何だ。相道かよ。つまねぇな。ん？隣の奴は誰だ。」
遊呂「誰。あのテカテカヘアー。」
金原・相道「………。」
相道「あ、あいつは金原 真治（かねはら しんじ）。ここの店のナンバー1で、あいつのせいでここの店にはデュエリストが来なくなっちまった。」
金原「人聞きが悪いな。他の連中が弱っちぃだけだろ。お前だって俺に負けたろ。」
相道「くっ……。」
金原「まぁいい。そこのお前。名は？」
遊呂「……遊呂。」
金原「遊呂か。では遊呂。この俺様とデュエルだ！俺が勝ったら貴様の持つ全てのカードを頂くぞ。」
遊呂「………わかった。ただし俺が勝ったら何も言わずに俺を帰らせろ。」
金原「か、帰る？構わんが本当にそれでいいのか？レアカードとか求めないのか？」
遊呂「……あぁ。俺はさっさと帰りたい。」
金原「変わったやつだ。まぁいい。デュエルディスクを構えて表に出ろ。」
遊呂「………。」
店長「遊呂君。デュエルモンスターズ初めてなのに無理しなくても……。」
遊呂「店長さん。デュエルディスク貸してください。」
店長「デュ……デュエルディスク？い、いいけど本当にやるのかい？彼、強いよ？」
遊呂「…………構いません。やるだけやります。」
店長「わ…分かったよ。」

〜店の外〜
金原「来たな。では行くぞ！！」
遊呂「………。」

金原「デュエル！！」
遊呂「……デュエル！」