36 予選最後の嵐、ライフを棄てた一撃！　作：ギガプラント

楯山「…僕のカードを利用して回復だと？」





楯山「そんなこと………させてたまるか！！」


楯山「天魔の小競り合いは、発動後一番最初にライフが変動した時、そのライフを変動前の数値に戻す。」


夏武斗「くっ…回復まで阻止されちまったか…。」


楯山「……但しこの効果によるライフの変動を受けるのは、お互いのプレイヤーだ。」


夏武斗「えっ？」


楯山「つまりこの瞬間、お互いのライフは２０８００ポイント下がった数値となる。」夏武斗ＬＰ２１７００→９００　楯山ＬＰ２１９００→１１００


夏武斗「楯山のライフも……。」


楯山「ライフ変動によりネオパーシアスの攻撃力も下がる……。」ＡＴＫ２３３００→２５００


楯山「ネオパーシアスの攻撃力は貴様のエースモンスターと同格にまで落ちた。…貴様の狙い通りだよ。」


楯山「だが……！ライフ回復などさせはしない！」


夏武斗（くっ…！あんだけライフを回復すれば一先ず持ち直せると思ったけど…。）


夏武斗「…カードを１枚セットしてターンエンド。」




ロバート「へぇ……予選中最大ライフと最大攻撃力が出たって話聞いて来てみれば…。」


ロバート（面白そうなことになってんじゃんか。）



楯山「僕のターンだ！ドロー！」


楯山「ライフを回復して体勢を立て直そうとしたんだろうが、それも失敗に終わったな！」


楯山「貴様のライフはたったの９００！多大なライフを棄てる羽目になったが今度こそ終わらせてやる！」


楯山「サンライト・ユニコーンの効果発動！デッキトップを確認……！」


夏武斗「……！」


楯山「『天空騎士パーシアス』…まぁいい。装備カード以外だった場合そのカードは自分のデッキの一番下に戻す。」


夏武斗「ふう……。」


楯山「安堵している場合か？バトルフェイズ！ネオパーシアスでヴィクトリー・ビートルを攻撃！」


ロバート「攻撃力は互角か……だが」


夏武斗「ガーディニアンの効果によりヴィクトリー・ビートルは戦闘では破壊されないぜ！」


楯山「そんなことは百も承知さ！」



返り討ちに遭い破壊されるパーシアス。



楯山「天空の泉の効果発動！戦闘破壊されたネオパーシアスを除外し、その攻撃力分自分のライフを回復する！」ＬＰ１１００→３４００


楯山「一度減ったライフを回復させるなど僕には造作もないことさ！」


夏武斗「へっ！だがこれでお前のエースモンスターはいなくなったぜ！」


楯山「何を寝ぼけたことを……僕は永続罠『奇跡の光臨』を発動！」


楯山「ゲームから除外されている天使族モンスター１体を特殊召喚する！」


夏武斗「戻ってくんのか！？」


楯山「もう一度現れよ！ネオパーシアス！」星７・ＡＴＫ２３００→４８００


楯山「これで終わりだ！！再びネオパーシアスでヴィクトリー・ビートルを攻撃！超天空断撃！」


夏武斗「終わってたまるか！！罠カード発動！『スペリオル・ガッツ』！」


夏武斗「ライフを半分払い、このターン受けるダメージを全て０にする！」ＬＰ９００→４５０　ネオパＡＴＫ４８００→５２５０


楯山「くううう～っ！！しぶとい奴めええ！！」


夏武斗「勝負はこっからだぜ楯山！」


楯山「くそっ！サンライト・ユニコーンを守備表示に変更！」ＤＥＦ１０００


楯山「カードを１枚セットしてターンエンドだ！」



ロバート（ま、何とか防いだって感じだな。）


ロバート（さ、こっからどーする……？）



夏武斗「俺のターン！ドロー！」


夏武斗（このカードは……）



夏武斗「バトルフェイズ、ヴィクトリー・ビートルでサンライト・ユニコーンを攻撃！ヴィクトリーホーン・ストライク！！」


楯山「ふん！天空の泉の効果！１８００ポイントのライフを得る！」ＬＰ３４００→５２００　ネオパＡＴＫ５２５０→７０５０


夏武斗「メインフェイズ２。俺は……魔法カード『アドバンス・ドロー』を発動！」


夏武斗「自分フィールド上のレベル８以上のモンスター１体をリリースし、デッキからカードを２枚ドローする！」


夏武斗「レベル８のヴィクトリー・ビートルをリリース！」


楯山「！！」


ロバート「あれまぁ…。」


楯山「エースモンスターをコストに使ったか！ハッ！もう打つ手も無いようだな！」


夏武斗「頼む……応えてくれ俺のカード。」


夏武斗「ドロオオオォォォ！！」





夏武斗「よし！こいつならいける！俺は『次元ボタル』を召喚！」星２・ＡＴＫ８００


夏武斗「次元ボタルのモンスター効果発動！自分フィールド上のカード１枚を墓地へ送る事で、ゲームから除外されている昆虫族モンスター１体を特殊召喚する！」


夏武斗「俺は次元ボタルを墓地へ送る！戻ってこい！フェニックス・バタフライ！！」星７・ＡＴＫ２４００


楯山「またそいつか！厄介な！」


夏武斗「俺はカードを１枚セット！！これでターンエンドだ！」



楯山（こいつ…！ここであのモンスターを再び呼び戻すとは…なんて引きの強さだ。）


楯山（だが！ここで僕がレベル４以下のモンスターを引けば…！）


楯山「僕のターン！ドロー！！」


夏武斗（下級モンスターじゃなければ…まだ戦える！）










楯山「よし！引いたぞ！！僕は『天空の使者 ゼラディアス』を召喚！」星４・ＡＴＫ２１００


夏武斗「くっ……！」


楯山「このカードはフィールドが天空の聖域でなければ破壊されてしまうが、その攻撃力は並のモンスターでは超えられない！」


楯山「…といっても、今の貴様には関係がないか。」


夏武斗「………」


楯山「今度こそ終わらせてくれる！バトルだ！ネオパーシアスでフェニックス・バタフライを攻撃！超天空断撃！！」


夏武斗「フェニックス・バタフライの効果発動！ブレイズライフ・シールド！！」


楯山「だがそれも次の攻撃は防げない！！これで最後だ！！」






夏武斗「……へへ！」


楯山「！！？」


夏武斗「速攻魔法『速攻性術式（クイック・ソーサリー）』を発動！」


夏武斗「このカードは、自分の手札とフィールドのカードの合計数が相手フィールドのカードの数より少ない場合、自分の墓地の速攻魔法カード１枚を発動できる！」


夏武斗「俺は墓地から『バタフライ・エフェクト』を発動！」


楯山「そのカードは…！」


夏武斗「自分の昆虫族モンスターがカードの効果によって破壊された時、相手フィールド上の魔法・罠カードを全て破壊する！」


夏武斗「１回目は防がれちまったけど、今度はどうだ！」


楯山「く、くうううぅぅぅ～！！！罠カード『天空の加護』を発動！！」


楯山「フィールドが天空の聖域の時、このターン自分のモンスターは他の魔法罠の効果を受けない！！」


夏武斗「だがこれでお前の魔法罠カードは全て破壊だ！」


天空の聖域、天空の泉、奇跡の光臨、天空の加護の４枚が一斉に破壊される。


夏武斗「そっちのモンスターは天空の聖域がないと破壊されちまうんだよな？」


楯山「く…そんな…！」


ゼラディアスの身体が消えていく。


楯山「く、僕は……ターンエンド。」


夏武斗「エンドフェイズ！フェニックス・バタフライの効果発動！ブレイジング・リボーン！！」星７・ＡＴＫ２４００


楯山（まだだ、僕のライフは５２００もある…立て直すのは余裕だ！）



夏武斗「よっしゃ！俺のターン！！ドロー！」


夏武斗「俺は魔法カード『貪欲な壺』を発動！」


ビートルーパー、ウィングシマー、ブルズアイ・フェアリー、ドン・ヘラクレス、突甲戦士 ギラファイターがデッキに戻っていく。


夏武斗「自分の墓地のモンスター５体をデッキに戻し、カードを２枚ドローする！」


楯山「………！」


夏武斗「行くぜ！俺は『ユニバード』を召喚！」星２・ＡＴＫ１００


夏武斗「そしてユニバードのモンスター効果発動！このカードと自分フィールド上のモンスター１体をゲームから除外し、その合計レベル以下のレベルのシンクロモンスター１体を墓地から特殊召喚する！」


夏武斗「俺はユニバードとフェニックス・バタフライを除外！蘇れ！ヴィクトリー・ビートル！」星８・ＡＴＫ２５００


楯山「なっ…ぐぅ！！」


再び大きな突風が巻き起こる。


ロバート「んなっ…！？」


ロバート（おいおいどーなっちゃってんの…？こんな過剰演出知らねえぞ…！）


細身の男（お～やお～や）



夏武斗「墓地のクレストウィング・フェアリーのモンスター効果発動！」


夏武斗「このカードをゲームから除外する事で、フィールド上のモンスター１体の攻撃力はエンドフェイズまで５００ポイントアップする！」


夏武斗「ヴィクトリー・ビートルの攻撃力をアップだ！」ＡＴＫ２５００→３０００


楯山「ぐっ…！」


夏武斗「そして最後に装備魔法！『イエロー・ジャケット』をヴィクトリー・ビートルに装備するぜ！」


夏武斗「装備モンスターの攻撃力は５００ポイントアップする！」ＡＴＫ３０００→３５００


楯山「装備魔法だと……貴様ぁ！！」


夏武斗「バトルだぁ！！ヴィクトリー・ビートルで天空勇士ネオパーシアスを攻撃！」


夏武斗「ヴィクトリーホーン・ストライク！！」


豪快な突進攻撃により身体を貫かれるネオパーシアス。



楯山「パーシアスっ！！ぐあああ！！！」ＬＰ５２００→４０００


ロバート「おおう…！」


夏武斗「イエロー・ジャケットの更なる効果発動！装備モンスターが戦闘を行った時、装備モンスターのレベル×２００ポイントダメージを相手ライフに与える！！」


夏武斗「ヴィクトリー・ビートルのレベルは８！よってその２００倍、１６００ポイントのダメージだ！」


楯山「装備魔法で僕に傷をつけるなど……ぐぅ！」ＬＰ４０００→２４００


夏武斗「そして！ヴィクトリー・ビートルは相手モンスターを戦闘で破壊し墓地へ送った時、もう１度だけ続けて攻撃できる！！」


楯山「そんな！？」


ロバート「……勝負ありか。」


夏武斗「行くぜ！ヴィクトリー・ビートルで楯山にダイレクトアタック！！」


夏武斗「ヴィクトリーホーン・ストライクゥゥゥ！！！」


楯山「馬鹿な…この僕が……があああぁぁぁ！！！」ＬＰ２４００→０




ＷＩＮ・夏武斗




楯山「くっ……まさかこの僕が予選落ちするなんて…。」


夏武斗「へへ…！良いデュエルだったぜ楯山！」


楯山「結局呼び捨てるのか！！お前には敬意という物がないのかぁ！！」


夏武斗「けーい？けーいって何だ？」


楯山「敬意とは尊敬の気持ちの事だ！目上や年上に対する……」


夏武斗「尊敬？って誰に…？」
ロバート「その辺にしといてやんな…。」


夏武斗「ロバートじゃんか！見てたのか！」


ロバート「まあな。とりあえずお前もこれで本戦出場決定か。おめでとさん。」


夏武斗「サンキュ！ロバートも勝ったのか？」


ロバート「当然。こんなとこで負けてらんねえよ。」


楯山「ｺﾞﾎﾟｺﾞﾎﾟ…。」


ロバート「あー…今負けた奴の前でする話じゃなかったな。…ってか大丈夫かこいつ？泡吹いてんぞ？」


夏武斗「ん？どうしたんだ楯山？」


ロバート「…自覚がないのも困りもんだねえ。」



楯山「があああぁぁぁ！！！覚えてろよ楠夏武斗！！今度こそ……今度こそ貴様を…！！」


夏武斗「ん？」


楯山「あ！あと！僕にたった一度偶然で勝った以上、あっさり負けたりしたら許さんからなあああ！！！」


走り去っていく楯山。


夏武斗「えーっと……とりあえずありがとな。ってもうあんなトコに。」


ロバート「あれまぁ…。」



夏武斗「そだ！仁や天姉も勝ってっかな！？」


ロバート「仁の奴は勝ってたぜ。見に行ってみっか。」


夏武斗「おう！」








細身の男「彼の事は…もう少し調べなきゃですかねぇ。」


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（？？？）


平留「戻りました。」


？「ご苦労。」


ヴァルト「一人ですか？」


平留「はい。あちらも今頃勝ち上がっている頃でしょう。」


アリス「とかなんとか言って…油断してサクーっと負けちゃってたりしないわよねぇ？」


平留「黙りなさい！」


アリス「ひいんっ！！」


平留「くだらない妄言を軽々しく口にするなど…まったくこれだから」


アリス「だぁ～もう！！ヴァルト！アイツの女嫌いなんとかなんないのぉ！！？」


ヴァルト「アリス様、そう熱くならずに…。」


？「奴も直に戻ると通信が来ている。」


？「明日にはお前達にも働いてもらう…。準備しておけ。」


アリス「はいはい、わぁ～てるわよ！」


ヴァルト「承知しました。」




？「そろそろ、私も行かねば……。」


？「ラーナ……全てはあなたの為に。」





終










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（次回予告）


夏武斗「やりい！！予選通過だぜ！」


天音「おめでとうございます！私も勝ちましたよ！これでみんな予選通過ですね！」


夏武斗「よっしゃ！それじゃあ明日あたりパ～っといこうぜ！！」


天音「いいですね！明日はまだ予選期間ですし一先ず予選通過おめでとう会という事で。」


天音「あ、でも大会中ですしどこの店も混んでるかも…。」


夏武斗「あぁ…それもそっか。どっか丁度いい場所は………」


夏武斗「次回！『ジェネシック強襲』」


仁「……何故俺を見る。」

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・困った時の貪欲