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HOME > 遊戯王SS一覧 > 【第十五話】デモンズ・アニマ

【第十五話】デモンズ・アニマ 作:うおさ123

フィールドのまとめ

龍亜 手札1枚 LP100
モンスター 《ライフ・ストリーム・ドラゴン/バスター》
魔法・罠 なし

紫のローブの男 手札0枚 LP400
モンスター 《デモンズ・エメラルドグリーン》《デモンズ・コマンド》
魔法・罠 なし


「行っけえ! 《ライフ・ストリーム・ドラゴン/バスター》で《デモンズ・コマンド》を攻撃、スーパー・ライフ・バースト!!」

爆音が響き渡り、爆風があたりを包み込んだ。

「ぜえ……はぁ……」

 この決闘で行われることはすべて現実となる。そのため二度もライフ500以下になった龍亜は二度死にかけているという事になる。数値としては示されない龍亜自身の体力も限界に近づいていた。そして爆風が晴れていく。

「今度は死ぬかと思ったぜ」
「な……!」

 紫のローブの男が爆風の中から姿を現す。

――完全に倒したはずだった。あいつの場には伏せカードも無かったし、手札だって0だった。それなのにどうして……

 が、龍亜のそんな疑問はすぐに打ち消された。そこに存在した1体のモンスターによって。

「《インペリアル・ガードナー[ATK不明DEF不明]》、決闘中たった一度だけ敗北という概念全てからプレイヤーを守る絶対防御だ。こいつを預かってなかったらヤバかったな」

 男の場にいる巨大な黄金の盾を持った、金色の龍は恐ろしく巨大で、周りの5メートルを超す木の、倍は有ろうかという高さから龍亜を見下ろしている。そして、その後ろには守られた《デモンズ・コマンド》がいた。

「そんな……」
「いやいや、お前は中々楽しませてくれたぜ。が、こいつを出させた以上は遊ぶ暇も無くなった」

 その言葉と同時に、役目を終えた《インペリアル・ガードナー》は消えていく。龍亜は渾身の攻撃を完全に防がれ、エンドフェイズには攻撃力が元に戻る《ライフ・ストリーム・ドラゴン/バスター》の効果によって、ライフは100まで下がっている。

――だけどまだ負けてない。俺の手札には《ライフ・バースト》がある。このカードは自分フィールド上の《ライフ・ストリーム・ドラゴン》またはその《/バスター》が攻撃された時、相手モンスターの攻撃力を全て半分にして、その数値分ライフを回復できる。これで次のターンをしのぎ切って、次のターンにもう一度ライフ・イズ・ストロングランスを発動すれば、勝機は見えてくる。

「俺はカードを1枚伏せて、ターンエンド」

ターンが帰る。

「俺のターン」

 男がカードを引き、そのカードを確認する。

「わりいがお前は地獄行き決定だ」
「何だって!?」
「俺は《デモンズ・バーストフュージョン》を発動!」

 男がそう叫ぶのと同時に空から一直線に落ちる光が《デモンズ・コマンド》に降り注ぐ。

「《デモンズ・バーストフュージョン》は、自分フィールド上のデモンズの通常モンスター1体を除外する事で、墓地とエクストラデッキから、既にこの決闘中に呼んだ融合モンスター1体ずつを召喚条件を無視して特殊召喚する! 再び舞い戻れ、《スカーレット》《ディープブルー》!」

 《デモンズ・コマンド》が消滅し、空から《スカーレット》、地を突き破って《ディープブルー》が舞い戻る。

「いきなり、2体の融合モンスター!!」
「ただし、この効果で呼び出したモンスターは攻撃力・守備力が0になり、効果も無くなる上、エンドフェイズ時に除外される」

《デモンズ・スカーレット》ATK2600→0 《デモンズ・ディープブルー》ATK2500→0

「そんな見せ掛けだけのモンスターに何ができるって言うんだ」
「まさか、この程度で済むは思ってねえよな」

 男の言葉に龍亜の背筋がゾクリとするが、自分にはまだ罠カードがある事を思い出し、自らを奮起させる。

「俺は《デモンズ・スカーレット》、《ディープブルー》、《エメラルドグリーン》を融合!」
「《融合》を使わずに、融合召喚!?」

 途端、周囲が暗くなって。いや、光が奪われていく。男が手にした漆黒に包まれたカードによって。

「何だよ、これ……?」
「幻魔混沌たる闇の邪神よ。この世界に死と殺戮をもたらし、全てを闇に葬り去れぇ! 降誕せよ、デモンズ・アニマァァ!!」

 男が叫ぶと、ゴゴゴ、と音を立てながら闇そのものが姿を現す。周囲が薄暗いのは当然だが、全く何も見えない巨大な闇が魔神の輪郭を保っている。

「ギシャアァァァ!!」

 闇が叫ぶ。

《デモンズ・アニマ》ATK0 DEF0 レベル・測定不能 効果・不明 種族・幻神獣族

これが、龍亜が焦りながらもデュエルディスクで確認した《デモンズ・アニマ》の能力とステータスの全てだった。

「そいつの攻撃力は0。いくら強い効果を持っていたとしても、それだけじゃ……」
「ギィラアアァァァ!!」

 震えながら龍亜が、ココロが折れない様に踏ん張って出していた声を嘲笑うかのように《デモンズ・アニマ》は咆哮を上げる。

ズドォォ!!

 《デモンズ・アニマ》から闇の瘴気が吹き出し、フィールド全体を圧迫する。と、同時にフィールド全てのカードが黒く染まり、爆散する。

「……ッ!」

龍亜は、余りにも圧倒的にもたらされた絶望を前に声を上げる事すらできない

「ギャオォォォ!!」

 闇は叫び続け、その輪郭が拡大する。

《デモンズ・アニマ》ATK0→2000

「《デモンズ・アニマ》でダイレクトアタック」

 非情な宣言が告げられるが、その声はいつもの男のモノとは違う抑揚のない声だった。

「デモン・ブラスト」

 《デモンズ・アニマ》はちょうど口のあたりに更なる闇の球体を作り出し、それをレーザーの様にして発射した。
ピシッ、ズドオォォォ!!

「うわあぁぁ!!」

爆裂と共に龍亜が吹き飛ばされる。


 続く

久しぶりの投稿です。諸事情により今まで遅れていましたが、結局これからもそれで投稿がかなり遅くなります。
楽しみにしている方がいるかどうかは別にして、とにかく謝ります。すみません
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モブ夫
1001だぜ!!シグナーやられまくってるが果たしてどうなるのか・・・? (2013-03-05 15:17)
うおさ123
まさか閲覧数1000を突破する日が来るとは……!
モブ夫さん、コメントありがとうございます。返信遅れてすみません (2013-03-12 15:44)

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