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HOME > 遊戯王SS一覧 > 前日譚フウラ編1

前日譚フウラ編1 作:繋ぎ手

風が吹いていた。あの時のことはどうしたって忘れられない。

「行こうよジンキ」
私はジンキの腕を引く。
「ちょっと、だめだってば」
彼は気が弱く、ルールもしっかりと守るような子だった
「いいのいいの。バレなきゃ大丈夫」
対して私は、元気いっぱいで事あるごとに切り傷や擦り傷を作るような子だった。
「わ、わかったから引っ張らないで〜」
それでも幼馴染ということもあり、私と彼はいつも一緒に遊んでいた。
その日も放棄された教会に向かっていた。
「わぁ、すごい綺麗」
教会の中に踏み入れるとそこには放棄されているとは思えないくらいに荘厳で少しひび割れたガラスから差し込む光が床を様々な色で照らしていた。
「ジンキも速く来て、すごいよ」
「うん。⋯ほんとだ、すごくきれいだ」
「でしょ!」
私は自分のことのように嬉しかった。その時
ピシッ⋯メキメキ
音のする方を見ると天井が崩れていた。
(あぁ、これ逃げられないやつだ)
「危ないっ!」
「きゃっ!」
彼が私を教会の外まで突き飛ばした。
少し呆然としたがすぐに駆け寄り無事かを確認した。
「大丈夫?⋯ねぇ聞こえてる?」
彼の返事はない。
「ねぇ、起きてお願いだから。」
触れてみるといつもより少しだけぬるかった。
空から光がさした。
「汝はその友を救いたいと思うのか」
空から声が聞こえた
「うん、ジンキを助けたい」
考えるよりも早く言葉が溢れた。自分がどうなってもいいから助けたいと思った。
「汝が願い聞き届けた」
光が収まった。すぐに彼が動き出した。
「ジンキ!ジンキ!大丈夫なの?」
「んん。ここは」
彼が起き上がる。
「ジンキ良かった⋯良かったよぉ」
涙がこぼれる。彼が無事だったから。これからも一緒に遊べると思ったから。だけど彼は
「そうだ”一人”で教会に遊びに来て、天井が崩れて」
「なんで、ねぇ聞こえてるの?」
「もうこんな時間だ。早く帰らないと」
まるで私が見えていないかのようにそそくさと帰ってしまった

あのあと私も家へと帰ったが誰も、家族ですら私に気づかないようになっていた。今では当然の報いだと思う。友を勝手に引っ張って連れていきあげくの果てには大怪我を負わせたのだから。
それからは村から離れて彼を見守りながら過ごしている。
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