#3 波乱のファンサービス　作：暁

現在の状況
柊一 LP8000 d31 手札0 場 シャドウ・ネクロマンサー 魔法・罠 地獄人形ファンサービス
ローブ LP6800 d30 手札3 場 クリスタル・エイリアン

「こいつ………実体化してる！？」
柊一が驚くのも無理はない。デュエルディスクに搭載されているソリッドビジョンシステムはモンスターカードの絵柄を読み取り前方に光で象られたモンスターを照射するだけであり、実体はなく、気配もない。
しかし、現在相対している「クリスタル・エイリアン」からは体温を感じる。気配を感じる。鼓動を感じる。生命を感じる。カードの絵柄が、生物として目の前に立ち塞がっている。

「これが我々「ダークシグナー」の技術力。生物の魂をカードの中に閉じ込め、モンスターとして生命を転生させるのだ。」
「生物の魂をカードに……？何言ってるんだよ……？そんなのまるで………」
ローブの女から語られたのはあまりに荒唐無稽な話。アニメやゲームならよくある展開だろうが、これは現実だ。普通の人間に信じられる話ではない。
「信じられぬならその身で感じろ！魔法発動「鬼神の連撃」、「クリスタル・エイリアン」のORUを1つ取り除いてこのターン2回攻撃できる。バトルフェイズ！「クリスタル・エイリアン」で「シャドウ・ネクロマンサーを攻撃！攻撃宣言時、速攻魔法「突進」発動。「クリスタル・エイリアン」の攻撃力を700アップさせる。」

No.26 ギミック・パペット-シャドウ・ネクロマンサーDFE2500 VS 先史遺産クリスタル・エイリアンATK2800

「そして「クリスタル・エイリアン」でダイレクトアタック！」
「うあっ……！？」LP8000→5200
クリスタル・エイリアンの攻撃を受け柊一の体は5m程横に吹き飛ばされる。まるで金属バットで肋骨を直接叩かれたような衝撃だった。
「モンスターの……攻撃で、本当にダメージを……受けるとは、………くあっ、肋骨逝ったかな………」
「ふふ…辛いならサレンダーしてもいいんだぞ？ターンエンドだ。」

ローブ LP6800 d30 手札1 場 クリスタル・エイリアン

「くっ…僕のターン、ドロー………。」
柊一はカードを引くが、既にデュエルどうこう言っている場合ではなかった。体中激痛に襲われ、全身倦怠感に包まれている。だが、カードの実体化という自分が今まで追い求めて来た事象が目の前にあるのだ。こんなところで休んじゃいられない。

「墓地の「ネクロ・ドール」の効果発動。「シザーアーム」を除外し特殊召喚、そして墓地の「シャドウ・ネクロマンサー」を除外し効果。墓地から「ネクロ・ドール」を特殊召喚し、2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚、再び顕れよ、「No.40 ギミック・パペット-ヘブンズ・ストリングス」！効果発動！フィールド上のモンスター全てにストリングカウンターを乗せる。そして、「RUMアージェント・カオス・フォース」を発動、「ヘブンズ・ストリングス」のオーバーレイネットワークを再構築！

【神に選ばれし殺戮の人形よ、混沌の力をその身に宿し、仇なす者を同胞とせよ！】

ランクアップ、カオスエクシーズチェンジ！「CNO.40 ギミック・パペット-デビルズ・ストリングス」！特殊召喚成功時、効果によりストリングカウンターの乗ったモンスターを全て破壊する。「クリスタル・エイリアン」を破壊し、その攻撃力分のダメージを与える！」
「ぐあああっ！？」LP6800→4700
「こっ………こいつ、実体化してる！？」
「バトルフェイズ！「デビルズ・ストリングス」でダイレクトアタック！『デビルズ・ブレード』！」ATK3300
「ぎゃあああ………」LP4700→1400
ローブはデビルズ・ストリングスの一撃で吹き飛び、電柱に叩きつけられ動かなくなった。ディスクが続行不可能と判断し、デュエルフィールドが消滅していく。

「勝った………か…」
安心すると、柊一も気を失ってしまった。

次回へ続く。