プロローグ 影の皇帝　作：ヒラーズ

僕の名は影道蛍、元はテロリストであり、能力者さ。
歳は16歳だけど・・・。
え？僕がどこにいるかって？知ってるかと思うけど、罪人の居場所は刑務所なんだけど…わかるよね？一応僕は逮捕されて牢屋に入れられているんだ。
まぁ…十分悪い事をしたし、ザックリいうと悔いが無いということだね。もとより脱獄する気もないし。
心残り？あるとすれば…







次に起こる出来事に巻き込まれた…というよりとばっちりだね。





とある刑務所の地下1階の牢屋にて－
「あーあ、いつになったら極刑になるのかなぁ…土の香りしかしない牢屋は飽きてきたなぁ…」
僕はベットで横になっていた。逮捕されて6年も経ったけど、これほど退屈な牢獄生活なんて生まれて初めてだよ。
ｶﾂ…ｶﾂ…

ん？誰かきたな…看守さんかな？
「そんなに退屈なら聖書くらい読んでたらどうだ？影の皇帝（ファントム・エンペラー）」
影の皇帝、僕がテロを起こしたときにつけられた二つ名。
僕の能力は影を操る能力と鏡の中を自由自在に移動できる能力の二つの力を持つ、
いわばサイコデュエリストより悪い人、能力犯罪者（サイコパス）だね。
だから僕の牢屋の中には鏡が無い。
「聖書なんて読んでたら目が腐るよ、そんなんなら寝てた方がマシだよ」
そう言って僕は寝返りする。
「反省する気も無ければ、脱獄する気も無いのかい。そんなお前に良い話がある」
「…どんな話？」
僕は起き上がり、牢屋越しから看守を見る。
「今日、お前の身柄は別の刑務所に移される事になった、場所は兵庫県の…どこだっけな…とにかくそこだな」
ふーん、移籍ねぇ…しかも兵庫に。
政治家の連中は僕の処理には困っているのは分かってたけど。ついに場所を移したか。
「思い出残しにお前をデュエルフィールドに連れてこいという命令だ」
思い出残し…退屈だったことしか残ってないんだけど…。
「で？僕のデッキは？」
「後で渡す、牢から出ろ」
退屈以外何一つ良い思い出がない、けど命令なら仕方ない。
僕は溜息を吐きつつも牢を出て、デュエルフィールドに向かう。











しばらくして僕は刑務所のデュエルフィールドに着く。
僕が着く前に何や警察の偉い人っぽい人が僕を待っていた。
「来たか、囚人番号429番。影道蛍！」
「また君かい？懲りないねぇ…」
ﾄﾞｶｯ！
そう言ったとたん、看守が警棒で僕を殴る。
「…っ痛いなぁ、ぶつ事はないじゃないか」
「…くれぐれも総監に無礼が無いように」
言うの遅いよ。馬鹿か君は。
「最後の思い出は私の前に敗北する思い出にする」
「あーはいはい、恐ろしい事を言いますねぇ」
両者ディスクを構え、カードを5枚手札に加える。
そして…


「「デュエル」」

決闘が始まった。

総監　LP4000
手札5

影道　LP4000
手札5


「先攻はもらうぞ！ドロー！」
総監
手札5→6

「手札からバリア・リゾネーターを捨てて、THE・トリッキーを特殊召喚、さらにダーク・リゾネーターを召喚」
THE・トリッキー　ATK2000　☆5
ダーク・リゾネーター　ATK1000　☆3

この流れ、シンクロかな？
「レベル5のTHE・トリッキーとレベル3のダーク・リゾネーターをチューニング！現れよ！閃光竜スターダスト！」
閃光竜スターダスト　ATK2500　☆8

「僕のターン」
影道
手札5→6

ふむ、ではこうしよう。
「手札から『ブラック・コア』を発動、手札を1枚捨てて、フィールド上のモンスター1体を除外するよ」
「どことなくひどい手札だな」
褒め言葉として貰っとくよ。
「カードを3枚伏せて、手札からインフェルニティ・リローダーを召喚」
僕が手札から召喚したのは体がリボルバーの形をした悪魔だった。







次回に続く