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第1話 異世界転移 作:ヒラーズ
しばらくして僕はベットの上で目を覚ます。
「…ここ…は?」
辺りを見渡すと木材の家具が多く並べられている部屋にいた。
普通は病院のベットの上で目覚め、医者に何があったとか言われるが、どうやら僕はどこかの農民に助けられたようだ。
「…(えーと…落ち着こう。まず、僕は囚人で、兵庫県の刑務所に身柄を移される予定であった…そして飛行機が嵐に巻き込まれて僕は海に真っ逆さまに落っこちて…)」
あれ?それじゃあ僕、死んじゃったかな?けど、自分の脈拍はある…ん?
僕は自分の腕を見て少し驚く、自分の能力を封じていた手錠が無くなっているのだった。落ちた衝撃で取れたのだろうか?
「…これから先、僕はどうすればいいんだろう…」
牢屋以外の生活は久しぶり過ぎて役に立たなそうだが…。
悩んだ、ここから先、どうなってしまうのかもあるが、僕を助けたこの人は僕が犯罪者だと言うことを分かっているんだろうか…?
そう悩んでいると目の前の木製の扉から、いや…正しく言うなら扉越しから声が聞こえる。
〈あの子は起きたか?〉
〈…分からない…見てくる?〉
〈ああ、見てきてくれ。そろそろ起きている頃だろう〉
二人の男女の会話が聞こえる、僕を起こしに来るのか。
まぁ当たり前か…。
僕は人が来るまで何もせずにベットの上に座る。
「…」
コツコツと足音が近づいてくる。
相手は話が通じる人なら良いが…。
「…」
ギィ…
木製の扉が開き、誰かが入る。
そして入ってきた人物が現れる。
銀髪ロング、紫色の眼、何やら特殊な服を着た僕と同年齢っぽい少女。助けてくれたのは彼女だろうか?
「…起きてたんだね…体、大丈夫?」
「あ…ああ、大丈夫だよ」
少女は僕が目覚めた事を確認すると、僕の隣に座る。
「…」
え?もう無言なの?ちょっと気まずかったかな…。
「えーと…いきなり聞いて悪いけど…。ここ…どこなんですか?」
「…私の家」
ああ…民家ねぇ…って違うわ!
「…あなたはこの村の近くの海辺で気を失っていた…と言えば分かる?」
なるほど、要するに僕は無事だったという事だ。
「…あなた…名前は?」
「え…?影道 蛍、君は?」
「…ゲーテ、ゲーテ=ティアーズ」
ゲーテ?死神の名前か?
「ゲーテ…ねぇ…」
「あなた…どこから来たの?」
「…(この子に僕の言っていることがわかるだろうか…)」
僕はこれまでの事を話した。自分が罪人であることも全部。
「…つまり、あなたは能力者なのね」
「うん、正しく言うなら能力犯罪者なんだけどね」
「…」
また無言、どこから話せば良いんだ?
「…僕を助けてくれたのは、君かい?」
ゲーテは首を縦に振る。
「そっか…助けてくれてありがとう」
「…ねぇ」
「ん?」
小さい声で話しかけ、ゲーテは僕にカードの束を渡す。
「これ…あなたのでしょ?」
僕はカードの束を受け取り、その内の1枚を見る。
「…っ!インフェルニティデッキ!?」
そのカードは僕が使っていたデッキのカードだった。
「…拾ってくれてありがとう」
「ううん…大した事は無いよ…その代わりなんだけど」
「?」
何だ?頼み事?
「私とデュエルしてくれない…?」
「?何でだい?」
「知りたいんでしょ…?ここがどこなのかを…」
「!」
僕の心理を見抜いたのか?言ってもいないのに。
まぁ別に良いけど、デュエルディスクが無いのだが…。
ゲーテは立ち上がり、木製のタンスからデュエルディスクを取り出す。
「あなたのでしょ?全部拾った」
おおう…こりゃどうも。
僕は流されるままディスクを受け取り、腕につける。
「私は…これを」
カシャン!
なんだ?機械の音じゃ無いぞ?
機械のような翼…ただ片方だけなのが気になるな。
「魔導機ディスク…起動…、デュエルスタンバイ」
この時点で僕は理解した。
どうやら僕は……異世界へ転移してしまったようだ。
僕の知っているデュエルディスクは魔法といった物では動かない。
だがここで引き下がる訳にはいかない。多くの知恵を得るには勝つしかない。
「…」
僕はディスクを構え、デッキをセットする。
「「デュエル!!」」
次回に続く
「…ここ…は?」
辺りを見渡すと木材の家具が多く並べられている部屋にいた。
普通は病院のベットの上で目覚め、医者に何があったとか言われるが、どうやら僕はどこかの農民に助けられたようだ。
「…(えーと…落ち着こう。まず、僕は囚人で、兵庫県の刑務所に身柄を移される予定であった…そして飛行機が嵐に巻き込まれて僕は海に真っ逆さまに落っこちて…)」
あれ?それじゃあ僕、死んじゃったかな?けど、自分の脈拍はある…ん?
僕は自分の腕を見て少し驚く、自分の能力を封じていた手錠が無くなっているのだった。落ちた衝撃で取れたのだろうか?
「…これから先、僕はどうすればいいんだろう…」
牢屋以外の生活は久しぶり過ぎて役に立たなそうだが…。
悩んだ、ここから先、どうなってしまうのかもあるが、僕を助けたこの人は僕が犯罪者だと言うことを分かっているんだろうか…?
そう悩んでいると目の前の木製の扉から、いや…正しく言うなら扉越しから声が聞こえる。
〈あの子は起きたか?〉
〈…分からない…見てくる?〉
〈ああ、見てきてくれ。そろそろ起きている頃だろう〉
二人の男女の会話が聞こえる、僕を起こしに来るのか。
まぁ当たり前か…。
僕は人が来るまで何もせずにベットの上に座る。
「…」
コツコツと足音が近づいてくる。
相手は話が通じる人なら良いが…。
「…」
ギィ…
木製の扉が開き、誰かが入る。
そして入ってきた人物が現れる。
銀髪ロング、紫色の眼、何やら特殊な服を着た僕と同年齢っぽい少女。助けてくれたのは彼女だろうか?
「…起きてたんだね…体、大丈夫?」
「あ…ああ、大丈夫だよ」
少女は僕が目覚めた事を確認すると、僕の隣に座る。
「…」
え?もう無言なの?ちょっと気まずかったかな…。
「えーと…いきなり聞いて悪いけど…。ここ…どこなんですか?」
「…私の家」
ああ…民家ねぇ…って違うわ!
「…あなたはこの村の近くの海辺で気を失っていた…と言えば分かる?」
なるほど、要するに僕は無事だったという事だ。
「…あなた…名前は?」
「え…?影道 蛍、君は?」
「…ゲーテ、ゲーテ=ティアーズ」
ゲーテ?死神の名前か?
「ゲーテ…ねぇ…」
「あなた…どこから来たの?」
「…(この子に僕の言っていることがわかるだろうか…)」
僕はこれまでの事を話した。自分が罪人であることも全部。
「…つまり、あなたは能力者なのね」
「うん、正しく言うなら能力犯罪者なんだけどね」
「…」
また無言、どこから話せば良いんだ?
「…僕を助けてくれたのは、君かい?」
ゲーテは首を縦に振る。
「そっか…助けてくれてありがとう」
「…ねぇ」
「ん?」
小さい声で話しかけ、ゲーテは僕にカードの束を渡す。
「これ…あなたのでしょ?」
僕はカードの束を受け取り、その内の1枚を見る。
「…っ!インフェルニティデッキ!?」
そのカードは僕が使っていたデッキのカードだった。
「…拾ってくれてありがとう」
「ううん…大した事は無いよ…その代わりなんだけど」
「?」
何だ?頼み事?
「私とデュエルしてくれない…?」
「?何でだい?」
「知りたいんでしょ…?ここがどこなのかを…」
「!」
僕の心理を見抜いたのか?言ってもいないのに。
まぁ別に良いけど、デュエルディスクが無いのだが…。
ゲーテは立ち上がり、木製のタンスからデュエルディスクを取り出す。
「あなたのでしょ?全部拾った」
おおう…こりゃどうも。
僕は流されるままディスクを受け取り、腕につける。
「私は…これを」
カシャン!
なんだ?機械の音じゃ無いぞ?
機械のような翼…ただ片方だけなのが気になるな。
「魔導機ディスク…起動…、デュエルスタンバイ」
この時点で僕は理解した。
どうやら僕は……異世界へ転移してしまったようだ。
僕の知っているデュエルディスクは魔法といった物では動かない。
だがここで引き下がる訳にはいかない。多くの知恵を得るには勝つしかない。
「…」
僕はディスクを構え、デッキをセットする。
「「デュエル!!」」
次回に続く
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