第十三話：eye scream　作：粉玉采

麗美「先攻は私ね…手札から『アイ・スクリーム ヴァニラ』を召喚！」

アイ・スクリーム ヴァニラ
ATK1500

『SGYAAA！！』

大きな一つ目にコウモリの羽が生えたモンスター。そのモンスターはたった一つだけの目玉をしきりにぎょろん、ぎょろんと動かしている。

麗美「ヴァニラの効果！1ターンに一度、私のデッキの一番上のカードをめくり、そのカードが『アイ・スクリーム』モンスターだった場合、そのカードを特殊召喚し、モンスター以外は墓地へ送る！」

真矢「ここでモンスターを引かれたらいきなり展開され…」

真矢はそこまで言いかけてハッとした。

真矢(いや違う！『アイ・スクリーム』なんてテーマは初めて見たけど、麗美さんはモンスターを引いて展開すること『だけ』を狙ってるんじゃない！)

麗美「めくったカードはフィールド魔法『アイ・スクリーム・ファクトリー』、よって墓地へ送られる…そしてこの時！ファクトリーのもう一つの効果発動！このカードが効果で墓地へ送られた時、手札から『アイ・スクリーム』モンスターを可能な限り特殊召喚できる！」

真矢「や…やっぱり！藤原先生の授業で習った…！『こういうリスクを伴う効果はリスクすら利用しろ』…こんなところで見ることになるなんて…」

麗美「来なさい！『アイ・スクリーム チョコ』！『アイ・スクリーム ヴェリィ』！『アイ・スクリーム ミント』！」

アイ・スクリーム チョコ
ATK1500

アイ・スクリーム ヴェリィ
ATK1500

アイ・スクリーム ミント
ATK1500

茶色、赤色、水色、そして白色のモンスターが場に揃った。

麗美「私はフィールドのレベル4『アイ・スクリーム』モンスターでオーバーレイ！4体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築！エクシーズ召喚！」

麗美「叫ぶ瞳は何故叫ぶ？恐怖？悲哀？憤怒？それとも殺意？ランク4！『キング・アイ・スクリーム』！」

四つの目玉が合わさり不気味さが増した悪魔。この姿を見て笑うものはまずいないだろう。
絶望しきって笑うしか無くなったのなら話は別だが。

キング・アイ・スクリーム
ATK2000

麗美「エクシーズ素材となったヴェリィの効果！自分の墓地の『アイ・スクリーム』魔法カードを手札に加える！」

麗美「チョコの効果！このカードが『アイ・スクリーム』エクシーズモンスターの素材となった時、そのエクシーズモンスターの攻撃力を500アップさせる！」

キング・アイ・スクリーム
ATK2000→2500

麗美「ミントの効果！このカードを素材とした『アイ・スクリーム』エクシーズモンスターは、『このカードが場に表側表示で存在する限り、相手は特殊召喚を1ターンに一度しか行えない』という効果を得る！」

真矢「！？」

麗美「まだ行くわよ！フィールド魔法『アイ・スクリーム・ファクトリー』発動！こ自分フィールドの『アイ・スクリーム』モンスターの攻撃力を500アップさせる！」

キング・アイ・スクリーム
ATK2500→3000

麗美「私はこれでターンエンド！」

真矢「わっ、私のターン！(攻撃力3000で相手の特殊召喚を制限するモンスタ〜！？インチキ効果も大概にしてよ！)手札から『柳川衆 コレサダ』を召喚！このカードが召喚に成功した時、このカードを守備表示にして、手札からレベル4『柳川衆』モンスターを特殊召喚します！『柳川衆 コレツグ』！」

柳川衆 コレサダ
DEF1500

柳川衆 コレツグ
DEF1500

刀を構えて臨戦態勢になる二人の武士。真矢にとって頼もしい効果を持った家来達だ。

真矢「柳川衆の共通ロック効果は、簡単には破れませんよ！私はカードを二枚伏せ、ターンエンド！」

麗美「絶対に破って見せるわ…！私はまだ、死ぬ訳にはいかない……！！」

真矢(……？『死ぬ訳にはいかない』……？)

麗美「ドロー！さあ、見せてあげるわ！『キング・アイ・スクリーム』の真の効果をね！エクシーズ素材を一つ取り除き！その後残ったエクシーズ素材の数だけ相手フィールドのカードを破壊する！ヴェリィを取り除いた後の素材の数は3！よってその2体のモンスターと一枚の伏せカードを破壊する！アイズ・オブ・ディスペア！」

真矢「それにチェーンして！罠カード『柳川衆の家紋』発動！自分のデッキから、『柳川衆』モンスターを手札に加えます！さらに！このカードにチェーンして、もう一枚の『柳川衆の家紋』発動！」

麗美「…チェーンの処理をすると、まずあなたは2体の『柳川衆』モンスターを手札に加える。」

真矢「『柳川衆の姫 ギンチヨ』と、『柳川衆の総大将 ムネシゲ』を手札に加えます！」

麗美「その後、あなたのモンスター2体を破壊する」

いくつもの眼球が二人の柳川衆めがけてビームを発射する。二人は最後まで一歩も引かずに破壊された。

真矢「くっ！ごめんね、コレツグ、コレサダ…」

麗美「これであなたのフィールドはガラ空き！『キング・アイ・スクリーム』でダイレクトアタック！」

真矢 LP4000→1000

麗美「私はこれでターンエンド、次で仕留める…！」

真矢(この鬼気迫る感じ…なんとなくだけど、洗脳カードで操られてる感じには見えない！じゃあ一体、私を狙う理由は！？)

真矢「考えてもしょうがない！せっかく逆転のためのカードを揃えたんだから！私のターン！ドロー！手札の『柳川衆の姫 ギンチヨ』は、自分の墓地に2体以上の『柳川衆』モンスターが存在する場合、リリース無しで通常召喚できます！」

柳川衆の姫 ギンチヨ
ATK2500

「ハッ！」という凛とした声とともに現れたのは雷を宿した刀を携えた姫君。

真矢「ギンチヨの効果！このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、手札から『柳川衆の総大将 ムネシゲ』を特殊召喚します！いやしくも義に背いて生きんよりは、寧ろ死するに如かず！柳川衆の真髄、これに見よ！『柳川衆の総大将 ムネシゲ』！」

柳川衆の総大将 ムネシゲ
ATK3200

麗美「あの状況から一気に上級モンスターを並べてくるなんて…！」

真矢「あなたのモンスターの効果、利用させてもらいました！バトル！まずは『柳川衆の総大将 ムネシゲ』で、『キング・アイ・スクリーム』を攻撃！柳川剣閃！」

麗美LP4000→3800

真矢「続けて！『柳川衆の姫 ギンチヨ』でダイレクトアタック！柳川紫電閃！」

麗美LP3800→1300

真矢「私はこれでターンエンドです！」


麗美「………なるほど、相当な実力者みたいね。『あのお方』と友達なだけはあるわ…」

麗美が発した意味深な一言を真矢は聞き逃さなかった。

真矢「『あのお方』…？一体何のことを言ってるんですか！？」

麗美「最後までとぼけちゃって…まあいいわ、あのカードはできるだけ使いたくなかったんだけど…負けて殺されるのは勘弁ね」

真矢「負けて殺される…？さっきから一体、何を？」

麗美「おしゃべりはここまでよ！私のターン！ドロー！手札から『アイ・スクリーム グレイプ』を召喚！」

アイ・スクリーム グレイプ
ATK1500

麗美「グレイプの効果！1ターンに一度、このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、墓地からレベル4の『アイ・スクリーム』モンスターを特殊召喚できる！再び現れろ！『アイ・スクリーム ミント』！」

真矢「これでレベル4のモンスターが2体…！」

麗美「2体のレベル4モンスターで、オーバーレイ！2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築！」

黒い渦の中から現れたのは。





漆黒の塔のような物体だった。

その塔は見る見るうちに変形し、黒き戦士の姿になった。





麗美「闇に輝く銀河よ！光の剣となりて、絶望を切り裂け！エクシーズ召喚！」






麗美「黒き翼よ、私を導け！」









麗美「『銀河皇ホープ』！！」


銀河皇ホープ
ATK2500