エンドジェノサイド　sideキッヴェール　作：クロノスギア2

ユートピアゲート

とある名もなき山の上に灰色のスーツを身にまとった男が岩の上に座っている。

何の変哲もない一般男性。彼は何をするでもなく岩の上からユートピアゲート全体を見ていた。

しかしその周り一帯が異常だった。

あたり一帯にばらまかれたカードたち。それらはどれもまともな形をしていない。

破かれたもの、切り裂かれたもの、中心に穴をあけられたもの

そのすべてが悪意によって壊されている。

「今日も平和が一番・・・また皆さんを救ってしまった・・・」

そういいつつ落ちているカードを踏みつける。

「ふふふ・・・」

その男に近づくバイク音。その音は高速で近づき、そしてその男に突撃する。
男は軽く身をひるがえしバイクの突撃をかわす。

「おや・・・？僕に・・・何か御用ですか？」
「こんな惨状作っといてよくそんな平気な顔できんな。キッヴェール・セファー」
「あなたは・・・確かこの世界の創造主・・・」
「管理者だ。一応名乗っとくか？黒野スバルだ。お初にお目にかかるなあ？」
「で？その管理者様が一体僕になにようですかな？」
「何用？この惨状見りゃわかんだろうが！！このカード達は生きてたモンスターたちだ！それをてめえは！」
「それが何か？僕はこのモンスターたちに救いを与えただけですよ？」
「てめえはデュエルでぶっ飛ばすのも気が収まらねえ・・・アイギス！」
『リアライズモードオン。ですがスバル。イデアの状態からリアライズできる時間は・・・』
「構わん！来い！『時空眼の歯車龍』！」
「では・・・『インフェルノイド・ティエラ』」

現れるは二体の巨大なモンスター。方や機械仕掛けの巨龍。方や炎まとい龍型の悪魔。その二体が同時に咆哮を上げ激突する。

「「－ － － － － － － － － － － － － － ！！！」」

二体のモンスターが激突しあたり一帯に衝撃が起こり、近くにいたモンスターが吹き飛ばされる。

「短期決戦だ・・・お前を時空の彼方に消し去る！」

時空眼の歯車龍の翼に搭載された歯車型のユニットが高速回転をはじめティエラの周りの空間を歪める。

「これわ・・・」
「消えろ・・・タイム・・・」

ジュワン！！

その一瞬でティエラは消え去りキッヴェールもその姿をくらませる。

「くっ・・・逃げられた・・・」
『スバル。あまり無茶をしないでください・・・あなたの体がもちません』
「は・・・AIのお前に心配されるとはな・・・」
『AIが相棒の心配をしてはいけませんか？』
「ありがとよ・・・」

・・・。

？？？

その姿を眩ませたキッヴェールはどこともわからない空間に来ていた。

「ここは？」
「ここは存在を許されていない7つ目のゲート・・・ネザーゲート」
「・・・あなたは・・・いえ、あなた方は？」
「あなたのご同輩ですよ。手段や目的は違っても最終的な目的は一つ。世界の崩壊」
「ほう・・・？」
「あなたは我々6人の7人目の仲間になるのですキッヴェール・セファー」

６つの影の後ろには7つの巨大なモンスターの影。

「これらはわれらの悲願成就のためのに必要な力。あの管理者を消し去りこのつぎはぎだらけの世界とリアルゲートを崩壊へと導く悪神」

【囚末神】

「ははは・・・それは・・・面白そうですね・・・」
「君には・・・このカードを託そう」

渡されたカードは絵柄もテキストも何も書かれていないカードと儀式魔法『崇炎の礼拝』

「まだ目覚めはしていません。しかし時が廻ればそう遠くない未来に・・・」

この偽りの世界に終末を・・・