オモイビトDASH side 神海美香　作：クロノスギア2

エンターゲート。祭りで賑やかこの世界に一際目立つ流星が１つ。

ズドオオン！

「ここですね！愛しの電光様がいる世界は！」

赤と青の混じったセーラー服を見にまとった少女は神海美香。電光を追いかけてこの世界に無理やり入ってきた逸般人である。

「電光様の匂いを追いかけて幾星霜！ここですね！この世界から強く感じますね！」

まさに風のように走り出す美香。その走りは止まらない。

「待っていてくださいね！電光様〜！今貴方の美香が参ります〜！」

…。

風になってから数分、美香は地に伏していた。グオオンと怪物のうなり声のような音、そのあとは美香から発せられていた。

「お、お腹…すきました…」

ソウルレムに来るためにかなりの無茶をしたため体力の消耗が激しかったためだろう。

「あ…電光様…どうせなら…電光様に…愛を囁かれて…告白されてそのままランデブーと洒落込み蜜月の時を過ごし愛の結晶を野球チームが組めるほど授かり、お前しか見れない、そんな貴方！私も貴方しか見れない呪いにかかってしまったの！なら俺が解いてやるさ…この口付けでな、そんな！子供達が見てる！他のことに目が行くなんて悪い子だな…お仕置きが必要だああん！ラブラブスクリーム！みたいな…うへへへ…」

そんな独り言を呟きながら途切れる意識の端に兵士の格好をした男達が見えた。

…。

「はっ！電光様との愛の逃避行密着（物理）２４時は⁈」
「お前急に何言い出すんだ⁈」

美香が、目を覚ますとそこは牢獄だった。他の檻には年端もいかない子供達が捉えられており檻の外には高価な服を見にまとった男が気持ちの悪い笑みを浮かべていた。自分の腕には粗末な手枷が付いていた。

「ぐふふ…なかなかの上玉だぁ…おいお前！名を名乗れ！」
「…」
「おい貴様！名を名乗れと命令しているのだぞ！」

キョロキョロを辺りを見渡し男の方を向く美香

「あ、貴方が話していたのですか。どこかでドブネズミが泣いているのかと」
「き！貴様あ！」
「話しかけるなクズが。電光様に捧げる体が汚れでもしたらどうする」

男は怒りの表情を浮かべ近くにあった鞭で美香を叩こうとするが。

「ふん！」
「ぐふぇ⁈」

足で鞭を絡めとり、凄まじいスピードで足を振り抜くと牢が切り裂かれた。

「ひいい⁈」
「では、帰らせてもらう」

美香が一歩牢から出ると他の牢の子供達が苦しみだした。

「なっ⁈これは⁈」
「ひひひ！お前が私の言うことを聞かないと他のガキどもが罰を受ける！お前はそれでいいのかぁ？」
「ゲスが…」

ギロリ…

「ひひ！決めたぞ！お前はコロシアムの見世物にしてからたっぷりと楽しんでやる！覚悟しておけよ！ぐふふ！」

視線だけで攻撃力3000ほどありそうな目力で男を睨みつける美香。男はビビリその場を去る。

「電光様、少しお暇をいただきますね。ゴミ掃除に少し時間を取らせてしまいそうです」

…。

コロシアム

剣闘士が命をかけたデュエルてを行い、それを見世物とする場所。その日はかなりの客入りで空いた席などは見当たらないほどだった。

「…」

美香は現在アリーナの入り口手前で出番を待っていた。

『では本日のメインイベント！チャレンジャー！入場！』

その言葉と同時に怒りを静かに露わにした美香が入場する。

『本日初登場！チャレンジャーーー！ミカーーー！』

『迎え撃つは現在999連勝目！キーーーング！ウルフーーー！』

う ぁ ぁ ！！

逆サイドから現れたのは筋骨隆々で生傷が絶えない多い男。

「…お嬢さん」

その見た目とは裏腹に紳士的な声で美香に話しかける。

「頼む、棄権してくれないか」
「は？」
「俺は…1000してやらなくちゃいけないことがある…頼む…俺はあんたを傷つけたくない」
「悪いですが私もやらないといけないことがありまして。引くに引けないのです」
「そうか…恨まないでくれよ…」

『現在999連勝のウルフ。この試合に勝てば領主ブッタル様にどんな願いも叶えてもらうことが出来ます！それではブッタル様！開始の合図を！』

美香の視線の先にはあの気持ちの悪い笑みを浮かべた昨日の男。

『ではデュエル開始！』

『デュエル！』

URUHU vs MIKA
4000 4000