MISSION10：本当の旅　作：ヒラーズ

さて、先ずはこの国の通貨だ、こんなにでかい国ならば通貨は違うはずだ。
「では街の探索としよう」
僅かに膨らむ冒険心、インドア派の私にとってはヤキが回ったも当然である。
私は宿を後に、街の中をぶらりと歩き始めた。
「…（どこかに質屋みたいな店があればいいのだが…）」
そう思い、あちこちの店や観光地みたいな場所を私は行く。
その時だった。




ふと、背後から話し声が聞こえたためなのか、私は後ろを向き、会話を聞く。男二人組の会話のようだ…。
「なぁ…知っていたか？」
「何がだ？」
「何って、この国の軍が今劣勢になってる事知らねぇのか！？」
「そんなんだったらこっちは避難命令が出されているはずだろ？」
ふむ…どうやらこの国の公国軍は今劣勢になっているらしい、実際の戦況が気になる。おちおち留まってはいられんが、この者らに聞いてみるか。
私は二人組に近づき、話しかける。
「すまない、お二人方」
二人組も気づき、私に近づく。
「ん？どうしたんだ？」
「いやはや、私はここに来るのは初めてでしてな、道に迷ってしまったんですよ」
「おいおい、この歳で迷子かよ」
「実のところ、寄りたい店が見つからなくてな…換金できる店とかどこかにありませんでしたか？」
私は正直に話した結果、二人組は案内してくれた。
その店で私は換金し、二人組にお礼を言った。まぁここまでは当たり前だ。
「すみませんな、何せ地図を買い忘れましてな、笑い者ですよ」
私は軽く「はははっ」と笑い、場を明るくする。













それから3時間後、私は宿に戻り、今後の計画を練る。
「ふむ…旅は道連れ世は情けだが、そう上手くはいかないか…」
私は今後バイクではなく、小型戦車のような乗り物、要するにどこぞの終末旅行のアレを作って地方を旅する事を考える。そして唯一の悩みがこれだ。
「…前世の力もないと色々となにとぞ不便だな」
正直のところ、前世の力がないとキツい。
そこで私は考えた。







前世の力を取り戻す薬を作る…と。
勿論、簡単にはいかない。多いに時間を必要とする。
何事も前世の力に頼ると言う情けない事だが、仕方がない。
私は速急にフラスコでその薬の作成に入る。
この薬の種類は魔法科学に入り、制作が完了するのに二日はかかる。
これを制作している間、私は魔法科学以外で対応しなければならない。
だが今は争いになるような事は起きていない。
取りあえず私はフラスコの力で完全治癒の薬を5つ完成させる。
そして明日になるのを待った。











そして翌日、私は宿を出て、旅をするため、この街の出入り口を目指して、半装軌車を乗り回す。
荷台の拡張を施し、高速で移動も可能、一応はミニガンや小型ロケット砲なども搭載している。装甲は戦車以上の丈夫さを誇る。
これなら多少地雷を踏んでもびくともせん。
出来れば戦わずに旅を進めれば良いのだが…。
「…」
キリキリとキャタピラが動く音が街に響く…。
ネクロフォース達は何も話さない…。







正直、寂しい…。



次回、1人目の仲間は…