MISSION4：この世界のデュエル　作：ヒラーズ

「さて・・・客人、アリスが世話になった事は詫びよう」
世話に・・・なってるのか・・・？まぁいい。
「それで・・・用件を聞こう」
「では単刀直入に言おう。アリスドールに対する罰を撤回してほしい。私から見て、体の損傷は明らかに異常だ。最悪、病院行きになるぞ」
私の交渉にソロリティは笑う。
「なんだ、そう言うことか。ご安心を、数日すれば許す予定だ」
数日だと・・・？それでは彼女の体が保たんぞ！
それでは罰ではなくただの虐待だ！
「・・・もう1度言うが、彼女の体の損傷は異常だ。罰を撤回しなければ命がないぞ？」
「お前は面白い事を言うな。アタシ達はアンデットドール、死なん。それに非戦力が消えてもこちとら全くもって痛くないんでな」
私はその言葉に苛立ちを感じた。
人嫌いの私でも身内は大事にする方だ。なのに・・・コイツは！
「そうか・・・分かった。アリス」
「な・・・何？」
「もうコイツは貴様の姉ではない。ただのクズ女だ」
「！」
「「「！？」」」
一瞬だけ、辺りが静かになった。
あまりにもインパクトがあったのか？
それとも・・・。
「聞こえなかったな・・・今なんて言った？」
「そのままの意味だが？他にｎ」
ﾊﾟｰﾝ！

ライフルの銃声が洞窟の中に響く。
ソロリティの顔が思った以上に怖い顔になる。
恐らく怒ったな。
「今すぐその言葉を撤回しろ！死にたくないならな！！」
死ぬ？私がか？そんな世代の古い単発ライフルで、殺 せると思うな！
「ふん、ロクに身内も大事にできん奴に姉と名乗らせる資格はない」
「そうか・・・なら仕方ない。おい！ディスクを持ってこい！」
喧嘩になる直前、止めるような声が聞こえた。
「その人の言うとおりよ、姉さん」
暗闇の中から、眼鏡をかけた黒髪ショートの女の子がディスクを持って、姿を現す。
「こ・・・コート姉ちゃん」
「ソロリティ姉さん、今まで黙ってたけど、今日という今日は私も我慢できないわ。私も・・・縁を切らせて貰うわ」
何だ？いきなり仲間割れか？それにコート？私の世界の言葉では「参謀」という意味だ・・・。
「コート・・・っ！お前もか！」
「けど・・・チャンスは与えるわ。この人にデュエルで勝てば撤回してあげる。でも負ければ・・・あなたの主導権はこの人になる。良いわね？」
ならば私はこれを準備せねば・・・。
私はフラスコを取り出し、宣言する。
「フラスコよ魔法科学！対象は前世で《前世のデッキ》を宣言！出てこい私のデッキよ！」
科学神のフラスコは紅く輝き、1滴の水からカードの束ができあがる。
「これで公平だ」
「・・・後悔するぞ」
お互い、ディスクを構え、言う。


「「デュエル」」


ソロリティ　LP8000
手札5


ナノマ　LP8000
手札5



「先攻は貰うぞ！ドロー」
ソロリティ
手札5→6

「アタシに力を貸せ！手札からダーク・リゾネーターを召喚！」
ダーク・リゾネーター　ATK1300　☆3

「・・・良いモンスターを出せるではないか」
「カードを2枚伏せてターンエンド！」
「私のターン！」
ナノマ
手札5→6

ダクリゾか・・・厄介だな・・・。
「手札からＢＨＭ－ハンターγを召喚」
ＢＨＭ－ハンターγ　ATK1400　☆4

「蛙に似たモンスター？」
「バトル！ハンターγでダーク・リゾネーターを攻撃！」
「1回だけ破壊されないぞ・・・ん？何で破壊された？」
ダーク・リゾネーターがハンターγに飲み込まれ、一撃で墓地に行った。
「ハンターγの効果発動、このカードがアンデット族以外のモンスターと戦闘を行った時、ダメージ計算を行わずそのモンスターの効果を無効にし、破壊する」
「・・・」
今のところ、罠によるチェーンはなし・・・怪しいな。
「フィールド魔法『アークレイ研究所』を発動！①の効果を使わせて貰うぞ！1ターンに1度、デッキから「ＢＨＭ」1体を特殊召喚する！来い！ＢＨＭ－ファルファレロ！」
ＢＨＭ－ファルファレロ　ATK1700　☆5

「いきなり上級モンスター！？」




次回、鉄拳制裁