MISSION1：ありがちな転生　作：ヒラーズ

・・・暗いな・・・。
ここはどこだ？私は一体・・・。
ひとまず・・・明かりを・・・。
ｺﾞﾝｯ！
・・・っ！痛みだと？この私が・・・。
とっ、とにかく明かりを・・・ん？
気がつくと私は、洞窟の中にいた・・・運が良いのか、天井に穴が開いているな・・・。
「・・・っ！天使の翼がない・・・私の発明品も・・・」
待て、思い出せ・・・確か私はある軍事施設で防衛していたはず・・・後は流れ弾に当たって・・・あれ？私、死亡してないか？となるとこれは転生か？
「・・・どう見ても、16歳ぐらいの子供にしか見えんな・・・だが服装は転生前の服装だ。ちゃんとメガネもある」
何だ？何が起きたと言うんだ？
「本当に転生してしまったのか？」
転生だと？冗談ではないぞ！私は天に還りたかったのだぞ！
神は私を天に還す事ができんのか！？
「何故だぁ！何故私なんだ！！？」
私は地べたを転がった、だがそうしても物事は解決しない。
「・・・悩んでもしょうがない、まずはここを出ねば・・・」
その時だった。
「ん？あのフラスコは・・・《科学神のフラスコ》か？」
じっと見つめた先に、蒼色に輝くフラスコを見つける。
間違いない。私のフラスコだ。
科学神のフラスコについて－
ナノマのアーティファクト、蒼色に輝くフラスコで、科学、魔法科学でしか作れない物をこのフラスコで生み出せる。ただし、非科学的な物は生み出せない。
注意事は・・・確か適合者を選ぶだったな。今のところ私だけだが・・・。

私はフラスコを手に取り、服にしまい込む。
さて・・・どうしたものか、この洞窟には出口みたいな所はないか・・・。
私は出口を探すべく、洞窟内を歩いた。






コツコツと私の足音だけが洞窟内に響く。暗くなる前に私はフラスコの力を使い、懐中電灯を生みだし、暗い中進んで行く・・・。
「・・・こうも誰もいないのは寂しいな・・・」
こんな洞窟内だ、暗く寂しいのは当然だ。
「・・・」
私は沈黙を守りつつ洞窟内を進む。どこに出口があるかを縦横無尽に探す。







それからどれくらい経ったのだろうか・・・長い時間、私は彷徨い、休もうとした時だった。
「？・・・出口か・・・？」
私の横に光が差し込む、この光は・・・日の光だ。
「・・・はは・・・ようやく出れたか？」
私は光が出ている方に歩く、そして先を見た時、こんな言葉が漏れた・・・。
「・・・信じられんな・・・私は別世界に来てしまったのか・・・？」



そこには壮大な大地が広がっていた－

草原に森、海から町まで－

まるでファンタジーゲームの主人公のような感覚に襲われる－


「は・・・、はは・・・これが夢ならリアリティーがありすぎるな」
オープンワールド系のゲームはプレイした事はあるが・・・こんな事は普通はあり得ない・・・私はどうなってしまったのだ？
「・・・っ！夢ではない・・・？」
試しに頬をつねるが、夢でもなく、幻覚でもない。
「・・・」
私は今の状況を理解するのに精一杯だった。
何がどうしてこうなった？

戦死したのが原因なのか？

ましてやどこぞの神の悪戯なのか・・・。

興奮はできない、冷静に考える。興奮するのは王道の主人公ぐらいだ。
「うーむ・・・」
私は考えた、深く考えた。そして思いついた。
「まずは町へ行き、情報を集め、整理しよう」
私は町に向かって、足を進めた。



次回　目標

※タイトルが変わる可能性があります。